有価証券報告書-第106期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/20 15:46
【資料】
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【項目】
58項目
(1) 経営成績の状況
当期(2017年4月1日~2018年3月31日)の連結業績は、次のとおりとなりました。
売上収益6,000億54百万円( 前期比11.3%増 )
営業利益772億12百万円( 同30.7%増 )
税引前当期利益768億 3百万円( 同33.2%増 )
当期利益544億24百万円( 同28.8%増 )
親会社の所有者に帰属する当期利益518億45百万円( 同31.7%増 )

○ 売上収益は、抗がん剤「ハラヴェン」、「レンビマ」(欧州における腎細胞がんに係る製品名「Kisplyx」)、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」および抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」)が拡大したことに加え、米メルク社との戦略的提携による契約一時金等の受領により、全体では6,000億54百万円(前期比11.3%増)となりました。
セグメント別には、日本医薬品事業が増収となったほか、中国、EMEAおよびアジア・ラテンアメリカ医薬品事業はそれぞれ二桁成長を果たしました。グローバルブランド4 品目合計では、前期から25.4%増の915億44百万円となりました。4 品目の内訳は、「ハラヴェン」が398億90百万円、「レンビマ」が322億31百万円、「フィコンパ」が146億54百万円、肥満症治療剤「Belviq」が47億69百万円でした。
○ 営業利益は、βサイト切断酵素阻害剤「E2609」(一般名:elenbecestat)などのアルツハイマー病領域およびがん領域の開発テーマへの積極的な研究開発投資を行いましたが、増収による売上総利益の増加がこれを上回ったことから、772億12百万円(前期比30.7%増)となりました。
○ 当期利益は544億24百万円(前期比28.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、518億45百万円(同31.7%増)となりました。
○ 基本的1株当たり当期利益は、181円18銭(前期より43円55銭増)となりました。
○ 当期利益にその他の包括利益を加減した当期包括利益は、538億1百万円(前期比 46.1%増)となりました。
[セグメントの状況]
(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)
当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本(医療用医薬品、ジェネリック医薬品、一般用医薬品等)、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓国、台湾、香港、インド、アセアン、中南米等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。
なお、2018年1月1日より、メキシコおよびブラジルを含むラテンアメリカ諸国をアメリカス医薬品事業から分離し、アジア医薬品事業と統合したアジア・ラテンアメリカ医薬品事業を新設しました。当期における変更前の期間および前期のセグメント情報は当該変更を反映しています。この変更による重要な影響はありません。
<日本医薬品事業>○ 売上収益は2,961億70百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益は1,044億22百万円(同1.7%増)となりました。売上収益の主な内訳は、医療用医薬品が2,466億83百万円(同1.1%増)、ジェネリック医薬品が278億13百万円(同0.8%減)、一般用医薬品等が216億56百万円(同13.7%増)でした。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、ファイザー社と共同販促を展開している疼痛治療剤「リリカ」の共同販促収入が265億17百万円(前期比9.3%増)、不眠症治療剤「ルネスタ」が101億82百万円(同27.1%増)と順調に拡大しました。また、前期に新発売した「フィコンパ」は17億16百万円(同271.0%増)と拡大しました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は243億68百万円(同17.5%減)となりました。オンコロジー領域では、「ハラヴェン」が92億70百万円(同19.4%増)、「レンビマ」が29億89百万円(同10.1%増)と高い成長を維持しました。さらに、「ヒュミラ」は433億71百万円(同15.2%増)と大幅に拡大しました。
○ 2017年4月、「チョコラBBゴールドリッチ」を新発売しました。
○ 2017年6月、「リリカOD錠」(OD錠:口腔内崩壊錠)を新発売しました。
○ 2017年9月、「イータック抗菌化スプレーα」を新発売しました。
○ 2017年10月、「遠志(オンジ)の恵み」を新発売しました。
○ 2017年12月、潰瘍性大腸炎治療剤「レクタブル」を新発売しました。
<アメリカス医薬品事業>○ 売上収益は1,139億23百万円(前期比2.2%減)、セグメント利益は436億1百万円(同16.3%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、抗てんかん剤「Banzel」が165億57百万円(前期比19.6%増)、「Fycompa」が69億7百万円(同31.5%増)とそれぞれ大幅な成長を果たしました。「Belviq」は35億58百万円(同4.2%減)となりました。オンコロジー領域では、「レンビマ」が219億28百万円(同45.2%増)と大幅に拡大しました。制吐剤「Aloxi」は395億73百万円(同17.7%減)、「ハラヴェン」は157億25百万円(同2.3%減)となりました。
<中国医薬品事業>○ 売上収益は562億31百万円(前期比14.1%増)、セグメント利益は154億68百万円(同11.7%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、末梢性神経障害治療剤「メチコバール」が187億66百万円(前期比4.4%増)、肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー/グリチロン錠」が101億84百万円(同20.9%増)、「アリセプト」が75億14百万円(同21.9%増)と大幅な成長を果たしました。
○ 2018年3月、上部消化管機能改善剤「Cidine」を新発売しました。
○ 売上収益は442億98百万円(前期比17.1%増)、セグメント利益は154億42百万円(同5.7%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」が53億91百万円(前期比27.0%増)、抗てんかん剤「Zebinix」が48億89百万円(同36.2%増)と大幅な成長を確保する一方、抗てんかん剤「Zonegran」は43億95百万円(同14.9%減)となりました。オンコロジー領域では、「ハラヴェン」が121億14百万円(同10.7%増)、「レンビマ/Kisplyx」が58億23百万円(同75.4%増)とそれぞれ拡大しました。
<アジア・ラテンアメリカ医薬品事業>○ 売上収益は426億11百万円(前期比20.7%増)、セグメント利益は124億27百万円(同45.0%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、「ヒュミラ」が115億63百万円(前期比20.2%増)、「アリセプト」が112億29百万円(同14.8%増)、プロトンポンプ阻害剤「パリエット」が38億73百万円(同6.8%増)と大幅に拡大しました。
○ 2017年4月にマレーシア、同年5月にフィリピンおよびインドにおいて「レンビマ」を新発売しました。
○ 2017年9月にインドにおいて「Fycompa」を新発売しました。
○ 2017年9月に台湾において「チョコラBBプラス」を新発売しました。
(2) 財政状態の状況
○ 資産合計は、米メルク社からの契約一時金および研究開発償還金の受領等に伴い現金及び現金同等物が増加したことにより、1兆490億31百万円(前期末より182億67百万円増)となりました。
○ 負債合計は、長期借入金の返済があったものの、米メルク社から受領した研究開発償還金を預り金として計上したことにより、4,349億32百万円(前期末より67億59百万円増)となりました。
○ 資本合計は、円高により為替換算差額が減少したものの、増益により利益剰余金が増加したことにより、6,140億98百万円(前期末より115億8百万円増)となりました。
○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は56.6%(前期末より0.1ポイント減)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
○ 営業活動から得たキャッシュ・フローは、1,496億49百万円の収入(前期より737億97百万円増)となりました。税引前利益は768億3百万円、減価償却費および償却費は261億83百万円、運転資本の減少額は629億66百万円(うち、預り金の増加額は469億63百万円)でした。
○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、170億40百万円の収入(前期は285億96百万円の支出)となりました。主に長期借入金の返済に伴う3カ月超預金の払戻しによるものです。また、資本的支出等(注)は129億76百万円でした。
○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、818億50百万円の支出(前期より464億10百万円の支出増)となりました。長期借入金の返済による支出は500億円、配当金の支払いは429億29百万円でした。
○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、2,705億25百万円(前期末より837億50百万円増)となりました。
○ なお、営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、1,366億73百万円です。
(注)金融資産の取得による支出および金融資産の売却・償還による収入を資本的支出等の算定式に含めています。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
(a) 生産実績
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本医薬品事業161,91799.9
アメリカス医薬品事業(注3)127,336133.5
中国医薬品事業74,898113.3
EMEA医薬品事業53,056122.4
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業(注4)35,688127.2
報告セグメント計452,894114.7
その他事業360101.9
合計453,254114.7

(注1) 金額は販売見込価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) アメリカス医薬品事業において、生産実績が著しく増加しました。これは主に、ニューロロジー領域製品の販売が増加したことによるものです。
(注4) アジア・ラテンアメリカ医薬品事業において、生産実績が著しく増加しました。これは主に、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」などの販売が増加したことによるものです。
(b) 商品仕入実績
当期における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本医薬品事業74,71889.3
アメリカス医薬品事業(注3)6,10237.0
中国医薬品事業1,616256.8
EMEA医薬品事業3,144154.6
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業8,907120.1
報告セグメント計94,48785.7
その他事業324157.7
合計94,81185.8

(注1) 金額は仕入価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) アメリカス医薬品事業の商品仕入実績が著しく減少しました。これは主に、制吐剤「Aloxi」によるものです。
② 受注実績
当連結グループは販売計画に基づいた生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本医薬品事業296,170101.8
アメリカス医薬品事業113,92397.8
中国医薬品事業56,231114.1
EMEA医薬品事業44,298117.1
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業42,611120.7
報告セグメント計553,234104.4
その他事業(注3)46,821512.6
合計600,054111.3

(注1) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先当期前期
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
アルフレッサ
ホールディングス㈱
68,59911.466,29512.3
㈱スズケン59,5159.959,02710.9
㈱メディパル
ホールディングス
54,2109.052,1389.7

(注3) その他事業において、販売実績が著しく増加しました。これは主に、米メルク社との戦略的提携による契約一時金の受領等によるものです。
(注4) 上記金額には消費税等を含めていません。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針 4. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 経営成績の分析
経営成績の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況」に記載しています。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態の状況」に記載しています。
④ 資金の流動性および資本の財源についての情報
(a) 資金の流動性
資金の流動性については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
(b) 資本の財源
当期末の現金及び現金同等物は、資産合計の25.8%を占める2,705億円です。当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源とし、設備投資および研究開発活動を行っています。
一方、借入金は1,731億円となりました。借入債務の通貨別の比率は81%が円建て、18%が米ドル建てとなっています。また、当期末における借入金の利率は0.10%~3.70%です。
当社グループの財務戦略は、高い信用格付けを維持するとともに、安定した財務の健全性および柔軟性を確保することを基本としています。
なお、当期末における格付投資情報センターによる長期借入債務の格付けは、「A+」です。
⑤ 翌期の連結業績見通し
(a) 売上収益
グローバルブランド「レンビマ」、「ハラヴェン」、「フィコンパ」のさらなる成長に加え、米メルク社との戦略的提携に伴うマイルストン受領等により、国内薬価改定および米国における「Aloxi」のジェネリック上市の影響を吸収し、売上収益は前期から5.3%増の6,320億円を見通しています。
「レンビマ」は585億円(前期比81.5%増)、「ハラヴェン」は430億円(同7.8%増)、「フィコンパ」は215億円(同46.7%増)を見通しています。
(b) 利益
戦略的重点領域であるニューロロジー領域およびオンコロジー領域における研究開発プロジェクトおよび「レンビマ」をはじめとするグローバルブランドに対する販促活動への積極的な投資を継続する一方、グローバルブランドの売上収益の増加や米メルク社からのマイルストン受領などにより、営業利益は前期から11.4%増の860億円を見込んでいます。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期から10.9%増の575億円を見通しています。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しています。
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載しています。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを償却していますが、IFRSでは非償却とし、毎年一定の時期および減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が当期において10,143百万円(前期は10,075百万円)減少しています。

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