有価証券報告書-第159期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、景気の緩やかな持ち直しの動きが続いたものの、各国の金融政策、中国経済の低迷、物価上昇、ウクライナ・中東情勢の影響に加え、米国の関税政策の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況のうちに推移しました。
当社グループの主要市場でも需要の回復傾向がみられ、需要が伸長する製品については販売機会を着実に捉え販売数量を伸ばすとともに、徹底したコストダウンなどを実施してまいりました。
当連結会計年度の売上高は5,865億31百万円(前年度比5.1%増)、営業利益は610億11百万円(同2.2%減)、経常利益は623億20百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は494億80百万円(同11.4%減)となりました。
当期のセグメント別の状況
当連結会計年度より、カプロラクトン誘導体、エポキシ化合物をマテリアル事業セグメントからスマート事業セグメントへ、液晶保護フィルム用の酢酸セルロースをスマート事業セグメントからマテリアル事業セグメントへ移管しています。前年度比較については、前年度の数値を移管後のセグメントに組み替えて比較しております。
[メディカル・ヘルスケア事業部門]
ライフサイエンス事業は、キラルカラム用充填剤の販売が減少したものの、インドでの分析サービスなどの増加により、増収となりました。
コスメ・健康食品事業は、インバウンドの増加などにより健康食品素材の販売数量が増加し、増収となりました。
当部門の売上高は、144億38百万円(前年度比3.7%増)、営業利益は、販売製品構成差や販売数量増加に伴う経費の増加などにより、2億61百万円(同67.0%減)となりました。
[スマート事業部門]
ファンクショナルプロダクツ事業は、カプロラクトン誘導体の中国市場での需要回復などによる販売数量の増加、エポキシ化合物の液晶パネルや電子材料向けの需要回復による販売数量の増加により、増収となりました。
アドバンストテクノロジー事業は、半導体材料市場の回復による電子材料向け溶剤、レジスト材料の販売数量増加などにより、増収となりました。
当部門の売上高は、373億14百万円(前年度比10.4%増)、利益面では、原料価格の上昇や販売数量増加に伴う経費の増加などにより、営業損失7億80百万円(前年同期は営業損失8億97百万円)となりました。
[セイフティ事業部門]
自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、上期に日本市場における自動車メーカーの認証不正問題や中国市場での日系自動車メーカーの不調による影響を受けたものの、下期に日系や中国の自動車メーカーの生産台数が回復したことで販売数量が増加し、増収となりました。
2024年3月に民生用装弾事業の子会社を売却した影響があったものの、セイフティ事業全体でも増収となりました。
当部門の売上高は、976億20百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は、北米拠点の生産性改善やコストダウンなどにより、39億31百万円(同31.4%増)となりました。
[マテリアル事業部門]
アセチル事業の酢酸は、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調であることに加え、原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルにより販売調整を実施したことで販売数量が減少し、減収となりました。
アセテート・トウは、堅調な需要の継続により販売数量が増加したことや、為替の影響などにより、増収となりました。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、液晶パネル市場が調整局面に入った影響により偏光板向けの販売数量が減少し、減収となりました。
その他のケミカル製品は、需要の低迷や酢酸原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルによる販売調整により酢酸エチルの販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
当部門の売上高は、1,834億4百万円(前年度比0.6%増)、営業利益は、販売数量の減少や減価償却費の増加などにより、296億26百万円(同27.4%減)となりました。
[エンジニアリングプラスチック事業部門]
ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス株式会社の事業は、自動車や産業機器向け、電子材料向けなどの販売数量の増加や、為替の影響などにより、増収となりました。
水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズ株式会社の事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセル株式会社へ移管したことにより、減収となりました。
当部門の売上高は、2,479億86百万円(前年度比9.3%増)、営業利益は、販売数量の増加などにより、270億6百万円(同47.6%増)となりました。
[その他事業部門]
その他部門は、水処理用分離膜モジュールなどのメンブレン事業の販売が減少したものの、運輸倉庫業の販売増加などにより、増収となりました。
当部門の売上高は、57億67百万円(前年度比1.6%増)、営業利益は、9億65百万円(同128.7%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
総資産は、投資有価証券等の減少により、前連結会計年度末に比し253億37百万円減少し、8,138億31百万円となりました。
負債は、短期社債等の減少により、前連結会計年度末に比し249億64百万円減少し、4,387億94百万円となりました。
また純資産は、3,750億37百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、3,599億84百万円となり自己資本比率は44.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し36億41百万円減少し、647億67百万円(前連結会計年度末比5.3%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、934億6百万円(前年同期は、767億29百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益654億99百万円および減価償却費413億55百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額183億17百万円および投資有価証券売却損益158億59百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、478億69百万円(前年同期は、553億74百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、投資有価証券の売却及び償還による収入183億54百万円であり、資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出699億63百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、488億55百万円(前年同期は、523億73百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、長期借入れによる収入335億51百万円であり、資金減少の主な内容は、短期社債の純増減額270億円、長期借入金の返済による支出178億36百万円、配当金の支払額151億70百万円、自己株式の取得による支出150億0百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月18日)現在において判断したものであります。
① 経営成績等
中期戦略『Accelerate 2025』では2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。
全社業績:
売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、EBITDA 1,360億円
経営指標:
営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%
株主還元 中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上
※2024年度より、配当をDOE(株主資本配当率)4%以上、総還元性向 40%以上に変更。
本中期戦略の5年目である当連結会計年度は、需要の回復による販売機会を着実に捉えるとともに、販売価格の是正、徹底したコストダウンを実施してまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は5,865億31百万円(前年度比5.1%増)、営業利益は610億11百万円(同2.2%減)、経常利益は623億20百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は494億80百万円(同11.4%減)となりました。
経営成績
売上高および営業利益
売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外損益
営業外損益は13億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し47億円悪化いたしました。
主に為替損益の影響などによるものであります。
特別損益
特別利益は205億円を計上いたしました。投資有価証券売却益159億円などによるものであります。
特別損失は173億円を計上いたしました。減損損失71億円などによるものであります。
法人税等
税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は22.9%と、前連結会計年度に比し2.7ポイント減少いたしました。
非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は10億円と、前連結会計年度に比し3億円(40.2%)増加いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は495億円と、前連結会計年度に比し64億円(11.4%)の減益となりました。 また、ROEは13.8%となり、前連結会計年度に比し3.3ポイント悪化しました。ROICは6.1%、EBITDAは1,024億円となりました。
財政状態
資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、有利子負債比率は35.2%となりました。
また、2024年11月7日取締役会決議に基づく自己株式の取得を150億円実施しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要
当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。
当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し80億円減少し、695億円(前連結会計年度比10.3%減)、減価償却費は前連結会計年度に比し77億円増加し、414億円(前連結会計年度比22.9%増)となりました。
当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し25億円増加し、259億円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。
財務政策
当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入等による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は2,861億円であります。
利益配分に関しては、中期戦略『Accelerate 2025』におきましては、収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上、DOE(株主資本配当率)は4%以上を目標とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、景気の緩やかな持ち直しの動きが続いたものの、各国の金融政策、中国経済の低迷、物価上昇、ウクライナ・中東情勢の影響に加え、米国の関税政策の影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況のうちに推移しました。
当社グループの主要市場でも需要の回復傾向がみられ、需要が伸長する製品については販売機会を着実に捉え販売数量を伸ばすとともに、徹底したコストダウンなどを実施してまいりました。
当連結会計年度の売上高は5,865億31百万円(前年度比5.1%増)、営業利益は610億11百万円(同2.2%減)、経常利益は623億20百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は494億80百万円(同11.4%減)となりました。
当期のセグメント別の状況
当連結会計年度より、カプロラクトン誘導体、エポキシ化合物をマテリアル事業セグメントからスマート事業セグメントへ、液晶保護フィルム用の酢酸セルロースをスマート事業セグメントからマテリアル事業セグメントへ移管しています。前年度比較については、前年度の数値を移管後のセグメントに組み替えて比較しております。
[メディカル・ヘルスケア事業部門]
ライフサイエンス事業は、キラルカラム用充填剤の販売が減少したものの、インドでの分析サービスなどの増加により、増収となりました。
コスメ・健康食品事業は、インバウンドの増加などにより健康食品素材の販売数量が増加し、増収となりました。
当部門の売上高は、144億38百万円(前年度比3.7%増)、営業利益は、販売製品構成差や販売数量増加に伴う経費の増加などにより、2億61百万円(同67.0%減)となりました。
[スマート事業部門]
ファンクショナルプロダクツ事業は、カプロラクトン誘導体の中国市場での需要回復などによる販売数量の増加、エポキシ化合物の液晶パネルや電子材料向けの需要回復による販売数量の増加により、増収となりました。
アドバンストテクノロジー事業は、半導体材料市場の回復による電子材料向け溶剤、レジスト材料の販売数量増加などにより、増収となりました。
当部門の売上高は、373億14百万円(前年度比10.4%増)、利益面では、原料価格の上昇や販売数量増加に伴う経費の増加などにより、営業損失7億80百万円(前年同期は営業損失8億97百万円)となりました。
[セイフティ事業部門]
自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、上期に日本市場における自動車メーカーの認証不正問題や中国市場での日系自動車メーカーの不調による影響を受けたものの、下期に日系や中国の自動車メーカーの生産台数が回復したことで販売数量が増加し、増収となりました。
2024年3月に民生用装弾事業の子会社を売却した影響があったものの、セイフティ事業全体でも増収となりました。
当部門の売上高は、976億20百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は、北米拠点の生産性改善やコストダウンなどにより、39億31百万円(同31.4%増)となりました。
[マテリアル事業部門]
アセチル事業の酢酸は、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調であることに加え、原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルにより販売調整を実施したことで販売数量が減少し、減収となりました。
アセテート・トウは、堅調な需要の継続により販売数量が増加したことや、為替の影響などにより、増収となりました。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、液晶パネル市場が調整局面に入った影響により偏光板向けの販売数量が減少し、減収となりました。
その他のケミカル製品は、需要の低迷や酢酸原料(一酸化炭素)プラントの初期トラブルによる販売調整により酢酸エチルの販売数量が減少したことなどにより、減収となりました。
当部門の売上高は、1,834億4百万円(前年度比0.6%増)、営業利益は、販売数量の減少や減価償却費の増加などにより、296億26百万円(同27.4%減)となりました。
[エンジニアリングプラスチック事業部門]
ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックス株式会社の事業は、自動車や産業機器向け、電子材料向けなどの販売数量の増加や、為替の影響などにより、増収となりました。
水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズ株式会社の事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセル株式会社へ移管したことにより、減収となりました。
当部門の売上高は、2,479億86百万円(前年度比9.3%増)、営業利益は、販売数量の増加などにより、270億6百万円(同47.6%増)となりました。
[その他事業部門]
その他部門は、水処理用分離膜モジュールなどのメンブレン事業の販売が減少したものの、運輸倉庫業の販売増加などにより、増収となりました。
当部門の売上高は、57億67百万円(前年度比1.6%増)、営業利益は、9億65百万円(同128.7%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
総資産は、投資有価証券等の減少により、前連結会計年度末に比し253億37百万円減少し、8,138億31百万円となりました。
負債は、短期社債等の減少により、前連結会計年度末に比し249億64百万円減少し、4,387億94百万円となりました。
また純資産は、3,750億37百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、3,599億84百万円となり自己資本比率は44.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し36億41百万円減少し、647億67百万円(前連結会計年度末比5.3%減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、934億6百万円(前年同期は、767億29百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益654億99百万円および減価償却費413億55百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額183億17百万円および投資有価証券売却損益158億59百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、478億69百万円(前年同期は、553億74百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、投資有価証券の売却及び償還による収入183億54百万円であり、資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出699億63百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、488億55百万円(前年同期は、523億73百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、長期借入れによる収入335億51百万円であり、資金減少の主な内容は、短期社債の純増減額270億円、長期借入金の返済による支出178億36百万円、配当金の支払額151億70百万円、自己株式の取得による支出150億0百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
生産高(百万円) | 前年同期比(%) | |
メディカル・ヘルスケア事業 | 6,613 | △0.87 |
スマート事業 | 30,320 | 5.21 |
セイフティ事業 | 101,806 | 3.20 |
マテリアル事業 | 168,691 | △3.06 |
エンジニアリングプラスチック事業 | 229,754 | 7.38 |
報告セグメント計 | 537,186 | 2.88 |
その他 | 3,301 | △4.46 |
合計 | 540,488 | 2.84 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは、見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
販売高(百万円) | 前年同期比(%) | |
メディカル・ヘルスケア事業 | 14,438 | 3.67 |
スマート事業 | 37,314 | 10.35 |
セイフティ事業 | 97,620 | 2.14 |
マテリアル事業 | 183,404 | 0.64 |
エンジニアリングプラスチック事業 | 247,986 | 9.33 |
報告セグメント計 | 580,764 | 5.14 |
その他 | 5,767 | 1.60 |
合計 | 586,531 | 5.10 |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月18日)現在において判断したものであります。
① 経営成績等
中期戦略『Accelerate 2025』では2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。
全社業績:
売上高 6,600億円、営業利益 820億円、親会社株主に帰属する当期純利益 580億円、EBITDA 1,360億円
経営指標:
営業利益率 12.4%、ROE 17.1%、ROIC 9.3%、ROA 7.7%
株主還元 中期戦略発表時の1株当たり配当金額(年間32円)を下限、総還元性向 40%以上
※2024年度より、配当をDOE(株主資本配当率)4%以上、総還元性向 40%以上に変更。
本中期戦略の5年目である当連結会計年度は、需要の回復による販売機会を着実に捉えるとともに、販売価格の是正、徹底したコストダウンを実施してまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高は5,865億31百万円(前年度比5.1%増)、営業利益は610億11百万円(同2.2%減)、経常利益は623億20百万円(同8.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は494億80百万円(同11.4%減)となりました。
経営成績
売上高および営業利益
売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外損益
営業外損益は13億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し47億円悪化いたしました。
主に為替損益の影響などによるものであります。
特別損益
特別利益は205億円を計上いたしました。投資有価証券売却益159億円などによるものであります。
特別損失は173億円を計上いたしました。減損損失71億円などによるものであります。
法人税等
税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は22.9%と、前連結会計年度に比し2.7ポイント減少いたしました。
非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は10億円と、前連結会計年度に比し3億円(40.2%)増加いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は495億円と、前連結会計年度に比し64億円(11.4%)の減益となりました。 また、ROEは13.8%となり、前連結会計年度に比し3.3ポイント悪化しました。ROICは6.1%、EBITDAは1,024億円となりました。
財政状態
資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、有利子負債比率は35.2%となりました。
また、2024年11月7日取締役会決議に基づく自己株式の取得を150億円実施しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要
当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。
当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し80億円減少し、695億円(前連結会計年度比10.3%減)、減価償却費は前連結会計年度に比し77億円増加し、414億円(前連結会計年度比22.9%増)となりました。
当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し25億円増加し、259億円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。
財務政策
当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入等による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は2,861億円であります。
利益配分に関しては、中期戦略『Accelerate 2025』におきましては、収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上、DOE(株主資本配当率)は4%以上を目標とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。