有価証券報告書-第166期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 16:14
【資料】
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【項目】
137項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次の通りであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、中期経営計画「BRIGHT-2020」の最終年度を迎え、「新成長エンジンの創出」、「海外収益基盤の確立」および「事業構造改革の完遂」の3つの基本方針に基づき、具体的な施策をさらに進めました。
当連結会計年度の売上高は、972億6千6百万円と前期比7.8%の減少となりました。利益面におきましても、営業利益は83億4千1百万円と前期比14.0%の減少、経常利益は88億3千8百万円と前期比14.4%の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は60億5千万円と前期比7.0%の減少となりました。
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は次のとおりであります。
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて、7.7%増加し1,193億7千3百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、5.7%増加し738億7千6百万円となりました。これは、主として現金及び預金が23億3千6百万円、受取手形及び売掛金が10億1千3百万円それぞれ増加したことによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、11.0%増加し454億9千6百万円となりました。これは、主として投
資有価証券が61億6千2百万円増加し、有形固定資産が13億1千6百万円減少したことによります。 負債は、前連結会計年度末に比べて、1.0%増加し421億4千1百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて、0.6%増加し268億1千8百万円となりました。これは、主として未払法人税等が2億1千3百万円増加したことによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、1.7%増加し153億2千2百万円となりました。これは、主として繰延税金負債が20億2千7百万円増加し、新株予約権付社債が12億6千3百万円、退職給付に係る負債が5億6千万円それぞれ減少したことによります。 純資産は、前連結会計年度末に比べて、11.7%増加し772億3千2百万円となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して30億3千6百万円増加し319億3千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して9億8千9百万円減少し93億4千7百万円の収入となりました。これは主に、減少要因として税金等調整前当期純利益が86億8千万円であったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して22億4千2百万円支出が減少し18億5千万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が17億7千2百万円となったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比較して27億8千6百万円支出が増加し44億6千4百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額が15億3千3百万円、新株予約権付社債の償還による支出12億6千3百万円、自己株式の取得による支出が10億2百万円、短期借入金の返済による支出5億9千5百万円となったことによります。
3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
基礎化学品36,421△7.2
機能化学品18,358△19.7
住宅設備ほか497△32.7
合計55,277△12.0

(注)1 金額は、平均販売価格により算出したものであります。
2 上記には自家使用分が含まれております。
3 金額には、消費税等は含まれておりません。
② 製品仕入実績
当連結会計年度における製品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
基礎化学品24,545△11.4
機能化学品13,286△4.2
住宅設備ほか3,219△75.2
合計41,051△24.7

(注)1 金額は、仕入価格により算出したものであります。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
住宅設備ほか2,48519.11,208△2.6

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
基礎化学品42,416△12.1
機能化学品40,744△2.1
住宅設備ほか14,106△9.4
合計97,266△7.8

(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
株式会社山善10,56710.02--

当連結会計年度における株式会社山善に対する販売実績については、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なもの及び新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期等を含む仮定に関する情報は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
2)当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の制限により、厳しい状況で推移しました。経済活動の再開により持ち直しの動きがみられるものの、国内外での感染症再拡大による下振れリスクの高まりが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況となっております。
このような環境のもと、当社グループは、中期経営計画「BRIGHT-2020」の最終年度を迎え、「新成長エンジンの創出」、「海外収益基盤の確立」および「事業構造改革の完遂」の3つの基本方針に基づき、具体的な施策をさらに進めました。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は下記のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、972億6千6百万円と前期比7.8%の減少となりました。利益面におきましても、営業利益は83億4千1百万円と前期比14.0%の減少、経常利益は88億3千8百万円と前期比14.4%の減少、親会社株主に帰属する当期純利益は60億5千万円と前期比7.0%の減少となりました。
この結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の276.14円に対して、257.37円となりました。
セグメント別の概況は、以下のとおりであります。
(基礎化学品)
クロール・アルカリは、期後半より、自動車用部品、電子材料関係の需要が新型コロナウイルス感染症拡大による落ち込みから回復基調となりましたが、通期では売上高は減少しました。エピクロルヒドリンは、期後半より、電子材料関係を中心に国内外の需要が大きく回復しましたが、通期では売上高は減少しました。
以上の結果、基礎化学品の売上高は424億1千6百万円と前年比12.1%の減少となりました。
(機能化学品)
合成ゴム関連では、エピクロルヒドリンゴムは自動車の世界的な大規模減産の影響を強く受けましたが、アクリルゴムは中国をはじめとしたアジア諸国を中心に新規採用が進みました。ダップ樹脂は、日米欧を中心に商業用印刷インキの需要が落ち込んだ影響を受け、売上高は減少しました。アリルエーテル類は、期後半より、中国及び米国の半導体用途等向けでシランカップリング剤の需要が急回復し、売上高は増加しました。
医薬品精製材料は、欧米並びにインド向けの糖尿病治療薬用途等の需要が拡大し、売上高は増加しました。
医薬品原薬・中間体は、抗結核薬中間体、抗潰瘍薬中間体および不眠症治療薬中間体の販売が拡大したため、売上高は増加しました。
以上の結果、機能化学品の売上高は407億4千4百万円と前年比2.1%の減少となりました。
(住宅設備ほか)
生活関連商品及び建材の販売が低調に推移したため、住宅設備ほかの売上高は141億6百万円と前年比9.4%の減少となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。運転資金は自己資金、短期借入金により賄い、成長戦略に沿った設備投資資金は、自己資金、新株予約権付社債により賄っております。
また、当社において子会社の資金を一元管理し、資金効率の向上を図っております。