四半期報告書-第111期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

【提出】
2016/08/05 9:57
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30項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間の経済情勢は、米国では回復が続き、欧州でも緩やかな回復基調で推移し、アジアでは中国において景気に減速感が強まるなど、世界経済は力強さを欠きながらも緩やかな回復が続きました。国内経済は、緩やかな回復基調をたどったものの、個人消費や企業部門に足踏み感がみられました。
このような状況の下、当社グループは、当連結会計年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「Change & Challenge 2018」を始動し、「持続的成長を可能にする経営基盤の強化」「資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献」を基本方針として、各部門の収益力向上を推進するとともに、各事業課題の解決に向け取り組んでおります。当第1四半期連結累計期間においては、急激な円高、カプロラクタムの市況低迷、セメントの国内需要の減少および輸出環境悪化等の影響を受けました。加えて、前連結会計年度より隔年実施に移行した宇部のアンモニア工場定期修理の実施、自家発電所の定期修理を行なったため、これらの影響を受けました。
この結果、当社グループの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ232億8千8百万円減の
1,380億9千万円、連結営業利益は79億5千2百万円減の16億2千8百万円、連結経常利益は91億3千7百万円減の8億6千1百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は62億1千万円減の1億7千7百万円となりました。
なお、当社グループの第1四半期連結累計期間は、建設資材セグメントの主力製品であるセメントの国内需要が第3及び第4四半期連結会計期間に偏ること、機械製品の売上計上が連結会計年度末に集中することなどの季節要因による影響を受け、他の四半期連結会計期間に比べ低水準となる傾向があります。
セグメント別の業績は以下のとおりです。
化学
ナイロン樹脂の出荷は食品包装フィルム用途を中心に概ね堅調に推移しました。ナイロン原料のカプロラクタムは、海外ではアンモニアなど副原料の価格低下が寄与しましたが、中国での供給過多の状況は継続しており、市況は低迷しました。アンモニア製品の出荷は、工場の定期修理を実施したこともあり、低調でした。ポリブタジエン(合成ゴム)の出荷はエコタイヤ用途を中心に堅調でした。
リチウムイオン電池材料の電解液およびセパレータは、価格面では厳しい状態が続いていますが、エコカーなど車載用途で、出荷は伸長しました。ファインケミカル製品の出荷は概ね堅調でした。ポリイミドフィルムの出荷は低調でした。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ121億5千1百万円減の579億2千3百万円、連結営業損益は58億8千4百万円減の23億6千4百万円の損失となりました。
医薬
医薬品の出荷は四半期連結会計期間毎にばらつきがありますが、当第1四半期連結累計期間は、自社医薬品の血圧降下剤、抗アレルギー剤、抗血小板剤ともに原体の出荷は前年同四半期連結累計期間を上回りました。受託医薬品の原体・中間体の出荷は概ね堅調に推移しました。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ6億3千9百万円増の24億3千3百万円、連結営業利益は4億9千9百万円改善し4億6千1百万円となりました。
建設資材
セメント・生コン製品の国内出荷は、需要の減少に伴い低調に推移しました。輸出は東南アジアを中心に中国品の供給増により、市況低下の影響を受けました。カルシア・マグネシア製品の出荷は鉄鋼向けを中心に低調に推移しました。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ50億9千4百万円減の538億1千4百万円、連結営業利益は12億9千9百万円減の29億3千5百万円となりました。
機械
竪型ミルや運搬機等の産業機械は、国内、輸出ともに出荷は低調でした。自動車産業向けを中心とする成形機は、国内、北米向けは堅調でしたが、中国・東南アジア向けが低調でした。各製品のサービス事業は堅調に推移しました。製鋼品の出荷は前年同四半期連結累計期間を上回りましたが、市況低下の影響を受けました。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ16億2千4百万円減の126億9千4百万円、連結営業損益は7億3千5百万円減の6千7百万円の損失となりました。
エネルギー・環境
石炭事業は、販売数量およびコールセンター(石炭中継基地)での預り炭の取扱い数量が、ともに前年同四半期連結累計期間を下回りました。電力事業は、自家発電所の定期修理の影響を受けました。
この結果、当セグメントの連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ74億8千1百万円減の129億7千8百万円、連結営業利益は6億4千7百万円減の8億8百万円となりました。
その他
その他の連結売上高は前年同四半期連結累計期間に比べ4億6千6百万円減の38億5千2百万円、連結営業利益は8千9百万円減の1億1千4百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ29億5千2百万円減の170億8千3百万円となりました。これは運転資金の増減(売上債権、たな卸資産及び仕入債務の増減額合計)による収入が減少から増加に転じたものの、税金等調整前四半期純利益が減少したことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ16億1千3百万円減の68億4千1百万円となりました。これは有形及び無形固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同四半期連結累計期間に比べ29億8千5百万円減の55億4千6百万円となりました。これはコマーシャル・ペーパーの増減額による支出が減少したことなどによるものです。
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、現金及び現金同等物に係る換算差額を含め、前年同四半期連結累計期間末に比べ38億4千1百万円増の448億6千9百万円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、33億1千4百万円です。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。