有価証券報告書-第60期(平成30年11月1日-令和1年10月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2018年11月1日~2019年10月31日)のわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さが見られるものの、企業収益は底堅く推移し、雇用・所得環境の改善が続くなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方、海外情勢は長引く米中貿易摩擦への懸念や中国・欧州経済の低迷、為替相場の不安定な動きなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような環境のもと、当社は、新規・休眠顧客の開拓や既存顧客との関係強化などの戦略を積極的に推進するとともに、適正価格による製品販売や製造原価の削減、事業全般にわたる効率化を図ることにより、収益の向上に取り組んでまいりました。
その結果、売上高は95億66百万円(前期比112.8%)、営業利益は83百万円(前期比132.5%)、経常利益は19百万円(前期比209.6%)、当期純利益は特別利益に木材福山工場建設に伴う補助金収入1億62百万円及び固定資産売却益2億61百万円の計上により3億93百万円(前期比56.5%)となりました。これにより、純資産は前事業年度末の32億9百万円から35億67百万円となり、自己資本比率は22.1%から24.8%となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当事業年度より、前事業年度末まで「ハウス・エコ事業」の区分に含めておりました売電事業につきましては、当初計画中でありました太陽光発電所が全て稼働を開始したことから、新たに「太陽光発電売電事業」として報告セグメントを開示しており、以下の前期比につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(木材事業)
国内向けのパレット用材やドラム用材の受注環境は、一進一退を繰り返しながらも好調を維持いたしました。その一方、約半数の出荷を占める輸出用梱包用材は、米中貿易摩擦の長期化に伴う中国経済の減速により、期中後半から大きく落ち込みました。また、競合樹種であるチリ産製品の安値販売の影響や原材料価格の高止まり、一時的な生産調整に伴う固定費負担増など、総じて厳しい状況で推移いたしました。
このような環境のもと、製材工員の育成や作業工程の改善、歩留管理の徹底など、生産効率の向上をより一層加速させることで原価率の改善に努め、新たな商材仕入先の開拓に注力し、販路拡大を図るなど、収益の確保に取り組んでまいりました。
なお、2018年6月より稼働を開始した福山工場は、5月以降目標とする1時間当たりの生産量を上回り、フル生産への移行に向けた体制が順次整うなど、一定の成果を上げることができました。
その結果、売上高は56億円(前期比114.2%)、営業損失は1億96百万円(前期は営業損失2億19百万円)となりました。
(ハウス・エコ事業)
東京オリンピック後における建設市場の縮小や中国経済の減速による貿易の減少を背景とした民間設備投資の抑制が懸念される中、建設業就労者の高齢化問題や施工管理技術者不足等の様々な課題が顕在化し、依然として不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、タイムリーに有用な物件情報の収集に努め、引き続き重量鉄骨造建築やシステム建築、小型店舗などの工期の短いプレハブハウスの営業活動を強化してまいりました。また、現場管理の徹底による工事原価の圧縮に努め、協力業者との一層の連携強化・新規協力業者開拓に注力することにより、施工体制の充実を図ってまいりました。
その結果、売上高は29億61百万円(前期比113.9%)、営業利益は1億95百万円(前期比91.2%)となりました。
(太陽光発電売電事業)
2018年2月に土取メガソーラー発電所が稼働を開始したことにより、その影響が通期に及びました。
その結果、売上高は4億65百万円(前期比100.5%)、営業利益は2億19百万円(前期比108.5%)となりました。
(ライフクリエイト事業)
ゴルフ場部門では、企画コンペの開催など、各種イベントの開催に加え、前期と比較して天候に恵まれたことにより、来場者数は前期比106.4%となりました。
フィットネス部門では、ポスティングなどの宣伝活動に加え、専属トレーナーが様々なお客様ニーズに対して1対1の個別指導で対応するパーソナルトレーニングなど、会費外収入の増加に努めてまいりました。
その結果、売上高は4億46百万円(前期比106.9%)、営業利益は46百万円(前期比273.8%)となりました。
(不動産事業)
賃貸物件(4棟)の定期的なメンテナンスを行いお客様の利便性を高めるとともに、不動産情報誌への継続的な広告を行うことにより、安定した稼働率を確保いたしました。
その結果、売上高は93百万円(前期比98.0%)、営業利益は56百万円(前期比93.4%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して54百万円減少し3億46百万円となりました。
その内容は以下に記載するとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は89百万円となりました。増加要因は、税引前当期純利益4億48百万円、減価償却費7億20百万円であり、減少要因は、有形固定資産売却益2億61百万円、売上債権の増加5億43百万円、たな卸資産の増加2億2百万円、法人税等の支払2億6百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は4億31百万円となりました。増加要因は、有形固定資産の売却による収入3億57百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は3億95百万円となりました。増加要因は、長期借入れによる収入13億20百万円であり、減少要因は、短期借入金の減少額3億25百万円、長期借入金の返済による支出12億91百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
3 金額は、販売価格によっております。
4 太陽光発電売電事業、ライフクリエイト事業及び不動産事業は事業の性質上、記載を省略しております。
b. 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
3 木材事業は受注生産を行っておりますが、生産から販売までが短納期であるため、また、太陽光発電売電事業、ライフクリエイト事業及び不動産事業は事業の性質上、記載を省略しております。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態に関する分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ5億76百万円増加し、55億96百万円となりました。
この主な要因は、受取手形が1億35百万円、完成工事未収入金が3億64百万円、原材料及び貯蔵品が3億6百万円それぞれ増加し、前渡金が1億32百万円減少いたしました。
受取手形は、売上高が増加したことによるものであります。
完成工事未収入金は、ハウス・エコ事業において回収期間が長い官公庁の大型物件が複数完工したことによる増加であります。
原材料及び貯蔵品は、原材料(ニュージーランド松)を運搬する船舶の日本入港のタイミング(減少の場合は前渡金が増加)による増加であります。
前渡金は、原材料(ニュージーランド松)を運搬する船舶の日本入港のタイミング(増加の場合は原材料及び貯蔵品が減少)による減少であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ7億27百万円減少し、88億6百万円となりました。
この主な要因は、木材事業福山工場の梱包用材等製造設備における減価償却の実施による減少であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ4億70百万円減少し、39億38百万円となりました。
この主な要因は、短期借入金が3億25百万円減少いたしました。
短期借入金は、木材事業福山工場建設資金の一部を短期借入から長期借入へ借換を実施したこと及び木材事業福山工場建設に係る補助金収入1億62百万円を返済原資に充当したことによる減少であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ39百万円減少し、68億97百万円となりました。
この主な要因は、長期借入金が27百万円増加し、リース債務が59百万円減少いたしました。
長期借入金は、ハウス・エコ事業の回収期間が長い官公庁大型物件の借入を行ったことによる増加であります。
リース債務は、約定弁済による減少であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ3億57百万円増加し、35億67百万円となりました。
この主な要因は、当期純利益3億93百万円の計上による利益剰余金の増加であります。
③ 経営成績に関する分析
(売上高の分析)
当事業年度の売上高は95億66百万円(前期比112.8%)となり、前事業年度と比べ10億85百万円増加いたしました。
木材事業におきましては、米中貿易戦争の影響により同業他社及び競合先の出荷量は前期比で大きく落ち込む中、当社は積極的な販路拡大とシェアアップを見据えた営業活動によって製品出荷量は前期比8.7%、商材販売量は前期比13.0%それぞれ増加するなど、健闘しております。その結果、売上高は56億円(前期比114.2%)となりました。
ハウス・エコ事業におきましては、重量鉄骨造建築やシステム建築など、既存のプレハブハウス以外の分野をターゲットとした営業活動を積極的に展開するとともに、従来市場である建設関連への深耕営業はもとより、官公庁等入札案件への積極的な応札を行ったことにより、受注残高は18億48百万円(前期比94.9%)と比較的高水準を維持しております。その結果、売上高は29億61百万円(前期比113.9%)となりました。
太陽光発電売電事業におきましては、全ての太陽光発電所が1年間安定して稼働した結果、売上高は4億65百万円(前期比100.5%)となりました。
ライフクリエイト事業のゴルフ場部門におきましては、従業員チャレンジコンペや平日バイキングデーといった各種イベントを積極的に開催した結果、来場者数は前期比6.4%増加いたしました。フィットネス部門におきましては、個別指導を行うパーソナルトレーニングを取り入れるなど、新規会員の獲得と退会者の抑制に努めた結果、年間延べ会員数は前期比2.1%増加し、オープン4年目にして初めて営業黒字化を達成いたしました。その結果、売上高は4億46百万円(前期比106.9%)となりました。
不動産事業におきましては、賃貸物件の定期的なメンテナンスによる入居率及び定着率のアップを図り、引き続き安定した収益の確保に努めてまいりました。その結果、売上高は93百万円(前期比98.0%)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費の分析)
当事業年度の売上原価は82億52百万円となり、前事業年度に比べ10億18百万円増加し、売上原価率は1.0ポイント上昇の86.3%となりました。
木材事業におきましては、製商品の出荷量は前期比10.5%増加したものの、福山工場の減価償却負担が通期に及んだことやニュージーランド松の調達コストが、最大消費国である中国需要が旺盛で高止まりの状態が続いたことに加え、競合樹種であるチリ材が安値販売を継続している影響もあり、売上原価率は0.6ポイントの低下にとどまり95.3%となりました。
ハウス・エコ事業におきましては、受注時採算性の強化と施工管理の徹底による工事原価の圧縮に努めてまいりました。その一方、前期に利益率が高い大型物件の売上計上を行った反動減により、売上原価率は3.8ポイント上昇の82.6%となりました。
太陽光発電売電事業におきましては、減価償却費が減少した結果、売上原価率は3.5ポイント低下の52.8%となりました。
ライフクリエイト事業におきましては、増収に加え、フィットネス部門の減価償却費が減少した結果、売上原価率は3.1ポイント低下の41.5%となりました。
不動産事業におきましては、減収に加え、賃貸物件の定期的なメンテナンスを行った結果、売上原価率は2.8ポイント上昇の38.9%となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、木材事業において製商品の出荷増に伴い運賃が48百万円増加し、12億30百万円となりました。その結果、対売上高販売費及び一般管理費は1.1ポイント低下の12.9%となり、営業利益は83百万円(前期比132.5%)となりました。
(営業外損益、特別損益の分析)
営業外損益におきましては、大きな変動はなく経常利益は19百万円(前期比209.6%)となりました。
特別損益におきましては、前期は木材事業福山工場の建設に係る補助金収入(国庫)を9億43百万円計上した反動減により、税引前当期純利益は4億48百万円(前期比45.7%)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの内容分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、個別ベースの財務諸表により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し
ております。
4.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としてお
ります。また、営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書に計上されている
「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
⑤ 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、特に、ニュージーランド松などの主要材料の価格動向について引き続き留意していく必要があると考えております。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品等の購入のほか、外注加工費、製造費、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
運転資金及び設備資金の調達については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入により、必要とする資金を調達しております。当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計25億円の当座貸越契約を締結しておりますが、2018年6月より稼働を開始した木材事業福山工場の大型設備投資(投資額51億39百万円)に加え、ハウス・エコ事業の売電目的の太陽光発電設備の取得や回収期間が長期間となる官公庁案件が多数あることから、有利子負債比率は59.3%と高水準で推移しており、今後も資金の流動性に最大限留意しつつ、機動的な資金調達を行ってまいります。さらに、返済年限の長期化を図り、固定金利で調達することで金利上昇リスクに対応するとともに、年度別返済額を平準化することで将来の借り換えリスクの低減にも努めております。
また、必要な設備投資は一段落いたしましたので、当面、財政状態に大きな影響を与える重要な新規設備投資計画はなく、木材事業福山工場建設に係る借入金(当事業年度末借入額38億円)につきましては、借入期間15年の2年間据置により主に2020年からの返済となっており、同工場が生み出すキャッシュ・フローによって返済原資の確保が可能と判断しております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は85億47百万円、現金及び現金同等物の残高は3億46百万円となりました。
⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、2020年10月期をスタートとする3ヵ年の中期経営計画「チャレンジ110(イチイチゼロ)」において、最終年度となる2022年10月期に売上高115億80百万円、営業利益6億17百万円、経常利益5億98百万円、当期純利益4億29百万円の達成、業務効率10%アップとROE(株主資本利益率)10%の達成を掲げております。
また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は、営業利益を中長期的な経営指標として重視しておりますが、生産効率向上のための省力化・自動化等に対する大型設備投資(木材事業福山工場 2018年6月稼働開始 投資額51億39百万円)を実施したことから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標としており、当事業年度の減価償却前営業利益は、前期比1億94百万円増の8億4百万円(前期比131.9%)となりました。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2018年11月1日~2019年10月31日)のわが国経済は、輸出や生産の一部に弱さが見られるものの、企業収益は底堅く推移し、雇用・所得環境の改善が続くなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。その一方、海外情勢は長引く米中貿易摩擦への懸念や中国・欧州経済の低迷、為替相場の不安定な動きなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような環境のもと、当社は、新規・休眠顧客の開拓や既存顧客との関係強化などの戦略を積極的に推進するとともに、適正価格による製品販売や製造原価の削減、事業全般にわたる効率化を図ることにより、収益の向上に取り組んでまいりました。
その結果、売上高は95億66百万円(前期比112.8%)、営業利益は83百万円(前期比132.5%)、経常利益は19百万円(前期比209.6%)、当期純利益は特別利益に木材福山工場建設に伴う補助金収入1億62百万円及び固定資産売却益2億61百万円の計上により3億93百万円(前期比56.5%)となりました。これにより、純資産は前事業年度末の32億9百万円から35億67百万円となり、自己資本比率は22.1%から24.8%となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当事業年度より、前事業年度末まで「ハウス・エコ事業」の区分に含めておりました売電事業につきましては、当初計画中でありました太陽光発電所が全て稼働を開始したことから、新たに「太陽光発電売電事業」として報告セグメントを開示しており、以下の前期比につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(木材事業)
国内向けのパレット用材やドラム用材の受注環境は、一進一退を繰り返しながらも好調を維持いたしました。その一方、約半数の出荷を占める輸出用梱包用材は、米中貿易摩擦の長期化に伴う中国経済の減速により、期中後半から大きく落ち込みました。また、競合樹種であるチリ産製品の安値販売の影響や原材料価格の高止まり、一時的な生産調整に伴う固定費負担増など、総じて厳しい状況で推移いたしました。
このような環境のもと、製材工員の育成や作業工程の改善、歩留管理の徹底など、生産効率の向上をより一層加速させることで原価率の改善に努め、新たな商材仕入先の開拓に注力し、販路拡大を図るなど、収益の確保に取り組んでまいりました。
なお、2018年6月より稼働を開始した福山工場は、5月以降目標とする1時間当たりの生産量を上回り、フル生産への移行に向けた体制が順次整うなど、一定の成果を上げることができました。
その結果、売上高は56億円(前期比114.2%)、営業損失は1億96百万円(前期は営業損失2億19百万円)となりました。
(ハウス・エコ事業)
東京オリンピック後における建設市場の縮小や中国経済の減速による貿易の減少を背景とした民間設備投資の抑制が懸念される中、建設業就労者の高齢化問題や施工管理技術者不足等の様々な課題が顕在化し、依然として不透明な状況が続いております。
このような環境のもと、タイムリーに有用な物件情報の収集に努め、引き続き重量鉄骨造建築やシステム建築、小型店舗などの工期の短いプレハブハウスの営業活動を強化してまいりました。また、現場管理の徹底による工事原価の圧縮に努め、協力業者との一層の連携強化・新規協力業者開拓に注力することにより、施工体制の充実を図ってまいりました。
その結果、売上高は29億61百万円(前期比113.9%)、営業利益は1億95百万円(前期比91.2%)となりました。
(太陽光発電売電事業)
2018年2月に土取メガソーラー発電所が稼働を開始したことにより、その影響が通期に及びました。
その結果、売上高は4億65百万円(前期比100.5%)、営業利益は2億19百万円(前期比108.5%)となりました。
(ライフクリエイト事業)
ゴルフ場部門では、企画コンペの開催など、各種イベントの開催に加え、前期と比較して天候に恵まれたことにより、来場者数は前期比106.4%となりました。
フィットネス部門では、ポスティングなどの宣伝活動に加え、専属トレーナーが様々なお客様ニーズに対して1対1の個別指導で対応するパーソナルトレーニングなど、会費外収入の増加に努めてまいりました。
その結果、売上高は4億46百万円(前期比106.9%)、営業利益は46百万円(前期比273.8%)となりました。
(不動産事業)
賃貸物件(4棟)の定期的なメンテナンスを行いお客様の利便性を高めるとともに、不動産情報誌への継続的な広告を行うことにより、安定した稼働率を確保いたしました。
その結果、売上高は93百万円(前期比98.0%)、営業利益は56百万円(前期比93.4%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して54百万円減少し3億46百万円となりました。
その内容は以下に記載するとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は89百万円となりました。増加要因は、税引前当期純利益4億48百万円、減価償却費7億20百万円であり、減少要因は、有形固定資産売却益2億61百万円、売上債権の増加5億43百万円、たな卸資産の増加2億2百万円、法人税等の支払2億6百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の増加は4億31百万円となりました。増加要因は、有形固定資産の売却による収入3億57百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は3億95百万円となりました。増加要因は、長期借入れによる収入13億20百万円であり、減少要因は、短期借入金の減少額3億25百万円、長期借入金の返済による支出12億91百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | |
| 生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 木材事業 | 3,308,883 | 112.5 |
| ハウス・エコ事業 | 2,948,617 | 114.3 |
| 合計 | 6,257,500 | 113.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
3 金額は、販売価格によっております。
4 太陽光発電売電事業、ライフクリエイト事業及び不動産事業は事業の性質上、記載を省略しております。
b. 受注実績
当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 期首契約残高 | 期中契約高 | 期中契約実行高 | 期末契約残高 | 期末契約残高の うちリース期間 未経過契約高 | ||
| 金額(千円) | 金額(千円) | 前年同期比 (%) | 金額(千円) | 前年同期比 (%) | 金額(千円) | 金額(千円) | |
| ハウス・エコ事業 | 1,948,994 | 2,861,090 | 91.3 | 2,961,387 | 113.9 | 1,848,697 | 575,423 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
3 木材事業は受注生産を行っておりますが、生産から販売までが短納期であるため、また、太陽光発電売電事業、ライフクリエイト事業及び不動産事業は事業の性質上、記載を省略しております。
c. 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2018年11月1日 至 2019年10月31日) | |
| 販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 木材事業 | 5,600,169 | 114.2 |
| ハウス・エコ事業 | 2,961,387 | 113.9 |
| 太陽光発電売電事業 | 465,439 | 100.5 |
| ライフクリエイト事業 | 446,653 | 106.9 |
| 不動産事業 | 93,263 | 98.0 |
| 合計 | 9,566,913 | 112.8 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態に関する分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べ5億76百万円増加し、55億96百万円となりました。
この主な要因は、受取手形が1億35百万円、完成工事未収入金が3億64百万円、原材料及び貯蔵品が3億6百万円それぞれ増加し、前渡金が1億32百万円減少いたしました。
受取手形は、売上高が増加したことによるものであります。
完成工事未収入金は、ハウス・エコ事業において回収期間が長い官公庁の大型物件が複数完工したことによる増加であります。
原材料及び貯蔵品は、原材料(ニュージーランド松)を運搬する船舶の日本入港のタイミング(減少の場合は前渡金が増加)による増加であります。
前渡金は、原材料(ニュージーランド松)を運搬する船舶の日本入港のタイミング(増加の場合は原材料及び貯蔵品が減少)による減少であります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ7億27百万円減少し、88億6百万円となりました。
この主な要因は、木材事業福山工場の梱包用材等製造設備における減価償却の実施による減少であります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べ4億70百万円減少し、39億38百万円となりました。
この主な要因は、短期借入金が3億25百万円減少いたしました。
短期借入金は、木材事業福山工場建設資金の一部を短期借入から長期借入へ借換を実施したこと及び木材事業福山工場建設に係る補助金収入1億62百万円を返済原資に充当したことによる減少であります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ39百万円減少し、68億97百万円となりました。
この主な要因は、長期借入金が27百万円増加し、リース債務が59百万円減少いたしました。
長期借入金は、ハウス・エコ事業の回収期間が長い官公庁大型物件の借入を行ったことによる増加であります。
リース債務は、約定弁済による減少であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ3億57百万円増加し、35億67百万円となりました。
この主な要因は、当期純利益3億93百万円の計上による利益剰余金の増加であります。
③ 経営成績に関する分析
(売上高の分析)
当事業年度の売上高は95億66百万円(前期比112.8%)となり、前事業年度と比べ10億85百万円増加いたしました。
木材事業におきましては、米中貿易戦争の影響により同業他社及び競合先の出荷量は前期比で大きく落ち込む中、当社は積極的な販路拡大とシェアアップを見据えた営業活動によって製品出荷量は前期比8.7%、商材販売量は前期比13.0%それぞれ増加するなど、健闘しております。その結果、売上高は56億円(前期比114.2%)となりました。
ハウス・エコ事業におきましては、重量鉄骨造建築やシステム建築など、既存のプレハブハウス以外の分野をターゲットとした営業活動を積極的に展開するとともに、従来市場である建設関連への深耕営業はもとより、官公庁等入札案件への積極的な応札を行ったことにより、受注残高は18億48百万円(前期比94.9%)と比較的高水準を維持しております。その結果、売上高は29億61百万円(前期比113.9%)となりました。
太陽光発電売電事業におきましては、全ての太陽光発電所が1年間安定して稼働した結果、売上高は4億65百万円(前期比100.5%)となりました。
ライフクリエイト事業のゴルフ場部門におきましては、従業員チャレンジコンペや平日バイキングデーといった各種イベントを積極的に開催した結果、来場者数は前期比6.4%増加いたしました。フィットネス部門におきましては、個別指導を行うパーソナルトレーニングを取り入れるなど、新規会員の獲得と退会者の抑制に努めた結果、年間延べ会員数は前期比2.1%増加し、オープン4年目にして初めて営業黒字化を達成いたしました。その結果、売上高は4億46百万円(前期比106.9%)となりました。
不動産事業におきましては、賃貸物件の定期的なメンテナンスによる入居率及び定着率のアップを図り、引き続き安定した収益の確保に努めてまいりました。その結果、売上高は93百万円(前期比98.0%)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費の分析)
当事業年度の売上原価は82億52百万円となり、前事業年度に比べ10億18百万円増加し、売上原価率は1.0ポイント上昇の86.3%となりました。
木材事業におきましては、製商品の出荷量は前期比10.5%増加したものの、福山工場の減価償却負担が通期に及んだことやニュージーランド松の調達コストが、最大消費国である中国需要が旺盛で高止まりの状態が続いたことに加え、競合樹種であるチリ材が安値販売を継続している影響もあり、売上原価率は0.6ポイントの低下にとどまり95.3%となりました。
ハウス・エコ事業におきましては、受注時採算性の強化と施工管理の徹底による工事原価の圧縮に努めてまいりました。その一方、前期に利益率が高い大型物件の売上計上を行った反動減により、売上原価率は3.8ポイント上昇の82.6%となりました。
太陽光発電売電事業におきましては、減価償却費が減少した結果、売上原価率は3.5ポイント低下の52.8%となりました。
ライフクリエイト事業におきましては、増収に加え、フィットネス部門の減価償却費が減少した結果、売上原価率は3.1ポイント低下の41.5%となりました。
不動産事業におきましては、減収に加え、賃貸物件の定期的なメンテナンスを行った結果、売上原価率は2.8ポイント上昇の38.9%となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、木材事業において製商品の出荷増に伴い運賃が48百万円増加し、12億30百万円となりました。その結果、対売上高販売費及び一般管理費は1.1ポイント低下の12.9%となり、営業利益は83百万円(前期比132.5%)となりました。
(営業外損益、特別損益の分析)
営業外損益におきましては、大きな変動はなく経常利益は19百万円(前期比209.6%)となりました。
特別損益におきましては、前期は木材事業福山工場の建設に係る補助金収入(国庫)を9億43百万円計上した反動減により、税引前当期純利益は4億48百万円(前期比45.7%)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの内容分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2017年10月期 | 2018年10月期 | 2019年10月期 | |
| 自己資本比率(%) | 18.2 | 22.1 | 24.8 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 15.9 | 10.8 | 10.1 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | ― | 16.2 | ─ |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | ― | 8.4 | ─ |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、個別ベースの財務諸表により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し
ております。
4.有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としてお
ります。また、営業キャッシュ・フロー及び利払いは、キャッシュ・フロー計算書に計上されている
「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
⑤ 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社の経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、特に、ニュージーランド松などの主要材料の価格動向について引き続き留意していく必要があると考えております。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品等の購入のほか、外注加工費、製造費、受注獲得や競争力強化のための販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
運転資金及び設備資金の調達については、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入により、必要とする資金を調達しております。当事業年度末において、複数の金融機関との間で合計25億円の当座貸越契約を締結しておりますが、2018年6月より稼働を開始した木材事業福山工場の大型設備投資(投資額51億39百万円)に加え、ハウス・エコ事業の売電目的の太陽光発電設備の取得や回収期間が長期間となる官公庁案件が多数あることから、有利子負債比率は59.3%と高水準で推移しており、今後も資金の流動性に最大限留意しつつ、機動的な資金調達を行ってまいります。さらに、返済年限の長期化を図り、固定金利で調達することで金利上昇リスクに対応するとともに、年度別返済額を平準化することで将来の借り換えリスクの低減にも努めております。
また、必要な設備投資は一段落いたしましたので、当面、財政状態に大きな影響を与える重要な新規設備投資計画はなく、木材事業福山工場建設に係る借入金(当事業年度末借入額38億円)につきましては、借入期間15年の2年間据置により主に2020年からの返済となっており、同工場が生み出すキャッシュ・フローによって返済原資の確保が可能と判断しております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は85億47百万円、現金及び現金同等物の残高は3億46百万円となりました。
⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社は、2020年10月期をスタートとする3ヵ年の中期経営計画「チャレンジ110(イチイチゼロ)」において、最終年度となる2022年10月期に売上高115億80百万円、営業利益6億17百万円、経常利益5億98百万円、当期純利益4億29百万円の達成、業務効率10%アップとROE(株主資本利益率)10%の達成を掲げております。
また、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は、営業利益を中長期的な経営指標として重視しておりますが、生産効率向上のための省力化・自動化等に対する大型設備投資(木材事業福山工場 2018年6月稼働開始 投資額51億39百万円)を実施したことから、減価償却前営業利益の水準も重要な経営指標としており、当事業年度の減価償却前営業利益は、前期比1億94百万円増の8億4百万円(前期比131.9%)となりました。