有価証券報告書-第72期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中貿易摩擦の長期化による中国経済の減速懸念や英国のEU離脱など経済への影響が懸念されております。
飼料業界におきまして、主原料のとうもろこし価格は初夏に急落した以外は上昇基調で推移し、円ドル為替相場は円安基調で推移しました。このような状況を反映して、飼料メーカー各社は、第3四半期以外の四半期において配合飼料価格を値上げしました。しかしながら、原材料価格の上昇分全てを販売価格に転嫁できなかったことから原料ポジションが悪化し、収益環境は悪化しました。また、畜産家の寡占化に伴うメーカー間の競争激化や夏場の自然災害による影響も相まって、厳しい事業環境は続いております。
このような状況のなか、当社は顧客の利益に貢献する差別化飼料の拡販や課題解決型提案営業の強化、日本ハムグループ、伊藤忠商事グループとの資本業務提携の推進、生産性向上活動の継続などにより、業績の向上に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,869億82百万円(前期比4.9%増)、営業利益50億21百万円(前期比13.5%減)、経常利益53億53百万円(前期比12.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益37億95百万円(前期比10.7%減)となりました。
売上高は、主力の飼料事業が前期を上回ったことなどにより、4.9%の増収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、売上総利益率の低下などにより、13.5%の減益となりました。営業減益を受けて親会社株主に帰属する当期純利益は、10.7%の減益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(飼料)
売上高は、飼料販売量、平均販売価格ともに前期を上回ったため、前期比5.2%増の1,565億59百万円となりました。セグメント利益は、原材料価格上昇により原料ポジションが悪化したものの、販売費及び一般管理費の減少や差別化飼料による利益率向上などにより、前期比0.9%増の51億60百万円となりました。
(コンシューマー・プロダクツ)
売上高は、畜産物及び特殊卵の販売量が増加したことなどにより、前期比4.6%増の200億49百万円となりました。セグメント利益は、ペットフードの販売量が減少したことや運賃等の費用が増加したことなどにより、前期比57.4%減の1億84百万円となりました。
(その他)
売上高は、前期比1.8%増の103億72百万円、セグメント利益は、前期比16.7%減の6億84百万円となりました。減益となった主な理由は、畜産用機器事業において、利益率の高い海外向けの販売台数が減少したため、また国内向けは原価の上昇により利益率が低下したためであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、46億3百万円となりました。当連結会計年度における資金の減少は8億81百万円でありました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は34億61百万円(前期比14億39百万円増加)となりました。主な資金獲得の要因は税金等調整前当期純利益54億77百万円、減価償却費21億70百万円であります。一方、主な資金使用の要因は法人税等の支払額21億38百万円、売上債権の増加9億23百万円、たな卸資産の増加5億9百万円、仕入債務の減少5億16百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は39億70百万円(前期比20億98百万円増加)となりました。これは主に固定資産の取得による支出42億36百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億68百万円(前期比8億20百万円減少)となりました。主な増加要因は借入金の増加が純額で3億92百万円、主な減少要因は配当金の支払額7億57百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 上記以外、その他において肥料の生産がありますが、僅少のため省略しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 受注生産を行っているのは畜産用機器のみであります。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、畜産飼料の販売量及び平均販売価格が前期を上回ったことなどにより増収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少や差別化飼料による利益率の効能があったものの、原料ポジションの悪化や競争激化による収益性の低下、ペットフード及び畜産用機器の利益減少などにより減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、畜産用配合飼料における原料ポジションがあります。配合飼料は、その飼料原料の90%以上を輸入穀物によって生産しております。穀物相場は、世界的な人口増加や新興国の急速な経済成長による需給バランスの変化や生産国の在庫率、世界経済の動向等により近年大きく変化しております。このように飼料における原料コストは穀物相場によって大きく影響を受けます。また輸入穀物のため為替、船運賃等の動きにも影響を受けます。これらの原料コストの変動に伴う対応として飼料業界では飼料販売価格の改定を四半期毎に行っておりますが、飼料販売価格の変動幅と原料コストの変動幅の乖離によって、原料ポジションが改善したり悪化したりします。また、飼料販売価格の変動による畜産経営への影響を緩和するために、配合飼料価格安定制度があります。同制度により、配合飼料メーカーが負担する飼料価格安定基金負担金の増減が当社の損益に大きく影響を及ぼします。
資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備資金を自己資金及び借入により調達することとしております。なお、2020年3月期までに釧路工場建設、八戸工場の養鶏養豚用製造・出荷設備という大型の設備投資が完了する予定で、この2件の工事で約80億円の資金を必要とします。
セグメントごとについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、ROEの引き上げのために畜産飼料販売量330万トン、売上高営業利益率3%という経営目標を定めております。当連結会計年度の実績は、畜産飼料販売量290万トン、売上高営業利益率2.7%となりました。引き続き、課題解決型提案営業を推進し、顧客の利益に貢献する差別化飼料の拡販を図ることで、経営目標の達成を目指してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善などを背景に景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中貿易摩擦の長期化による中国経済の減速懸念や英国のEU離脱など経済への影響が懸念されております。
飼料業界におきまして、主原料のとうもろこし価格は初夏に急落した以外は上昇基調で推移し、円ドル為替相場は円安基調で推移しました。このような状況を反映して、飼料メーカー各社は、第3四半期以外の四半期において配合飼料価格を値上げしました。しかしながら、原材料価格の上昇分全てを販売価格に転嫁できなかったことから原料ポジションが悪化し、収益環境は悪化しました。また、畜産家の寡占化に伴うメーカー間の競争激化や夏場の自然災害による影響も相まって、厳しい事業環境は続いております。
このような状況のなか、当社は顧客の利益に貢献する差別化飼料の拡販や課題解決型提案営業の強化、日本ハムグループ、伊藤忠商事グループとの資本業務提携の推進、生産性向上活動の継続などにより、業績の向上に努めてまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,869億82百万円(前期比4.9%増)、営業利益50億21百万円(前期比13.5%減)、経常利益53億53百万円(前期比12.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益37億95百万円(前期比10.7%減)となりました。
売上高は、主力の飼料事業が前期を上回ったことなどにより、4.9%の増収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、売上総利益率の低下などにより、13.5%の減益となりました。営業減益を受けて親会社株主に帰属する当期純利益は、10.7%の減益となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(飼料)
売上高は、飼料販売量、平均販売価格ともに前期を上回ったため、前期比5.2%増の1,565億59百万円となりました。セグメント利益は、原材料価格上昇により原料ポジションが悪化したものの、販売費及び一般管理費の減少や差別化飼料による利益率向上などにより、前期比0.9%増の51億60百万円となりました。
(コンシューマー・プロダクツ)
売上高は、畜産物及び特殊卵の販売量が増加したことなどにより、前期比4.6%増の200億49百万円となりました。セグメント利益は、ペットフードの販売量が減少したことや運賃等の費用が増加したことなどにより、前期比57.4%減の1億84百万円となりました。
(その他)
売上高は、前期比1.8%増の103億72百万円、セグメント利益は、前期比16.7%減の6億84百万円となりました。減益となった主な理由は、畜産用機器事業において、利益率の高い海外向けの販売台数が減少したため、また国内向けは原価の上昇により利益率が低下したためであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、46億3百万円となりました。当連結会計年度における資金の減少は8億81百万円でありました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は34億61百万円(前期比14億39百万円増加)となりました。主な資金獲得の要因は税金等調整前当期純利益54億77百万円、減価償却費21億70百万円であります。一方、主な資金使用の要因は法人税等の支払額21億38百万円、売上債権の増加9億23百万円、たな卸資産の増加5億9百万円、仕入債務の減少5億16百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は39億70百万円(前期比20億98百万円増加)となりました。これは主に固定資産の取得による支出42億36百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億68百万円(前期比8億20百万円減少)となりました。主な増加要因は借入金の増加が純額で3億92百万円、主な減少要因は配当金の支払額7億57百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
飼料 | 153,810 | 106.0 |
コンシューマー・プロダクツ | 3,685 | 93.2 |
合計 | 157,496 | 105.7 |
(注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3. 上記以外、その他において肥料の生産がありますが、僅少のため省略しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
金額(百万円) | 前期比(%) | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
その他 | 4,006 | 85.2 | 1,289 | 108.5 |
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 受注生産を行っているのは畜産用機器のみであります。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
飼料 | 156,559 | 105.2 |
コンシューマー・プロダクツ | 20,049 | 104.6 |
報告セグメント計 | 176,609 | 105.1 |
その他 | 10,372 | 101.8 |
合計 | 186,982 | 104.9 |
(注)1. セグメント間の取引は、相殺消去しております。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
伊藤忠飼料株式会社 | 33,098 | 18.6 | 34,532 | 18.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、畜産飼料の販売量及び平均販売価格が前期を上回ったことなどにより増収となりました。営業利益は、販売費及び一般管理費の減少や差別化飼料による利益率の効能があったものの、原料ポジションの悪化や競争激化による収益性の低下、ペットフード及び畜産用機器の利益減少などにより減益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、畜産用配合飼料における原料ポジションがあります。配合飼料は、その飼料原料の90%以上を輸入穀物によって生産しております。穀物相場は、世界的な人口増加や新興国の急速な経済成長による需給バランスの変化や生産国の在庫率、世界経済の動向等により近年大きく変化しております。このように飼料における原料コストは穀物相場によって大きく影響を受けます。また輸入穀物のため為替、船運賃等の動きにも影響を受けます。これらの原料コストの変動に伴う対応として飼料業界では飼料販売価格の改定を四半期毎に行っておりますが、飼料販売価格の変動幅と原料コストの変動幅の乖離によって、原料ポジションが改善したり悪化したりします。また、飼料販売価格の変動による畜産経営への影響を緩和するために、配合飼料価格安定制度があります。同制度により、配合飼料メーカーが負担する飼料価格安定基金負担金の増減が当社の損益に大きく影響を及ぼします。
資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備資金を自己資金及び借入により調達することとしております。なお、2020年3月期までに釧路工場建設、八戸工場の養鶏養豚用製造・出荷設備という大型の設備投資が完了する予定で、この2件の工事で約80億円の資金を必要とします。
セグメントごとについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、ROEの引き上げのために畜産飼料販売量330万トン、売上高営業利益率3%という経営目標を定めております。当連結会計年度の実績は、畜産飼料販売量290万トン、売上高営業利益率2.7%となりました。引き続き、課題解決型提案営業を推進し、顧客の利益に貢献する差別化飼料の拡販を図ることで、経営目標の達成を目指してまいります。