有価証券報告書-第165期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りである。
1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、中期経営計画「BRIGHT-2020」の2年目を迎え、引き続き、「新成長エンジンの創出」、「海外収益基盤の確立」および「事業構造改革の完遂」の3つの基本方針に基づき、具体的な施策をさらに進めた。
当連結会計年度の売上高は、1,054億7千7百万円と前期比2.2%の減少となった。利益面においては、営業利益は96億9千8百万円と前期比2.2%の増加、経常利益は103億2千1百万円と前期比2.7%の増加となり、営業利益および経常利益は過去最高を達成した。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は65億6百万円と投資有価証券評価損計上等の影響もあり前期比4.2%の減少となった。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は次のとおりである。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して1.6%減少し1,108億5千1百万円となった。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、2.4%増加し698億7千1百万円となった。これは、主として現金及び預金が32億2千3百万円、有価証券が17億9千9百万円それぞれ増加し、受取手形及び売掛金が36億2千7百万円減少したことによる。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、7.8%減少し409億8千万円となった。これは、主として投資有価証券が28億3千9百万円、無形固定資産が3億1千1百万円、有形固定資産が1億8百万円それぞれ減少したことによる。
負債は、前連結会計年度と比較して13.3%減少し、417億3千万円となった。流動負債は、前連結会計年度末に比べて、17.2%減少し266億6千万円となった。これは、主として支払手形及び買掛金が24億2千7百万円、1年内償還予定の新株予約権付社債が14億6千4百万円、未払法人税等が10億1百万円それぞれ減少したことによる。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、5.3%減少し150億6千9百万円となった。これは、主として繰延税金負債が6億5千8百万円、役員退職慰労引当金が3億6千9百万円それぞれ減少したことによる。
純資産は、前連結会計年度末に比べて、7.1%増加し691億2千1百万円となった。これは主として、資本金が7億2千万円、資本準備金が7億2千万円、利益剰余金が49億2千7百万円それぞれ増加したことによる。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して45億2千3百万円増加し288億9千9百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して4億8千2百万円増加し103億3千6百万円の収入となった。これは主に、増加要因として税金等調整前当期純利益が94億5千万円であったことによる。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して4億5千万円支出が減少し40億9千2百万円の支出となった。これは主に有形固定資産の取得による支出が34億7千4百万円、投資有価証券の取得による支出が3億2千万円となったことによる。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、16億7千7百万円の支出(前連結会計年度は50億3百万円の支出)となった。これは主に短期借入金および長期借入金の返済がなかったことによる。
3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 1 金額は、平均販売価格により算出したものである。
2 上記には自家使用分が含まれている。
3 金額には、消費税等は含まれていない。
② 製品仕入実績
当連結会計年度における製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 1 金額は、仕入価格により算出したものである。
2 金額には、消費税等は含まれていない。
③ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注) 金額には、消費税等は含まれていない。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示している。
2 セグメント間取引については、相殺消去している。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
前連結会計年度における株式会社山善に対する販売実績については、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略している。
4 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としている。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えている。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「追加情報」に記載している。
・繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。
・棚卸資産の評価
当社グループの棚卸資産は、会計基準に基づき、収益性が低下した場合に評価損を計上している。市場価額が下落した場合には、正味売却可能価額まで簿価を切り下げている。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げている。
将来における実際の需要、市場価値が当社グループの見積りより悪化した場合には、追加の評価損が必要となる可能性がある。
・投資の減損
当社グループは投資有価証券を保有しており、一定の基準に基づいて減損処理を実施している。時価のあるものは、下落の幅・期間について一定の基準に達した場合に評価損を計上している。時価のないものは、投資先の財政状態等を勘案し、評価損を計上している。そのため、将来、時価の下落や投資先の財政状態の悪化等により評価損の計上が発生する可能性がある。
・のれんの評価
当社グループはのれんについて四半期毎に減損の兆候の有無を確認している。割引前の将来キャッシュフローを見積り、帳簿価額を下回る場合に減損損失を計上している。前提としていた状況の変化により、将来キャッシュフローの見積りが減少することで減損損失が発生する可能性がある。
2)当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が継続してきたものの、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速の影響に加え、1月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、足下で急速に悪化しており、先行き不透明な状況となっている。
このような環境のもと、当社グループは、中期経営計画「BRIGHT-2020」の2年目を迎え、引き続き、「新成長エンジンの創出」、「海外収益基盤の確立」および「事業構造改革の完遂」の3つの基本方針に基づき、具体的な施策をさらに進めた。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は下記のとおりである。
当連結会計年度の売上高は、1,054億7千7百万円と前期比2.2%の減少となった。利益面においては、営業利益は96億9千8百万円と前期比2.2%の増加、経常利益は103億2千1百万円と前期比2.7%の増加となり、営業利益および経常利益は過去最高を達成した。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は65億6百万円と投資有価証券評価損計上等の影響もあり前期比4.2%の減少となった。
この結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の297.10円に対して、276.14円となった。
セグメント別の概況は、以下のとおりである。
(基礎化学品)
クロール・アルカリは、前半は需要が堅調に推移したが、後半に入り景気減速の影響を受け、半導体・電子材料および紙パルプ向け等の分野で需要が減少したため、売上高は減少した。
エピクロルヒドリンは、国内向け販売が堅調に推移するとともに、海外向けも中国の環境・安全規制強化の影響により販売数量が伸び、売上高が増加した。
以上の結果、基礎化学品の売上高は482億6千3百万円と前期比1.4%の減少となった。
(機能化学品)
アリルエーテル類は、電子材料および接着剤・塗料向けのシランカップリング剤用途で海外向け販売数量が伸び、売上高が増加した。ダップ樹脂は、UVインキ顧客での生産調整等の影響もあり、売上高は前年並みとなった。合成ゴム関連については、エピクロルヒドリンゴムは世界的な自動車生産台数減少の影響を受けたが、アクリルゴムは国内外で新規用途開発および新規顧客開拓に注力し市場での採用がさらに拡大した。
医薬品精製材料は、欧州並びに米国向けの糖尿病治療薬用途等の需要が拡大した。また、液体クロマトグラフィー用カラム・分析装置では、韓国および中国向けのカラム販売が好調に推移した。医薬品原薬・中間体は、国内向けでは感染症治療薬中間体、抗結核薬中間体およびバイオ医薬品用原料の販売、海外向けでは糖尿病関連薬中間体および血管拡張剤中間体の販売が拡大した。また、ジェネリック医薬品原薬の輸入販売が増加した。
一方で、カラーレジスト等液晶関連は、中国での液晶パネル向け販売数量が減少したため、売上高は減少した。グラスファイバーは、国内の電子材料向け販売数量が減少したため、売上高は減少した。
以上の結果、機能化学品の売上高は416億3千9百万円と前期比3.2%の減少となった。
(住宅設備ほか)
生活関連商品の販売は堅調に推移したが、建材事業等の販売減少により、住宅設備ほかの売上高は155億7千4百万円と前期比2.1%の減少となった。
(3) キャッシュ・フローの分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりである。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 2)キャッシュ・フローの状況」に記載している。運転資金は自己資金、短期借入金により賄い、成長戦略に沿った設備投資資金は、自己資金、新株予約権付社債により賄っている。
また、当社において子会社の資金を一元管理し、資金効率の向上を図っている。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りである。
1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、中期経営計画「BRIGHT-2020」の2年目を迎え、引き続き、「新成長エンジンの創出」、「海外収益基盤の確立」および「事業構造改革の完遂」の3つの基本方針に基づき、具体的な施策をさらに進めた。
当連結会計年度の売上高は、1,054億7千7百万円と前期比2.2%の減少となった。利益面においては、営業利益は96億9千8百万円と前期比2.2%の増加、経常利益は103億2千1百万円と前期比2.7%の増加となり、営業利益および経常利益は過去最高を達成した。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は65億6百万円と投資有価証券評価損計上等の影響もあり前期比4.2%の減少となった。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は次のとおりである。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して1.6%減少し1,108億5千1百万円となった。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、2.4%増加し698億7千1百万円となった。これは、主として現金及び預金が32億2千3百万円、有価証券が17億9千9百万円それぞれ増加し、受取手形及び売掛金が36億2千7百万円減少したことによる。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、7.8%減少し409億8千万円となった。これは、主として投資有価証券が28億3千9百万円、無形固定資産が3億1千1百万円、有形固定資産が1億8百万円それぞれ減少したことによる。
負債は、前連結会計年度と比較して13.3%減少し、417億3千万円となった。流動負債は、前連結会計年度末に比べて、17.2%減少し266億6千万円となった。これは、主として支払手形及び買掛金が24億2千7百万円、1年内償還予定の新株予約権付社債が14億6千4百万円、未払法人税等が10億1百万円それぞれ減少したことによる。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、5.3%減少し150億6千9百万円となった。これは、主として繰延税金負債が6億5千8百万円、役員退職慰労引当金が3億6千9百万円それぞれ減少したことによる。
純資産は、前連結会計年度末に比べて、7.1%増加し691億2千1百万円となった。これは主として、資本金が7億2千万円、資本準備金が7億2千万円、利益剰余金が49億2千7百万円それぞれ増加したことによる。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して45億2千3百万円増加し288億9千9百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して4億8千2百万円増加し103億3千6百万円の収入となった。これは主に、増加要因として税金等調整前当期純利益が94億5千万円であったことによる。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して4億5千万円支出が減少し40億9千2百万円の支出となった。これは主に有形固定資産の取得による支出が34億7千4百万円、投資有価証券の取得による支出が3億2千万円となったことによる。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、16億7千7百万円の支出(前連結会計年度は50億3百万円の支出)となった。これは主に短期借入金および長期借入金の返済がなかったことによる。
3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品 | 39,240 | △4.2 |
| 機能化学品 | 22,851 | △10.0 |
| 住宅設備ほか | 738 | △3.4 |
| 合計 | 62,830 | △6.4 |
(注) 1 金額は、平均販売価格により算出したものである。
2 上記には自家使用分が含まれている。
3 金額には、消費税等は含まれていない。
② 製品仕入実績
当連結会計年度における製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品 | 27,691 | +29.2 |
| 機能化学品 | 13,866 | +4.7 |
| 住宅設備ほか | 12,965 | +2.2 |
| 合計 | 54,524 | +15.1 |
(注) 1 金額は、仕入価格により算出したものである。
2 金額には、消費税等は含まれていない。
③ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 住宅設備ほか | 2,086 | △4.9 | 1,241 | △0.7 |
(注) 金額には、消費税等は含まれていない。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 基礎化学品 | 48,263 | △1.4 |
| 機能化学品 | 41,639 | △3.2 |
| 住宅設備ほか | 15,574 | △2.1 |
| 合計 | 105,477 | △2.2 |
(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示している。
2 セグメント間取引については、相殺消去している。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社山善 | ― | ― | 10,567 | 10.02 |
前連結会計年度における株式会社山善に対する販売実績については、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略している。
4 上記の金額には、消費税等は含まれていない。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としている。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えている。
なお、新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は、第5「経理の状況」の1「連結財務諸表」の「追加情報」に記載している。
・繰延税金資産
当社グループは繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上している。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性がある。
・棚卸資産の評価
当社グループの棚卸資産は、会計基準に基づき、収益性が低下した場合に評価損を計上している。市場価額が下落した場合には、正味売却可能価額まで簿価を切り下げている。また、一定期間を超えて滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げている。
将来における実際の需要、市場価値が当社グループの見積りより悪化した場合には、追加の評価損が必要となる可能性がある。
・投資の減損
当社グループは投資有価証券を保有しており、一定の基準に基づいて減損処理を実施している。時価のあるものは、下落の幅・期間について一定の基準に達した場合に評価損を計上している。時価のないものは、投資先の財政状態等を勘案し、評価損を計上している。そのため、将来、時価の下落や投資先の財政状態の悪化等により評価損の計上が発生する可能性がある。
・のれんの評価
当社グループはのれんについて四半期毎に減損の兆候の有無を確認している。割引前の将来キャッシュフローを見積り、帳簿価額を下回る場合に減損損失を計上している。前提としていた状況の変化により、将来キャッシュフローの見積りが減少することで減損損失が発生する可能性がある。
2)当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が継続してきたものの、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速の影響に加え、1月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、足下で急速に悪化しており、先行き不透明な状況となっている。
このような環境のもと、当社グループは、中期経営計画「BRIGHT-2020」の2年目を迎え、引き続き、「新成長エンジンの創出」、「海外収益基盤の確立」および「事業構造改革の完遂」の3つの基本方針に基づき、具体的な施策をさらに進めた。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は下記のとおりである。
当連結会計年度の売上高は、1,054億7千7百万円と前期比2.2%の減少となった。利益面においては、営業利益は96億9千8百万円と前期比2.2%の増加、経常利益は103億2千1百万円と前期比2.7%の増加となり、営業利益および経常利益は過去最高を達成した。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は65億6百万円と投資有価証券評価損計上等の影響もあり前期比4.2%の減少となった。
この結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の297.10円に対して、276.14円となった。
セグメント別の概況は、以下のとおりである。
(基礎化学品)
クロール・アルカリは、前半は需要が堅調に推移したが、後半に入り景気減速の影響を受け、半導体・電子材料および紙パルプ向け等の分野で需要が減少したため、売上高は減少した。
エピクロルヒドリンは、国内向け販売が堅調に推移するとともに、海外向けも中国の環境・安全規制強化の影響により販売数量が伸び、売上高が増加した。
以上の結果、基礎化学品の売上高は482億6千3百万円と前期比1.4%の減少となった。
(機能化学品)
アリルエーテル類は、電子材料および接着剤・塗料向けのシランカップリング剤用途で海外向け販売数量が伸び、売上高が増加した。ダップ樹脂は、UVインキ顧客での生産調整等の影響もあり、売上高は前年並みとなった。合成ゴム関連については、エピクロルヒドリンゴムは世界的な自動車生産台数減少の影響を受けたが、アクリルゴムは国内外で新規用途開発および新規顧客開拓に注力し市場での採用がさらに拡大した。
医薬品精製材料は、欧州並びに米国向けの糖尿病治療薬用途等の需要が拡大した。また、液体クロマトグラフィー用カラム・分析装置では、韓国および中国向けのカラム販売が好調に推移した。医薬品原薬・中間体は、国内向けでは感染症治療薬中間体、抗結核薬中間体およびバイオ医薬品用原料の販売、海外向けでは糖尿病関連薬中間体および血管拡張剤中間体の販売が拡大した。また、ジェネリック医薬品原薬の輸入販売が増加した。
一方で、カラーレジスト等液晶関連は、中国での液晶パネル向け販売数量が減少したため、売上高は減少した。グラスファイバーは、国内の電子材料向け販売数量が減少したため、売上高は減少した。
以上の結果、機能化学品の売上高は416億3千9百万円と前期比3.2%の減少となった。
(住宅設備ほか)
生活関連商品の販売は堅調に推移したが、建材事業等の販売減少により、住宅設備ほかの売上高は155億7千4百万円と前期比2.1%の減少となった。
(3) キャッシュ・フローの分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりである。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 2)キャッシュ・フローの状況」に記載している。運転資金は自己資金、短期借入金により賄い、成長戦略に沿った設備投資資金は、自己資金、新株予約権付社債により賄っている。
また、当社において子会社の資金を一元管理し、資金効率の向上を図っている。