有価証券報告書-第183期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で社会経済活動が停滞し、第2四半期において、大きな需要減となりました。下期に入り、段階的に社会経済活動が再開され、需要が回復してきたものの、第2四半期の落ち込みが大きく、通期では減収減益となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、当社が保有する日伯紙パルプ資源開発株式会社の全株式譲渡による投資有価証券売却益の計上等に伴い増益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。
| 売 上 高 | 222,454 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 15.9%減 | ) |
| 営 業 利 益 | 1,701 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 84.8%減 | ) |
| 経 常 利 益 | 9,756 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 37.7%減 | ) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14,172 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 75.6%増 | ) |
主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
紙パルプ事業
紙パルプ事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で社会経済活動が停滞し、第2四半期において、大きな需要減となりました。下期に入り、段階的に社会経済活動が再開され、需要が回復してきたものの、第2四半期の落ち込みが大きく、通期では減収減益となりました。
品種別には、洋紙につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会経済活動が停滞し、イベントの中止・自粛が相次ぎ、前年実績を大きく下回りました。
板紙につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、食品向けで堅調に推移した一方で、インバウンド需要の消失による化粧品及び土産物向けが大きく落ち込むことになりました。グレード別には、特殊白板紙及びコート白ボールは、食品一次容器、持ち帰り用食品関連容器並びにインスタント及びレトルト食品向けの箱用途については好調に推移しましたが、土産物及び医薬品向けで減少が大きく前年実績を下回りました。高級白板紙は、店頭POP用途、各種カード類、化粧品及び医薬品向けで減少が大きく前年実績を下回りました。また、段ボール原紙は、2020年4月より顧客である段ボールメーカーへの出荷を開始しております。
特殊紙につきましては、機能紙分野においては総じて好調に推移しました。電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は5Gスマートフォンの新モデル需要及びリモートワークの普及によるパソコン及びタブレット需要が追い風となり、また、空気清浄用フィルター等は衛生意識の高まりにより好調であり、機能紙全体で前年実績を上回りました。ファンシーペーパー全般では洋紙同様にイベントの中止・自粛に伴い高級印刷用紙にてカタログ・パンフレット用途が低迷しました。情報用紙では、通知用の圧着ハガキ用紙が電子媒体への移行により低迷し、また、OCR用紙が大きく減少し前年実績を下回りました。
パルプにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動が停滞した結果パルプ価格が下落し、前年実績を下回りました。
以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上高 | 198,770 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 16.4%減 | ) |
| 営業利益 | 673 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 92.8%減 | ) |
パッケージング・紙加工事業
パッケージング・紙加工事業につきましては、液体容器の形状変更による受注減少及び新型コロナウイルス感染症の影響で需要が大きく落ち込み、特にパッケージング分野及び情報メディア分野を中心として販売が低調だったことにより、減収減益となりました。
この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上高 | 15,599 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 14.4%減 | ) |
| 営業利益 | 89 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 78.6%減 | ) |
木材事業
木材事業につきましては、バイオマスボイラー向け燃料チップの販売が好調であったことにより、増収増益となりました。
この結果、木材事業の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上高 | 3,419 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 18.9%増 | ) |
| 営業利益 | 317 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 12.0%増 | ) |
エンジニアリング事業
エンジニアリング事業につきましては、大型受注案件が減少し減収減益となりました。
この結果、エンジニアリング事業の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上高 | 911 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 2.3%減 | ) |
| 営業利益 | 228 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 32.8%減 | ) |
運送・倉庫事業
運送・倉庫事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で取扱量が減少し減収減益となりました。
この結果、運送・倉庫事業の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上高 | 829 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 24.8%減 | ) |
| 営業損失(△) | △159 | 百万円 | (前連結会計年度は27百万円の営業損失) | ||
その他
その他事業につきましては、2020年8月に事業の撤退を意思決定し、一部事業の営業が終了したことにより減収減益となりました。
この結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上高 | 2,922 | 百万円 | (前連結会計年度比 | 18.4%減 | ) |
| 営業損失(△) | △60 | 百万円 | (前連結会計年度は293百万円の営業利益) | ||
総資産は、前連結会計年度末に比べて18,344百万円増加し、363,075百万円となりました。これは主として、投資有価証券が16,462百万円、現金及び預金が8,463百万円、退職給付に係る資産が1,347百万円それぞれ増加した一方で、商品及び製品が6,825百万円、減価償却等により有形固定資産が941百万円それぞれ減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて3,787百万円増加し、167,656百万円となりました。これは主として、有利子負債が7,159百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が1,788百万円、設備関係支払手形が1,192百万円がそれぞれ減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて14,557百万円増加し、195,419百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が12,011百万円、その他有価証券評価差額金が2,184百万円それぞれ増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて8,463百万円増加し、29,846百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は23,760百万円(前連結会計年度比46.0%減)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益13,331百万円、減価償却費14,482百万円、たな卸資産の減少額6,516百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益5,587百万円、投資有価証券売却益5,320百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は19,575百万円(前連結会計年度比3.1%減)となりました。
支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出10,625百万円、有形固定資産の取得による支出15,526百万円、収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入7,478百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は4,358百万円(前連結会計年度は17,261百万円の支出)となりました。
収入の主な内訳は、短期借入金の増加7,060百万円、長期借入れによる収入16,000百万円、支出の主な内訳は、コマーシャル・ペーパーの減少額7,000百万円、長期借入金の返済による支出9,145百万円、配当金の支払額2,190百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。
| 区分 | 生産高(t) | 前年同期比(%) | |
| 紙 | 洋紙 | 973,806 | 76.2 |
| 板紙 | 511,923 | 98.4 | |
| 合計 | 1,485,728 | 82.6 | |
| パルプ | 1,394,096 | 87.6 | |
b. 受注実績
当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 紙パルプ事業 | 198,770 | 83.6 |
| パッケージング・紙加工事業 | 15,599 | 85.6 |
| 木材事業 | 3,419 | 118.9 |
| エンジニアリング事業 | 911 | 97.7 |
| 運送・倉庫事業 | 829 | 75.2 |
| その他 | 2,922 | 81.6 |
| 合計 | 222,454 | 84.1 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 新生紙パルプ商事㈱ | 34,832 | 13.2 | 30,314 | 13.6 |
| 国際紙パルプ商事㈱ | 21,298 | 8.0 | 18,310 | 8.2 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
| 前連結会計年度 (2020年3月期) (百万円) | 当連結会計年度 (2021年3月期) (百万円) | 連結業績予想 (2021年3月期) (百万円) | |
| 売上高 | 264,618 | 222,454 | 210,000 |
| 営業利益 | 11,208 | 1,701 | 1,000 |
| 経常利益 | 15,652 | 9,756 | 5,500 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 8,072 | 14,172 | 7,500 |
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、社会経済活動が停滞したことから、世界的に紙・パルプ需要は低迷しました。当社グループでは、国内における紙販売量の大幅な減少により売上高は減収となり、加えて世界的なパルプ価格の低下及び紙生産数量の減少による影響が大きく、営業利益、経常利益共に減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、有価証券売却益などの特別利益計上により増益となりました。なお、連結業績予想に対しては、いずれも予想額を上回る結果となりました。
当社グループでは当連結会計年度より段ボール原紙事業を開始するなど、「中期経営計画 2023」の基本方針に則り、事業ポートフォリオシフト、海外事業拡充及び国内事業強化等を図っております。これらの基本方針に基づく企業活動を加速することで持続的成長を目指してまいります。
財政状態の分析
当連結会計年度末の流動資産合計は、売上高減少により売上債権やたな卸資産は減少したものの、経済動向を鑑み流動性預金を増やした結果、現金及び預金が増加し、2,340百万円増加しました。また、固定資産合計は、設備投資額は減価償却費内の投資であったものの、投資有価証券の増加等により16,003百万円増加しました。一方、負債合計は仕入債務等が減少したものの有利子負債が7,159百万円増加し、3,787百万円増加しました。純資産合計においては、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加等により14,557百万円の増加となりました。
以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は53.6%と前連結会計年度より1.4ポイント上昇しており、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。
キャッシュ・フローの分析
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、前連結会計年度43,974百万円から20,213百万円減少し23,760百万円となりました。前連結会計年度は、前々連結会計年度末日が金融機関の休日に該当したことから売上債権が大きく減少しており、営業活動によるキャッシュ・フローが大きく増加しております。当連結会計年度においても、売上債権及びたな卸資産は減少しているものの、先の特殊要因から大きく減少しております。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券を売却した一方で各種設備投資や投資有価証券の追加取得を実施した結果、19,575百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、新型コロナウイルス感染症の影響による資金調達の市場変化等を鑑み、流動性預金を増やすべく長期借入れを実施したことから4,358百万円の増加となりました。現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度から8,463百万円増加の29,846百万円となっております。設備投資等については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び資産売却に伴う収入の範囲内において実施されており、適切なキャッシュ・フローの状況であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、次のとおりであります。
当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高く、需給動向や市場価格等の影響を大きく受けます。国内事業における主力の印刷情報用紙事業では構造的な需要減退が継続しており、新型コロナウイルス感染症の影響はその需要減退を加速させております。また、市販パルプ価格は需給バランスに加え、一部の投機的な市場価格形成の影響により、大きな価格変動が生じています。
当社グループが購入している原燃料につきましても市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあります。世界的な新型コロナウイルス感染症による経済的不確実性に加えて、各国間通商問題の動向や各国通貨の為替変動等が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
かかる認識の下、事業ポートフォリオシフトに注力しており、取扱商品及び販売市場の拡充及び分散、また、輸出強化による為替リスク軽減等に努めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。
運転資金につきましては主に短期資金にて調達しており、短期資金調達枠には十分な調達余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。
安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。
| 2020年3月期(前期) | 2021年3月期(当期) | |||
| 有利子負債残高 | 106,832 | 百万円 | 113,991 | 百万円 |
| 現預金残高 | 21,383 | 百万円 | 29,846 | 百万円 |
| ネット有利子負債残高 | 85,448 | 百万円 | 84,144 | 百万円 |
| 自己資本 | 180,183 | 百万円 | 194,702 | 百万円 |
| ネットD/Eレシオ | 0.47 | 0.43 | ||
また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めていく方針です。
| R&I | JCR | |
| 短期格付 | a-1 | ― |
| (長期)発行体格付 | A- | A |
当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、全てのステークホルダーと共に持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2030年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2030」を策定し、その企業グループイメージの実現に向けた第一ステップとして、2020年4月より「事業ポートフォリオシフト」「海外事業拡充」「国内事業強化」「ガバナンス経営強化」「SDGs活動推進」を基本方針とした「中期経営計画 2023」に取り組んでおります。「中期経営計画 2023」の初年度となる当連結会計年度の進捗状況は下表の通りです。なお、「中期経営計画 2023」につきましては、上記に掲載した最終年度における目標値のみを設定しております。
また、当社グループは「グループ環境目標2030」を制定し、地球温暖化対策をはじめとした行動計画を定め、環境経営を強化しております。加えて「北越グループ ゼロCO2 2050」を策定し、人と自然が共生する社会の実現を目指し、2050年までにCO2排出量をゼロとすることに挑戦しております。
| 中期経営計画2023(2023年3月期) | 2021年3月期(実績) | |||
| 連結売上高 | 2,800 | 億円 | 2,224 | 億円 |
| 連結営業利益 | 150 | 億円 | 17 | 億円 |
| 経常利益 | 200 | 億円 | 97 | 億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 150 | 億円 | 141 | 億円 |
| ROE | 7.0 | % | 7.6 | % |
| EBITDA | 350 | 億円 | 247 | 億円 |
主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
紙パルプ事業のセグメント売上高は198,770百万円と前連結会計年度比16.4%の減少となり、セグメント利益は673百万円と前連結会計年度比92.8%の減少となりました。
当該セグメントの売上高は連結売上高の89.4%を占めております。また当該セグメントの資産は総資産の94.8%を占めていることから、当該セグメントの財政状態及び経営成績が連結財政状態及び経営成績に大きな影響を与えます。
国内においては主力事業である印刷情報用紙を中心に国内紙需要が急減し売上高が減少しました。事業ポートフォリオシフトの一環として段ボール原紙事業を新規に開始いたしましたが、生産販売数量の低下をカバーするには至らず、減収減益となりました。国内既存事業の強化を目的に当該事業推進体制を「洋紙・白板紙事業本部」「機能材事業本部」の2事業本部制に変更いたします。カナダのパルプ市販事業においては、販売数量は増販となりましたが、世界的なパルプ価格低下の影響が大きく、減収減益となりました。中国における白板紙事業においては、中国市場が新型コロナウイルス感染症による影響から比較的早期に回復し、年度後半より販売数量、販売価格共に回復しましたが、年度前半の販売数量減少が大きく、減収増益となりました。フランスにおける特殊紙事業においては、新型コロナウイルス感染症の欧米における経済活動低下の影響から、減収減益となりました。当該セグメントの売上高及び収益力を強化するべく、事業ポートフォリオシフトに継続的に取り組み、併せて環境経営を推進することにより環境負荷の低い当社製品販売を強化してまいります。
パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は15,599百万円と前連結会計年度比14.4%の減少となり、セグメント利益は、89百万円と前連結会計年度比78.6%の減少となりました。
当該セグメントにおいては、主力事業である液体容器事業の形状変更による受注減少やビジネスフォーム印刷・情報メディア事業の需要減少等が継続しております。かかる状況下、海洋プラスチック問題等を起因として、需要増加が期待される紙容器等のパッケージング事業に経営資源を集中することを目的に、ビジネスフォーム印刷事業等の一部事業譲渡を決定いたしました。当社グループの原紙・素材の開発から製品まで一貫生産できる強みを活かして、販売拡充に注力してまいります。
木材事業のセグメント売上高は3,419百万円と前連結会計年度比18.9%の増加となりました。セグメント利益につきましては、317百万円と前連結会計年度比12.0%の増加となりました。
当該セグメントはバイオマスボイラー向け燃料チップの集荷及び販売を行っております。CO2排出量の削減が求められる中、再生可能エネルギーであるバイオマスボイラー向け燃料チップの販売は好調でありました。引き続き、再生可能エネルギー向け燃料チップを安定的に供給すると共に、安定した売上高・利益を確保してまいります。
エンジニアリング事業のセグメント売上高は911百万円と前連結会計年度比2.3%の減少となりました。セグメント利益につきましては、228百万円と前連結会計年度比32.8%の減少となりました。
当該セグメントは建設、機械の製造・販売・営繕等を行っております。大型受注案件の減少により減収減益となりました。建設案件等の情報収集に注力してまいります。
運送・倉庫事業のセグメント売上高は829百万円と前連結会計年度比24.8%減少し、セグメント損失は159百万円となりました。
当該セグメントは一般貨物輸送業及び倉庫業を営んでおりますが、貨物取扱量が減少したことから、減収減益となりました。製品輸出に関連する外注作業の内製化を図ると共に、輸送段階におけるCO2排出量の削減のため引き続き鉄道コンテナへのモーダルシフトを推進してまいります。
その他事業のセグメント売上高は2,922百万円と前連結会計年度比18.4%減少し、セグメント損失は60百万円となりました。
当該セグメントは古紙卸業及びパレット生産購入販売等を含んでおります。自動車教習所及びゴルフ練習場経営の事業撤退を意思決定し一部事業の営業が終了したこと等により、減収減益となりました。
② 次期の見通し
我が国経済は、予断を許さない状況にあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響による社会経済活動の停滞から徐々に回復しつつあり、紙パルプ業界においても、急減した紙・パルプ需要は回復基調にあると判断しております。次期の見通しにつきましては、原燃料等の市況価格上昇はあるものの、国内紙需要の一定程度の回復、パルプ販売価格の上昇等が想定されます。当社グループは「中期経営計画 2023」の基本方針である「事業ポートフォリオシフト」「海外事業拡充」「国内事業強化」「ガバナンス経営強化」「SDGs活動推進」に基づく企業活動を加速し、併せて「グループ環境目標2030」に基づく環境経営を推進し、企業価値向上を目指してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。