四半期報告書-第99期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/05 13:20
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
2021年4月1日付での大日本明治製糖㈱との経営統合について、前第1四半期連結累計期間において企業結合に係る暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に確定いたしました。この暫定的な会計処理の確定に伴い、取得原価の当初配分額の見直しがなされております。よって、経営成績に関する説明は、当該見直しが反映された後の、前第1四半期連結累計期間の連結財務諸表の数値を用いて比較しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第1四半期連結累計期間におきましては、国内の新型コロナウイルス感染状況が一時落ち着き、社会の正常化に向けた動きを見せた中、ウクライナ情勢の長期化などによるエネルギー資源・原材料価格の高騰、急激な円安進行を受け、企業活動や消費者心理に再び影を落とし始めており、依然として厳しい経営環境が続いております。このような状況下、当社グループは、2022年3月期から2026年3月期までを対象とする中期経営計画-2026 Diversify into Nutrition & Healthを策定し、スタートさせました。グループ全体の成長戦略として掲げる基本方針「グループビジネスモデルの変革」と「経営資源の再配分」のもと、グループ内事業の最適化を図ることで、①国内砂糖事業の強靭化、②海外事業の拡大、③ライフ・エナジー事業の成長、④グループの持つ研究開発力の集積・強化、⑤持続可能な社会実現への貢献を推進してまいります。
(砂糖事業)
海外粗糖相場につきましては、1ポンド当たり19セント半ばからスタートし、世界最大の輸出国であるブラジルの天候不順によるサトウキビ圧搾開始の遅れなどの供給不安を背景に、一時20セントを超える高値圏に達しました。その後、北半球産糖国の増産による在庫率上昇や、世界的なインフレ抑制に対する利上げ警戒感からの投機資金流出などを受け、18~20セント台のレンジ内で短期間での急伸・急落を見せながら、18セント半ばで当第1四半期末を迎えました。
国内市中相場につきましては、前連結会計年度末以降、引き続き204円~205円と据え置かれたままで推移し、当第1四半期末を迎えております。
国内の精製糖販売は、3年振りに行動制限のないゴールデンウィーク、過去最短となった梅雨やその後の猛暑の影響を受け、外食向けや土産物の需要が好調に推移いたしました。一方、精製糖生産面において、安定操業に努めたものの、海外粗糖相場の高止まりや円安、燃料価格・物流費の高騰による影響を大きく受け、コストアップとなりました。増加するこれらの各種コストを吸収するため、7月に当社の出荷価格を12円引き上げる予定となっております。
また、国内の原料糖販売は、沖縄産の販売量減少があったものの、販売単価の上昇が利益面で貢献いたしました。
海外では、シンガポールにおいて、新型コロナウイルス感染拡大による労働力不足や輸送コストの高騰などにより原価率が悪化いたしました。また、事業拡大のための拠点移転費用が発生したため、利益面でその影響を受けております。
以上の結果、砂糖事業は、売上高33,483百万円(前年同期比10.4%増)、営業利益360百万円(前年同期比52.4%減)となりました。
期中の砂糖市況
海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり)
始値 19.42セント 高値 20.51セント 安値 18.20セント 終値 18.50セント
国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋1kg当たり)
期を通じて204円~205円で推移
(ライフ・エナジー事業)
ライフ・エナジー事業につきましては、パラチノースは、清涼飲料向けで堅調に推移しましたが、パラチニットとともに円安の影響を受け、仕入価格が上昇いたしました。また、流動食製品のリニューアルに伴う生産調整の遅れなどもありましたが、さとうきび抽出物は、環境消臭用途の国内販売や飼料用途において、一部堅調さを見せ販管費も改善し、食品添加物である増粘安定剤の販売増も利益面で貢献いたしました。
なお、パラチノースを使用した自社製品として、口に運びやすいタブレットタイプの新製品「ZUNOUP(ズノアップ)」のWEB発売を開始いたしました。
以上の結果、ライフ・エナジー事業は、売上高5,105百万円(前年同期比24.0%減)、営業利益127百万円(前年同期比54.7%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、岡山工場跡地で実施していた建設工事が当第1四半期連結累計期間中に計画通り完了し、賃貸を開始いたしましたが、前連結会計年度における収益用不動産の売却に伴う賃貸料収入の減少等により減益となり、売上高605百万円(前年同期比10.8%減)、営業利益172百万円(前年同期比42.0%減)となりました。なお、岡山工場跡地の再開発は、本件をもって全て完了いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は39,194百万円(前年同期比3.9%増)、営業利益は659百万円(前年同期比41.9%減)となりました。
営業外損益においては、フィンゴリモド「FTY720」の開発権及び販売権の許諾に基づく受取ロイヤリティーを112百万円計上いたしました。なお、当社の共同特許権者である田辺三菱製薬㈱とNovartis Pharma AG(以下「ノバルティス社」という。)との間で仲裁手続きが進行中であることを受け、ノバルティス社が契約の有効性に関し疑義を提起している部分につきましては、引き続き収益としては認識しておりません。
持分法投資損益においては、中国の関連会社で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限により販売量が減少したことなどを受け、経常利益は945百万円(前年同期比35.8%減)となりました。また、前年同期に計上した経営統合による負ののれん発生益の反動もあり、親会社株主に帰属する四半期純利益は714百万円(前年同期比77.1%減)となりました。
なお、当社は、2022年4月4日付で、東京証券取引所市場第一部から新市場区分「プライム市場」に移行いたしました。今後もコーポレート・ガバナンスのさらなる充実を図るとともに、ステークホルダーからの信頼と期待に応えるべく、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
②財政状態
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比9,091百万円増加し198,588百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は次の通りであります。
ⅰ)流動資産
流動資産は、前連結会計年度末比8,792百万円増加し97,728百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加10,631百万円等があったことによるものであります。
ⅱ)固定資産
固定資産は、前連結会計年度末比298百万円増加し100,860百万円となりました。これは主として、リース投資資産の増加1,972百万円等があった一方で、建設仮勘定の減少1,419百万円等があったことによるものであります。
ⅲ)負債
負債は、前連結会計年度末比8,213百万円増加し87,783百万円となりました。これは主として、長期借入金の増加11,482百万円等があったことによるものであります。
ⅳ)純資産
純資産は、前連結会計年度末比877百万円増加し110,804百万円となりました。これは主として、為替換算調整勘定の増加845百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益714百万円等があった一方で、剰余金の配当972百万円等があったことによるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は219百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また、製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社では適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第1四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は39,548百万円となっております。