有価証券報告書-第107期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/20 16:13
【資料】
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【項目】
117項目
文中の将来に関する事項は、当期末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の状況
当期(2018年4月1日~2019年3月31日)の連結業績は、次のとおりとなりました。
売上収益6,428億34百万円( 前期比7.1%増 )
営業利益861億54百万円( 同11.6%増 )
税引前当期利益894億54百万円( 同16.5%増 )
当期利益664億84百万円( 同22.2%増 )
親会社の所有者に帰属する当期利益633億86百万円( 同22.3%増 )
当期包括利益794億89百万円( 同47.7%増 )
基本的1株当たり当期利益221円34銭( 同22.2%増 )

○ 売上収益は、抗がん剤「レンビマ」が肝細胞がんに係る適応を取得したことなどに伴い大幅な拡大を果たしたほか、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」および抗てんかん剤「フィコンパ」(英名「Fycompa」)が伸長したことなどにより、日本における薬価改定や米国における制吐剤「Aloxi」の販売権返還の影響を吸収し、増収となりました。なお、「レンビマ」に関するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(以下、米メルク社)との戦略的提携による特定のオプション権に対する一時金、開発マイルストンペイメントおよび販売マイルストンペイメントとして、累計で655億41百万円を計上しました。
○ セグメント別売上収益は、グローバルブランド4品目を中心とした成長により、「Aloxi」の減収による影響を受けたアメリカス医薬品事業を除くすべてのセグメントにおいて増収となりました。特に中国、EMEAおよびアジア・ラテンアメリカ医薬品事業がそれぞれ二桁成長を果たしたことにより、医薬品事業セグメント合計でも増収を達成しました。なお、医薬品事業セグメントの売上収益には上記「レンビマ」の一時金等は含まれていません。
○ グローバルブランド4品合計の売上収益は、前期から40.6%増の1,287億52百万円となりました。4品目の内訳は、「レンビマ」が625億57百万円、抗がん剤「ハラヴェン」が412億89百万円、「フィコンパ」が192億73百万円、肥満症治療剤「Belviq」が56億33百万円でした。
○ 研究開発費は、「レンビマ」の単剤療法および米メルク社の抗PD-1抗体「キイトルーダ」との併用療法ならびにβサイト切断酵素阻害剤「E2609」(一般名:elenbecestat)をはじめとしたアルツハイマー病領域などへの積極的な資源投入を行った一方、パートナーシップモデルを活用して費用を抑えました。販売費及び一般管理費は、グローバルブランド育成・拡大に向けた販促活動を行ったほか、「レンビマ」に関する米メルク社との戦略的提携に基づく折半利益を費用として計上したことなどにより増加しました。
○ 以上の結果、営業利益は前期比11.6%増の大幅な増益となりました。
[セグメントの状況]
(各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです)
当社グループは、セグメントを医薬品事業とその他事業に区分しており、医薬品事業を構成する日本(医療用医薬品、ジェネリック医薬品、一般用医薬品等)、アメリカス(北米)、中国、EMEA(欧州、中東、アフリカ、オセアニア)、アジア・ラテンアメリカ(韓国、台湾、香港、インド、アセアン、中南米等)の5つの事業セグメントを報告セグメントとしています。
<日本医薬品事業>○ 売上収益は3,010億76百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益は1,047億41百万円(同0.3%増)となりました。売上収益の主な内訳は、医療用医薬品が2,515億61百万円(同2.0%増)、ジェネリック医薬品が251億56百万円(同9.6%減)、一般用医薬品等が243億25百万円(同12.3%増)でした。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、ファイザー社と共同販促を展開している疼痛治療剤「リリカ」の共同販促収入が283億31百万円(前期比6.8%増)、不眠症治療剤「ルネスタ」が112億11百万円(同10.1%増)、「フィコンパ」は29億53百万円(同72.1%増)と成長しました。アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は179億25百万円(同26.4%減)でした。オンコロジー領域では、「レンビマ」が99億52百万円(同233.0%増)と大幅な拡大を果たしており、「ハラヴェン」は94億26百万円(同1.7%増)でした。さらに、「ヒュミラ」も469億13百万円(同8.2%増)と成長しました。なお、2018年4月に日本における膵消化酵素補充剤「リパクレオン」の販売権を返還しています。
○ 2018年5月、「ヒュミラ」について、オート・インジェクター製剤「ヒュミラ皮下注ペン」を新発売しました。
○ 2018年6月、「ヒュミラ」について、新たな小児用製剤「ヒュミラ皮下注20mg シリンジ0.2mL」を新発売しました。
<アメリカス医薬品事業>○ 売上収益は978億59百万円(前期比14.1%減)、セグメント利益は463億46百万円(同6.3%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」が92億94百万円(前期比34.6%増)と大幅に拡大しました。抗てんかん剤「Banzel」は174億76百万円(同5.5%増)、「Belviq」は39億10百万円(同9.9%増)とそれぞれ伸長しています。オンコロジー領域では、「レンビマ」が375億18百万円(同71.1%増)と大幅な拡大を果たしており、「ハラヴェン」は164億46百万円(同4.6%増)と伸長しました。なお、「Aloxi」については、2018年6月に販売権を返還したことにより減収となりました。
<中国医薬品事業>○ 売上収益は662億99百万円(前期比17.9%増)、セグメント利益は244億9百万円(同57.8%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、末梢性神経障害治療剤「メチコバール」が199億64百万円(前期比6.4%増)、肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー/グリチロン錠」が107億26百万円(同5.3%増)、「アリセプト」が93億46百万円(同24.4%増)と引き続き成長を示しました。2018年11月に新発売した「レンビマ」(肝細胞がんに係る適応)は、発売後5カ月間で31億17百万円となり、順調に販売を拡大しています。
○ 売上収益は497億93百万円(前期比12.4%増)、セグメント利益は197億43百万円(同27.9%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、ニューロロジー領域で、「Fycompa」が61億35百万円(前期比13.8%増)、抗てんかん剤「Zebinix」が57億64百万円(同17.9%増)とそれぞれ成長しました。抗てんかん剤「Zonegran」は40億93百万円(同6.9%減)となりました。オンコロジー領域では、「ハラヴェン」が126億75百万円(同4.6%増)、「レンビマ/Kisplyx」が79億77百万円(同37.0%増)とそれぞれ拡大しました。
<アジア・ラテンアメリカ医薬品事業>○ 売上収益は487億17百万円(前期比14.3%増)、セグメント利益は152億96百万円(同23.1%増)となりました。
○ 品目別売上収益については、「ヒュミラ」が129億86百万円(前期比12.3%増)、「アリセプト」が118億10百万円(同5.2%増)と伸長したほか、「レンビマ」が39億93百万円(同167.8%増)と大幅な成長を果たしました。
○ 2018年7月にインドネシアにおいて「レンビマ」を新発売しました。
(2)財政状態の状況
○ 資産合計は、フリー・キャッシュ・フローの増大により現金及び現金同等物が増加したことに加え、売上収益の増加に伴う営業債権及びその他の債権の増加、円安による米ドル建て資産の増加などにより、1兆715億20百万円(前期末より224億89百万円増)となりました。
○ 負債合計は、主に借入金の返済による減少により、4,195億38百万円(前期末より153億94百万円減)となりました。
○ 資本合計は、支払配当金を大幅に上回る当期利益を計上したことに加え、円安により為替換算差額が増加したことにより、6,519億81百万円(前期末より378億83百万円増)となりました。
○ 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は58.6%(前期末より2.0ポイント増)となり、財務の健全性はより一層高まりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
○ 営業活動によるキャッシュ・フローは、売上収益の増加に伴い税引前当期利益が増加した一方で、前期は米メルク社からの契約一時金および研究開発償還金を受領していた反動により、前期より459億35百万円減となる1,037億14百万円の収入となりました。
○ 投資活動によるキャッシュ・フローは、79億18百万円の支出(前期は170億40百万円の収入)となりました。積極的な投資により資本的支出等は前期より56億77百万円増の186億53百万円、3カ月超預金の預入・払戻による純収入は前期より193億11百万円減の107億70百万円でした。
○ 財務活動によるキャッシュ・フローは、791億80百万円の支出(前期より26億70百万円の支出減)となりました。配当金の支払いは429億57百万円、長期借入金の返済による支出は382億70百万円でした。
○ 以上の結果、現金及び現金同等物の残高は、前期末より213億99百万円増の2,919億24百万円となりました。
○ 営業活動によるキャッシュ・フローから資本的支出等を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、850億61百万円となり、年間配当予定額を大幅に上回るキャッシュを創出しました。
(4)生産、受注および販売の実績
① 生産実績
(a) 生産実績
当期における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本医薬品事業152,92494.4
アメリカス医薬品事業(注3)161,838127.1
中国医薬品事業(注4)21,19728.3
EMEA医薬品事業62,619118.0
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業40,227112.7
報告セグメント計438,80496.9
その他事業2,046569.3
合計440,85197.3

(注1) 金額は販売見込価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) アメリカス医薬品事業において、生産実績が著しく増加しました。これは主に、抗がん剤「レンビマ」の販売の増加に伴うものです。
(注4) 中国医薬品事業において、生産実績が著しく減少しました。これは主に、新蘇州工場の稼働準備に伴う生産停止期間があったことによるものです。
(b) 商品仕入実績
当期における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本医薬品事業74,23699.4
アメリカス医薬品事業(注3)210.3
中国医薬品事業1,34883.4
EMEA医薬品事業2,73987.1
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業10,032112.6
報告セグメント計88,37693.5
その他事業416128.4
合計88,79393.7

(注1) 金額は仕入価格により算出し、セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 上記金額には消費税等を含めていません。
(注3) アメリカス医薬品事業の商品仕入実績が著しく減少しました。これは主に、制吐剤「Aloxi」の販売権返還によるものです。
② 受注実績
当社グループは販売計画に基づいた生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当期における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本医薬品事業301,076101.7
アメリカス医薬品事業97,85985.9
中国医薬品事業66,299117.9
EMEA医薬品事業49,793112.4
アジア・ラテンアメリカ医薬品事業48,717114.3
報告セグメント計563,745101.9
その他事業(注3)79,090168.9
合計642,834107.1

(注1) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(注2) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先当期前期
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
アルフレッサ
ホールディングス㈱
65,94410.368,59911.4
㈱スズケン56,1838.759,5159.9
㈱メディパル
ホールディングス
52,9988.254,2109.0

(注3) その他事業において、販売実績が著しく増加しました。これは主に、米メルク社との抗がん剤「レンビマ」に関する戦略的提携のオプション権行使に伴う一時金およびマイルストンによるものです。
(注4) 上記金額には消費税等を含めていません。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
連結財務諸表作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しています。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3. 重要な会計方針、 4. 重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績の状況、 (2)財政状態の状況、(3)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
③ 資本の財源および資金の流動性に係る情報
資金の流動性について、現時点では概ね月商の3倍を適正な運転資金の水準と考えています。2018年度末における現金及び現金同等物残高は2,864億円であり、支出予定の資金を控除した後も十分な流動性を確保しています。さらに当座借越、コミットメントラインなどによる信用補完を行うことで、流動性を一層強化しています。
実質的なキャッシュ残高であるネットキャッシュは2,002億円と、実質無借金を維持しています。引き続き財務の健全性を重視し、「ネットキャッシュの維持」を主要な財務規律として重視するとともに、Net DERを±0.3レベルにコントロールすることで財務の健全性を維持します。
また、当社グループは、資金調達手段をペッキング・オーダーに従って優先順位付けしています。2019年度の資本的支出は580億円を計画しており、手元資金を充当する予定です。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な株主価値創造に向けた取り組みのもと、中期経営計画「EWAY 2025」では、中間点である2020年度の数値目標を以下の通り設定しています。2018年度にはROE10%レベルを2年前倒しで達成しました。2019年度は、グローバルブランド「レンビマ」、「ハラヴェン」、「フィコンパ」のさらなる成長に加え、米メルク社との戦略的提携に伴うマイルストンの受領等により、売上収益は2018年度から5.8%増の6,800億円をめざします。同時に、戦略的重点領域であるニューロロジー領域およびオンコロジー領域における研究開発プロジェクトおよび「レンビマ」、「フィコンパ」などに対する販促活動の積極的な投資を進める中で、営業利益は2018年度から19.6%増の1,030億円と、2020年度の数値目標に対し1年前倒しの達成をめざしてまいります。
2016年度実績2017年度実績2018年度実績2019年度予想2020年度目標
売上収益5,391億円6,001億円6,428億円6,800億円8,000億円レベル
営業利益591億円772億円862億円1,030億円1,020億円レベル
当期利益422億円544億円665億円725億円740億円レベル
ROE6.8%8.8%10.4%11.2%10%以上
DOE7.4%7.3%7.0%6.7%8%レベル
親会社所有者
帰属持分比率
56.7%56.6%58.6%-50~60%
Net DER△0.11△0.27△0.32-△0.3~0.3

(6)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章および第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんを償却していますが、IFRSでは非償却とし、毎年一定の時期および減損の兆候がある場合にはその時点で、減損テストを実施しています。この結果、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が当期において10,146百万円(前期は10,143百万円)減少しています。

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