有価証券報告書-第155期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/23 15:40
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165項目

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝人グループが判断したものです。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のグローバルレベルでの蔓延により、人々の活動が制限されたことで、当期の世界経済は低迷し、高い不確実性の中で推移しました。特に期前半での影響は大きく、その後一旦は持ち直したものの、期後半にかけては再度の拡大により回復ペースは鈍化しました。
帝人グループは、持続可能な社会の実現に貢献し、「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンのもと、「成長基盤の確立期」と位置づける2020年度から3か年の中期経営計画を策定しました。その初年度である当期においては、将来の収益拡大に向けた投資として、マテリアル事業領域におけるパラアラミド繊維の生産能力増強の設備投資、北米での自動車向け複合成形材料のテキサス新工場の建設や炭素繊維新工場の立ち上げ準備を進めました。また、ヘルスケア事業領域では武田薬品工業㈱からの糖尿病治療薬販売承継を決定し、事業間の融合分野として再生医療等製品事業への参入を目的とした㈱ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(以下、「J-TEC」)のTOBによる子会社化を行うなど、大型投資を推し進めました。このような状況のもと、帝人グループの当連結会計年度の経営成績及び財政状態は以下のとおりとなりました。
1)経営成績
帝人グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高8,365億円(前期対比2.0%減)、営業利益549億円(同2.3%減)、経常利益537億円(同1.2%減)、親会社株主に帰属する当期純損失67億円(前期 親会社株主に帰属する当期純利益 253億円)となりました。
(単位:億円)
154期
(2020年3月期)
155期
(2021年3月期)
増減額増減率
売上高8,5378,365△172△2.0%
営業利益562549△13△2.3%
経常利益543537△7△1.2%
親会社株主に帰属する
当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失
253△67△319-

当連結会計年度における報告セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
(単位:億円)
154期
(2020年3月期)
155期
(2021年3月期)
増減額増減率


マテリアル3,2752,970△306△9.3%
ヘルスケア1,5391,487△53△3.4%
繊維・製品3,0633,149862.8%
IT4865819519.6%
その他17417852.7%
合計8,5378,365△172△2.0%



マテリアル15810△149△94.0%
ヘルスケア326315△10△3.2%
繊維・製品54175121223.3%
IT781042632.9%
その他3△2△6-
消去又は全社△58△525-
合計562549△13△2.3%

マテリアル事業領域:[売上高 2,970億円(前期比9.3%減)、営業利益 10億円(同94.0%減)]

売上高は2,970億円と前期比306億円の減収、営業利益は10億円と前期比149億円の減益となりました。
当セグメントの生産規模は、2,707億円(前期比7.2%減、販売価格ベース)でした。
ヘルスケア事業領域:[売上高 1,487億円(前期比3.4%減)、営業利益 315億円(同3.2%減)]

売上高は1,487億円と前期比53億円の減収、営業利益は315億円と前期比10億円の減益となりました。
当セグメントの生産規模は、573億円(前期比12.4%減、販売価格ベース)でした。
繊維・製品事業:[売上高 3,149億円(前期比2.8%増)、営業利益 175億円(同223.3%増)]

売上高は3,149億円と前期比86億円の増収、営業利益は175億円と前期比121億円の増益となりました。
当セグメントの生産規模は、485億円(前期比11.8%減、販売価格ベース)でした。
IT事業:[売上高 581億円(前期比19.6%増)、営業利益 104億円(同32.9%増)]

売上高は581億円と前期比95億円の増収、営業利益は104億円と前期比26億円の増益となりました。
その他:[売上高 178億円(前期比2.7%増)、営業損失 2億円(前期 営業利益 3億円)]

売上高は178億円と前期比5億円の増収、営業損失は2億円と前期比6億円の減益となりました。
2)財政状態
(単位:億円)
154期
(2020年3月期)
155期
(2021年3月期)
増減額
総資産10,04210,364+322
負債5,9286,082+154
(内 有利子負債)3,8193,800△19
純資産4,1144,283+168
D/Eレシオ(倍)0.970.94△0.03
自己資本比率(%)39.339.2△0.1

総資産は、炭素繊維事業における減損損失により固定資産が減少しましたが、再生医療等製品事業への進出を目的としたJ-TECの株式取得に伴うのれんの計上や保有株式時価の上昇等もあり、前期末対比322億円増加の10,364億円となりました。
負債は、主に仕入債務の増加等により、前期末対比154億円増加の6,082億円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により減少しましたが、主要通貨に対する円安の進行による為替換算調整勘定の増加や保有株式の時価評価に関わる評価差額の増加等もあり、前期末対比168億円増加の4,283億円となりました。この結果、D/Eレシオは0.94倍、自己資本比率は39.2%となりました。
尚、当期末のBS換算レートは、111円/米ドル、130円/ユーロ、1.17米ドル/ユーロ(前期末109円/米ドル、120円/ユーロ、1.10米ドル/ユーロ)となっています。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
154期
(2020年3月期)
155期
(2021年3月期)
増減額
営業活動9421,077+135
投資活動△679△796△117
フリー・キャッシュ・フロー263281+19
財務活動他△104△180△75
現金及び現金同等物増減159102△57

当期の営業活動によるキャッシュ・フローは、非資金性費用を除いた利益及び運転資本の減少による資金収入等があり、合計で1,077億円の資金収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、アラミド事業と複合成形材料事業の生産能力増強を目的とした設備投資の実施、再生医療等製品事業への進出を目的としたJ-TECの株式取得等により、796億円の資金支出となりました。
この結果、営業活動に投資活動を加えたフリー・キャッシュ・フローは281億円の資金収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローについては、配当の支払いと借入金返済により、209億円の資金支出となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物に係る換算差額等も加え、最終的な現金及び現金同等物の増加額は102億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
帝人グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため生産、受注及び販売の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」における各報告セグメントの経営成績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による帝人グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
帝人グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
また、帝人グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。
1) 貸倒引当金の計上基準
帝人グループでは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を繰入計上しています。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。
2) たな卸資産の評価基準
帝人グループの販売する製品の価格は、市場相場変動の影響を強く受ける傾向にあるので、その評価基準として主に原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)を採用しています。
3) 投資有価証券の減損処理
帝人グループは、金融機関や、製造・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、合理的な基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行っています。
4) のれんを含む固定資産の評価
帝人グループは、のれんを含む固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」、IFRS及び米国会計基準に基づき、減損処理の要否を検討しています。事業損益見込みの悪化や事業撤収の決定等があった場合には、将来キャッシュ・フローや回収可能価額を合理的に見積り、減損損失を計上しています。
5) 繰延税金資産の回収可能性
帝人グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するので、課税所得の見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績等
a) 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
帝人グループの当期の連結決算は、COVID-19影響で繊維・製品事業における医療用防護具(ガウン等)やIT事業が好調であったことに加えて、ヘルスケア事業領域も薬価改定影響を受ける中で底堅く推移しました。一方でマテリアル事業領域においては自動車用途や航空機用途を中心として需要低下の影響を受けました。これらの結果、売上高は前期対比2.0%減の8,365億円、営業利益は同2.3%減の549億円となり、経常利益は同1.2%減の537億円となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は航空機需要が長期に亘り低迷するとの見通しに基づく炭素繊維事業の固定資産減損損失の計上等により、67億円の損失(前期は253億円の利益)となりました。
その結果、収益性を示すROEは△1.7%となり中期経営計画最終年度(2022年度)目標(10%以上)を大きく下回る一方、キャッシュ創出力を示すEBITDAはCOVID-19の影響を受ける中、前期と同水準の1,068億円を維持しました。また、営業利益ROICについては、中期経営計画最終年度目標(8%以上)水準を満たす8.6%となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
マテリアル事業領域:[売上高 2,970億円(前期比 9.3%減)、営業利益 10億円(同 94.0%減)、EBITDA 315億円(同 29.7%減)]

COVID-19影響により自動車用途や航空機用途は需要減となるも、期後半における自動車市場の回復に伴い自動車向け販売は回復しました。各事業分野において活動抑制等により販管費が減少しました。
売上高は2,970億円と前期対比306億円の減収(9.3%減)、営業利益は10億円と前期対比149億円の減益(94.0%減)となり、EBITDAは前期対比133億円減の315億円となりました。
総資産は4,664億円となりました。炭素繊維事業における減損損失により固定資産が減少した影響もあり、前期末対比44億円の減少となりました。
アラミド事業分野では、主力のパラアラミド繊維「トワロン」において、タイヤ補強材、摩擦材などの自動車関連や光ファイバーを含む用途全般において販売量が減少しましたが、各市場の回復に伴い販売量が回復しました。
樹脂事業分野では、主力のポリカーボネート樹脂において、期後半から販売量が回復し通期では前期並みを維持しました。また、期後半から主原料であるBPA市況価格が高騰した影響を受けて、販売価格改定を進めています。
炭素繊維事業分野では、需要が減少した航空機用途において炭素繊維「テナックス」の販売量が大幅に減少したため、風力発電用途やレクレーション用途等の航空機用途以外への販売を強化しました。将来に向けた航空機向け中間材料開発や北米新工場稼働に向けた先行投資を継続実施しています。
複合成形材料事業分野では、期初に、OEM生産大幅減により米国Continental Structural Plastics社(CSP)の自動車部品の生産・販売が大きく影響を受けましたが、SUV・ピックアップトラックを始めとする米国自動車市場が回復し、大幅に改善しました。米国において比較的高水準の失業給付が継続している影響で、CSPにおいて工場稼働が回復する中で従業員の確保が課題となっており、定着率改善のための対策を推進しています。
マテリアル事業領域のEBITDAの増減分析(前年対比)は以下のとおりです。
0102010_006.png
ヘルスケア事業領域:[売上高 1,487億円(前期比 3.4%減)、営業利益 315億円(同 3.2%減)、EBITDA 437億円(同 2.0%減)]

「フェブリク」を中心に国内医薬品の薬価改定影響があったものの、「フェブリク」の販売や在宅医療の販売が拡大しました。COVID-19影響の中、オンラインによる非対面の営業活動等により、販管費が減少しました。
売上高は1,487億円と前期比53億円の減収(3.4%減)、営業利益は315億円と前期比10億円の減益(3.2%減)となりました。EBITDAは、437億円と前期比9億円の減益となりました。
総資産は1,256億円となり、ヘルスケア新事業での投資有価証券の売却等の影響もあり、前期末対比8億円の減少となりました。
医薬品分野では、国内市場において、高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク」を中心に2020年4月の薬価改定の影響を受けましたが、「フェブリク」や先端巨大症・下垂体性巨人症/神経内分泌腫瘍治療剤「ソマチュリン*」が順調に販売量を拡大しました。
* ソマチュリン®/Somatuline®は、Ipsen Pharma(仏)の登録商標です。
在宅医療分野では、在宅酸素療法(HOT)市場において、病院内における感染回避のため在宅医療導入が選択されるケースが増えたことと携帯型酸素濃縮器の展開等により、レンタル台数が伸長しました。在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)市場においては、COVID-19影響により入院検査数が減少し市場拡大は昨年より鈍化しましたが、開業医向け市場は拡大しており、レンタル台数の増加が継続しています。また、遠隔モニタリング算定要件が緩和され、診療支援ツール「ネムリンク」導入施設が増加しています。
ヘルスケア新事業分野では、人工関節・吸収性骨接合材等の埋め込み型医療機器事業において、期初はCOVID-19影響による手術延期により販売数量が減少しましたが、第2四半期以降の手術数の回復および新製品の販売拡大により、累計の売上高が前年比増となりました。
ヘルスケア事業領域のEBITDAの増減分析(前年対比)は以下のとおりです。
0102010_007.png
繊維・製品事業:[売上高 3,149億円(前期比 2.8%増)、営業利益 175億円(同 223.3%増)、EBITDA 239億円(同 93.0%増)]

売上高は3,149億円と前期対比86億円の増収(2.8%増)、営業利益は175億円と前期対比121億円の増益(223.3%増)となり、EBITDAは前期対比115億円増の239億円となりました。
総資産は1,892億円となり、運転資本の減少及び投資有価証券の売却等の影響により、前期末対比88億円の減少となりました。
COVID-19影響により、テキスタイル、重衣料は苦戦しましたが、医療従事者向けの医療用防護具(ガウン等)の供給が業績に大きく貢献しました。在宅需要にマッチした衣料品販売が堅調で、感染予防に向けた機能性マスクや水処理向けポリエステル短繊維等が好調に推移しました。期初に苦戦した自動車関連部材は期後半にかけて回復が鮮明となり、活動抑制による販管費減も業績に寄与しました。
IT事業:[売上高 581億円(前期比 19.6%増)、営業利益 104億円(同 32.9%増)、EBITDA 113億円(同 30.5%増)]

売上高は581億円と前期対比95億円の増収(19.6%増)、営業利益は104億円と前期対比26億円の増益(32.9%増)となり、EBITDAは前期対比26億円増の113億円となりました。
総資産は577億円となり、現金及び預金の増加等の影響により、前期末対比84億円の増加となりました。
ITサービス分野は病院向けを中心にCOVID-19の影響を受けましたが、ネットビジネス分野の電子コミックサービスは、読者層拡大を背景に好調に推移しました。
その他:[売上高 178億円(前期比 2.7%増)、営業損失 2億円(前期 営業利益3億円)]

売上高は178億円と前期対比5億円の増収(2.7%増)、営業損失は2億円(前期は営業利益3億円)となりました。
東証JASDAQグロース市場に上場しているJ-TECをTOBにより子会社化し、期末より連結を開始しました。
b) 財政状態及びキャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の財政状態、キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 2)財政状態、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(帝人グループの資本の財源及び資金の流動性について)
帝人グループは、持続可能な社会の実現に向けて、「環境価値」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」の3つのソリューションを中心とした価値を提供することで「未来の社会を支える会社」になることを目指し、事業ポートフォリオ変革に取り組んでいます。そのため、獲得した資金は財務体質の健全性を維持しながら「将来の成長に向けての投資」に優先的に配分しますが、「安定的・継続的な配当」にも配慮し、中期的な配当性向は30%を目安とし、状況に応じて自己株式取得等も機動的に実施します。また、積極的な成長投資を実行しながら企業価値を向上させていくために、資本コストを意識した経営を行っており、ROEや営業利益ROICを最重要指標として位置付け、資本効率の向上に取り組んでいます。
帝人グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入、製造費、販売費やサービス提供費用等の運転資金需要に加え、設備投資や研究開発活動費等の「将来の成長に向けての投資」としての資金需要があります。マテリアル事業領域では、パラアラミド繊維の生産能力増強の設備投資、北米での自動車向け複合成形材料のテキサス新工場の建設や炭素繊維新工場の立ち上げ準備を進めています。ヘルスケア事業領域では、武田薬品工業㈱からの糖尿病治療薬販売承継を決定し、2021年4月1日付で資産譲渡実行の条件が満たされ資産の譲受が完了、承継価額は1,330億円となりました。また、再生医療等製品事業への参入を目的としたJ-TECのTOBによる子会社化を行うなど、大型投資を推し進めました。中期経営計画2020-2022『ALWAYS EVOLVING』の3年累計では、設備投資及びM&A枠として当初3,500億円の資源投入規模を設定していましたが、上記大型投資を踏まえて4,500億円まで拡大し、今後も「将来の成長に向けての投資」を継続していきます。研究開発費については、マテリアル事業領域の複合成形材料分野やヘルスケア事業領域を中心に同中期経営計画の3年累計で1,100億円の資源投入を計画しています。
帝人グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により資金調達をおこなっており、財務体質の健全性を維持(D/Eレシオ0.9が目安)しながら資本効率の維持・向上を図るべく、最適な選択を実施していきます。また、日米欧中の各拠点においては、グループ内余剰資金を活用するためにキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上に努めています。帝人グループは、国内格付機関である格付投資情報センターから格付を取得しており、本有価証券報告書提出時点においてはAマイナス(安定的)となっております。金融機関には十分な借入枠を有しており、帝人グループの事業運営に必要な運転資金や将来の成長に向けた投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識するとともに、高水準で維持している現預金も含め、緊急時の流動性を確保しております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は3,800億円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備投資に対応する借入の大部分については、長期調達するとともに過度に金利変動リスクに晒されないよう金利スワップ等の手段を活用し、固定化しています。また、2021年4月1日付の糖尿病治療薬販売承継の当初資金は、手元現預金とブリッジローンにより充当しましたが、一定の財務規律を維持する前提の下、最適な資金調達手段を検討し、実行していきます。なお、新株発行を伴う調達(エクイティファイナンス)は実施しません。負債増加により一時的に財務体質は悪化しますが、「D/Eレシオ目安0.9」の水準までの早期改善を目指します。
2) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
3) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2020年2月に公表した中期経営計画2020-2022『ALWAYS EVOLVING』では、前中期経営計画に引き続き、投資効率を測るための指標としてROEと営業利益ROICを重視するとともに、効率だけでは無く稼ぐ力を測るための指標としてEBITDAも重視しています。中期経営計画の期間においては、ROEは10%以上、営業利益ROICは8%以上、また2022年度でのEBITDAは1,500億円超という目標を掲げていますが、当期はROEが△1.7%、EBITDAが1,068億円となり、目標を下回っています。営業利益ROICについては8.6%となり、堅調に推移しています。
また、各種指標の推移は以下のとおりです。
第151期
(2017年3月期)
第152期
(2018年3月期)
第153期
(2019年3月期)
第154期
(2020年3月期)
第155期
(2021年3月期)
ROE(%)15.712.511.26.3△1.7
営業利益ROIC(%)10.011.29.38.78.6
EBITDA(億円)9581,1551,0761,0721,068

(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しています。
・ROE:親会社株主に帰属する当期純利益/期首・期末平均自己資本
・営業利益ROIC:営業利益/期首・期末平均投下資本
※投下資本・・・純資産+有利子負債-現金及び預金
・EBITDA:営業利益+減価償却費(のれんを含む)

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