有価証券報告書-第119期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

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2021/05/28 14:02
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147項目
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
この連結財務諸表の作成に際し、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いています。会計上の見積り及び該当見積りに用いられた仮定が特に重要な影響を及ぼすと考えられる、固定資産の減損会計や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りは、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき合理的に判断し実施していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積もりについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等
(財政状態)
当社は「医薬品事業」のみを報告セグメントとしており、当連結会計年度の連結業績は以下の通りです。
当連結会計年度末の総資産は2,998億6千1百万円となり、前連結会計年度末と比べて75億3千9百万円減少しました。これは主に、有価証券の償還による減少、売上高の減少に伴い売掛債権が減少したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は460億5千1百万円となり、前連結会計年度末と比べて106億2百万円減少しました。これは主に、当期利益の減少による未払法人税の減少、買掛債務の減少によるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は2,538億9百万円となり、前連結会計年度末と比べて30億6千2百万円増加しました。これは主に、親会社に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加、投資有価証券の時価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加によるものです。
(経営成績)
売上高は、1,145億1千万円(前年同期比18.8%減)となりました。
国内市場において、医療用医薬品事業は、2019年10月と2020年4月の二度の薬価改定や、継続的な後発品使用促進策による影響、及び新型コロナウイルス感染症の拡大による受診抑制の影響を受けました。2020年6月には経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントスⓇテープ」が、オピオイド鎮痛剤未使用のがん疼痛患者への適応拡大に関する承認事項一部変更承認を取得、2020年12月には経皮吸収型アルツハイマー型認知症治療剤『リバスチグミンテープ「久光」』の販売を開始しましたが、前年の業績には2019年9月に受領した経皮吸収型ドパミン作動性パーキンソン病治療剤「ハルロピⓇテープ」の国内製造販売承認時マイルストンが含まれていたこともあり、前年同期比19.8%の減収となりました。一般用医薬品事業は、全般的に新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けました。訪日外国人の大幅な減少、イベントの中止や店頭での販促活動を自粛したこと等により「サロンパスⓇ」や「フェイタスⓇ」シリーズの売上が減少しました。また、花粉の飛散量減少及び外出自粛による鼻炎治療剤市場の縮小により「アレグラⓇFX」の売上が減少したことなどもあり、前年同期比31.8%の減収となりました。
一方、海外市場において、医療用医薬品事業は、米国にて経皮吸収型統合失調症治療剤「SECUADOⓇ」を2020年3月より販売開始しましたが、その他の製品が後発品の影響を受け売上が減少したことにより、前年同期比14.8%の減収となりました。一般用医薬品事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大による各国の外出規制等の影響や円高の影響を受け売上が減少したことにより、前年同期比6.7%の減収となりました。
営業利益は、106億7千1百万円(前年同期比53.0%減)となりました。広告費の減少を主な要因として販売費および一般管理費が前期を下回りましたが、売上高の減少に伴い売上総利益が減少したことによるものです。
経常利益は、118億2千9百万円(前年同期比53.8%減)となりました。営業利益の減少に加え、為替差損が増加したことによるものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は、92億5千万円(前年同期比50.5%減)となりました。経常利益の減少によるものです。
[地域別売上高]
(単位:百万円)
2020年2月期2021年2月期増減額増減率
売上高140,992114,510△26,481△18.8%
医療用医薬品日本65,08052,181△12,899△19.8%
海外16,29913,885△2,414△14.8%
米国12,26210,169△2,092△17.1%
その他地域4,0363,715△321△8.0%
一般用医薬品

その他
日本29,68220,239△9,443△31.8%
海外27,28925,454△1,834△6.7%
米国12,10312,087△16△0.1%
その他地域15,18613,367△1,818△12.0%
その他事業日本2,6402,749+109+4.1%

[医薬品事業]
当連結会計年度の国内の医療用医薬品事業につきましては、継続的な医療費抑制策が推進される中、新型コロナウイルスによる受診抑制の影響もあり、先行きが不透明な環境下で推移しました。
このような状況の中、当社は、経皮吸収型貼付剤を中心として、医療関係者への適正かつ、きめ細やかな学術情報活動、すなわち有効性・安全性に関する情報の提供・収集活動を展開するとともに、ケトプロフェン含有の経皮鎮痛消炎剤「モーラスⓇテープ」及び「モーラスⓇパップXR」、「モーラスⓇパップ」、経皮吸収型エストラジオール製剤「エストラーナⓇテープ」、鎮痛効果の高いフェンタニルクエン酸塩含有の経皮吸収型持続性疼痛治療剤「フェントスⓇテープ」、オキシブチニン塩酸塩含有の経皮吸収型過活動膀胱治療剤「ネオキシⓇテープ」、エメダスチンフマル酸塩含有の経皮吸収型アレルギー性鼻炎治療剤「アレサガⓇテープ」などの適正使用促進活動に努めました。
2020年12月には、経皮吸収型アルツハイマー型認知症治療剤『リバスチグミンテープ「久光」』の販売を開始しました。
次に、国内の一般用医薬品事業につきましては、訪日外国人の大幅な減少等の影響を受ける中、経皮鎮痛消炎剤などの販売に加えて、新商品を投入し、新規顧客創造活動に努めました。
2020年3月には「ブテナロックⓇ薬用ソープ150g」、同年6月には、ジクロフェナクナトリウム配合のスプレー式鎮痛消炎剤の「エアーⓇサロンパスⓇZ」、同年8月には、家庭用医療機器の「温熱用具 直貼Ⓡ温感プラス」、経皮鎮痛消炎プラスター剤の「サロンパスⓇツボコリⓇパッチ」、同年9月には、「HisamitsuⓇBODYCAREシリーズ」として「HisamitsuⓇマッサージローラージェル」、「HisamitsuⓇマッサージオイルスプレー」、「HisamitsuⓇリフレッシュボディシート」、同年12月には、「HisamitsuⓇ除菌抗菌消臭スプレー」を新発売しました。
また、2021年1月には、フェルビナク配合の経皮鎮痛消炎テープ剤「フェイタスⓇ5.0温感」、同年2月には「フェイタスⓇ5.0、同大判サイズ」をリニューアル発売しました。今回のリニューアルではESG推進の一環として、従来のパッケージのサイズを縮小し、紙の使用量を低減するとともに、薬袋の開封口を広げて使いやすくしております。さらに容量を変更して、お買い求めになりやすい価格に変更しました。
海外の一般用医薬品事業につきましては、販売促進活動に努め、米国のOTC医薬品(一般用医薬品)市場の鎮痛消炎貼付剤市場においてサロンパスⓇブランドが販売額シェア1位(2020年1月から12月累計販売金額)を獲得しています(Information Resources,Inc.)。
また、ユーロモニター社より、「SalonpasⓇ」がOTC医薬品(一般用医薬品)市場の鎮痛消炎貼付剤カテゴリーにおいて、4年連続で販売シェア世界No1ブランドの認定を受け、また、同カテゴリーにおいて「久光製薬」が3年連続で販売シェア世界No1企業の認定を受け、2020年5月18日に認定証を授与されました。
海外の医療用医薬品につきましては、2020年3月に海外子会社のノーベン社が経皮吸収型統合失調症治療剤「SECUADOⓇ」の販売を開始しました。
<新型コロナウイルス感染症の拡大への当社グループの対応及び事業・業績への影響>新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大する中、当社グループでは、「世界の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)向上を目指す」という経営理念のもと、「手当て」の文化を世界へ広げること、社会に貢献する製薬企業の一員として感染拡大につながる活動を自粛すること、このような非常事態においても将来に向けた研究開発活動を継続していくこと、これらを実現するために世界各国の拠点においてそれぞれの地域の規制等を踏まえ、最大限の対策を実施しています。
また、代表取締役社長の指示のもとで新型コロナウイルス感染症対策室を設置し、国内外の従業員や取引先の健康と安全を確保するため、在宅勤務・時差出勤の推進、出張の制限等の対策を継続的に実施しています。
当社グループの事業・業績への影響は以下の通りです。
(販売活動)
国内の医療用医薬品事業においては、医療機関へのMRの訪問自粛や患者さんの受診抑制により、営業収益等の減少の影響を受けていますが、デジタルマーケティングの強化を図り、新たな活動を推進しています。
一般用医薬品事業においては、入国制限による訪日外国人の大幅な減少や外出自粛に伴う営業活動の制限・イベント中止等により、営業収益等の減少の影響を受けていますが、新規販路の開拓に着手し、マーケットを広げる活動を行っています。
海外事業においても、各国の外出規制等により営業収益等の減少の影響を受けていますが、医療従事者・店舗に対する貢献活動とともに営業活動を実施しています。
(生産活動)
原材料の調達においては、従前より安定供給体制を構築しており、順調に確保できています。また、生産活動においては、毎日の健康管理、感染対策を徹底した上で生産活動を継続し、医薬品製造企業として製品の安定供給維持のために十分な在庫確保に努めています。今後の感染拡大の状況が長期化・深刻化した場合には、生産活動に影響を及ぼす可能性があります。
(研究開発活動)
臨床試験を実施している開発品の一部において、被験者登録の一時的な中断などがあり追加の経費が発生しましたが、現時点でスケジュールに大きな遅延はありません。今後の感染拡大の状況が長期化・深刻化した場合には、臨床試験の進捗等に影響を及ぼす可能性があります。
以上のように、新型コロナウイルス感染症の拡大により事業への影響を受けていますが、当社グループは、感染拡大前の働き方に戻すのではなく、緊急事態宣言下で経験した在宅勤務やICT(情報通信技術)を活用した時間や場所に縛られない働き方などを積極的に取り入れ、従業員が最大限に能力を発揮できる新しい働き方の実現に取り組み、世界の人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)向上に貢献していきます。
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して43億5千7百万円増加し、913億5千4百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは52億8千9百万円の収入(前連結会計年度は273億9千5百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益(121億9千7百万円)、売上債権の減少額(89億5千5百万円)、たな卸資産の増加額(43億2千5百万円)、法人税等の支払額(73億2千万円)などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは78億1千5百万円の収入(前連結会計年度は172億2千9百万円の支出)となりました。これは主に、有価証券の減少額(97億1千5百万円)、有形固定資産の取得による支出(33億4千1百万円)などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは71億8千7百万円の支出(前連結会計年度は117億2千6百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額(68億6百万円)によるものです。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年2月期2018年2月期2019年2月期2020年2月期2021年2月期
自己資本比率82.682.383.580.984.1
時価ベースの
自己資本比率
182.7218.4153.7128.4181.0
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率
0.110.070.120.060.30
インタレスト・カバ
レッジ・レシオ
499.5935.7800.51,387.1531.8

自己資本比率(%) : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率(%) : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しています。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。
②生産、受注及び販売の状況
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業101,544△10.7
合計101,544△10.7

(注) 1 金額は販売価格により算定したものです。
2 上記金額には消費税等は含まれていません。
(受注実績)
当社グループは受注生産は行わず、全て一般市場の動向等を勘案し、見込生産を行っています。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
医薬品事業111,760△19.2
その他2,7494.1
合計114,510△18.8

(注) 1 主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
㈱メディパルホールディングス19,71814.015,92813.9
アルフレッサホールディングス㈱17,40112.314,53512.7
大木ヘルスケアホールディングス㈱14,18510.19,3918.2

2 上記金額には消費税等は含まれていません。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、円滑な事業活動に必要となる流動性の確保と財務の健全性及び安全性の確保を資金調達の基本方針としており、市場環境等を考慮した上で、有効かつ機動的な資金調達を実施していきます。資金需要としては、製品製造費用、商品仕入、研究開発費及び販売費などの運転資金のほか、事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資が中心となりますが、資金の源泉については、内部資金を充当しています。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2017年4月7日発表の「2017~2021年度 第6期中期経営方針」において、ROE(自己資本利益率)8%以上を2021年度の目標としています。
当連結会計年度における、ROE(自己資本利益率)は3.7%(前年同期比3.8%減)となりました。
目標達成に向けた主な取組課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

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