有価証券報告書-第114期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 15:05
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【項目】
147項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるSantenグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
(ア)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ138億円増加し、4,230億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ108億円増加し、2,960億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ29億円増加し、1,270億円となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益2,916億円(前年同期比2.8%減)、コア営業利益551億円(前年同期比7.1%減)、営業利益478億円(前年同期比2.0%増)、当期利益376億円(前年同期比4.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益374億円(前年同期比3.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動の結果得た資金が435億円あったことなどの一方、有形固定資産の取得による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末と比べ121億円減少し、809億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
Santenグループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。
(ア)生産実績及び商品仕入実績
金額(百万円)対前年度増減率(%)
生産実績219,8625.3
商品仕入実績61,155△17.4

(注)1 生産実績の金額は販売価格によっています。
2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっています。
(イ)受注実績
Santenグループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。
(ウ)販売実績
金額(百万円)対前年度増減率(%)
販売実績291,624△2.8

(注)最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
株式会社スズケン43,46314.536,97812.7
株式会社メディセオ32,75910.929,97710.3

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるSantenグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
ⅰ 財政状態
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額
資産4,0934,230138
資本2,8522,960108
負債1,2411,27029
親会社所有者帰属持分比率69.9%70.2%0.3ポイント

当連結会計年度末の資産は、4,230億円となりました。営業債権流動化等運転資金の圧縮に取り組んだことに加えて、現金の減少などがあった一方、ジクアスLX点眼液3%出荷再開に伴う製品等の棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末と比べ138億円増加しました。
資本は、2,960億円となりました。自己株式の消却に伴う利益剰余金の減少などがあった一方、その他の資本の構成要素の増加などにより前連結会計年度末と比べ108億円増加しました。
負債は、1,270億円となりました。営業債務及びその他の債務の減少などがあった一方、未払法人所得税等の増加及びその他の金融負債の増加などにより29億円増加しました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ0.3ポイント増加し、70.2%となりました。
SantenグループではROE(親会社所有者帰属持分利益率)を最重要指標に、キャッシュ・フローの最大化と資本コストの低減の両面から株主価値最大化に取り組んでいます。キャッシュの源泉としては営業活動から得られるインフローを基本としつつ、キャッシュ・コンバージョン・サイクル管理により運転資本の効率を高めることでキャッシュ創出力の最大化に取り組みます。その一環として、営業債権の流動化を実施しており、ROIC(投下資本収益率)の改善に取り組んでいます。なお、ROEは前連結会計年度12%から当連結会計年度13%に、ROICは前連結会計年度18%から当連結会計年度19%に改善しています。
ⅱ 経営成績
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度対前年度増減率
売上収益3,0002,916△2.8%
コア営業利益※1594551△7.1%
営業利益4694782.0%
当期利益3593764.8%
親会社の所有者に帰属する
当期利益
3633743.1%
E B I T D A※2681636△6.6%

[売上収益]
薬価改定等の影響がありましたが、新製品や主力製品拡大に注力した結果、前連結会計年度と比べ2.8%の減少にとどめ、2,916億円となりました。
◇日本
1%台後半の薬価改定、主力品の市場拡大再算定や後発医薬品の参入、2024年10月から導入された後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養制度の影響等がありましたが、2025年4月に販売を開始したリジュセアミニ点眼液0.025%、2025年5月に販売を開始したアイリーア8mg硝子体内注射用キット114.3mg/mL、アレジオン眼瞼クリーム0.5%、2025年12月より出荷を再開したジクアスLX点眼液3%等の主力製品の拡大に注力した結果、前連結会計年度と比べ11.2%の減少にとどめ、1,468億円となりました。そのうち、一般用医薬品(中国、アジア除く)の売上収益は前連結会計年度と比べ7.1%増加し、114億円となりました。
◇中国
流通在庫水準調整の影響はあったものの、円換算ベースで前連結会計年度と比べ0.5%増加し(為替影響を除いた成長率は+0.6%)、300億円となりました。なお、当連結会計年度より香港を「アジア」から「中国」に変更しており、対前年度増減率の算定においてもこの変更を反映しています。
◇アジア(中国除く)
韓国や東南アジア地域で緑内障やドライアイ製品が堅調に推移、またVEGF阻害剤ベオビュ®及びルセンティス®について、韓国における独占的な流通及び販売促進権に関する契約締結の影響もあり、円換算ベースで前連結会計年度と比べ14.0%増加し(為替影響を除いた成長率は+15.2%)、333億円となりました。
◇EMEA※3
緑内障とドライアイのリーダーシップポジション確立に注力した結果、円換算ベースで前連結会計年度と比べ7.8%増加し(為替影響を除いた成長率は+0.4%)、801億円となりました。
[コア営業利益]
売上総利益は、前連結会計年度と比べ0.8%減少し、1,697億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ1.7%増加し(為替影響を除いた対前年度増減率は△0.9%)、890億円となりました。
研究開発費は、前連結会計年度と比べ6.1%増加し(為替影響を除いた対前年度増減率は+4.5%)、256億円となりました。
以上により、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ7.1%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△7.9%)、551億円となりました。
[営業利益]
コアベースから調整されたノンコア費用として、合理化に関する費用が前連結会計年度に販売費及び一般管理費に4億円発生し、当連結会計年度に販売費及び一般管理費に5億円、研究開発費に6億円それぞれ発生しました。
製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ0.4%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△1.8%)、88億円となりました。これは主に、2014年にMerck & Co., Inc.(米国)から譲り受けた眼科製品、2019年より欧州で販売を開始した「プリザーフロ マイクロシャント」、2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」及び、2023年より欧州で、2024年よりアジアで販売を開始した「Rocklatan / Roclanda(ロクラタン/ロクランダ)」に関するものです。
その他の収益は、70億円となりました。これは主に、在外営業活動体に関連した換算差額の累計額を純損益に振り替えたことによるものです。
その他の費用は、44億円となりました。これは主に、フックス角膜内皮ジストロフィを対象とするSTN1010904*(一般名:シロリムス)及びマイボーム腺機能不全を対象とするSTN1010905(一般名:シロリムス)の製品に係る無形資産について、開発中止に伴い収益が見込めなくなったため減損損失を計上したことによるものです。(*開発コード(STN1010904)は、第Ⅱ相試験終了時に当社が独占的実施権を獲得した後に附番を予定していたコードです。)
これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は前連結会計年度と比べ2.0%増加し(為替影響を除いた対前年度増減率は+1.5%)、478億円となりました。
[当期利益]
金融収益は、16億円となりました。
金融費用は、20億円となりました。
法人所得税費用は、前連結会計年度から17億円減少し、99億円となりました。これは主に、課税所得の減少によるものです。
これらにより、当期利益は前連結会計年度と比べ4.8%増加し、376億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度と比べ3.1%増加し、374億円となりました。売上収益に対するその比率は12.8%となりました。
※1 Santenグループでは2015年3月期のIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益及び費用を控除した「コアベース」での財務情報を事業活動自体の収益性を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績から以下の収益及び費用(ノンコア収益及びノンコア費用)を控除し、コアベースの業績を算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・企業買収に係る費用、並びに再成長のための生産性向上及び合理化等に係る費用
※2 EBITDA=[営業利益]-[その他の収益]+[その他の費用]+[減価償却費]で算出しています。
※3 欧州、中東及びアフリカです。
(イ)キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ 財務戦略
財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。
中期経営計画(2025~2029年度)においては以下の財務戦略に基づき営業キャッシュ・フロー、ROE及びEPSの成長を財務戦略の中核に、積極的な成長投資と株主還元を両立し、結果としてPER・株主価値の最大化を図ります。
① 売上成長とコストの持続的適正化を通じて、事業から創出されるキャッシュに加え、運転資金圧縮、グループ内余資活用、及び資金調達により投資余力を最大化する
② 創出したキャッシュは、将来の成長投資として、生産能力拡大に向けた設備増強と、イノベーションを生み出す研究開発・事業開発へ優先的に投資する
③ 累進配当を継続し、利益成長に伴う増配により直接還元を行うとともに、投資機会や株価の状況に応じ、自社株買いによる追加還元も実施する
当連結会計年度は、業績及び財務状況などを総合的に勘案した結果、中間配当は1株につき19円としました。また、期末配当は2026年6月23日開催予定の第114期定時株主総会での承認を条件に1株につき19円とさせていただく予定です。
ⅱ キャッシュ・フロー
(単位:億円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額
営業活動による
キャッシュ・フロー
609435△174
投資活動による
キャッシュ・フロー
△82△130△48
財務活動による
キャッシュ・フロー
△533△49340
現金及び現金同等物の
期末残高
930809△121

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ121億円減少し、809億円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、435億円の収入(前連結会計年度は609億円の収入)となりました。当期利益376億円、減価償却費及び償却費184億円、棚卸資産の増加100億円、並びに法人所得税の支払額74億円などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、130億円の支出(前連結会計年度は82億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出68億円及び無形資産の取得による支出74億円などによるものです。また政策保有株式の見直しを継続して実施しており、当連結会計年度は2銘柄の投資の売却による収入が6億円ありました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、493億円の支出(前連結会計年度は533億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出328億円及び配当金の支払額126億円などによるものです。
当連結会計年度の設備投資額は、73億円となりました。日本の製造設備及び研究開発用機器の更新に加え、中国では、拡大を続ける需要に対し、安定供給のための生産能力確保を目的として、現地法人「参天製薬(中国)有限公司」の新工場に係る投資を継続しています。今後、見込まれる市場成長に対して、生産キャパシティを構築し、供給能力を確保することで、グローバルでの競争優位を確立し、さらなる事業の成長に繋げていきます。
資金調達については、日本の設備投資を目的として、2026年3月に株式会社三菱UFJ銀行をアレンジャーとし、複数の金融機関が参加する総額300億円のシンジケーション方式による実行可能期間付タームローン契約を締結しました。当該資金調達により事業開発活動における投資機会の最大化を追求します。なお、当連結会計年度の借入実行額はありません。
(ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
詳細については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中期経営計画及び目標とする経営指標」をご参照ください。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
Santenグループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
Santenグループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しています。
Santenグループの連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に関する報告金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。
Santenグループの財政状態又は経営成績に対して特に重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。

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