有価証券報告書-第60期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 11:05
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等という。」)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では、自動車販売に陰りがありましたが、設備投資は堅調に推移しました。メキシコでは、対米関係悪化の懸念はあるものの、経済成長は堅調に推移しました。ブラジルでは、レアル相場の安定、インフレ率の低下、輸出回復などにより、景気は回復の兆しが見え始めました。欧州では、自動車販売の好調をはじめ、内需・輸出とも好調を維持し、堅調な景気拡大が続きました。アジアでは、中国の安定成長継続を中心に、アジア各地域も、穏やかな景気回復が継続しました。日本経済は、個人消費回復の兆しはあるものの、原燃料・輸送コストの上昇などにより回復は斑模様の状況となりました。
国内発泡プラスチック業界におきましては、IT・自動車分野等の回復はありましたが、公共投資・住宅着工数の陰り、天候不順による水産・農業分野の需要低迷や原燃料価格上昇の影響があり、分野によっては厳しい環境となりました。
これらの状況を受けて、当社グループは新規需要の掘り起こしや付加価値の高い製品の開発・販売に注力するとともに、成長分野・地域への重点的な投資を実施しました。その結果、国内売上高は、付加価値の高い製品の販売増加や製品価格改定などにより増加しました。海外売上高は、全ての地域で販売が好調であり数量・金額ともに増加しました。一方、利益面では、国内事業は高付加価値製品販売の増加や好調分野での増販効果がありましたが、運送費の値上り、第4四半期連結会計期間における原燃料価格の急騰、一部分野の需要低迷の影響があり、営業利益は減少しました。海外事業は全地域において、販売が好調であり営業利益は増加しました。営業外費用は、主に為替差損の発生により増加しました。特別利益は、鹿島工場隣接地を売却したことなどにより増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、114,284百万円(前期比4.8%増)、営業利益は9,105百万円(同5.3%減)、経常利益は9,217百万円(同8.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,853百万円(同6.1%減)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
(押出事業)
フラットパネルディスプレイ基板や家電等の輸送用に用いられる産業用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」を中心とした産業資材製品は、高付加価値製品を中心に販売が好調に推移したことから売上は増加しました。食品容器用の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」は、原材料価格上昇に伴う製品価格改定や、電子レンジ対応容器向け販売伸張はありましたが、食品トレーや即席麺容器向け需要減少の影響もあり売上は前期並みとなりました。広告宣伝用ディスプレイ材、折箱に用いられる発泡ポリスチレンボード「ミラボード」は、広告宣伝用途の需要減少はありましたが、新規用途の拡大などにより売上は前期並みとなりました。建築・土木関連の発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」は、建築分野において、高断熱製品、割付断裁品を中心に販売が好調であったことにより売上は増加しました。
押出事業全体としては、好調分野での増販、付加価値の高い製品の販売増加及び製品価格改定により売上は増加しました。利益面では、主に原材料価格及び運送費の上昇により減益となりました。
これらの結果、押出事業の売上高は39,024百万円(前期比2.9%増)、営業利益は2,640百万円(同13.3%減)となりました。
(ビーズ事業)
世界各国で製造販売している発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は、バンパーコア材・内装材・シートコア材等の自動車部品、住宅設備向け保温緩衝材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材などに使用されており、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への販売拡大により堅調に推移しました。国内では、自動車、機能材向け需要の回復などにより売上は増加しました。北米では、自動車部品需要が堅調に推移し売上は増加しました。南米では、ブラジル自動車生産の回復や新規需要の開拓により売上は増加しました。欧州では、自動車部品の需要増加などにより売上は増加しました。アジアでは、全ての地域(中国・アセアン・台湾・韓国)での販売が好調であったことにより売上は増加しました。「スチロダイア」を中心とする発泡性ビーズ製品は、水産・農業分野向け需要減少の影響はありましたが、原材料価格上昇に伴う製品価格改定や機能製品の販売が好調に推移したことなどにより売上は増加しました。ユニットバス天井材やフロートに使用されているハイブリッド成形品「スーパーブロー」は、フロート向け販売は増加しましたが、売上は前期並みとなりました。
ビーズ事業全体としては、販売数量の増加、製品価格改定の影響により売上は増加しました。利益面では、海外での販売数量の増加はありましたが、主に国内における原燃料価格上昇の影響により減益となりました。
これらの結果、ビーズ事業の売上高は69,483百万円(前期比6.3%増)、営業利益は7,219百万円(同2.1%減)となりました。
(その他)
一般包材は、国内では、自動車関連の需要増加等により売上は増加しました。中国では、新規需要の伸び悩みにより売上は減少しました。
これらの結果、その他の売上高は5,777百万円(前期比0.2%増)、営業利益は138百万円(同6.6%減)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,576百万円増加し125,728百万円となりました。
流動資産は、7,701百万円増加し67,909百万円となりました。増加の主な要因は、現金及び預金が3,527百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は、4,875百万円増加し57,818百万円となりました。増加の主な要因は、建物及び構築物(純額)が1,257百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5,249百万円増加し41,622百万円となりました。
流動負債は、3,477百万円増加し33,145百万円となりました。増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が2,185百万円増加したことなどによるものです。
固定負債は、1,771百万円増加し8,477百万円となりました。増加の主な要因は、長期借入金が956百万円増加したことなどによるものです。
これらの結果、当連結会計年度末の純資産は84,105百万円、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.8ポイント減少して63.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、増加要因である事業活動による税金等調整前当期純利益9,488百万円、減価償却費5,072百万円、仕入債務の増加2,459百万円などに対し、減少要因である法人税等の支払額2,613百万円、たな卸資産の増加1,681百万円、売上債権の増加1,555百万円などにより、差引き10,849百万円の収入(前期比160百万円増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、工場新設及び増設等に伴う固定資産の取得による支出8,153百万円などにより、7,661百万円の支出(同1,473百万円増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、設備資金の調達等に伴う長期借入れによる収入5,325百万円に対し、主に営業活動によるキャッシュ・フローによる収入を充当した長期借入金の返済による支出4,295百万円、配当金の支払額1,639百万円などにより、差引き506百万円の支出(同5,990百万円減少)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,841百万円増加し、10,807百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
押出事業34,0242.8
ビーズ事業60,0166.7
報告セグメント計94,0405.3
その他8382.3
合計94,8795.2

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は平均販売価格により算出しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
押出事業39,0242.9
ビーズ事業69,4836.3
報告セグメント計108,5075.1
その他5,7770.2
合計114,2844.8

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、時価による測定を含め、会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、合理的であると判断しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等の分析・検討
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりであります。それを踏まえ、次のとおり事業全体及びセグメントごとの経営成績等に重要な影響を与えた要因や当該要因への対応について分析・検討を行っております。
(単位:百万円)
平成29年3月期平成30年3月期前期比(%)
売上高109,048114,2844.8
営業利益9,6129,105△5.3
経常利益10,0339,217△8.1
親会社株式に帰属する
当期純利益
7,3016,853△6.1

前期と比較した、当連結会計年度の売上高及び利益の主な定性的増減要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載したとおりですが、営業利益における定量的な増減分析によれば、前期比増加要因として、価格改定、高付加価値製品増による販売単価上昇(3,455百万円)、販売数量増(800百万円)、一方減少要因として、原燃料価格・運送費等の変動費単価上昇(3,997百万円)固定費増(765百万円)となり、507百万円の減益となりました。この状況に対応し、事業全体の売上高、利益を増加する為に、好調分野・地域での更なる投資による拡販と新規需要の掘り起こしに注力し、高付加価値製品を中心とした増販、原燃料価格・運送費上昇に対応した製品価格の改定及びコスト低減に努めてまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(押出事業)
(単位:百万円)
平成29年3月期平成30年3月期前期比(%)
売上高37,92939,0242.9
営業利益3,0452,640△13.3

主に国内で事業を展開している押出事業は、需要が飽和に近づき、またニーズも多様化し高度化してきている中で、収益を伴った持続的成長を継続するために、伸び筋分野である建築・住宅向けの高断熱材、フラットパネルディスプレイ基板の輸送用緩衝材を始めとする独自技術に基づいた付加価値の高い製品の販売に注力します。
また、引き続き新製品及び新グレードの拡販に努め、高収益体質へのシフトを加速するとともに、ユーザーに近い立ち位置で真の顧客ニーズを追求することにより、事業領域の拡大を目指します。
(ビーズ事業)
(単位:百万円)
平成29年3月期平成30年3月期前期比(%)
売上高65,35469,4836.3
営業利益7,3767,219△2.1

発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRО)は今後も大きく成長する有望な中核事業であり、その技術力とグローバルネットワークの優位性を生かし、更に差異化戦略を全地域で進め、マーケットシェアの維持拡大と顧客満足の最大化を図っていきます。
(地域別の重点施策)
北米:自動車シートコア材の拡販及び自動車部品以外の用途開拓
欧州・韓国:新用途の開拓及び新たな事業の創出
台湾:新製品の投入及び自動車部品需要への対応
中国:将来の市場拡大を見据えた拠点拡大及び差異化製品投入
アセアン:成長著しいアセアン地域でのシェア拡大
「スチロダイア」を代表とする発泡性樹脂ビーズについては、主用途である水産・農業分野不振の影響が大きいですが、機能性製品を中心に、建材・土木、自動車及び新規分野への需要拡大に注力すると共に、原材料価格の上昇に対応した価格改定を実施します。
(その他)
(単位:百万円)
平成29年3月期平成30年3月期前期比(%)
売上高5,7645,7770.2
営業利益148138△6.6

一般包材は、設計力を生かした自動車・IT部品等の物流資材需要の取り込みによる売上増加、特徴のある包装資材提供による利益向上に努めます。
b.当社グループの資本の財源及び流動性について
当社グループの運転資金及び設備資金の充当につきましては、自己資金及び金融機関からの短期及び長期の借入金を基本とし、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保しております。
また、当社グループ内において、資金の有効活用を目的とした、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)及びタームローンを実施しております。
当連結会計年度末現在、借入金残高は、長期借入金5,712百万円、1年内返済予定の長期借入金3,945百万円、短期借入金6,366百万円となっております。
なお、平成31年3月期の設備投資計画は12,072百万円を計画しており、内訳は、増産及び競争力強化のための投資が6,737百万円、維持投資が5,334百万円となっております。セグメントごとの設備投資計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載しております。
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況及び③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状態を判断するための客観的な指標等
当社グループは、第60期を最終年度とする中期経営計画「Deepen & Grow 2017」の目標を達成すべく、メーカーとして持続的成長の継続、既存事業の強化・拡大はもとより、原料・技術・市場において少なくとも1つが圧倒的優位性をもった開発製品を創出することが重要との考えのもと、「差異化戦略の推進」と「成長戦略の推進」を骨子に掲げ、収益を伴った成長を目指してきました。
本中期経営計画の3年間において、「差異化戦略の推進」では、現行事業を深く掘り下げ、そこから発想(閃き)される新規事業の創出及び新規グレード・新用途開拓に注力しました。目標とする新製品売上高に対して未達でありましたが、今後の成長に向けて足掛かりを得ました。
「成長戦略の推進」では、海外において、中国3拠点及びタイ王国に「ピーブロック」新工場建設、欧米子会社の生産能力向上、日本においては、栃木県鹿沼市に「ミラフォーム」新工場建設、三重県四日市市の「ピーブロック」生産能力向上など伸び筋分野への経営資源の集中により事業基盤の強化・拡充を図ってきました。
その結果、売上高については、主に原燃料価格の大幅下落による販売単価の低下や新製品の販売が計画に届かなったことにより目標を下回りました。営業利益については、主に自動車部品・家電製品用緩衝材、建築・住宅向けの高断熱材、フラットパネルディスプレイ基板の輸送用緩衝材を始めとする、当社独自技術に基づいた製品の販売が堅調に推移したことにより目標を上回りました。
(単位:百万円)
第60期 中期計画第60期 実績達成率
売上高135,000114,28484.7%
(うち新製品売上高)(10,000)(2,952)(29.5%)
営業利益8,8009,105103.5%
営業利益率6.5%8.0%-
原油価格(ドバイ)105米ドル/バーレル56米ドル/バーレル-
為替110円/米ドル112円/米ドル-

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