有価証券報告書-第180期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/27 15:01
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、海外子会社の販売好調により増収となった一方で、原燃料価格の高騰等により減益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。
売 上 高269,099百万円(前連結会計年度比2.6%増)
営 業 利 益11,414百万円(前連結会計年度比11.5%減)
経 常 利 益13,907百万円(前連結会計年度比1.1%減)
親会社株主に帰属する当期純利益10,327百万円(前連結会計年度比0.5%減)

主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。
紙パルプ事業
紙パルプ事業につきましては、海外子会社の販売好調により増収となりました。損益面においては、原燃料価格の高騰等により減益となりました。
品種別には、洋紙につきましては、広告媒体及び通販カタログの電子化の影響並びに出版物の発行部数減少 により販売は減少しました。
白板紙につきましては、コート白ボールは菓子及びレトルト等の食品関連が底堅く推移しました。高級白板紙はコンビニ関連の販促品及び店頭POP用途が振るわず販売は前年をやや下回りました。また特殊白板紙は洋菓子及び土産関連のパッケージ用途が堅調に推移しました。
特殊紙につきましては、機能紙分野において、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙がスマートフォン及び車載用電子部品の需要拡大により増販となりました。また、車載用バッテリーセパレータ及び空気清浄用フィルター等も堅調に推移しました。一方で、ファンシーペーパー全般では需要減少に加えて一般紙へのグレードダウンが続いていますが、高級印刷用紙は堅調に推移しました。情報用紙では、通知用の圧着ハガキ用紙は前年を上回る販売となりましたが、情報用紙全体では帳票用途の減少及び電子媒体への移行が続き、厳しい販売状況でした。
パルプにつきましては、パルプ市況の上昇等により、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.の販売が好調で、前年を上回る販売量となりました。
以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。
売上高242,082百万円(前連結会計年度比3.2%増)
営業利益8,808百万円(前連結会計年度比14.7%減)

パッケージング・紙加工事業
パッケージング・紙加工事業につきましては、一部ユーザーによる液体容器の形状変更等の影響で受注が減少し、減収減益となりました。
この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。
売上高19,428百万円(前連結会計年度比3.6%減)
営業利益1,128百万円(前連結会計年度比10.5%減)


その他
木材事業、建設業、運送・倉庫業をはじめとするその他事業につきましては、建設業において、受注が減少し減収となりました。損益面においては、各種コストダウン等の効果により増益となりました。
以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。
売上高7,589百万円(前連結会計年度比1.1%減)
営業利益815百万円(前連結会計年度比30.8%増)

なお、上記の金額には消費税等は含まれておりません。
総資産は、前連結会計年度末に比べて5,038百万円増加し、367,244百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が5,028百万円、電子記録債権が2,095百万円、商品及び製品が2,990百万円、株価の上昇等により投資有価証券が2,818百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が5,178百万円、減価償却等により有形固定資産が4,408百万円それぞれ減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて5,903百万円減少し、175,266百万円となりました。これは主として、有利子負債が8,513百万円減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて10,942百万円増加し、191,977百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が8,062百万円増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて5,002百万円減少し、14,281百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は19,741百万円(前連結会計年度比31.7%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益13,521百万円、減価償却費19,065百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益1,844百万円、売上債権の増加額6,649百万円、たな卸資産の増加額3,707百万円、法人税等の支払額2,155百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は14,158百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出13,705百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は10,644百万円(前連結会計年度比26.3%減)となりました。
支出の主な内訳は、短期借入金の減少額1,365百万円、長期借入金の返済による支出10,537百万円、配当金の支払額2,273百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入3,871百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。
区分生産高(t)前年同期比(%)
洋紙1,358,45398.0
板紙557,462100.4
合計1,915,91598.7
パルプ1,666,732102.2

b. 受注実績
当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
紙パルプ事業242,082103.2
パッケージング・紙加工事業19,42896.4
その他7,58998.9
合計269,099102.6

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
新生紙パルプ商事㈱37,32814.237,24513.8
国際紙パルプ商事㈱22,5728.620,3777.6

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの評価が必要な事項については、合理的な基準に基づき実施しております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
前連結会計年度
(平成29年3月期)
(百万円)
当連結会計年度
(平成30年3月期)
(百万円)
連結業績予想
(平成30年3月期)
(百万円)
売上高262,398269,099275,000
営業利益12,90011,41412,000
経常利益14,05513,90716,000
親会社株主に帰属する当期純利益10,38010,32711,000

経営成績の状況につきましては、前連結会計年度と比べ、国内における紙需要は期初の想定を下回ったことから、国内売上高は減収となったものの、パルプ販売等の海外売上高は増収となり、全体では増収を確保しました。原油を起因とした原燃料価格の高騰及び為替における円安進行等の影響により、当期の営業利益は前連結会計年度と比べ減益となりました。また経常利益につきましては、営業外損益における為替差損の解消等による増益要因はあったものの、持分法投資利益の減少等による減益要因により、前連結会計年度と比べ減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損益において退職給付制度改定益が発生した一方で、固定資産除売却損が増加したことから、前連結会計年度と比べ減益となり、いずれも連結業績予想を下回る状況となりました。
国内における紙需要の縮小は継続するとの認識の下、海外事業拡大等により事業構造の転換を継続し、成長に努めてまいります。
財政状態の分析
財政状態につきましては、流動資産は海外売上高の増収及び当連結会計年度末日が金融機関の休日に該当したこと等により、売上債権及び在庫等が増加し、前連結会計年度末に比べ6,388百万円増加しました。また、固定資産は有価証券が時価上昇により増加したものの、設備投資を減価償却費の範囲内にとどめたため、前連結会計年度末に比べ1,349百万円減少しました。一方、負債においては有利子負債や退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ5,903百万円減少しました。純資産においては、利益剰余金等により前連結会計年度末に比べ10,942百万円増加しました。
以上より、総資産は増加したものの自己資本は拡充され、財務健全性指標の一つである自己資本比率は2.3%増加し、52.1%となりました。また、グループ内資金効率改善に努めたことから、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高は3,335百万円減少し、93,924百万円となりました。これらのことから、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。
キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローにつきましては、営業活動の結果得られた資金は当連結会計年度末日が金融機関の休日に該当したこと等により、必要運転資金が増加したことから、前連結会計年度と比べ9,176百万円減少し19,741百万円となりましたが、投資活動の結果使用した資金は14,158百万円であり、営業活動により生じたキャッシュ・フロー範囲内での投資活動となりました。また、余力資金は有利子負債返済等に充当しており、財務活動の結果使用した資金は10,644百万円となりました。安定的かつ効率的なキャッシュ・フローの状況であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、次のとおりであります。
当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高いことから、需給動向から大きな影響を受けます。特に国内事業における主力の印刷情報用紙事業では需要の減退が加速しておりますが、業界として供給過剰状態が継続しております。一方で世界的にもパルプは堅調な需要となっております。
また当社グループが購入している原燃料もまた市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあり、これらが経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
かかる認識の下、取扱製品や販売市場等の事業構造の転換に注力しており、取扱商品の拡充及び分散、また、輸出を強化することで為替リスクを軽減する等の対策に努めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。
運転資金につきましては主に短期資金にて調達しており、短期資金調達枠には十分な調達余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。
安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。
平成29年3月期(前期)平成30年3月期(当期)
有利子負債残高116,753百万円108,240百万円
現預金残高19,494百万円14,315百万円
ネット有利子負債残高97,259百万円93,924百万円
自己資本180,294百万円191,154百万円
ネットD/Eレシオ0.540.49

また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めていく方針です。
R&IJCR
短期格付a-1
(長期)発行体格付A-A

当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために平成32年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を設定し、連結売上規模3,000億円以上、海外売上高比率25%の企業を目指しております。
その最終ステップとして平成29年4月より中期経営計画「V-DRIVE」に取り組んでおります。グローバル展開における指標とした海外売上高比率は平成30年3月期において既に目標を上回る32.6%となり、さらなる拡大を続けてまいります。
「V-DRIVE」の初年度である平成30年3月期の達成・進捗状況は以下の通りです。
V-DRIVE計画(平成32年3月期)平成30年3月期(実績)
連結売上高3,000億円2,690億円
連結営業利益150億円114億円
売上高営業利益率5.0%以上4.2%
ROE6.0%以上5.6%
EBITDA400億円338億円
ネットD/Eレシオ0.6以下0.49

なお、中期経営計画「V-DRIVE」につきましては、上記に記載した最終年度における目標値のみを設定しております。
主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
当社グループにおいては紙パルプ事業のセグメント売上高が、売上高の90.0%を占めております。当該セグメントにつきましては、国内事業における紙需要の減退が加速しており、特に印刷情報用紙は供給過剰状態が解消されておらず、業界全体に深刻な構造的問題を抱えております。かかる認識の下、当社の主力工場である新潟工場は国内最大消費地である首都圏へのアクセスや東アジア地域への輸出における地理的優位性、抄紙機をはじめとした諸設備の近代性、環境負荷の少ない商品特性等を活かし、他社との差別化を図ると共に物流費をはじめとした徹底的なコストダウンにより競争力強化に努めております。また、近年需要が拡大している東アジアをはじめ、40か国以上への輸出を強化しており、販売市場の拡大に注力しております。
また海外事業においては、フランスの特殊紙事業、中国の白板紙事業、カナダのパルプ事業のいずれも旺盛な需要環境の下、経営成績は順調に推移しており、前記の輸出を含めた海外売上高比率を拡大してまいります。
当社グループにおいては当該セグメント資産が、総資産額の93.8%を占めております。財務健全性の指標としている自己資本比率、ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。同様にキャッシュ・フローにおいても、減価償却費の範囲内での設備再投資を継続しており、資金余力を一時的に有利子負債削減に振り向けることで効率的な資金運用を維持しております。なお、今後の戦略的投資により有利子負債が増加することも予想されますが、財務健全性とのバランスを鑑み、資金調達を行う方針にあります。
パッケージング・紙加工事業につきましては、主力の液体容器事業において、顧客ニーズの多様化等により、受注は漸減しております。かかる認識の下、当連結会計年度においてイタリア大手包装機器メーカーと国内における新型液体容器の独占的販売契約を締結し、新たな市場開拓に注力しております。また、世界的に環境負荷低減が提唱される中、紙製容器の優位性が見直されており、液体容器以外の各種紙器においても販売拡充に注力しております。その他、工業用途の紙加工事業においては、海外を中心に電子部品用途需要が旺盛であり、堅調推移が見込まれます。
その他の事業につきましては、木材事業、建設業、運送・倉庫業等の多岐にわたっております。直接・間接的に紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業に関連する事業であり、当連結会計年度における外部売上高比率は16.9%にとどまっておりますが、経営資源の有効活用を目的に外部売上高強化に注力しております。
③ 次期の見通し
我が国経済は緩やかな回復基調が続いており、次年度におきましても、企業収益及び雇用情勢の改善が続く中、緩やかな回復が続くことが期待されています。しかしながら、米国政権の経済政策の動向、中国をはじめとするアジア新興国等の景気の先行きなど海外経済の不確実性による影響などがリスクとして懸念されております。
このような状況下、紙パルプ産業を取り巻く環境は、印刷・情報用紙の国内需要の減少、原燃料価格の上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループといたしましては、さらに収益体質の強化を図るべく、引続き徹底したコストダウンに取り組むと共に事業構造の転換を継続してまいります。

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