四半期報告書-第58期第2四半期(平成29年7月1日-平成29年9月30日)

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2017/11/10 15:19
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府・日銀の各種政策効果、災害復旧や五輪関連需要に伴い緩やかな回復を維持しております。底堅い企業業績を背景に、人手不足に伴う省力化投資など設備投資が活発化する一方、雇用・所得環境は改善を持続しており、個人消費は緩やかな回復基調となっております。
世界経済におきましては、米国の政策運営や北朝鮮情勢などによる為替・金融資本市場への影響に警戒感が残るものの、企業業績、所得環境は改善し、総じて回復傾向となっております。米国の景気拡大が続く中、経済減速が懸念される中国では、公共投資の拡大や金融緩和など各種の政策支援により内外需要が回復し、安定した成長を続けております。また、世界的なIT需要の回復を背景に、韓国・台湾を中心としたアジア新興国の景気において持ち直しの兆しが見られました。
当社を取り巻く業界において、自動車関連では、米国、欧州及び中国の新車販売が減速基調にある中、国内では、減速感はあるものの、燃費不正問題の影響を受けた軽自動車販売が持ち直し、PHEVやEVなどの次世代自動車や好調なSUVをはじめとした新型車導入などにより新車販売は増加傾向が続いております。白物・小物家電市場においては、インドやインドネシア、ベトナムをはじめとした東南アジアの需要が堅調に拡大し、インバーター化製品が普及する一方、国内においては、買い替え時期を迎えたエアコンや冷蔵庫、薄型テレビの販売が好調に推移しております。ヘルスケア機器関連においては、生活水準の向上による健康志向の高まりや生活習慣病の増加に伴う医療ニーズを背景に、中国や中南米、ロシアなど新興国でも需要が高まっており、市場は堅調に拡大しております。また、クラウド化、IoTや自動車など用途の多様化により世界的にIT需要が回復を続けております。
このような経済環境の中、当社グループにおきましては、主要セグメントでありますプラスチック成形事業が売上を伸ばし、主力製品の自動車関連部品をはじめ、電子ペンやヘルスケア機器などが順調に受注を確保しております。また、継続的な低コスト構造の構築及び財務体質の強化により売上原価率が81.5%と前年同四半期と比べ5.6ポイント改善しております。一方、為替相場が比較的安定して推移したことにより損益に与える影響は少なく、その結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は131億2千3百万円と前年同四半期と比べ11億3千万円(9.4%)の増収、営業利益は9億5千1百万円(前年同四半期は営業利益8千万円)、経常利益は9億4千2百万円(前年同四半期は経常損失2千3百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億8千7百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失6千3百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① プラスチック成形事業
当セグメントにおきましては、前連結会計年度に引き続き主力製品のエアコンパネルやステアリングスイッチ、ECUなどの自動車向け部品、スマートフォン新型モデル向けをはじめとした電子ペンが牽引し、加えて、海外拠点のムトーベトナムCO.,LTD.の血圧計及びミラーレスカメラや一眼カメラ、デジタルカメラ部品、豊武光電(蘇州)有限公司においてもカメラ関連部品が順調に売上を伸ばしております。また、中国・東南アジアにおけるプリンター業界の回復基調及び得意先による生産拠点のベトナム移管に伴いムトーテクノロジーハノイCO.,LTD.においてレーザープリンター、インクジェットプリンター部品の売上が増加しております。その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて119億2千2百万円と前年同四半期と比べ10億8千3百万円(10.0%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は9億3千8百万円と前年同四半期と比べ8億4千5百万円(904.6%)の増益となりました。
② 精密プレス部品事業
当セグメントにおきましては、総体的な市場の縮小により、デジタルカメラやカーオーディオなどの精密部品は新規案件が減少傾向にあり、厳しい価格競争が続いております。また、主要材料のステンレスやアルミニウムの価格高騰に加えて、リン青銅材の供給不足・納期遅れが収益を圧迫し付加価値が減少しております。その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて11億1千7百万円と前年同四半期と比べ3千6百万円(3.4%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は3百万円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)1千8百万円)となりました。
③ プリント基板事業
当セグメントにおきましては、設計部門は、前連結会計年度において売上を伸ばしたパッケージ基板や複写機などの設計業務の売上が大きく減少いたしました。また、検査部門においては、セラミック基板やパッケージ基板、工作機などの産業機器の基板の検査業務が増加した一方、電波時計に使用される基板や遊技機器に使用される基板の受注が減少いたしました。その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて1億3千1百万円と前年同四半期と比べ6百万円(4.7%)の減収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は8百万円と前年同四半期と比べ2百万円(49.5%)の増益となっております。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間の財政状態は、流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ24億1千4百万円増加し、174億6千1百万円となりました。現金及び預金が4億5千万円、受取手形及び売掛金が10億6千1百万円、商品及び製品が2億1千4百万円、仕掛品が1億1千3百万円、原材料及び貯蔵品が1億8千2百万円、その他(流動資産)が3億1百万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。
固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ8千8百万円増加し、83億4千7百万円となりました。有形固定資産が7千5百万円増加したことなどが主な要因です。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ25億3百万円増加し、258億8百万円となりました。
また、流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ6百万円減少し、91億1千1百万円となりました。短期借入金が12億1千4百万円減少し、支払手形及び買掛金が6億2千万円、1年内返済予定の長期借入金が2億1千万円、その他(流動負債)が3億1千万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。
固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ14億6千3百万円増加し、42億6千3百万円となりました。長期借入金が14億3千1百万円増加したことなどが主な要因です。
この結果、負債の部は、前連結会計年度末に比べ14億5千6百万円増加し、133億7千4百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ10億4千6百万円増加し、124億3千4百万円となりました。利益剰余金が7億8千7百万円、為替換算調整勘定が2億2百万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、59億9千7百万円となり、前年同四半期と比べ23億9千3百万円(66.4%)増加いたしました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前四半期純利益9億4千4百万円、非資金費用である減価償却費7億4千5百万円、仕入債務の増加額5億8千3百万円及び売上債権の増加額10億6千万円、たな卸資産の増加額4億6千9百万円などにより、営業活動全体として8億8百万円の収入(前年同四半期は5億8千5百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有価証券の純増額2億9千6百万円、有形固定資産の取得による支出4億7千1百万円などにより、投資活動全体として7億4千5百万円の支出となり、前年同四半期と比べ支出が3億9百万円(29.3%)の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、長期借入れによる収入23億円及び短期借入金の純減額12億9千7百万円、長期借入金の返済による支出6億5千7百万円などにより、財務活動全体として3億4千1百万円の収入となり、前年同四半期と比べ収入が7億2千6百万円(68.0%)の減少となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループの取り扱い品目は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、電子ペン等の部品及び完成品であり、個人消費の動向をはじめ全般的な景気動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ内の取引は、基本的に米ドルによる取引であるため為替の動向次第では当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループといたしましては、これらの状況を踏まえて、主力のデジタル家電関連、自動車部品関連を中心とした受注及び収益力の拡大を図り、更なる新事業を開拓するため、設備投資等による新技術の開発、業務の効率化を図り、また、製造のグローバル化に対応するため海外企業間の直接取引を拡大し、連結業績の向上に努めてまいります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループでは、各部署からの最新の情報等を入手し、今後の事業展開の判断材料となるよう全取締役、各部署長及び海外現地社長による会議を毎週開催しております。また、経営環境の変化に速やかに対応できるよう、主要な部署に取締役を配置しております。今後におきましても、取引先の要求に対して、高技術化、スピード化で対応できるよう、当社グループ全体で機敏な営業展開に努めるとともに、積極的に新規分野への進出を視野に入れ事業活動を展開してまいります。