有価証券報告書-第144期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 14:30
【資料】
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【項目】
134項目
19 売却目的で保有する資産または処分グループ
当社グループは、連結財政状態計算書において特定の資産を売却目的保有に分類しております。非流動資産および処分グループの帳簿価額が主に売却により回収される見込みであり、売却の可能性が非常に高いと考えられる場合に、売却目的で保有する資産に振り替えております。売却目的で保有する非流動資産および処分グループは、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上しております。
売却目的保有に分類された処分グループを、帳簿価額と、売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で計上する際に測定される利得または損失は、その他の営業収益または営業費用に計上しております。
売却目的で保有する処分グループ
(単位:百万円)
前年度当年度
(2020年3月31日)(2021年3月31日)
有形固定資産41,316-
のれん63,53812,078
無形資産27,5138,018
棚卸資産3,266392
繰延税金資産21,073-
その他574201
資産合計157,28020,689
引当金80,841-
繰延税金負債6,349-
負債合計87,190-

当社グループは、2020年3月期に「XIIDRA」に関連する処分グループを375,536百万円で売却しております。なお、「XIIDRA」の売却が連結純損益計算書に与える重要な影響はありません。また、当社グループは、2020年3月期に中近東・アフリカ、およびロシア、ジョージアなどの独立国家共同体の国々で当社グループが販売する一部の医療用医薬品および一般用医薬品のポートフォリオを譲渡する契約を締結しました。当社グループは当該製品に関連する資産および関連する負債を売却目的で保有する処分グループとして振替えるとともに、前年度中に85,578百万円で譲渡完了しております。これらの売却収入は2020年3月期に連結キャッシュ・フロー計算書に計上された事業売却による収入461,546百万円の大部分を構成しております。
2020年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループは、主に以下のとおりであり、公正価値のヒエラルキーレベルはレベル3であります。
・2019年3月期において売却目的で保有する処分グループに含まれていた研究開発中のSHP647に関連する資産については、2020年3月31日現在においても譲渡契約の締結に至らなかったため、2020年3月31日現在において売却目的で保有する処分グループに含まれております。なお、2020年5月にSHP647および関連する権利の売却に関する当社グループの義務について、欧州委員会による解除が決定したことに伴い、2021年3月期において売却目的で保有する処分グループへの振替を中止し、60,179百万円の再評価益をその他の営業収益に計上しております(注記5)。
・アイルランドの製造拠点の売却を経営者が決定し、売却契約を締結したことに伴い、2020年3月期において関連する有形固定資産を売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、当該拠点の譲渡は2020年9月に完了しており、また、当該取引が2021年3月期における連結純損益計算書に与える重要な影響はありません。
・日本の湘南ヘルスイノベーションパーク設備の売却を経営者が決定し、売却契約を締結したことに伴い、2020年3月期において関連する有形固定資産を売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、2020年9月に当該資産の譲渡が完了したことに伴い、セール・アンド・リースバック契約が実行された結果、2020年9月において使用権資産75,131百万円およびリース負債63,859百万円をそれぞれ計上しています。
・2020年3月に、当社グループがラテンアメリカで販売する当社ノン・コア資産である一部の医療用医薬品および一般用医薬品のポートフォリオをHypera S.A.へ譲渡する契約を締結し、当該製品に関連する無形資産、のれん等の資産および負債を売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、当該製品は2021年1月に売却しております。
・2019年5月に、「TachoSil」(手術用パッチ剤)に関連する無形資産、のれん等の資産および負債を売却目的で保有する処分グループに振替えております。なお、当該製品に関連する資産および負債を2021年1月に売却しております。当該製品の売却が2021年3月期における連結純損益計算書に与える重要な影響はありません。
また、上記のほかに、2021年3月期において以下の譲渡を完了しております。
・当社グループがアジア・パシフィックの国々のみで販売する当社ノン・コア資産である一部の医療用医薬品および一般用医薬品のポートフォリオ、また、欧州およびカナダにおいて販売する当社のノン・コア資産である一部の医療用医薬品の譲渡を完了しております。加えて、欧州で販売する一般用医薬品および医療用医薬品のポートフォリオの一部、ならびにデンマークおよびポーランドに所在する2つの製造拠点の売却を完了しております。
・武田コンシューマーヘルスケア株式会社を譲渡する契約を締結し、関連する資産および負債を売却目的で保有する処分グループとして振り替えるとともに、当年度中に234,105百万円で譲渡を完了しております。
当社グループは当年度において上記の譲渡を完了し、SHP647に係る再評価益に加えて、228,923百万円の事業譲渡益をその他の営業収益に計上しております(注記5)。なお、2021年3月期に連結キャッシュ・フロー計算書に計上された事業売却による収入530,388百万円は主にこれら処分グループの売却収入により構成されております。
また、当社グループは、2020年3月期および2021年3月期において、処分グループを売却目的保有に分類したことにより33,790百万円および5,824百万円の減損損失をその他の営業費用に計上しております。なお、一部減損損失は事業構造再編費用に含まれております。
なお、2021年3月31日現在の売却目的で保有する処分グループは、主に2020年12月に売却目的で保有する処分グループに分類された中国で販売しているノン・コア資産である一部の一般用医薬品に関連する資産および負債であり、公正価値のヒエラルキーレベルはレベル3であります。