有価証券報告書-第91期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益が底堅く推移し、雇用情勢や所得環境も緩やかに改善するなど、回復基調が継続しました。海外においては、世界経済の回復が進んだものの、米国の政権運営や通商政策の動向、世界的な貿易摩擦の激化、金融資本市場の急激な変動等、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場におきましては、スマートフォンの高機能・高性能化に向けて実装技術が進展したことや、カーエレクトロニクス向けで自動車の電装品の搭載数が飛躍的に増加したことにより、電子部品需要が拡大しました。
このような状況の下、当社グループは、収益力の更なる向上を目指して、高付加価値製品の開発と提案並びに拡販活動に注力するとともに、生産性向上の取り組みを強化してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は519億79百万円(前連結会計年度比8.0%増)、営業利益は82億12百万円(同1.3%減)、経常利益は85億54百万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は56億53百万円(同5.9%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
表面処理用資材事業
主力のプリント基板用及びパッケージ基板用めっき薬品の売上高は、スマートフォンやカーエレクトロニクス向けが引き続き堅調に推移したことにより増加しました。特にカーエレクトロニクス向けでは、自動車の環境対応や安全性の向上のため、パワーデバイスや車載カメラモジュール用途のめっき薬品の販売が増加し、前連結会計年度を上回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は395億96百万円(前連結会計年度比7.8%増)、セグメント利益は78億41百万円(同2.5%増)となりました。
表面処理用機械事業
電子部品業界においてハイエンドスマートフォン向けの新たな薄型・高密度配線基板に対応するための新規の設備投資が一巡したことから、売上高は前連結会計年度を下回りました。また、主に中華圏での価格競争による収益の低下や、仕様変更による追加原価の発生等があったため、セグメント損失となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は53億2百万円(前連結会計年度比10.1%減)、セグメント損失は64百万円(前連結会計年度はセグメント利益5億28百万円)となりました。
めっき加工事業
タイやインドネシアの自動車産業が回復し、台湾の連結子会社でも車載基板へのめっき加工の受注が堅調に推移したことから、売上高は、前連結会計年度を上回りました。また、利益面でも歩留まりが改善したことから、黒字化しました。
この結果、当連結会計年度の売上高は64億96百万円(前連結会計年度比28.4%増)、セグメント利益は1億19百万円(前連結会計年度はセグメント損失2億36百万円)となりました。
不動産賃貸事業
新大阪の賃貸用オフィスビルにおいて、オフィスビルの入居率が改善したことから売上高は前連結会計年度を上回りましたが、大規模改修に伴う費用が増加したことにより、セグメント利益は前連結会計年度を下回りました。
この結果、当連結会計年度の売上高は7億40百万円(前連結会計年度比2.4%増)、セグメント利益は3億4百万円(同27.0%減)となりました。
なお、上記のセグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ29億47百万円増加し、305億93百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって獲得した資金は83億74百万円(前連結会計年度は61億50百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額17億66百万円、たな卸資産の増加額13億62百万円、売上債権の増加額5億74百万円の資金の使用がありましたが、税金等調整前当期純利益82億16百万円、減価償却費20億48百万円、仕入債務の増加額14億87百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用された資金は30億44百万円(前連結会計年度は43億74百万円の資金の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入14億95百万円の資金の獲得がありましたが、固定資産の取得による支出22億65百万円、定期預金の預入による支出13億30百万円、投資有価証券の取得による支出10億30百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において使用された資金は19億30百万円(前連結会計年度は19億75百万円の資金の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額13億50百万円、短期借入金の減少額3億61百万円、長期借入金の返済による支出1億58百万円があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 表面処理用資材事業 (千円) | 13,113,702 | 6.6 |
| 表面処理用機械事業 (千円) | 3,283,583 | △18.3 |
| めっき加工事業 (千円) | 5,185,049 | 40.3 |
| 不動産賃貸事業 (千円) | - | - |
| 報告セグメント計 (千円) | 21,582,335 | 7.8 |
| その他事業 (千円) | - | - |
| 合計 (千円) | 21,582,335 | 7.8 |
(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
なお、表面処理用機械事業を除く製品について見込み生産を行っております。
| 区分 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| 表面処理用機械事業 | 6,775,818 | △7.9 | 6,793,076 | 28.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 表面処理用資材事業 (千円) | 39,467,273 | 7.8 |
| 表面処理用機械事業 (千円) | 5,262,652 | △8.0 |
| めっき加工事業 (千円) | 6,496,602 | 28.4 |
| 不動産賃貸事業 (千円) | 740,105 | 2.4 |
| 報告セグメント計 (千円) | 51,966,633 | 8.0 |
| その他事業 (千円) | 12,959 | 32.9 |
| 合計 (千円) | 51,979,592 | 8.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っておりますが、これらの見積り、予測は、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ43億31百万円増加し、779億43百万円となりました。主な増加は、現金及び預金の増加26億26百万円、仕掛品の増加7億40百万円、投資有価証券の増加7億31百万円であり、主な減少は、機械装置及び運搬具(純額)の減少4億30百万円、建物及び構築物(純額)の減少3億13百万円、建設仮勘定の減少75百万円であります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ14億14百万円増加し、168億円となりました。主な増加は、未払法人税等の増加9億27百万円、電子記録債務の増加8億78百万円であり、主な減少は、短期借入金の減少3億70百万円、繰延税金負債の減少1億92百万円であります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ29億17百万円増加し、611億42百万円となりました。主な増加は、利益剰余金の増加43億2百万円であり、主な減少は、為替換算調整勘定の減少11億77百万円、その他有価証券評価差額金の減少2億円であります。
b. 経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度に比べ、営業利益は、研究開発費など販売費及び一般管理費の増加に伴い減少しましたが、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。特に経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については、過去最高を達成しました。
売上高増加の主な要因としましては、自動車の安全性や利便性の向上による電装品の搭載数の増加や、スマートフォンの高機能化による1台当たりの部品数の増加に伴い、当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場において、表面処理の需要が増したことから、当社グループの製品の売上が好調に推移したことによります。エレクトロニクス市場が要求する技術は日々進歩しており、その要求に応えるため、当社グループは、めっきに関する技術の継続的な創出を行い、市場が要求するタイミングに合う製品を顧客に提供できるように取り組んでおります。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
表面処理用資材事業
表面処理用資材事業は、売上高、セグメント利益ともに前連結会計年度を上回りました。主な要因としましては、主力のプリント基板用及びパッケージ基板用めっき薬品の売上高が、スマートフォンやカーエレクトロニクス向けに堅調に推移したことによります。特に、ハイブリッド自動車に搭載されるパワー半導体向けや車載カメラモジュールなどに用いられるめっき薬品の販売が好調に推移しました。自動車に搭載されるセンサーやカメラモジュールは、自動運転の技術開発が進む中、増加傾向にあり、これら車載用電子部品の表面処理に対応するめっき薬品の開発、拡販に取り組んでおります。また、次世代の通信規格の導入により、スマートフォンなどに用いられるプリント基板及びパッケージ基板の更なる微細化、高性能化が進んでいることから、これらの最先端技術に対応するためのめっき薬品の開発、拡販にも取り組んでおります。
表面処理用機械事業
表面処理用機械事業は、ハイエンドスマートフォン向けの薄型・高密度配線基板に対応するための新規の設備投資が一巡したことにより売上高は前連結会計年度を下回り、利益面でも中華圏での価格競争による収益の低下等の影響を受けてセグメント損失となりました。半導体への表面処理の需要が増えていることから、これらのめっき技術に対応した機械の設計や製造に取り組んでおります。また、競合他社との価格競争に対応するため、コスト削減を目的とした機械製造の最適化を進めております。
めっき加工事業
めっき加工事業は、タイやインドネシアの自動車の外装部品向けや、台湾での車載基板向けの受注が好調に推移し、前連結会計年度に比べて売上高、セグメント利益共に増加しました。更なる原価率の改善を目的として、生産設備の更新や生産プロセスの改善に取り組んでおります。
不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は、賃貸用オフィスビルの入居率が改善したことから売上高は前連結会計年度を上回りましたが、大規模改修に伴う費用が増加したことにより、セグメント利益は前連結会計年度を下回りました。賃貸用オフィスビルでは、定期的なメンテナンスや修繕工事を行い、顧客に対して快適な入居環境を提供し、安定的な入居率の確保に努めております。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
d. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品の製造に係る原材料の仕入、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、当社グループは、長期的に成長が期待できる分野において、製造設備や研究開発設備に積極的に投資を行ってまいります。これら運転資金及び設備資金につきましては、自己資金及び銀行借入により資金調達を行うことを方針としております。