有価証券報告書-第61期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 11:03
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では、貿易摩擦や金利上昇による経済減速の懸念はあったものの、減税効果などによる設備投資や個人消費の伸びにより底堅い成長を維持しました。メキシコでは、貿易摩擦の懸念が低減し、景気は堅調に推移しました。ブラジルでは、景気の回復が一時的に足踏み状態となったものの、工業生産の回復基調は維持されました。欧州では、雇用環境改善による個人消費回復は継続しておりますが、輸出拡大の頭打ちなどにより景気回復が鈍化しました。アジアでは、貿易摩擦の影響や一部地域での景気停滞もあり、経済成長は維持しているものの鈍化傾向がみられました。日本経済は、内需回復の兆しはあるものの、自然災害、原燃料・輸送コスト上昇、更には外需減速の影響を受け、景気は踊り場を迎えています。
国内発泡プラスチック業界におきましては、家電分野等の回復はありましたが、食品・水産分野などでの需要低迷や原燃料価格上昇の影響があり、分野によっては厳しい環境となりました。
これらの状況を受けて、当社グループは新規需要の掘り起こしや付加価値の高い製品の開発・販売に注力するとともに、長期ビジョン『VISION2027』に掲げた成長エンジンである自動車部品・建築住宅断熱材・フラットパネルディスプレイ関連保護材への重点的設備投資実施や新たな事業領域拡大を目指した体制強化に努めました。その結果、当社グループの経営成績は、国内売上高は、付加価値の高い製品の販売増加や製品価格改定などにより増加しました。海外売上高は、韓国での販売減少や第4四半期連結会計期間における景気減速の影響を受け、前期並みとなりました。一方、利益面では、国内事業は原燃料・輸送コスト上昇に対する製品価格改定の遅れ、一部分野の需要低迷の影響により、営業利益は減少しました。海外事業は原料コストの上昇、アジアでの販売競争激化、将来に向けた投資の増加等の影響により営業利益は大きく減少しました。特別利益は、主に投資有価証券を売却したことによるものです。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、116,133百万円(前期比1.6%増)、営業利益は5,479百万円(同39.8%減)、経常利益は5,835百万円(同36.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,309百万円(同37.1%減)となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、一部子会社の経営管理区分の変更を行っており、以下、前期比較については、当該変更を反映した前期の数値を用いております。
(押出事業)
食品容器用の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」を中心とした生活資材製品は、食品トレー向け分野や販売広告宣伝用ディスプレイ材「ミラボード」の販売は減少しましたが、製品価格改定などにより売上は増加しました。フラットパネルディスプレイ基板や家電向け産業用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」を中心とした産業資材製品は、高付加価値製品の需要拡大などにより売上は増加しました。発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」を中心とした建築土木資材製品は、建築分野向けの高断熱製品及び割付断裁品を中心に販売が好調であったことにより売上は増加しました。
押出事業全体としては、付加価値の高い製品の販売増加及び製品価格改定により売上は増加しました。利益面では、原材料価格及び運送費の上昇に対する製品価格改定完了が遅れたことや、生活資材分野の販売減少により減益となりました。
これらの結果、押出事業の売上高は41,388百万円(前期比2.8%増)、営業利益は2,468百万円(同8.3%減)となりました。
(ビーズ事業)
世界各国で製造販売している発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は、バンパーコア材・シートコア材等の自動車部品、各種部品の通い函、緩衝包装材、住宅設備向け保温緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材などに幅広く使用されております。「ピーブロック」を中心とした高機能材製品は、自動車の新規部品の採用拡大や種々の用途拡大により販売は増加しました。地域ごとの販売概況は、国内では、上期の風水害・地震等による自動車生産減少の影響がありましたが、下期からの新規シートコア材販売増などにより堅調に推移しました。北米では、自動車部品、平板緩衝材、通い函等の販売が堅調に推移しました。米国において、原料ポリプロピレン価格は、需給面の影響が大きく、他地域に比べ高い状況が継続しました。南米では、ブラジル自動車生産の回復などにより販売は堅調に推移しました。欧州では、第4四半期連結会計期間において経済減速の影響があり、販売は前期並みとなりました。アジアでは、韓国の販売が大きく減少し、それ以外の地域では第4四半期連結会計期間における景気停滞の影響がありましたが、中国の上期販売が好調だったことから通期販売では堅調を維持しました。発泡性ポリスチレン「スチロダイア」を中心とした発泡性ビーズ製品は、需要が減少した分野もありますが、家電分野や機能性製品の販売が堅調に推移し、原材料価格上昇に対する製品価格改定もあり売上は増加しました。ユニットバス天井材やフロートに使用されているハイブリッド成形品「スーパーブロー」は、需要の減少により売上は減少しました。
ビーズ事業全体としては、北米・中国等の販売増の寄与がありましたが、韓国及び国内のスーパーブロー販売減の影響もあり、売上は若干の増加にとどまりました。利益面では、国内の上期における製品価格改定の遅れや海外事業の収益構造改善の遅れにより減益となりました。
これらの結果、ビーズ事業の売上高は68,449百万円(前期比0.3%増)、営業利益は3,782百万円(同47.1%減)となりました。
(その他)
一般包材は、国内では、自動車部品関連等、全般的に堅調であったことから、売上は増加しました。中国では、各種部品関連の需要獲得により売上は増加しました。
これらの結果、その他の売上高は6,295百万円(前期比9.0%増)、営業利益は156百万円(同13.0%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,959百万円増加し129,229百万円となりました。
流動資産は、326百万円減少し66,830百万円となりました。減少の主な要因は、現金及び預金が2,121百万円減少した一方、商品及び製品が705百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は、4,286百万円増加し62,399百万円となりました。増加の主な要因は、建物及び構築物(純額)が2,977百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,923百万円増加し45,088百万円となりました。
流動負債は、1,198百万円増加し34,344百万円となりました。増加の主な要因は、短期借入金が1,131百万円増加したことなどによるものです。
固定負債は、2,724百万円増加し10,744百万円となりました。増加の主な要因は、長期借入金が2,256百万円増加したことなどによるものです。
これらの結果、当連結会計年度末の純資産は84,141百万円、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.4ポイント減少して62.1%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、増加要因である税金等調整前当期純利益6,047百万円、減価償却費5,601百万円などに対し、減少要因である法人税等の支払額1,673百万円、たな卸資産の増加1,438百万円、売上債権の増加1,075百万円などにより、差引き7,391百万円の収入(前期比3,457百万円減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、工場新設等に伴う固定資産の取得による支出10,896百万円などにより、10,368百万円の支出(同2,707百万円増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、設備資金の調達等に伴う長期借入れによる収入6,500百万円に対し、主に営業活動によるキャッシュ・フローによる収入を充当した長期借入金の返済による支出4,233百万円、配当金の支払額1,490百万円などにより、差引き1,708百万円の収入(前期は506百万円の支出)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,724百万円減少し、9,082百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
押出事業36,2623.9
ビーズ事業59,6540.9
報告セグメント計95,9162.0
その他99118.2
合計96,9082.1

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は平均販売価格により算出しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
押出事業41,3882.8
ビーズ事業68,4490.3
報告セグメント計109,8371.2
その他6,2959.0
合計116,1331.6

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、時価による測定を含め、会計上の見積りを行うに際して使用した重要な仮定は、合理的であると判断しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等の分析・検討
当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載したとおりであります。それを踏まえ、次のとおり事業全体及びセグメントごとの経営成績等に重要な影響を与えた要因や当該要因への対応について分析・検討を行っております。
(単位:百万円)
2018年3月期2019年3月期前期比(%)
売上高114,284116,1331.6
営業利益9,1055,479△39.8
経常利益9,2175,835△36.7
親会社株主に帰属する
当期純利益
6,8534,309△37.1

前期と比較した、当連結会計年度の売上高及び利益の主な定性的増減要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載したとおりですが、営業利益における定量的な増減分析によれば、前期比増加要因として、付加価値の高い製品の販売増加や製品価格改定などによる販売単価上昇(1,791百万円)、販売数量増(24百万円)、一方減少要因として、原燃料価格・運送費等の変動費単価上昇(3,551百万円)、固定費増(1,890百万円)となり、3,626百万円の大幅な減益となりました。この状況に対応し、事業全体の売上高、利益を増加させる為に、成長事業への更なる投資、顧客ニーズ追求による新規需要の掘り起こしに注力し、高付加価値製品を中心とした増販、原燃料価格変動の影響を受けにくい事業構造への転換に努めてまいります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(押出事業)
(単位:百万円)
2018年3月期2019年3月期前期比(%)
売上高40,24541,3882.8
営業利益2,6922,468△8.3

主に国内で事業を展開している押出事業は、需要が飽和に近づき、またニーズも多様化し高度化してきている中で、収益を伴った持続的成長を継続するために、伸び筋分野である建築・住宅向けの高断熱材、フラットパネルディスプレイ基板の輸送用緩衝材を始めとする独自技術に基づいた付加価値の高い製品の販売に注力します。
また、食品容器等の生活資材製品においても機能性を付与した新グレードの拡販に努め、収益性向上に努めます。ユーザーに近い立ち位置で真の顧客ニーズを追求することにより、事業領域の拡大を目指します。
(ビーズ事業)
(単位:百万円)
2018年3月期2019年3月期前期比(%)
売上高68,26168,4490.3
営業利益7,1543,782△47.1

発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRО)は今後も大きく成長する有望な中核事業であり、その技術力とグローバルネットワークの優位性を活かし、更に差異化戦略を全地域で進め、マーケットシェアの維持拡大と顧客満足の最大化を図っていきます。また「ARGILIX」(熱可塑性エラストマー発泡ビーズ)など様々な機能をもった発泡ビーズの開発、市場展開にも注力いたします。
(地域別の重点施策)
北米:自動車シートコア材の拡販及び自動車部品以外の用途開拓
欧州・韓国:新用途の開拓及び新たな事業の創出
台湾:新製品の投入及び自動車部品需要への対応
中国:将来の市場拡大を見据えた拠点拡大及び差異化製品投入
アセアン:成長著しいアセアン地域でのシェア拡大
「スチロダイア」を代表とする発泡性ビーズ製品については、主用途である水産・農業分野不振の影響が大きいですが、「クリアポール」「エレンポールNEO」「ヒートポールGR」等の機能性共重合製品を含めたグレード開発により、顧客ニーズの追求に基づく建材・土木、自動車及び新規分野への需要拡大に注力すると共に、原材料価格の変動の影響を受けにくい事業への転換に努めます。
(その他)
(単位:百万円)
2018年3月期2019年3月期前期比(%)
売上高5,7776,2959.0
営業利益13815613.0

一般包材は、設計力を活かした自動車・IT部品等の物流資材需要の取り込みによる売上増加、特徴のある包装資材提供による利益向上に努めます。
b.当社グループの資本の財源及び流動性について
当社グループの運転資金及び設備資金等の充当につきましては、自己資金及び金融機関からの短期及び長期の借入金を基本とし、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保しております。
また、当社グループ内において、資金の有効活用を目的とした、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)及びタームローンを実施しております。
当連結会計年度末現在、借入金残高は、長期借入金7,969百万円、1年内返済予定の長期借入金3,921百万円、短期借入金7,497百万円となっております。
なお、2020年3月期の設備投資計画は12,800百万円を計画しており、内訳は、増産及び競争力強化のための投資が4,000百万円、維持投資が8,800百万円となっております。セグメントごとの設備投資計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載しております。
当連結会計年度の財政状態及びキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況及び③キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状態を判断するための客観的な指標等
当社グループは、長期ビジョン『VISION2027』実現の第1ステップである中期経営計画「Deeper & Higher 2020」(第61期から第63期)において、「成長戦略の推進」、「差異化戦略の推進」に加え「経営基盤の強化」を基本方針とし、社会から必要とされる企業として、収益を伴った成長を目指しております。
本中期経営計画の初年度において、「成長戦略の推進」として、海外においては、中国における開発・製造能力の拡充、台湾における自動車シートコア材生産等に向けた倉庫棟建設、欧米における生産能力増強を実行しました。日本においては、兵庫県たつの市の関西工場に「ミラフォーム」新工場建設、三重県四日市市の四日市第二工場に「ピーブロック」自動車シートコア材向け成型工場増設など伸び筋分野への設備投資に注力しました。「ミラマットA(エース)」を中心とした機能性発泡ポリオレフィンシート製品については、更なる高機能化によるフラットパネルディスプレイ関連保護材需要の拡大に努めました。
「差異化戦略の推進」として、現行事業では「スチレンペーパー」における電子レンジ加熱対応の耐熱発泡シートの更なる機能性付与や、「スチロダイア」を中心とした発泡性ビーズ製品における顧客ニーズの追求に基づくグレード開発、需要開拓に注力しました。
「経営基盤の強化」としては、人材育成を通じた全員参加の意識醸成や安全衛生・環境保全、コーポレート・ガバナンスの強化に努めました。
事業環境として、世界経済は、全体としては堅調を維持しましたが、第4四半期連結会計期間において景気減速の傾向が強まりました。また一部地域では、需要減少や販売競争激化となりました。一方原燃料価格に影響する原油価格(ドバイ)は、当初計画前提でも、前期比16%高の65米ドル/バーレルとしていましたが、実績は更に高騰し、前期比24%高の69.4米ドル/バーレルとなりました。
その結果、売上高については、主に販売数量が計画に届かなったことにより計画を下回りました。営業利益については、販売数量の未達に加え原燃料価格上昇に対する価格改定が十分達成できなかったことが大きく影響し、計画を大きく下回りました。
(単位:百万円)
第61期 当初計画第61期 実績達成率
売上高120,000116,13396.8%
営業利益9,5005,47957.7%
営業利益率7.9%4.7%59.6%
原油価格(ドバイ)65米ドル/バーレル69.4米ドル/バーレル-
為替105円/米ドル110.4円/米ドル-

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