四半期報告書-第73期第3四半期(令和1年10月1日-令和1年12月31日)

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2020/02/12 9:02
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31項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績に関する説明
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中貿易摩擦の激化による企業の生産活動や輸出の減速、英国のEU離脱、中東地域を巡る情勢など、先行きは不透明な状況にあります。
飼料業界におきましては、主原料のとうもろこし価格が下落基調で推移したことや円高基調で推移した為替相場などを受けて、3四半期連続で配合飼料価格を値下げしました。原料ポジションは、第2四半期までは米国の天候不順によるとうもろこし価格の急騰などで悪化しましたが、第3四半期は比較的安定して推移したため好転しました。しかしながら、畜産家の寡占化に伴うメーカー間の価格競争は激化しており、厳しい状況は続いております。
このような状況のなか、当社はお客様の利益に貢献する差別化飼料の拡販やお客様とともに課題を見つけ出しこれを解決する提案営業の強化、生産性向上活動の継続などにより、業績の向上に努めてまいりました。また、慎重に試運転を重ねてきた釧路工場が11月に本格稼働し、成長市場である北海道のお客様に対するより強固な安定供給体制を構築しました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,384億91百万円(前年同四半期比2.6%減)、営業利益43億2百万円(前年同四半期比14.7%増)、経常利益46億42百万円(前年同四半期比15.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益35億61百万円(前年同四半期比26.5%増)となりました。
売上高は、主力の畜産飼料の平均販売価格が前年同四半期を下回ったことなどにより、2.6%の減収となりました。営業利益は、売上総利益率の上昇に加え、販売費及び一般管理費の減少などにより、14.7%の増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益を計上したことなどにより増益幅が拡大し、26.5%の増益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(飼料)
売上高は、前年同四半期比3.9%減の1,147億48百万円となりました。主な要因は、受託数量減少により畜産飼料の販売量が前年同四半期を下回ったことと平均販売価格が下落したことであります。セグメント利益は、畜産飼料、水産飼料ともに堅調で、前年同四半期比21.3%増の45億18百万円となりました。増益の主な要因は、畜産飼料においては販売費及び一般管理費が減少したことや差別化飼料による利益率が向上したこと、水産飼料においては生臭くなく美味しい魚をつくる飼料がけん引して販売量が増加したことによるものであります。
(コンシューマー・プロダクツ)
売上高は、畜産物や特殊卵の販売量が増加したことなどにより、前年同四半期比6.3%増の162億89百万円となりました。セグメント利益は、ペットフード事業において、物流コストの上昇及び価格競争の激化などにより利益率が低下したため、前年同四半期比59.8%減の77百万円となりました。
(その他)
売上高は、前年同四半期比1.3%減の74億52百万円、セグメント利益は、前年同四半期比4.2%増の5億24百万円となりました。畜産用機器事業において、旺盛であった需要が一服したことや同業他社との競争激化により販売台数が減少したため、減益となりました。しかしながら、保険代理事業をはじめとするその他の事業の利益が増加したことにより増益となりました。
② 財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ60億86百万円増加の873億3百万円となりました。主な増減は、受取手形及び売掛金の増加26億81百万円、有形固定資産の増加45億11百万円、無形固定資産の増加2億3百万円、現金及び預金の減少12億1百万円、原材料及び貯蔵品の減少6億20百万円であります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ33億17百万円増加の312億4百万円となりました。主な増減は、買掛金の増加23億28百万円、その他の流動負債の増加15億9百万円、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の減少2億30百万円、未払法人税等の減少3億21百万円であります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ27億68百万円増加の560億99百万円となりました。主な増減は、利益剰余金の増加27億73百万円であります。総資産の増加が純資産の増加を上回った結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.4ポイント低下の63.5%となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、2008年5月1日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について、決議いたしました。その内容は以下のとおりであります。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
しかしながら、当社の経営に当たっては、飼料業界及び畜産業界における幅広いノウハウと豊富な経験並びに顧客・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であります。株式の大規模買付提案の中には、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えています。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み
当社では、多くの投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以下の取組みを実施しております。これらの取組みは、本基本方針の実現に資するものと考えております。
(a)当社経営基本方針
当社は、1949年の設立以来「顧客の要求を見つけだしこれを満たす」という社訓を原点に企業としての社会的責任を全うし、飼料を通じて食生活に潤いと安全・安心をお届けし、価値の創造、需要の掘り起こしを図っております。
(b)当社経営基本方針を実現するための取組み
当社は、経営理念を具現化するため、下記に取組んでおります。
(ア)顧客の要望(安全・安心)を満たす工場展開を推進する。
(イ)自社工場の特性ある設備で特性ある製品の提供を行い顧客に貢献する。
(ウ)顧客の多彩な要望に応える商品開発のため、研究技術力の向上を図る。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、2008年6月27日開催の第61期定時株主総会にて、買収防衛策を導入し、2011年6月29日開催の第64期定時株主総会において、一部変更を加えた上で買収防衛策を継続しておりましたが、その有効期間が満了することに伴い、2014年6月27日開催の第67期定時株主総会及び2017年6月29日開催の第70期定時株主総会において株主の皆様の承認を受け、買収防衛策を継続いたしております。
(a)買収防衛策導入の目的
当社取締役会は、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、買付に応じるべきか否かを、株主の皆様に判断していただき、また当社取締役会が代替案を提案するために必要な時間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることで、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大規模買付行為を抑止できる体制を平時において整えておくことが不可欠との結論に至りました。
(b)大規模買付ルールの内容
大規模買付ルールとは、大規模買付者に対して、事前に当社取締役会に対し必要かつ十分な情報の提供を求め、大規模買付行為につき当社取締役会による一定の評価期間を確保した上で、株主の皆様に当社取締役会の事業計画や代替案等を提示したり、大規模買付者との交渉・協議等を行っていくための手続です。その概要は以下のとおりです。
(ア)対象となる大規模買付行為
特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為といたします。
(イ)意向表明書の事前提出
大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社代表取締役宛に、大規模買付ルールに従う旨の誓約及び意向表明書をご提出いただきます。
(ウ)情報の提供
取締役会は、上記(イ)の意向表明書を受領した日の翌日から起算して10営業日以内に、大規模買付者に対し、株主の皆様の判断及び取締役会としての意見形成のために取締役会に対して提供していただくべき必要かつ十分な情報のリストを交付します。
(エ)当社の意見の通知・開示
取締役会は、大規模買付行為の評価等の難易度に応じ、大規模買付者が取締役会に対し本必要情報の提供を完了した日の翌日から起算して60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式を対象とする大規模買付行為の場合)又は90日間(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として与えられるべきものと考えます。
取締役会評価期間中、取締役会は独立の外部専門家等の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、取締役会としての意見をとりまとめます。
また、必要に応じ大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、取締役会として株主の皆様に対し代替案を提示することもあります。
(オ)株主意思の確認
取締役会が上記(エ)において大規模買付行為に対する対抗措置を取ることが相当であると判断した場合は、実務上可能な限り速やかに当社株主総会を開催し株主意思確認総会の決議の結果に従い、対抗措置を発動するか否かを決するものとします。
(c)大規模買付行為が行われた場合の対応方針
(ア)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該大規模買付行為についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより株主の皆様を説得するにとどめ、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。
大規模買付行為に応じるか否かは、株主の皆様において、当該大規模買付行為及び当社が提示する大規模買付行為に対する意見、代替案等をご考慮の上、ご判断いただくことになります。
(イ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、取締役会は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として対抗措置を取ることがあります。当社が発動する対抗措置は、新株予約権の無償割当といたします。対抗措置を発動することの是非については取締役会は、株主の皆様のご意思を尊重する趣旨から株主意思確認総会を開催し、対抗措置を発動することの是非について株主の皆様にご判断いただくことができるものとします。
(d)株主・投資家に与える影響
(ア)大規模買付ルールが株主・投資家に与える影響
大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としています。これにより株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の保護につながるものと考えます。従いまして、大規模買付ルールの設定は、株主及び投資家の皆様が適切な投資判断を行う上での前提となるものであり、株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。
(イ)対抗措置発動時に株主及び投資家の皆様に与える影響
対抗措置の発動時には、大規模買付者等以外の株主の皆様が、法的権利又は経済的側面において格別の損失を被るような事態は想定しておりません。
(e)有効期間、継続、廃止及び変更
買収防衛策の有効期間は、2017年6月29日開催の第70期定時株主総会終了後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとし、継続(一部修正した上での継続を含む。)については別途2020年6月に開催予定の当社定時株主総会の承認を経ることとします。
但し、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において買収防衛策を変更又は廃止する旨の決議が行われた場合、又は当社取締役会において買収防衛策を廃止する旨の決議が行われた場合には、当該決議に従いその時点で変更又は廃止されるものとします。
④ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
買収防衛策は当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されたものであり、当社の基本方針に沿うものであります。特に、買収防衛策は、3年ごとに定時株主総会にて継続することについて株主の皆様のご意思をお諮りしていること、その内容として買収防衛策を発動する際には株主意思確認総会において是非を株主の皆様にご判断いただくこととする合理的な客観的要件が設定されていることにより、その公正性・客観性が担保されており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の取締役の地位の維持を目的とするものではありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5億59百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。