有価証券報告書-第72期(平成29年9月1日-平成30年8月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の政権運営の影響や保護主義政策に伴う貿易摩擦懸念、金融資本市場の変動等、海外経済の不確実性はあるものの、政府による経済対策や日銀の継続的な金融政策を背景に企業収益や雇用環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、個人消費につきましては、実質賃金の緩やかな改善が見られるものの、可処分所得の伸び悩み等から消費者の節約志向は依然として根強く、力強さに欠ける状況となっております。
このような経営環境の中、当社グループではアパレル・流通業界における環境の変化に対応するため、これまで取り組んでまいりました中期構造改革を前期(平成29年8月期)を以って完了し、中期成長戦略「ハードからソフトへの変革」のもと、次なるステップへ舵を切っております。
基幹事業である「クロコダイル」は、プレミア エイジ(60~75歳)をターゲットにしたコンテンツの開発やSNS・WEB対応といったソフトへの積極的な投資を行っております。お客様が求める差別化された“新しい価値”をこれまでのデジタリゼーションを駆使したダイレクトなエンゲージメントに加え、新聞広告やカタログといった親和性の高いアナログな訴求をスマホ・テレコマースと融合させた“新しいつながり方”で提供することで、「集客の拡大」と「利益の拡大」を目指しております。
新規事業では、“アクティブ トランスファーウェア”をテーマとした「CITERA(シテラ)」と米国発ファッションアウトドアブランド「Penfield(ペンフィールド)」を前期より展開しております。「集客の拡大」に向けた新しいファンクションやサービスへの投資を積極的に行い、WEBマーケティングやPop-upストアの展開を筆頭に、当社が直接運営する事業に加え、国内外のライセンス展開も目指す等、新たなブランディング型ビジネスを確立してまいります。また、新たに日本国内における商標権を伊藤忠商事株式会社と共同保有したハワイ発カジュアルサーフブランド「Lightning Bolt(ライトニングボルト)」は、両社のブランドビジネスにおける経験とノウハウを活かしながら、国内セレクトショップや専門店を通じてライセンスビジネスを共同で展開し、ブランドの価値向上と事業拡大を目指してまいります。
一方、当社グループの物流業務を請負う子会社ヤマト ファッションサービス株式会社では、在庫管理や入出荷業務の精度向上に努めるとともに、ECの物流業務を外部委託から移管し内製化する等、更なる業務の生産性向上を図っております。また、布帛シャツ及びアウター等の製造を行っておりました上海雅瑪都時装有限公司は、近年の人件費の高騰、新規雇用環境の悪化、設備機器の老朽化等が懸念され、将来にわたり利益を伴いながら安定した商品供給を維持することが困難になりつつあると判断し、東南アジアでの生産拠点が充実した現在の当社の生産体制に鑑み、平成29年11月20日を以って上海工場の操業を停止しております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(ア)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、111億4千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億9千1百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金と有価証券を合わせた手元流動性資金が96億5千2百万円から24億2千7百万円減少し、72億2千4百万円となったことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、123億5千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億2千6百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券が19億8千1百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は235億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億6千4百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は47億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億6千9百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金が2億5千1百万円、電子記録債務が2億円それぞれ増加したことに加え、1年内返済予定の長期借入金が9億1千5百万円減少したこと等によるものであります。
また、当社の連結子会社である上海雅瑪都時装有限公司が運営する上海工場の操業を停止することに伴い、従業員の経済補償金等の支払いが発生し、事業構造改善引当金3億6百万円を全額取崩したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は11億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億3千4百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が5億円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は59億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億3千4百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は176億円となり、前連結会計年度末に比べ6千9百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金が2億2千4百万円増加し、自己株式が1億8千7百万円増加したこと等によるものであります。
これらの結果、自己資本比率は74.9%(前連結会計年度末は73.8%)となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度における経営成績は、前期のエーグル事業終了に伴い、売上高が165億4千万円(前年同期比11.6%減)と減収になりました。利益面では、下期の度重なる異常気象を受け、期末での在庫適正化を積極的に進めながらも、売上総利益率は46.8%(前年同期比0.1ポイント減)となり、販売費及び一般管理費は70億8千5百万円(前年同期比11.6%減)と大きく改善しましたが、営業利益は6億4千8百万円(前年同期比14.3%減)、経常利益は7億5千4百万円(前年同期比7.7%減)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、構造改革が完了し、当期は大きな特別損失が生じなかったことにより4億7千4百万円(前年同期比128.2%増)と大幅な増益になりました。
セグメントごとの売上高では、繊維製品製造販売業162億3千5百万円(前年同期比12.1%減)、不動産賃貸事業3億5百万円(前年同期比24.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により5億8千万円増加したことに対し、投資活動により22億3千8百万円、財務活動により8億7千7百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ25億4千3百万円減少し、当連結会計年度末には69億2千4百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5億8千万円(前年同期は得られた資金4億3百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益7億4千1百万円、減価償却費2億4千8百万円、仕入債務の増加額4億5千3百万円、事業構造改善引当金の減少額2億9千7百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22億3千8百万円(前年同期は得られた資金4億5千6百万円)となりました。主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入1億円、無形固定資産の取得による支出1億1千5百万円、投資有価証券の取得による支出23億1千5百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1億4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億7千7百万円(前年同期は使用した資金5億1千万円)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入8億円、長期借入金の返済による支出12億1千5百万円、自己株式の取得による支出1億8千7百万円、配当金の支払額2億4千9百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(アイテム別)
(顧客別)
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(アイテム別)
(顧客別)
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
受注生産を行っていないため、記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
①セグメント販売実績
(アイテム別)
(顧客別)
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
②ブランド別販売実績
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成は、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りは過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる方法により行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (ア)財政状態」をご参照ください。
③当連結会計年度の経営成績の分析
(ア)売上高
当連結会計年度における売上高は、165億4千万円と、前年同期の187億4百万円と比べ21億6千3百万円の減少となりましたが、これは主に商標権を保有しない事業からの撤退の影響によるものであります。基幹事業である
「クロコダイル」は、プレミア エイジ(60~75歳)をターゲットにしたコンテンツの開発やSNS・WEB対応といっ
たソフトへの積極的な投資を行い、前年同期と比較して2%の増収と堅調に推移しております。
また、中期成長戦略「ハードからソフトへの変革」において重要な位置づけとなるEコマースは、商標を保有しな
い事業からの撤退により、全体では前年同期と比較して15%減となりましたが、デジタルとアナログを効果的に融
合させたマーケティングにより、プレミア エイジ層の会員化が順調に進む「クロコダイル」は、前年同期と比較
して33%増と引き続き高い伸び率を継続しております。
(イ)売上総利益率、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における売上総利益率は、下期の度重なる異常気象の影響を受け、期末での在庫適正化を積極的
に進めたことにより、46.8%(前年同期比0.1ポイント減)となりました。
販売費及び一般管理費は、これまで取り組んでまいりました「ワークスタイル変革」等により無駄なコストや
作業が削減され、70億8千5百万円となり、前年同期の80億1千6百万円と比べ9億3千1百万円の減少となりま
した。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、6億4千8百万円となり、前年同期の7億5千6百万円と比べ
1億7百万円の減益となり、営業利益率は4.0%から3.9%と0.1ポイント減少いたしました。
(ウ)税金等調整前当期純利益
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、7億4千1百万円となり、前年同期の4億2千9百万円と比べ3億1千1百万円の増益となりました。前年同期に発生した特別利益及び特別損失の減損損失、特別
退職金、事業構造改善引当金繰入額が当連結会計年度に発生しなかったことが主な要因であります。
(エ)親会社株主に帰属する当期純利益
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4億7千4百万円となり、これまで取り組んでまいりまし
た中期構造改革が前期(平成29年8月期)を以って完了した成果により、前年同期の2億7百万円と比べ2億6千
6百万円の増益となりました。
④当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)平成27年8月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
⑤経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご参照ください。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。
この方針に従い、当連結会計年度における運転資金及び設備投資資金については、自己資金により充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、店舗の出店及び改修などの設備投資資金等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
⑦経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるROEは、2.7%と前年同期比1.5ポイント増加しました。
当連結会計年度における当社グループの財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の政権運営の影響や保護主義政策に伴う貿易摩擦懸念、金融資本市場の変動等、海外経済の不確実性はあるものの、政府による経済対策や日銀の継続的な金融政策を背景に企業収益や雇用環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、個人消費につきましては、実質賃金の緩やかな改善が見られるものの、可処分所得の伸び悩み等から消費者の節約志向は依然として根強く、力強さに欠ける状況となっております。
このような経営環境の中、当社グループではアパレル・流通業界における環境の変化に対応するため、これまで取り組んでまいりました中期構造改革を前期(平成29年8月期)を以って完了し、中期成長戦略「ハードからソフトへの変革」のもと、次なるステップへ舵を切っております。
基幹事業である「クロコダイル」は、プレミア エイジ(60~75歳)をターゲットにしたコンテンツの開発やSNS・WEB対応といったソフトへの積極的な投資を行っております。お客様が求める差別化された“新しい価値”をこれまでのデジタリゼーションを駆使したダイレクトなエンゲージメントに加え、新聞広告やカタログといった親和性の高いアナログな訴求をスマホ・テレコマースと融合させた“新しいつながり方”で提供することで、「集客の拡大」と「利益の拡大」を目指しております。
新規事業では、“アクティブ トランスファーウェア”をテーマとした「CITERA(シテラ)」と米国発ファッションアウトドアブランド「Penfield(ペンフィールド)」を前期より展開しております。「集客の拡大」に向けた新しいファンクションやサービスへの投資を積極的に行い、WEBマーケティングやPop-upストアの展開を筆頭に、当社が直接運営する事業に加え、国内外のライセンス展開も目指す等、新たなブランディング型ビジネスを確立してまいります。また、新たに日本国内における商標権を伊藤忠商事株式会社と共同保有したハワイ発カジュアルサーフブランド「Lightning Bolt(ライトニングボルト)」は、両社のブランドビジネスにおける経験とノウハウを活かしながら、国内セレクトショップや専門店を通じてライセンスビジネスを共同で展開し、ブランドの価値向上と事業拡大を目指してまいります。
一方、当社グループの物流業務を請負う子会社ヤマト ファッションサービス株式会社では、在庫管理や入出荷業務の精度向上に努めるとともに、ECの物流業務を外部委託から移管し内製化する等、更なる業務の生産性向上を図っております。また、布帛シャツ及びアウター等の製造を行っておりました上海雅瑪都時装有限公司は、近年の人件費の高騰、新規雇用環境の悪化、設備機器の老朽化等が懸念され、将来にわたり利益を伴いながら安定した商品供給を維持することが困難になりつつあると判断し、東南アジアでの生産拠点が充実した現在の当社の生産体制に鑑み、平成29年11月20日を以って上海工場の操業を停止しております。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(ア)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、111億4千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億9千1百万円減少いたしました。主な要因は、現金及び預金と有価証券を合わせた手元流動性資金が96億5千2百万円から24億2千7百万円減少し、72億2千4百万円となったことによるものであります。
当連結会計年度末における固定資産は、123億5千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億2千6百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券が19億8千1百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は235億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億6千4百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は47億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億6千9百万円減少いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金が2億5千1百万円、電子記録債務が2億円それぞれ増加したことに加え、1年内返済予定の長期借入金が9億1千5百万円減少したこと等によるものであります。
また、当社の連結子会社である上海雅瑪都時装有限公司が運営する上海工場の操業を停止することに伴い、従業員の経済補償金等の支払いが発生し、事業構造改善引当金3億6百万円を全額取崩したことによるものであります。
当連結会計年度末における固定負債は11億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億3千4百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が5億円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は59億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億3千4百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は176億円となり、前連結会計年度末に比べ6千9百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金が2億2千4百万円増加し、自己株式が1億8千7百万円増加したこと等によるものであります。
これらの結果、自己資本比率は74.9%(前連結会計年度末は73.8%)となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度における経営成績は、前期のエーグル事業終了に伴い、売上高が165億4千万円(前年同期比11.6%減)と減収になりました。利益面では、下期の度重なる異常気象を受け、期末での在庫適正化を積極的に進めながらも、売上総利益率は46.8%(前年同期比0.1ポイント減)となり、販売費及び一般管理費は70億8千5百万円(前年同期比11.6%減)と大きく改善しましたが、営業利益は6億4千8百万円(前年同期比14.3%減)、経常利益は7億5千4百万円(前年同期比7.7%減)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、構造改革が完了し、当期は大きな特別損失が生じなかったことにより4億7千4百万円(前年同期比128.2%増)と大幅な増益になりました。
セグメントごとの売上高では、繊維製品製造販売業162億3千5百万円(前年同期比12.1%減)、不動産賃貸事業3億5百万円(前年同期比24.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により5億8千万円増加したことに対し、投資活動により22億3千8百万円、財務活動により8億7千7百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ25億4千3百万円減少し、当連結会計年度末には69億2千4百万円となりました。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は5億8千万円(前年同期は得られた資金4億3百万円)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益7億4千1百万円、減価償却費2億4千8百万円、仕入債務の増加額4億5千3百万円、事業構造改善引当金の減少額2億9千7百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22億3千8百万円(前年同期は得られた資金4億5千6百万円)となりました。主な要因は、有価証券の売却及び償還による収入1億円、無形固定資産の取得による支出1億1千5百万円、投資有価証券の取得による支出23億1千5百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1億4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8億7千7百万円(前年同期は使用した資金5億1千万円)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入8億円、長期借入金の返済による支出12億1千5百万円、自己株式の取得による支出1億8千7百万円、配当金の支払額2億4千9百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(アイテム別)
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
繊維製品製造販売業 | 布帛シャツ | 339,268 | 38.5 |
アウター | 31,263 | 50.2 | |
ボトム | 75,332 | 43.4 | |
計 | 445,864 | 39.9 | |
不動産賃貸事業 | - | - | |
合計 | 445,864 | 39.9 |
(顧客別)
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
繊維製品製造販売業 | メンズ | 346,930 | 46.7 |
レディス | 98,934 | 26.5 | |
計 | 445,864 | 39.9 | |
不動産賃貸事業 | - | - | |
合計 | 445,864 | 39.9 |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(アイテム別)
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
繊維製品製造販売業 | カットソーニット | 2,610,394 | 96.8 |
布帛シャツ | 1,229,260 | 203.4 | |
横編セーター | 1,174,327 | 91.0 | |
アウター | 2,421,756 | 86.8 | |
ボトム | 704,779 | 122.4 | |
小物・その他 | 497,819 | 69.4 | |
計 | 8,638,337 | 99.6 | |
不動産賃貸事業 | - | - | |
合計 | 8,638,337 | 99.6 |
(顧客別)
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
繊維製品製造販売業 | メンズ | 4,900,483 | 98.3 |
レディス | 3,716,507 | 101.2 | |
その他 | 21,347 | 105.0 | |
計 | 8,638,337 | 99.6 | |
不動産賃貸事業 | - | - | |
合計 | 8,638,337 | 99.6 |
(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
受注生産を行っていないため、記載を省略しております。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
①セグメント販売実績
(アイテム別)
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
繊維製品製造販売業 | カットソーニット | 4,643,522 | 91.7 |
布帛シャツ | 2,842,883 | 96.5 | |
横編セーター | 2,077,980 | 94.9 | |
アウター | 4,396,971 | 80.1 | |
ボトム | 1,341,720 | 96.1 | |
小物・その他 | 932,042 | 67.8 | |
計 | 16,235,122 | 87.9 | |
不動産賃貸事業 | 305,793 | 124.9 | |
合計 | 16,540,915 | 88.4 |
(顧客別)
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
繊維製品製造販売業 | メンズ | 9,286,511 | 88.1 |
レディス | 6,805,237 | 87.9 | |
その他 | 143,372 | 84.2 | |
計 | 16,235,122 | 87.9 | |
不動産賃貸事業 | 305,793 | 124.9 | |
合計 | 16,540,915 | 88.4 |
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成28年9月1日 至 平成29年8月31日) | 当連結会計年度 (自 平成29年9月1日 至 平成30年8月31日) | ||
金額(千円) | 比率(%) | 金額(千円) | 比率(%) | |
イオングループ | 3,913,072 | 20.9 | 4,314,194 | 26.1 |
株式会社イトーヨーカ堂 | 4,494,613 | 24.0 | 4,268,155 | 25.8 |
ユニー株式会社 | 2,431,665 | 13.0 | 2,391,415 | 14.5 |
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
②ブランド別販売実績
区分 | 金額(千円) | 構成比(%) | 前年同期比(%) |
クロコダイル | 14,941,786 | 90.3 | 101.5 |
その他 | 1,599,128 | 9.7 | 40.1 |
合計 | 16,540,915 | 100.0 | 88.4 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成は、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りは過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる方法により行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (ア)財政状態」をご参照ください。
③当連結会計年度の経営成績の分析
(ア)売上高
当連結会計年度における売上高は、165億4千万円と、前年同期の187億4百万円と比べ21億6千3百万円の減少となりましたが、これは主に商標権を保有しない事業からの撤退の影響によるものであります。基幹事業である
「クロコダイル」は、プレミア エイジ(60~75歳)をターゲットにしたコンテンツの開発やSNS・WEB対応といっ
たソフトへの積極的な投資を行い、前年同期と比較して2%の増収と堅調に推移しております。
また、中期成長戦略「ハードからソフトへの変革」において重要な位置づけとなるEコマースは、商標を保有しな
い事業からの撤退により、全体では前年同期と比較して15%減となりましたが、デジタルとアナログを効果的に融
合させたマーケティングにより、プレミア エイジ層の会員化が順調に進む「クロコダイル」は、前年同期と比較
して33%増と引き続き高い伸び率を継続しております。
(イ)売上総利益率、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における売上総利益率は、下期の度重なる異常気象の影響を受け、期末での在庫適正化を積極的
に進めたことにより、46.8%(前年同期比0.1ポイント減)となりました。
販売費及び一般管理費は、これまで取り組んでまいりました「ワークスタイル変革」等により無駄なコストや
作業が削減され、70億8千5百万円となり、前年同期の80億1千6百万円と比べ9億3千1百万円の減少となりま
した。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、6億4千8百万円となり、前年同期の7億5千6百万円と比べ
1億7百万円の減益となり、営業利益率は4.0%から3.9%と0.1ポイント減少いたしました。
(ウ)税金等調整前当期純利益
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、7億4千1百万円となり、前年同期の4億2千9百万円と比べ3億1千1百万円の増益となりました。前年同期に発生した特別利益及び特別損失の減損損失、特別
退職金、事業構造改善引当金繰入額が当連結会計年度に発生しなかったことが主な要因であります。
(エ)親会社株主に帰属する当期純利益
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4億7千4百万円となり、これまで取り組んでまいりまし
た中期構造改革が前期(平成29年8月期)を以って完了した成果により、前年同期の2億7百万円と比べ2億6千
6百万円の増益となりました。
④当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成26年8月期 | 平成27年8月期 | 平成28年8月期 | 平成29年8月期 | 平成30年8月期 | |
自己資本比率(%) | 72.0 | 75.9 | 70.8 | 73.8 | 74.9 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 31.8 | 30.1 | 33.5 | 39.6 | 47.2 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 3.4 | - | 5.1 | 3.4 | 1.6 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 17.8 | - | 13.6 | 20.0 | 38.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
(注5)平成27年8月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
⑤経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2事業等のリスク」をご参照ください。
⑥資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金及び設備投資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。
この方針に従い、当連結会計年度における運転資金及び設備投資資金については、自己資金により充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、店舗の出店及び改修などの設備投資資金等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。
⑦経営方針、経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるROEは、2.7%と前年同期比1.5ポイント増加しました。