有価証券報告書-第21期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国や欧州での景気回復が継続した一方、主要国の政策動向や地政学的なリスクなど、世界経済の変動に留意すべき状況が継続しました。
日本経済においては、雇用や所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調が継続しました。
化学工業界においては、原油価格は上昇したものの、国内の余剰設備削減等の構造改革の効果に加えて、需要が安定的に拡大したことにより、国内のナフサクラッカーは高水準で稼働しました。
このような情勢のもとで、当社グループは、2025年度を見据えた長期経営計画をスタートさせ、成長3領域の「モビリティ」、「ヘルスケア」、及び「フード&パッケージング」の拡大・成長、「次世代事業」の創出・育成、「基盤素材」領域の更なる競争力強化に取り組みました。
モビリティ領域では、エラストマーやポリプロピレン・コンパウンドといった機能樹脂製品において、自動車や情報通信技術のグローバルな需要拡大に対応しました。また、軽量化や高機能化といった従来からのニーズに加えて、電気自動車や自動運転といった新たなニーズにも的確に応えられるよう、新製品開発支援企業である株式会社アークを連結子会社として取り込み、ソリューション提供力の強化に一段と注力しました。
ヘルスケア領域では、世界トップシェアのメガネレンズ材料の販売が引き続き堅調に推移しました。また、このレンズ材料技術をベースに液晶技術を融合した、遠近両用の次世代アイウェア「TouchFocusTM」の販売を開始しました。不織布においては、アジアで人気の高まるプレミアム紙おむつ需要に応えられるよう、市場拡大に合わせた生産能力の拡大に取り組むとともに、新たに柔らかさと強さを兼ね備えた肌に優しい不織布「エアリファ®」を開発しました。歯科材料においては、ドイツにおける販売の低迷及びデジタル関連製品の立ち上げ遅れ等により計画を見直し、のれん等の減損損失を計上しました。これに対しては、営業体制の強化やデジタル製品の上市・拡販に向けた基盤整備を推進しており、歯科材料事業の持続的な成長に取り組んでおります。
フード&パッケージング領域では、機能性フィルム・シートにおいて、堅調な需要を捉えて販売数量を拡大しました。とりわけ、半導体製造工程用の保護テープとして世界トップシェアを有する「イクロステープTM」では、世界的な需要地である台湾において、製造販売の新たな拠点となる子会社を設立しました。農薬においては、BASFやBayerといった欧州大手企業と新規製品における提携を決定し、農薬事業のグローバル展開を加速しました。
石化・基礎化学品を中心とする基盤素材領域では、これまで事業再構築を進めてきたことに加えて、堅調な国内需要の影響もあり、ナフサクラッカーをはじめプラントは高水準の稼働を継続しました。また、差別化製品の拡充やコストダウン等、更なる競争力の確保に努めました。
これにより、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。
| 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | |
| 当連結会計年度(億円) | 13,285 | 1,035 | 1,102 | 716 |
| 前連結会計年度(億円) | 12,123 | 1,021 | 972 | 648 |
| 増減率(%) | 9.6 | 1.3 | 13.4 | 10.4 |
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
(モビリティ)
モビリティセグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ377億円増の3,310億円、売上高全体に占める割合は25%となりました。また、営業利益は、販売数量の拡大及び交易条件の改善等により、前連結会計年度に比べ16億円増の423億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
自動車部品及び樹脂改質材用途を中心とするエラストマーは、堅調な需要に的確に対応しました。
機能性コンパウンド製品は、主にアジア、欧米での堅調な需要に的確に対応しました。
ICT(情報通信技術)関連用途を中心とする機能性ポリマーは、販売が堅調に推移しました。
海外ポリプロピレン・コンパウンド事業は、アジアを中心とした自動車生産台数の増加に的確に対応しました。
2018年1月に株式会社アーク及びその企業グループを連結子会社とし、これらの会社の売上高、利益等を「ソリューション事業」として、連結しております。
(ヘルスケア)
ヘルスケアセグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ49億円増の1,391億円、売上高全体に占める割合は10%となりました。また、営業利益は、原料価格上昇の影響があったものの、総じて堅調な販売により、前連結会計年度に比べ7億円増の108億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
ビジョンケア材料のメガネレンズ用材料は、販売が堅調に推移しました。
不織布は、プレミアム紙おむつの需要を背景に販売は堅調に推移しましたが、原料価格上昇の影響を受けました。
歯科材料は、主にドイツにおける販売が減少しました。
(フード&パッケージング)
フード&パッケージングセグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ133億円増の1,958億円、売上高全体に占める割合は15%となりました。一方、営業利益は、販売は総じて堅調に推移しましたが、原料価格上昇及び研究開発費等の固定費の増加により、前連結会計年度に比べ7億円減の199億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・減益となりました。
コーティング・機能材は、販売が堅調に推移しましたが、原料価格上昇等の影響を受けました。
機能性フィルム・シートは、原料価格上昇の影響を受けましたが、販売数量が増加しました。
農薬は、海外を中心に販売が堅調に推移しました。
(基盤素材)
基盤素材セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ721億円増の6,377億円、売上高全体に占める割合は48%となりました。また、営業利益は、堅調な国内需要の影響及び当社が進めてきた事業構造改善の効果が発現したことにより、前連結会計年度に比べ4億円増の389億円となりました。以上により、セグメント全体では、増収・増益となりました。
ナフサクラッカーの稼働率は、前連結会計年度並の高水準で推移しました。また、ポリエチレン及びポリプロピレンは、国内需要を背景に販売が堅調に推移しました。
フェノールは、前連結会計年度を上回る水準で海外市況は推移し、事業構造改善の効果も現れております。
(その他)
当セグメントの売上高は、前連結会計年度に比べ118億円減の249億円、売上高全体に占める割合は2%となりました。また、営業損失は、前連結会計年度に比べ6億円増の9億円の損失となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、41億円減少し、当連結会計年度末には788億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ177億円減の827億円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加があったものの、運転資金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ277億円増の751億円となりました。これは主に、株式会社アーク株式公開買付けによる支出などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ374億円減の102億円となりました。これは主に、有利子負債の借入額が増加したことなどによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績及び受注実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産実績及び受注実績については、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。
b 販売実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 自 2017年4月1日 至 2018年3月31日 | 前年同期比(%) |
| モビリティ(百万円) | 331,038 | 12.9 |
| ヘルスケア(百万円) | 139,120 | 3.7 |
| フード&パッケージング(百万円) | 195,840 | 7.3 |
| 基盤素材(百万円) | 637,700 | 12.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 1,303,698 | 10.9 |
| その他(百万円) | 24,828 | △32.4 |
| 合計(百万円) | 1,328,526 | 9.6 |
(注)1.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 自 2016年4月1日 至 2017年3月31日 | 当連結会計年度 自 2017年4月1日 至 2018年3月31日 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 三井物産㈱ | 208,382 | 17.2 | 236,002 | 17.8 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月26日)現在において、当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a 棚卸資産
当社グループの保有する棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、製品、商品については正味売却価額に基づき、原材料等については購入価格に基づき、それぞれ収益性の低下を検討しております。
当社グループの保有する棚卸資産は、価格変動の著しい経済環境の影響を受ける傾向にあるため、市場価格が下落した場合には、棚卸資産の簿価を切り下げ、売上原価を増加させることになります。
また、従来より一定期間を超えて在庫として滞留する棚卸資産についても簿価を切り下げており、在庫実態に変化が生じた場合には、同様に棚卸資産の簿価を切り下げることとなります。
b 投資有価証券
当社グループの保有する投資有価証券について、従来より減損処理に関する基準を設けており、これに基づいて厳格な処理を実施しております。市場価格のある投資有価証券については、期末日における被投資会社の株価が取得原価に比べ50%以上下落している場合は原則として減損処理を行い、30%以上50%未満下落している場合は2年間継続して下落率が30%以上の場合又は3年程度の期間にわたり業績が著しく低迷している場合に「回復可能性なし」と判断して減損処理を行っております。市場価格のない投資有価証券については、被投資会社の純資産額を基にした1株当たりの実質価値を見積り、株価の代わりに用いて検討することで市場価格のある投資有価証券と同等の厳格な減損処理を行っております。
被投資会社の株価もしくは業績の著しい低迷があった場合には、投資有価証券の評価損を計上する可能性があります。
c 固定資産
当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、適時かつ厳格な処理を実施しております。
減損の測定に至った場合に見積ることになる回収可能価額は、事業に供している資産については正味売却価額もしくは経済的残存使用年数における将来キャッシュ・フローを使用し、遊休及び休止資産については主として正味売却価額を使用しております。将来キャッシュ・フローについては、予算等社内における管理会計の計画数値を基に見積り、正味売却価額については不動産鑑定評価額等から関連する経費等を差し引いた額で見積っております。また当社グループにおいては、減損リスクの管理として、新たな案件発生の可能性の把握と対応及び既に減損処理した案件についての定期的な回収可能価額の見直しを行っております。
事業損益見込の悪化、新たな遊休及び休止資産の発生、並びに正味売却価額の変更等があった場合には、回収可能価額を見積ることになり、減損損失を計上する可能性があります。
当連結会計年度においては、歯科材料事業等において減損処理を行ったことにより、当社グループ全体で150億円の減損損失を計上しております。
d 繰延税金資産
当社グループが計上している繰延税金資産は、将来減算一時差異等に関するものであり、定期的かつ合理的に回収可能性の評価のための見積りを実施しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積りによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化します。繰延税金資産の回収可能性に不確実性がある場合、将来回収される可能性が高いと考えられる金額までを繰延税金資産に計上しています。
なお、「第5 経理の状況」の連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項及び重要な会計方針に記載のとおり、当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しており、同制度を適用する場合の会計処理を行っております。
e 環境対策引当金
環境対策を目的とした工事等について具体的な実施計画が策定された場合には、計画に関する資料を入手の上、引当金として計上すべき金額を合理的に算定しております。また、工事等の計画に重要な変更が生じた場合には見直しを行うこととしております。
この見直しの実施、あるいは新たな案件の発生により引当金残高が増減し、結果、税金等調整前当期純損益が増減する可能性があります。
f 退職給付に係る負債
当社グループの従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、簡便法を採用している連結子会社を除き、割引率、退職率、昇給率、期待運用収益率等の計算基礎を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。
会計数値の計算上重要な要素となる計算基礎については、当社の割引率を長期国債の実績利回りに基づき決定している他、それぞれ基準を設定の上、定期的に見直しを行っております。
この見直しの結果、計算基礎を変更する場合の他、年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差など予め定めた基礎率と実際の数値とに差が生じる場合には、数理計算上の差異が発生し、売上原価及び一般管理費を増減させる可能性があります。また、数理計算上の差異については、一定の年数(10年~13年)による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理することとしております。
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用については、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 経営成績(セグメントごとの経営成績を含む)
(a) 売上高
売上高は、前連結会計年度に比べ1,162億円増(9.6%増)の1兆3,285億円となりました。これは、ナフサなどの原燃料価格高騰及び為替変動に伴う販売価格の上昇の影響などによるものです
海外売上高は5,880億円となり、売上高全体に占める割合は前連結会計年度に比べ1.8ポイント増の44.3%となりました。
セグメント別増減内訳は以下のとおりであります。
| (単位:億円) |
| 第20期 | 第21期 | 増減 | |||
| 計 | 数量差 | 価格差 | |||
| モビリティ | 2,933 | 3,310 | 377 | 228 | 149 |
| ヘルスケア | 1,342 | 1,391 | 49 | 43 | 6 |
| フード&パッケージング | 1,825 | 1,958 | 133 | 78 | 55 |
| 基盤素材 | 5,656 | 6,377 | 721 | 134 | 587 |
| その他 | 367 | 249 | △118 | - | △118 |
| 消去又は全社 | - | - | - | - | - |
| 合計 | 12,123 | 13,285 | 1,162 | 483 | 679 |
(b) 営業利益
営業利益は、前連結会計年度に比べ14億円増(1.3%増)の1,035億円となりました。これは、大規模定修による固定費増加があったものの、販売が堅調に推移したことなどによるものです。
セグメント別に見ると、モビリティは販売数量の拡大及び交易条件の改善等により、前連結会計年度に比べ16億円増の423億円となりました。ヘルスケアは原料価格上昇の影響があったものの、総じて堅調な販売により、前連結会計年度に比べ7億円増の108億円となりました。フード&パッケージングは販売は総じて堅調に推移しましたが、原料価格上昇及び研究開発費等の固定費の増加により、前連結会計年度に比べ7億円減の199億円となりました。基盤素材は堅調な国内需要の影響及び当社が進めてきた事業構造改善の効果が発現したことにより、前連結会計年度に比べ4億円増の389億円となりました。
セグメント別増減内訳は以下のとおりであります。
| (単位:億円) |
| 第20期 | 第21期 | 増減 | ||||
| 計 | 数量差 | 交易条件 | 固定費差他 | |||
| モビリティ | 407 | 423 | 16 | 34 | 18 | △36 |
| ヘルスケア | 101 | 108 | 7 | 20 | 4 | △17 |
| フード&パッケージング | 206 | 199 | △7 | 39 | △21 | △25 |
| 基盤素材 | 385 | 389 | 4 | △2 | 19 | △13 |
| その他 | △3 | △9 | △6 | - | - | △6 |
| 消去又は全社 | △75 | △75 | 0 | - | - | 0 |
| 合計 | 1,021 | 1,035 | 14 | 91 | 20 | △97 |
(注) 交易条件=価格差+変動費差(主として原燃料価格差)
(c) 経常利益
経常利益は、前連結会計年度に比べ130億円増(13.4%増)の1,102億円となりました。これは、営業利益の増加に加え、持分法による投資利益が増加したことなどによるものです。
(d) 特別利益・損失
特別損益は、資産売却益が増加したこと及び連結子会社の清算に伴う非支配株主からの借入金に対する債務免除益が発生したものの、歯科材料事業ののれん等の減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ46億円悪化の160億円の損失となりました。
以上により、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ84億円増(9.8%増)の942億円の利益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ68億円増(10.4%増)の716億円、1株当たり当期純利益は358.38円となりました。なお、当社は、2017年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合で株式併合を行っております。
b 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、以下のとおりです。なお、当社グループは、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング及び基盤素材の各セグメントにおいて、多種多様な製品を取り扱っており、それぞれの製品によって経営成績に影響を与える要因及びその程度は異なります。
(a) 売上高について
売上高は、販売数量及び販売価格等により変動します。
販売数量については、主に顧客の状況、市場環境及び競合他社の事業展開等の要因によって影響を受ける可能性があります。
販売価格については、主にナフサ等の原燃料価格の変動の製品価格への転嫁状況、製品市況の変動及び為替変動等の要因によって影響を受ける可能性があります。
(b) 営業利益について
営業利益は、販売数量、交易条件及び固定費等により変動します。
販売数量については、主に顧客の状況、市場環境及び競合他社の事業展開等の要因によって影響を受ける可能性があります。
交易条件については、主にナフサ等の原燃料価格の変動、原燃料価格の製品価格への転嫁状況、製品市況の変動及び為替変動等の要因によって影響を受ける可能性があります。
固定費については、主に生産設備の新増設、研究開発の状況等の要因によって影響を受ける可能性があります。
c 財政状態
(a) 総資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,186億円増の1兆4,441億円となりました。
(b) 負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ466億円増の8,575億円となり、このうち、有利子負債は238億円増の4,637億円となりました。この結果、総資産に対する有利子負債の比率は前連結会計年度末に比べ1.1ポイント減の32.1%となりました。
| 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 | |
| 有利子負債残高(億円) | 5,813 | 5,487 | 4,730 | 4,399 | 4,637 |
| 有利子負債比率(%) | 40.6 | 38.9 | 37.6 | 33.2 | 32.1 |
(c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ720億円増の5,866億円となりました。
このうち、株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上716億円、配当金の支払いによる減少180億円、自己株式の取得による減少51億円等により、前連結会計年度末に比べ473億円増の4,851億円となりました。
その他の包括利益累計額は、退職給付に係る調整累計額勘定の増加70億円、その他有価証券評価差額金勘定の増加62億円等により、前連結会計年度末に比べ141億円増の260億円となりました。
非支配株主持分は、非支配株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ106億円増の755億円となりました。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.5ポイント増の35.4%となりました。
また、当連結会計年度末のネットD/Eレシオ(ネット有利子負債(有利子負債-現預金・長期性預金)/自己資本)は、前連結会計年度末に比べ0.04ポイント減の0.75となりました。
d 資本の財源及び資金の流動性
(a) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、41億円減少し、当連結会計年度末には788億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ177億円減の827億円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加があったものの、運転資金の増加によるものです。
この結果、営業キャッシュ・フローに対する有利子負債の比率は前連結会計年度の4.4から5.6に増加し、インタレスト・カバレッジ・レシオは17.3倍から14.8倍に減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ277億円増の751億円となりました。これは主に、株式会社アーク株式公開買付けによる支出などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用された資金は、前連結会計年度に比べ374億円減の102億円となりました。これは主に、有利子負債の借入額が増加したことなどによるものです。
なお、キャッシュ・フローに関する指標は以下のとおりであります。
| 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 | |
| 自己資本比率(%) | 24.6 | 28.8 | 30.3 | 33.9 | 35.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 17.7 | 27.4 | 29.8 | 41.5 | 46.2 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 13.4 | 9.4 | 3.2 | 4.4 | 5.6 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 5.6 | 7.7 | 20.7 | 17.3 | 14.8 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(b) 資金の調達について
資金の調達については、
1)高い格付けを維持し、資金需要に応じて都度、社債、借入及びコマーシャル・ペーパーを主体に低コストの資金調達を行うこと。
2)一定割合の間接金融を導入し、資金調達の安定化を図ること。
3)売上債権流動化等の資産の流動化により、資金調達の多様化を図ること。
を基本的な考え方として実施しております。
(c) 資金の流動性について
資金の流動性については、資産効率を考慮しながら、手元流動性を確保すると共に、コミットメント・ライン、当座貸越枠等の代替調達手段を備えております。
e 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2025年度長期経営目標に対する2017年度の達成・進捗状況については、以下のとおりです。
| 当連結会計年度(計画) | 当連結会計年度 (実績) | 当連結会計年度 (計画比) | 2025年度長期経営目標 | |
| 営業利益 | 980億円 | 1,035億円 | 55億円増 (5.6%増) | 2,000億円 |
| 売上高 | 13,000億円 | 13,285億円 | 285億円増 (2.2%増) | 20,000億円 |
| 売上高営業利益率 (ROS) | 7.5% | 7.8% | 0.3ポイント増 | 10% |
| 自己資本利益率 (ROE) | 13%以上 | 14.9% | - | 10%以上 |
| Net D/E | 0.73 | 0.75 | 0.02ポイント増 | 0.8以下 |