有価証券報告書-第181期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 16:45
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループにおきましては、輸出及び海外子会社の販売が好調で増収となった一方で、原燃料価格の高騰等により減益となりました。当社グループの当期における業績は以下のとおりです。
売 上 高275,807百万円(前連結会計年度比2.5%増)
営 業 利 益10,130百万円(前連結会計年度比11.2%減)
経 常 利 益13,015百万円(前連結会計年度比6.4%減)
親会社株主に帰属する当期純利益9,155百万円(前連結会計年度比11.3%減)

主なセグメント別の経営成績は、下記のとおりであります。
紙パルプ事業
紙パルプ事業につきましては、輸出及び海外子会社の販売が好調で増収となりました。損益面においては、原燃料価格の高騰等により減益となりました。
品種別には、洋紙につきましては、広告媒体及び通販カタログの電子化により需要は減少しており、2019年1月より価格改定を実施したものの、第3四半期までの販売が振るわず前年実績を下回りました。一方、輸出につきましては、アジア諸国を中心に過去最高の販売量となりました。
白板紙につきましては、コート白ボールは菓子及びレトルト等の食品関連が底堅く推移しました。高級白板紙は高級化粧品用途は堅調でしたが、コンビニ関連の販促品及び店頭POP用途が振るわず販売は前年実績を下回りました。また特殊白板紙は洋菓子及び土産関連のパッケージ用途が堅調に推移しました。
特殊紙につきましては、機能紙分野において、電子部品搬送用のチップキャリアテープ原紙は年内までは好調でしたが、年明け後中国向けを中心に荷動きは一服状態となりました。また、空気清浄用フィルター等は国内において堅調に推移しましたが、輸出にて年明け後の受注減少により前年実績を下回りました。ファンシーペーパー全般では需要減少に加えて一般紙へのグレードダウンが続いていますが、高級印刷用紙は堅調に推移しました。情報用紙では、通知用の圧着ハガキ用紙で受注の減少により前年実績を下回る販売となり、情報用紙全体では帳票用途の減少及び電子媒体への移行が続き、厳しい販売状況でした。
パルプにつきましては、パルプ市況の上昇等により、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.の販売が好調で、前年実績を上回りました。
以上の結果、紙パルプ事業の業績は以下のとおりとなりました。
売上高248,253百万円(前連結会計年度比2.5%増)
営業利益7,956百万円(前連結会計年度比9.7%減)

パッケージング・紙加工事業
パッケージング・紙加工事業につきましては、一部ユーザーによる液体容器の形状変更及び情報メディア分野の電子化に伴う需要減により受注が減少し、減収減益となりました。
この結果、パッケージング・紙加工事業の業績は以下のとおりとなりました。
売上高19,192百万円(前連結会計年度比1.2%減)
営業利益841百万円(前連結会計年度比25.4%減)


その他
木材事業、古紙卸業、建設業、運送・倉庫業をはじめとするその他事業につきましては、全体的に厳しい受注環境下でありましたが、木材事業の外部受注が増加したことにより増収となりました。損益面においては、主として運送・倉庫業のコストアップにより減益となりました。
以上の結果、その他事業の業績は以下のとおりとなりました。
売上高8,361百万円(前連結会計年度比10.2%増)
営業利益709百万円(前連結会計年度比13.1%減)

総資産は、前連結会計年度末に比べて1,634百万円増加し、368,082百万円となりました。これは主として、現金及び預金が887百万円、商品及び製品が2,512百万円、原材料及び貯蔵品が3,019百万円、投資有価証券が1,562百万円それぞれ増加した一方で、受取手形及び売掛金が1,470百万円、減価償却等により有形固定資産が5,092百万円それぞれ減少したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べて749百万円増加し、175,220百万円となりました。これは主として、有利子負債が1,485百万円、未払法人税等が729百万円それぞれ増加した一方で、繰延税金負債が991百万円、資産除去債務が574百万円それぞれ減少したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べて884百万円増加し、192,861百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が6,784百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が2,484百万円、為替換算調整勘定が3,452百万円それぞれ減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて920百万円増加し、15,202百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は21,626百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12,703百万円、減価償却費18,390百万円、支出の主な内訳は、持分法による投資利益1,259百万円、たな卸資産の増加額7,114百万円、法人税等の支払額3,221百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は19,274百万円(前連結会計年度比36.1%増)となりました。
支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出4,192百万円、有形固定資産の取得による支出15,626百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は934百万円(前連結会計年度比91.2%減)となりました。
支出の主な内訳は、短期借入金の減少額3,813百万円、コマーシャル・ペーパーの減少額500百万円、長期借入金の返済による支出6,446百万円、配当金の支払額2,273百万円、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入12,200百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、その内容、構造、形式等は必ずしも一様ではありません。このため、セグメントごとの生産高を表示することは困難であります。そこで、紙パルプ事業の主要生産会社である当社、Alberta-Pacific Forest Industries Inc.及び江門星輝造紙有限公司の当連結会計年度における主たる品種別生産実績を示すと、次のとおりであります。
区分生産高(t)前年同期比(%)
洋紙1,333,91798.2
板紙519,36093.2
合計1,853,27896.7
パルプ1,662,67499.8

b. 受注実績
当社グループは、一部受注生産を行っているものもありますが、大部分は一般市況及び直接需要を勘案して計画生産を行い、自由契約に基づき販売しております。このため、グループ会社の受注実績を把握することが困難であります。そこで、受注実績については記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
紙パルプ事業248,253102.5
パッケージング・紙加工事業19,19298.8
その他8,361110.2
合計275,807102.5

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
新生紙パルプ商事㈱37,24513.834,92312.7
国際紙パルプ商事㈱20,3777.621,6527.9

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りの評価が必要な事項については、合理的な基準に基づき実施しております。
なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
前連結会計年度
(2018年3月期)
(百万円)
当連結会計年度
(2019年3月期)
(百万円)
連結業績予想
(2019年3月期)
(百万円)
売上高269,099275,807275,000
営業利益11,41410,13010,000
経常利益13,90713,01513,000
親会社株主に帰属する当期純利益10,3279,1558,500

経営成績の状況につきましては、前連結会計年度と比べ、国内における紙販売は前年を下回る販売となったことから、国内売上高は減収となりましたが、輸出販売やパルプ販売の拡大などが寄与した結果、全体では増収となりました。また原燃料価格の高騰が前連結会計年度より更に加速し、印刷・情報用紙の製品価格の改定に2019年1月より取り組んだものの、当期の営業利益は前連結会計年度と比べ減益となりました。経常利益につきましては、営業外損益において持分法投資利益の減少等による減益要因があったものの、為替の円安進行による為替差益の拡大などの増益効果が上回りましたが、営業利益の減益幅をカバーするには至らず、前連結会計年度と比べ減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益において前連結会計年度において退職給付制度改定益が発生したことや、特別損失において固定資産除売却損の計上額が減少するなどの増減益要因があり、結果的には前連結会計年度と比べ減益となりました。なお連結業績予想に対しては、いずれも予想額を上回る結果となりました。
国内事業における収益性の改善に努めつつ、引き続き海外事業の拡大等による事業構造転換を進めることで成長に努めてまいります。
財政状態の分析
財政状態につきましては、流動資産は棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ5,508百万円増加しました。また、固定資産は設備投資額が減価償却費を下回ったことなどにより前連結会計年度末に比べ3,874百万円減少しました。一方、負債については有利子負債の増加などにより前連結会計年度末に比べ749百万円増加しました。純資産においては、利益剰余金が増加する一方で、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定の減少があり、前連結会計年度末に比べ884百万円の増加となりました。
以上により、財務健全性指標の一つである自己資本比率は52.2%と前連結会計年度末と同水準を保っており、財政状態の健全性は維持できているものと認識しております。
キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローにつきましては、必要運転資金が減少した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比べ1,884百万円増加し21,626百万円となりました。投資活動の結果使用した資金は、投資有価証券の取得や設備投資額の増加などにより19,274百万円となりましたが、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内でありました。また、財務活動によるキャッシュ・フローとしては934百万円の減少となり、安定的かつ効率的なキャッシュ・フローの状況であると認識しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、次のとおりであります。
当社グループの取扱商品は市況商品の割合が高いことから、需給動向から大きな影響を受けます。特に国内事業における主力の印刷情報用紙事業では需要の減退が著しく、また将来的にも同様の傾向が予想されます。一方でパルプの需要は世界的にも堅調に推移しておりますが、通商問題の動向や世界経済・政策に関する不確実性などがパルプ需給に与える影響に注視が必要な状況となっております。
また当社グループが購入している原燃料もまた市況商品が多く、価格変動リスクに晒されており、加えて国内事業においては輸入原燃料を多用することから為替の変動リスクもあり、これらが経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
かかる認識の下、取扱製品や販売市場等の事業構造の転換に注力しており、取扱商品の拡充及び分散、また、輸出を強化することで為替リスクを軽減する等の対策に努めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、事業活動に必要な流動性の安定確保と財務健全性の維持を基本方針としております。コマーシャル・ペーパーや長期社債発行等による直接調達及び金融機関借入等による間接調達を活用し、機動的かつ分散調達により安定的な財務基盤を確立しております。
運転資金につきましては主に短期資金にて調達しており、短期資金調達枠には十分な調達余力を有しています。また、設備投資等につきましては主に長期社債、長期借入金等にて調達し、市場環境を鑑みながら有利な手段を選択しております。
安定的な財務基盤の指標の一つとして、有利子負債残高から現預金残高を差し引いた後のネット有利子負債残高を自己資本にて除したネットD/Eレシオを用いております。ネットD/Eレシオは一定水準以上であり、財務健全性は維持できております。
2018年3月期(前期)2019年3月期(当期)
有利子負債残高108,240百万円109,725百万円
現預金残高14,315百万円15,202百万円
ネット有利子負債残高93,924百万円94,522百万円
自己資本191,154百万円192,104百万円
ネットD/Eレシオ0.490.49

また、円滑な資金調達を継続するために株式会社格付投資情報センター(以下、「R&I」という。)及び株式会社日本格付研究所(以下、「JCR」という。)から格付を取得しており、下記格付の維持向上に努めていく方針です。
R&IJCR
短期格付a-1
(長期)発行体格付A-A


当社グループの経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当社グループは、持続的な成長を目指し、企業価値を向上させるために2020年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を設定し、連結売上規模3,000億円以上、海外売上高比率25%の企業を目指しております。
その最終ステップとして2017年4月より中期経営計画「V-DRIVE」に取り組んでおります。グローバル展開における指標とした海外売上高比率は2019年3月期において既に目標を上回る35.1%となり、さらなる拡大を続けてまいります。
「V-DRIVE」の中間年度である2019年3月期の達成・進捗状況は以下の通りです。
V-DRIVE計画(2020年3月期)2019年3月期(実績)
連結売上高3,000億円2,758億円
連結営業利益150億円101億円
売上高営業利益率5.0%以上3.7%
ROE6.0%以上4.8%
EBITDA400億円323億円
ネットD/Eレシオ0.6以下0.49

なお、中期経営計画「V-DRIVE」につきましては、上記に記載した最終年度における目標値のみを設定しております。
主なセグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
紙パルプ事業のセグメント売上高は248,253百万円と前連結会計年度比2.5%の増加となりました。当該セグメントの売上高は当社グループの売上高の90.0%を占めております。セグメント利益につきましては、7,956百万円と前連結会計年度比9.7%の減少となりました。
当該セグメントは当社グループがコア事業と位置づけている5つの事業のうち、洋紙事業、白板紙事業、特殊紙事業、パルプ事業の4つの事業が主体となって構成する当社グループ最大の事業セグメントであり、セグメント資産においても総資産額の93.9%を占めております。当該セグメントは充分なキャッシュ・フロー創出力を有しており、当社グループ全体の財務健全性の維持に寄与しております。
国内における紙需要は今後も漸減傾向にあるとの認識のもと、洋紙事業において輸出の拡大戦略を推進していくことに加えて、白板紙事業においては中国、特殊紙事業においてはフランス、パルプ事業においてはカナダに海外拠点を有しており、4つのコア事業の全てがグローバルな市場開拓を積極的に進めております。今後もこれらの投資を加速していくと共に、セグメント内の製品ポートフォリオの拡充および変革にも継続的に取り組んでまいります。
パッケージング・紙加工事業のセグメント売上高は19,192百万円と前連結会計年度比1.2%の減少となりました。当該セグメントの売上高は当社グループの売上高の7.0%を占めております。セグメント利益につきましては、841百万円と前連結会計年度比25.4%の減少となりました。
当該セグメントは当社グループがコア事業と位置づけている5つの事業のうちの1つである紙加工事業が主体となっております。主力の液体容器事業において一部ユーザーによる形状変更や、情報メディア分野の電子化に伴う受注減の影響があったものの、液体容器事業においてはイタリアIPI S.r.l.の無菌充填包装システムの販売を開始したほか、食品・化粧品包装分野を始めとしたラミネート事業拡大のため、8色グラビア印刷機を導入しました。世界的に環境負荷低減が提唱される中、紙製容器の優位性が見直されており、液体容器以外の各種紙器においても引き続き販売拡充に注力してまいります。
その他の事業のセグメント売上高は8,361百万円と前連結会計年度比10.2%の増加となりました。当該セグメントは木材事業、古紙卸業、建設業、運送・倉庫業等の多岐に亘っております。直接・間接的に紙パルプ事業及びパッケージング・紙加工事業に関連する事業であり、当連結会計年度における外部売上高比率は18.8%にとどまっておりますが、経営資源の有効活用を目的に外部売上高強化に注力してまいります。
③ 次期の見通し
我が国経済は、輸出や生産の一部に弱さがみられるものの、緩やかな回復基調が続くことが期待されておりますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国を始めとする海外経済の動向や政策に対する不確実性などに起因する影響がリスクとして懸念されております。このような状況下、紙パルプ産業を取り巻く環境におきましても、印刷・情報用紙の国内需要の減少、原燃料価格の上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
次期につきましては、当社グループの中期経営計画「V-DRIVE」の計画期間における最終年度となりますが、連結経営指標の達成を目指して、更なる収益体質の強化を図るべく、引き続き徹底したコストダウンに取り組むと共に事業構造の転換を継続してまいります。

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