有価証券報告書-第76期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/15 10:09
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192項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等により、経済活動は緩やかな回復基調となりました。しかしながら、米国の通商政策、イラン情勢をはじめとする中東地域の緊迫化を背景とした資源価格や物流費高騰への懸念等により、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制等、厳しい事業環境が継続しております。
このような環境の中、当社グループといたしましては、これまでの投資の刈り取りフェーズと位置付けた5か年の中期経営計画「H.U. 2030」を策定し、一体化経営のさらなる深化等を通して収益性を向上すべく各種施策に取り組んでおります。検査・関連サービス事業は、販売価格の適正化も含めて堅調に推移しております。臨床検査薬事業は、NEURO領域においては、血漿中の217位リン酸化タウ蛋白(pTau217)とβ-アミロイド1-42の比率を測定する検査試薬が2025年5月にアルツハイマー病の診断補助を目的とした血液用体外診断用医薬品として初めて米国食品医薬局(FDA)より承認を取得し、本試薬を中心としたNEURO領域の製品が成長しております。加えて、国内では、2025年11月に厚生労働省に製造販売承認の申請を行い、また欧州では血液を用いたNfL測定用体外診断用医薬品の認証を取得するなど、さらなる成長に向けての準備を進めております。CDMO事業については、2025年6月23日に発表したPlasma Services Group, Inc.の買収も背景に、原料供給の強化を進めております。
これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は247,362百万円(前期比1.8%増)となりました。
利益では、ベース事業の増収による増益に加えて、検査・関連サービス事業における販売価格の適正化をはじめとした限界利益の増加および完全稼働したH.U. Bioness Complexを中心とした検査オペレーションの改善が寄与し、増益となりました。その結果、営業利益は4,780百万円(前期比81.0%増)となりました。経常利益は、営業利益の増加による増益はあったものの、前連結会計年度には出資金運用益を計上していたこと等により、結果として減益となり、2,834百万円(前期比40.2%減)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益および関係会社株式売却益の計上等により、6,823百万円(前期比147.1%増)となりました。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益およびEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。
当連結会計年度の実績は、連結売上高が247,362百万円、連結営業利益が4,780百万円、EBITDAが26,538百万円、ROEが5.0%、ROICが1.5%となっております。
なお、個別プロジェクトの投資判断については、社内の投資委員会が各案件の妥当性確認や論点整理をするなど、決裁前の事前審査機能の強化を図るとともに、投資後のモニタリングを実施しています。投資案件の評価においては、資本コストに一定の事業リスクを反映したハードルレートを用いた評価を実施し、各事業部門に資本コストを意識した投資を促すとともに、これを上回るリターンの創出による中長期的な企業価値向上への寄与を重視しております。
② セグメントごとの経営成績
イ.検査・関連サービス事業(LTS)
売上では、がんゲノムを始めとした遺伝子関連検査および特殊検査が伸長したこと等により増収となりました。これらの結果、売上高は157,297百万円(前期比2.8%増)となりました。利益では、ベース事業の増収による増益に加えて販売価格の適正化や検査オペレーションの改善をはじめとした限界利益の増加等により、営業利益は31百万円(前期は営業損失4,638百万円)となりました。
ロ.臨床検査薬事業(IVD)
売上では、新型コロナウイルス関連製品の売上高は減少したものの、NEURO関連売上が海外を中心に伸長したこと等により増収となりました。これらの結果、売上高は60,735百万円(前期比0.4%増)となりました。利益では、海外市場の環境変化を背景としてCDMO事業が軟調に推移し製品ミックスが変化したことに加えて、新型コロナウイルス関連製品の減収による減益およびPlasma Services Group, Inc.の買収費用の発生等により、営業利益は9,050百万円(前期比20.2%減)となりました。
ハ.ヘルスケア関連サービス事業(HS)
売上では、2025年12月よりケアレックス株式会社を持分法適用関連会社としたことで売上高が減少したものの、滅菌・手術関連事業が伸長したことおよび在宅事業において2024年12月より株式会社ガイアメディケアを連結子会社化したこと等により、この影響をおおむね相殺しました。これらの結果、売上高は29,330百万円(前期比0.6%減)となりました。利益では、滅菌・手術関連事業の増収による増益があったものの、ケアレックス株式会社を持分法適用関連会社とした影響等により、営業利益は1,759百万円(前期比1.0%減)となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
検査・関連サービス事業(百万円)155,229103.1
臨床検査薬事業(百万円)82,56497.2
ヘルスケア関連サービス事業(百万円)27,30299.5
合計(百万円)265,097100.8

(注)金額は、販売価格換算によっております。
ロ.受注実績
当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
検査・関連サービス事業(百万円)157,297102.8
臨床検査薬事業(百万円)60,735100.4
ヘルスケア関連サービス事業(百万円)29,33099.4
合計(百万円)247,362101.8

(注)主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
前連結会計年度
(2025年3月31日)
当連結会計年度
(2026年3月31日)
増減
資産合計(百万円)279,582267,466△12,115
負債合計(百万円)142,287129,994△12,292
純資産合計(百万円)137,295137,472177
自己資本比率(%)49.051.32.3

(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ12,115百万円減少し、267,466百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加7,219百万円、ソフトウエアの増加1,975百万円、商品及び製品の増加1,317百万円および仕掛品の増加1,219百万円があった一方、ソフトウエア仮勘定の減少8,578百万円、長期貸付金の減少4,860百万円、工具、器具及び備品(純額)の減少3,654百万円、流動資産その他の減少2,762百万円、リース資産(純額)の減少1,918百万円および土地の減少1,882百万円があったためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ12,292百万円減少し、129,994百万円となりました。その主な要因は、1年内償還予定の社債の増加5,000百万円および支払手形及び買掛金の増加1,251百万円があった一方、長期借入金の減少10,027百万円、社債の減少5,000百万円およびリース債務(固定)の減少1,312百万円があったためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ177百万円増加し、137,472百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益6,823百万円、為替換算調整勘定の増加4,934百万円および株式給付信託に対する自己株式の処分による増加4,339百万円があった一方、配当金の支払7,151百万円、自己株式の取得による減少5,002百万円および株式給付信託による自己株式の取得による減少3,688百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.3%増加し、51.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
増減
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)21,96421,565△399
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△15,95811,33927,298
フリー・キャッシュ・フロー(百万円)6,00632,90526,898
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)△5,298△26,393△21,095
現金及び現金同等物(百万円)40,88448,1047,219

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7,219百万円増加し、48,104百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、21,565百万円(前年同期21,964百万円の獲得)となりました。その主な要因は、減価償却費21,139百万円および税金等調整前当期純利益8,582百万円があった一方、関係会社株式売却損益3,928百万円、法人税等の支払額2,346百万円および固定資産売却損益2,288百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により獲得した資金は、11,339百万円(前年同期15,958百万円の使用)となりました。その主な要因は、貸付金の回収による収入6,072百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入4,949百万円、有形固定資産の売却による収入4,480百万円および関係会社出資金の払戻による収入3,738百万円があった一方、子会社株式の取得による支出2,876百万円、無形固定資産の取得による支出2,507百万円および有形固定資産の取得による支出2,355百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、26,393百万円(前年同期5,298百万円の使用)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出10,045百万円、配当金の支払額7,137百万円、自己株式の取得による支出5,002百万円およびファイナンス・リース債務の返済による支出4,476百万円があったためであります。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済ならびにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、自己株式の取得、法人税の支払いおよびM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。
短期運転資金は自己資本および金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は74,332百万円であります。主なものは、社債26,100百万円、長期リース債務10,543百万円、1年内返済予定の長期借入金10,027百万円、短期借入金10,000百万円、長期借入金9,154百万円、1年内償還予定の社債5,000百万円および短期リース債務3,506百万円であります。
また、当社は、緊急時の手元流動性を確保すること等を目的として、主要取引金融機関と総額20,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(ネガティブ)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。
(5)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものおよびその補足事項については以下のとおりであります。
固定資産の評価
有形固定資産・無形固定資産については、資産又は資産グループに減損の兆候がある場合には、減損損失を認識するかどうかの判定を行います。当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識すべきと判定し、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額とし、正味売却価額は資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除しています。使用価値は資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定します。
翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合や、将来キャッシュ・フローに重要な影響を与える事象が発生した場合には、減損損失を計上する可能性があります。

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