有価証券報告書-第66期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に述べているように、業界環境が大きく変化していますが、当社グループにおいては、「人々の健康に貢献し、こころの笑顔を大切にする」ことを企業理念として、2021年5月に発表した「第5期 中期経営計画2021-2023 PROACTIVEⅡ」(以下、「中期経営計画」という。)に基づき、国内外でのジェネリック医薬品事業をコア事業としつつ、「健康長寿社会」に対応した医療・介護の実現や、医療から未病のケア・予防へシフトする社会に貢献する健康関連事業の展開を目指し、各種課題に取り組んでまいりました。
国内セグメントにおいては、他社製品の供給停止等の影響を受け、多くの品目において生産数量を大きく上回る注文をいただき、限定出荷を行わざるを得ない状況であるため、全社を挙げて増産に向けた新規設備の導入と増員に取り組んでおります。また、将来にわたり安定供給できる体制を構築するため、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、2024年度以降、175億錠の生産能力を実現する計画としております。
製造管理及び品質管理面では、医薬品の製造管理及び品質管理の基準であるGMP省令やその他関連する法令遵守はもちろんのこと、国際的基準であるPIC/S GMPやICHガイドラインも積極的に取り入れ、独自の制度・教育訓練により、特にGMP三原則の中で示されている「人為的な誤りを最小限にすること」の意味することを正しく理解し、医薬品の適切な品質と安全性の確保に取り組んでおります。また、安定供給体制の維持・強化のため、原薬の複数購買化や製造所の監査等を推進し、グループ全体として原薬製造から製剤製造、物流、販売に至るまで、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に向けた取り組みを継続して行っております。その一環として、2021年11月24日に、「東和薬品の法令遵守宣言」を発表いたしました。
販売面では2021年6月に新製品6成分18品目、2021年12月に新製品6成分11品目の販売を開始し、当社のジェネリック医薬品の製品数は339成分778品目となりました。なお、2021年12月に販売を開始した『エルデカルシトールカプセル0.5μg/0.75μg「トーワ」』は、当社として初めてのオーソライズド・ジェネリックとなります。
健康関連事業の展開においては、「健康長寿社会に対応した医療・介護の実現や、医療から未病のケア・予防へシフトする社会に貢献する」ことを課題として認識し、新たな技術の獲得及びまったく新しい知見や技術との融合を図りつつ、新しい医療体制に対応した健康に関連する新規事業の創出に取り組んでおります。
その取り組みの一環として、当連結会計年度では、クラウド型地域医療情報連携サービス「ヘルスケアパスポート」の協業販売に向けたTIS株式会社とのアライアンス契約を締結し、また京都市の医療・介護等の統合データ分析事業における生活習慣病に係る研究を当社、TIS株式会社、株式会社ヘルステック研究所にて共同で実施し、さらに当社が株式会社バンダイナムコ研究所と開発を進めている服薬支援ツールを用いた実証実験を国立大学法人京都大学、株式会社ヘルステック研究所と開始する等、医療・健康データを活用したヘルスケアサービスの提供を目指した取り組みを行いました。検査事業における取り組みとしましては、株式会社プロトセラにて大腸がんリスク検査を始めとする3種類のプロトキー検査の販売と、新たなリスク検査の研究開発を行っております。
これに加え、2022年3月に健康食品・医薬品等の企画・開発・受託製造業等を営む三生医薬株式会社(以下「三生医薬」という。)を子会社化しました。三生医薬が当社グループに加わることで、今後、三生医薬が培ってきた高い技術力や広範な顧客基盤、健康食品関連のノウハウを活用でき、これにより、当社の目指す健康関連事業の多角的な展開が実現され、当社のさらなる企業価値向上につながると考えております。
海外セグメントにおいては、海外市場での拡大と成長に向け、Towa Pharma International Holdings, S.L.(以下「Towa HD」という。)を通じて欧州及び米国市場でのジェネリック医薬品事業を展開しており、当連結会計年度において、米国ではエベロリムス錠、アセナピン舌下錠等の新製品を上市いたしましたが、配送委託先変更に伴う在庫調整及び一部製品において原料不足が生じたこと等により、計画を若干下回る結果となりました。欧州では製造受託の売上が上振れたこと、BtoC事業において新製品の販売が堅調であったこと等により、売上計画を上回りました。今後もTowa HDが持つ、欧州複数国及び米国での販売網と、欧州にある欧米等の基準に準拠した製造拠点を活用し、さらなる事業展開を目指してまいります。
このような活動の結果、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高165,615百万円(前期比6.9%増)、売上総利益70,185百万円(同7.2%増)、販売費及び一般管理費50,980百万円(同12.0%増)、営業利益19,205百万円(同3.6%減)、経常利益22,739百万円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,914百万円(同14.0%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。国内セグメントの売上高は、126,676百万円(前期比6.7%増)、セグメント利益は18,878百万円(同6.8%減)となりました。海外セグメントの売上高は、38,938百万円(前期比7.5%増)、セグメント利益は1,127百万円(同164.9%増)となりました。なお、報告セグメントのセグメント利益につきましては、のれん償却前の数値であります。
当連結会計年度における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、329,935百万円となり、前連結会計年度末比84,266百万円の増加となりました。その主な要因は、のれんの増加37,597百万円、棚卸資産の増加11,749百万円、現金及び預金の増加9,915百万円、受取手形及び売掛金の増加4,774百万円等があったことによるものです。
(負債)
負債につきましては、197,766百万円となり、同68,697百万円増加しました。その主な要因は、短期借入金の増加48,224百万円、長期借入金の増加9,248百万円等があったことによるものです。
(純資産)
純資産につきましては、132,169百万円となり、同15,569百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金の増加13,502百万円等があったことによるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は40.1%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して9,915百万円増加し、32,830百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは22,129百万円の収入(前連結会計年度比10,120百万円増)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加7,950百万円(同、1,756百万円減)等があったものの、税金等調整前当期純利益22,246百万円(同、3,517百万円増)や減価償却費10,153百万円(同、479百万円増)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、59,729百万円の支出(前連結会計年度比50,629百万円増)となりました。主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出45,405百万円、有形固定資産の取得による支出11,140百万円(同、2,003百万円増)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、46,540百万円の収入(前連結会計年度比46,355百万円増)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出7,181百万円(同、286百万円増)等があったものの、短期借入金の純増加額47,135百万円(前連結会計年度は純減少額20,251百万円)、長期借入れによる収入9,160百万円(前連結会計年度比31,339百万円減)等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記金額は売価換算で表示しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記金額は実際仕入額で表示しております。
c.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項について、会計基準等の範囲内で合理的な会計上の見積りを行っております。重要な会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高165,615百万円(前期比6.9%増)、売上総利益70,185百万円(同7.2%増)、販売費及び一般管理費50,980百万円(同12.0%増)、営業利益19,205百万円(同3.6%減)、経常利益22,739百万円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,914百万円(同14.0%増)となりました。
売上高に関しては、国内セグメントにおいては薬価改定の影響が一部ございましたが、市場の安定供給要請への対応を行ったこと等により前期比6.7%の増収となりました。海外セグメントにおいては、米国において配送委託先変更に伴う在庫調整が生じたこと及び一部製品において原料不足が生じたものの、新製品の売上が寄与し現地通貨ベースで前期とほぼ同水準となり、これに為替レートの影響がプラスに働いたことにより、前期比7.5%の増収となりました。
営業利益に関しては、国内セグメントにおいて薬価改定による売上原価率の上昇や販売費及び一般管理費が増加したこと等により、前期比3.6%減の減益となりました。
経常利益に関しては、国内セグメントにおいてデリバティブ評価益が発生したため、前期比21.7%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期比14.0%の増益となりました。
外部環境としては、2017年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において、「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」ことが決まり、これを受けて2018年4月の診療報酬改定以降、各種施策が講じられました。さらに2020年4月の診療報酬改定においても、引き続き「後発医薬品やバイオ後続品の使用促進」策が決まり、ジェネリック医薬品の普及が進んだ結果、2021年12月の数量シェアは79.3%(2021年10-12月期 日本ジェネリック製薬協会調べ)となりました。また、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」では、「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保、新目標についての検証、保険者の適正化の取組にも資する医療機関等の別の使用割合を含む実施状況の見える化を早期に実施し、バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討、フォーミュラリの活用等、更なる使用促進を図る。」との言及がありました。
一方、2019年10月と2020年4月に薬価改定が実施され、また、閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」を踏まえ、2021年4月にも薬価改定が行われました。このように、2021年度以降は2年に1度の通常の薬価改定に加え、中間年における薬価改定の実施により毎年薬価改定を行うという方針が決定しているため、今後医薬品業界にとって極めて厳しい状況が続くことが想定されます。また、昨今の医薬品における品質や安定供給に関する各種問題により、ジェネリック医薬品に対する信頼感は低下し、ジェネリック医薬品業界の置かれた環境は厳しさを増しております。
このような外部環境の変化の中、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次の通りです。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資本の財源を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については、自己資金を基本としており、設備投資については、自己資金の他に、金融機関からの借入金や社債発行等による資金調達を基本としております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは環境変化への迅速で柔軟な対応を基本とし、目標とすべき経営指標、比率等を具体的には定めておらず、営業利益の売上高に対する比率は10%以上の確保を意識して従来から経営してまいりました。一方、業界環境としては、2020年9月までにジェネリック医薬品の数量シェアを80%まで高めるという目標が政府によって示されたことから、ジェネリック医薬品メーカーとしての安定供給責任を果たすために、工場への積極的な設備投資による生産能力の増強に取り組んできました。さらに、昨今の医薬品における品質や安全性に起因する各種問題を受け、徹底した製造管理・品質管理を踏まえた安定供給を確保する必要があるため、2022年度中には山形工場の第二固形製剤棟への生産設備導入を完了する予定です。また高まる需要に応えるために、さらなる設備投資を行い、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、2024年度以降に175億錠の生産能力を実現する計画としております。工場への設備投資により、短中期的に減価償却費の増加により売上原価が悪化し、売上総利益が減少すると予想しております。しかしながら、中長期における安定的な成長、ならびに長期における持続的な成長を達成するためには必要な投資であると考えております。従いまして、当面は、営業利益の売上高に対する比率は10%程度を目指しつつ、売上高の伸びを重視したいと考えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
また、当連結会計年度より報告セグメントの変更を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
「第2 事業の状況」の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「(2)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に述べているように、業界環境が大きく変化していますが、当社グループにおいては、「人々の健康に貢献し、こころの笑顔を大切にする」ことを企業理念として、2021年5月に発表した「第5期 中期経営計画2021-2023 PROACTIVEⅡ」(以下、「中期経営計画」という。)に基づき、国内外でのジェネリック医薬品事業をコア事業としつつ、「健康長寿社会」に対応した医療・介護の実現や、医療から未病のケア・予防へシフトする社会に貢献する健康関連事業の展開を目指し、各種課題に取り組んでまいりました。
国内セグメントにおいては、他社製品の供給停止等の影響を受け、多くの品目において生産数量を大きく上回る注文をいただき、限定出荷を行わざるを得ない状況であるため、全社を挙げて増産に向けた新規設備の導入と増員に取り組んでおります。また、将来にわたり安定供給できる体制を構築するため、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、2024年度以降、175億錠の生産能力を実現する計画としております。
製造管理及び品質管理面では、医薬品の製造管理及び品質管理の基準であるGMP省令やその他関連する法令遵守はもちろんのこと、国際的基準であるPIC/S GMPやICHガイドラインも積極的に取り入れ、独自の制度・教育訓練により、特にGMP三原則の中で示されている「人為的な誤りを最小限にすること」の意味することを正しく理解し、医薬品の適切な品質と安全性の確保に取り組んでおります。また、安定供給体制の維持・強化のため、原薬の複数購買化や製造所の監査等を推進し、グループ全体として原薬製造から製剤製造、物流、販売に至るまで、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に向けた取り組みを継続して行っております。その一環として、2021年11月24日に、「東和薬品の法令遵守宣言」を発表いたしました。
販売面では2021年6月に新製品6成分18品目、2021年12月に新製品6成分11品目の販売を開始し、当社のジェネリック医薬品の製品数は339成分778品目となりました。なお、2021年12月に販売を開始した『エルデカルシトールカプセル0.5μg/0.75μg「トーワ」』は、当社として初めてのオーソライズド・ジェネリックとなります。
健康関連事業の展開においては、「健康長寿社会に対応した医療・介護の実現や、医療から未病のケア・予防へシフトする社会に貢献する」ことを課題として認識し、新たな技術の獲得及びまったく新しい知見や技術との融合を図りつつ、新しい医療体制に対応した健康に関連する新規事業の創出に取り組んでおります。
その取り組みの一環として、当連結会計年度では、クラウド型地域医療情報連携サービス「ヘルスケアパスポート」の協業販売に向けたTIS株式会社とのアライアンス契約を締結し、また京都市の医療・介護等の統合データ分析事業における生活習慣病に係る研究を当社、TIS株式会社、株式会社ヘルステック研究所にて共同で実施し、さらに当社が株式会社バンダイナムコ研究所と開発を進めている服薬支援ツールを用いた実証実験を国立大学法人京都大学、株式会社ヘルステック研究所と開始する等、医療・健康データを活用したヘルスケアサービスの提供を目指した取り組みを行いました。検査事業における取り組みとしましては、株式会社プロトセラにて大腸がんリスク検査を始めとする3種類のプロトキー検査の販売と、新たなリスク検査の研究開発を行っております。
これに加え、2022年3月に健康食品・医薬品等の企画・開発・受託製造業等を営む三生医薬株式会社(以下「三生医薬」という。)を子会社化しました。三生医薬が当社グループに加わることで、今後、三生医薬が培ってきた高い技術力や広範な顧客基盤、健康食品関連のノウハウを活用でき、これにより、当社の目指す健康関連事業の多角的な展開が実現され、当社のさらなる企業価値向上につながると考えております。
海外セグメントにおいては、海外市場での拡大と成長に向け、Towa Pharma International Holdings, S.L.(以下「Towa HD」という。)を通じて欧州及び米国市場でのジェネリック医薬品事業を展開しており、当連結会計年度において、米国ではエベロリムス錠、アセナピン舌下錠等の新製品を上市いたしましたが、配送委託先変更に伴う在庫調整及び一部製品において原料不足が生じたこと等により、計画を若干下回る結果となりました。欧州では製造受託の売上が上振れたこと、BtoC事業において新製品の販売が堅調であったこと等により、売上計画を上回りました。今後もTowa HDが持つ、欧州複数国及び米国での販売網と、欧州にある欧米等の基準に準拠した製造拠点を活用し、さらなる事業展開を目指してまいります。
このような活動の結果、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、売上高165,615百万円(前期比6.9%増)、売上総利益70,185百万円(同7.2%増)、販売費及び一般管理費50,980百万円(同12.0%増)、営業利益19,205百万円(同3.6%減)、経常利益22,739百万円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,914百万円(同14.0%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。国内セグメントの売上高は、126,676百万円(前期比6.7%増)、セグメント利益は18,878百万円(同6.8%減)となりました。海外セグメントの売上高は、38,938百万円(前期比7.5%増)、セグメント利益は1,127百万円(同164.9%増)となりました。なお、報告セグメントのセグメント利益につきましては、のれん償却前の数値であります。
当連結会計年度における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、329,935百万円となり、前連結会計年度末比84,266百万円の増加となりました。その主な要因は、のれんの増加37,597百万円、棚卸資産の増加11,749百万円、現金及び預金の増加9,915百万円、受取手形及び売掛金の増加4,774百万円等があったことによるものです。
(負債)
負債につきましては、197,766百万円となり、同68,697百万円増加しました。その主な要因は、短期借入金の増加48,224百万円、長期借入金の増加9,248百万円等があったことによるものです。
(純資産)
純資産につきましては、132,169百万円となり、同15,569百万円増加しました。その主な要因は、利益剰余金の増加13,502百万円等があったことによるものです。
その結果、当連結会計年度末の自己資本比率は40.1%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に対して9,915百万円増加し、32,830百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは22,129百万円の収入(前連結会計年度比10,120百万円増)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加7,950百万円(同、1,756百万円減)等があったものの、税金等調整前当期純利益22,246百万円(同、3,517百万円増)や減価償却費10,153百万円(同、479百万円増)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、59,729百万円の支出(前連結会計年度比50,629百万円増)となりました。主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出45,405百万円、有形固定資産の取得による支出11,140百万円(同、2,003百万円増)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、46,540百万円の収入(前連結会計年度比46,355百万円増)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出7,181百万円(同、286百万円増)等があったものの、短期借入金の純増加額47,135百万円(前連結会計年度は純減少額20,251百万円)、長期借入れによる収入9,160百万円(前連結会計年度比31,339百万円減)等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 薬効 | セグメントの名称 | |||||
| 国内 | 海外 | 合計 | ||||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | 金額(百万円) | 前期比(%) | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 循環器官用薬 | 46,352 | 95.9 | 672 | 78.2 | 47,024 | 95.5 |
| 中枢神経系用薬 | 28,738 | 112.5 | 6,313 | 116.4 | 35,051 | 113.2 |
| 消化器官用薬 | 18,570 | 91.3 | 9,992 | 145.5 | 28,562 | 105.0 |
| 血液・体液用薬 | 11,826 | 124.8 | 3 | 122.9 | 11,829 | 124.8 |
| その他の代謝性医薬品 | 12,863 | 90.5 | 38 | 48.3 | 12,901 | 90.3 |
| 抗生物質製剤 | 4,137 | 84.0 | 16 | 13.8 | 4,153 | 82.4 |
| 化学療法剤 | 2,192 | 107.0 | 9 | 7.9 | 2,201 | 101.7 |
| 腫瘍用薬 | 3,325 | 126.7 | - | - | 3,325 | 126.7 |
| アレルギー用薬 | 17,152 | 101.2 | 247 | 106.4 | 17,399 | 101.2 |
| その他 | 15,229 | 98.2 | 134 | 24.9 | 15,364 | 95.7 |
| 合計 | 160,387 | 100.3 | 17,427 | 122.4 | 177,814 | 102.1 |
(注)上記金額は売価換算で表示しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 薬効 | セグメントの名称 | |||||
| 国内 | 海外 | 合計 | ||||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | 金額(百万円) | 前期比(%) | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 循環器官用薬 | 100 | 127.5 | 2,066 | 109.1 | 2,166 | 109.8 |
| 中枢神経系用薬 | 47 | 57.1 | 4,563 | 108.1 | 4,610 | 107.1 |
| 消化器官用薬 | 188 | 75.4 | 239 | 90.5 | 427 | 83.2 |
| 血液・体液用薬 | 326 | 62.2 | 989 | 91.2 | 1,315 | 81.7 |
| その他の代謝性医薬品 | - | - | 144 | 58.9 | 144 | 58.9 |
| 抗生物質製剤 | - | - | 419 | 49.7 | 419 | 49.0 |
| 化学療法剤 | 15 | 58.3 | 90 | 80.2 | 105 | 76.0 |
| 腫瘍用薬 | 650 | - | 1,243 | 172.0 | 1,894 | 262.1 |
| アレルギー用薬 | - | - | 796 | 67.9 | 796 | 67.2 |
| その他 | 352 | 83.9 | 573 | 65.3 | 925 | 71.3 |
| 合計 | 1,681 | 119.5 | 11,125 | 97.3 | 12,806 | 99.7 |
(注)上記金額は実際仕入額で表示しております。
c.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 薬効 | セグメントの名称 | |||||
| 国内 | 海外 | 合計 | ||||
| 金額(百万円) | 前期比(%) | 金額(百万円) | 前期比(%) | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
| 循環器官用薬 | 36,657 | 104.7 | 4,601 | 134.3 | 41,259 | 107.4 |
| 中枢神経系用薬 | 21,929 | 123.9 | 14,827 | 100.3 | 36,756 | 113.1 |
| 消化器官用薬 | 15,253 | 96.9 | 9,812 | 117.4 | 25,066 | 104.0 |
| 血液・体液用薬 | 8,403 | 123.4 | 1,422 | 44.6 | 9,825 | 98.3 |
| その他の代謝性医薬品 | 11,606 | 113.5 | 244 | 58.4 | 11,851 | 111.4 |
| 抗生物質製剤 | 3,601 | 108.8 | 817 | 76.8 | 4,418 | 101.0 |
| 化学療法剤 | 1,505 | 162.7 | 158 | 32.2 | 1,664 | 117.4 |
| 腫瘍用薬 | 2,689 | 120.7 | 3,553 | 365.7 | 6,242 | 195.1 |
| アレルギー用薬 | 12,498 | 100.0 | 1,449 | 112.5 | 13,948 | 101.1 |
| その他 | 12,529 | 87.9 | 2,051 | 92.5 | 14,581 | 88.5 |
| 合計 | 126,676 | 106.7 | 38,938 | 107.5 | 165,615 | 106.9 |
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱スズケン | 17,690 | 11.4 | 22,583 | 13.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要な事項について、会計基準等の範囲内で合理的な会計上の見積りを行っております。重要な会計方針及び見積りの詳細等につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高165,615百万円(前期比6.9%増)、売上総利益70,185百万円(同7.2%増)、販売費及び一般管理費50,980百万円(同12.0%増)、営業利益19,205百万円(同3.6%減)、経常利益22,739百万円(同21.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,914百万円(同14.0%増)となりました。
売上高に関しては、国内セグメントにおいては薬価改定の影響が一部ございましたが、市場の安定供給要請への対応を行ったこと等により前期比6.7%の増収となりました。海外セグメントにおいては、米国において配送委託先変更に伴う在庫調整が生じたこと及び一部製品において原料不足が生じたものの、新製品の売上が寄与し現地通貨ベースで前期とほぼ同水準となり、これに為替レートの影響がプラスに働いたことにより、前期比7.5%の増収となりました。
営業利益に関しては、国内セグメントにおいて薬価改定による売上原価率の上昇や販売費及び一般管理費が増加したこと等により、前期比3.6%減の減益となりました。
経常利益に関しては、国内セグメントにおいてデリバティブ評価益が発生したため、前期比21.7%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、前期比14.0%の増益となりました。
外部環境としては、2017年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」において、「2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する。」ことが決まり、これを受けて2018年4月の診療報酬改定以降、各種施策が講じられました。さらに2020年4月の診療報酬改定においても、引き続き「後発医薬品やバイオ後続品の使用促進」策が決まり、ジェネリック医薬品の普及が進んだ結果、2021年12月の数量シェアは79.3%(2021年10-12月期 日本ジェネリック製薬協会調べ)となりました。また、2021年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2021」では、「後発医薬品の品質及び安定供給の信頼性の確保、新目標についての検証、保険者の適正化の取組にも資する医療機関等の別の使用割合を含む実施状況の見える化を早期に実施し、バイオシミラーの医療費適正化効果を踏まえた目標設定の検討、新目標との関係を踏まえた後発医薬品調剤体制加算等の見直しの検討、フォーミュラリの活用等、更なる使用促進を図る。」との言及がありました。
一方、2019年10月と2020年4月に薬価改定が実施され、また、閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」を踏まえ、2021年4月にも薬価改定が行われました。このように、2021年度以降は2年に1度の通常の薬価改定に加え、中間年における薬価改定の実施により毎年薬価改定を行うという方針が決定しているため、今後医薬品業界にとって極めて厳しい状況が続くことが想定されます。また、昨今の医薬品における品質や安定供給に関する各種問題により、ジェネリック医薬品に対する信頼感は低下し、ジェネリック医薬品業界の置かれた環境は厳しさを増しております。
このような外部環境の変化の中、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次の通りです。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資本の財源を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については、自己資金を基本としており、設備投資については、自己資金の他に、金融機関からの借入金や社債発行等による資金調達を基本としております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは環境変化への迅速で柔軟な対応を基本とし、目標とすべき経営指標、比率等を具体的には定めておらず、営業利益の売上高に対する比率は10%以上の確保を意識して従来から経営してまいりました。一方、業界環境としては、2020年9月までにジェネリック医薬品の数量シェアを80%まで高めるという目標が政府によって示されたことから、ジェネリック医薬品メーカーとしての安定供給責任を果たすために、工場への積極的な設備投資による生産能力の増強に取り組んできました。さらに、昨今の医薬品における品質や安全性に起因する各種問題を受け、徹底した製造管理・品質管理を踏まえた安定供給を確保する必要があるため、2022年度中には山形工場の第二固形製剤棟への生産設備導入を完了する予定です。また高まる需要に応えるために、さらなる設備投資を行い、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、2024年度以降に175億錠の生産能力を実現する計画としております。工場への設備投資により、短中期的に減価償却費の増加により売上原価が悪化し、売上総利益が減少すると予想しております。しかしながら、中長期における安定的な成長、ならびに長期における持続的な成長を達成するためには必要な投資であると考えております。従いまして、当面は、営業利益の売上高に対する比率は10%程度を目指しつつ、売上高の伸びを重視したいと考えております。