四半期報告書-第57期第3四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナの感染状況、ワクチン接種状況、経済対策の多寡によって国や地域ごとに差はあるものの概ね経済活動の正常化が進展してきましたが、7-9月期には減速傾向が顕著になりました。米国・日本では、デルタ型コロナウィルスの感染急増による消費の低迷に加え、半導体供給不足、原油価格やその他原材料価格の上昇、人手不足、サプライチェーンの混乱等の要因により、経済の回復ペースが鈍化しました。さらに中国では、不動産規制強化に伴う不動産大手の経営不安や電力の供給不安も影響を与えています。
このような状況下、海外物流コスト高騰の影響はあったものの、全ての用途向けの販売でコロナ感染拡大の影響からの回復が顕著となり、第3四半期の売上は前年同四半期を大きく上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益100億73百万円(前年同四半期比41.7%増)、営業利益8億62百万円(前年同四半期比225.3%増)、税引前四半期利益7億56百万円(前年同四半期は税引前四半期損失52百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益4億74百万円(前年同四半期は親会社の所有者に帰属する四半期損失2百万円)となりました。
用途別の売上収益の概況は、次のとおりであります。
①家具用
リモートワーク普及に伴うホームオフィス市場拡大やコロナ感染拡大の収束に伴う歯科医院の操業再開によって需要が回復し、住居・ヘルスケア向けは好調に推移しております。一方、コントラクト家具やレストラン・ホテルなどホスピタリティ分野の回復は遅れており当初見込みより時間を要することが想定されておりますが、全ての分野で前年同四半期を上回りました。
なお、内部管理体制の変更により第1四半期からヘルスケア向けをその他の用途向けから家具用に10億10百万円移管しております。
この結果、家具用の売上収益は29億74百万円(前年同四半期比9.5%増)となりました。
なお、移管前の家具用の売上収益は19億65百万円(前年同四半期比1.7%減)であります。
②自動車用
シート用素材分野は販売先自動車メーカーの生産拡大により引き続き好調に推移しており自動車向け全体の成長を牽引しております。ギャップハイダーやシフトブーツ向けなど内装材分野では、半導体不足などの影響が一部の販売先に見られたものの、堅調に推移しました。欧州では引き続きコロナ感染拡大の影響により販売が低迷しておりますが全体への影響は小さく、自動車用の販売は前年同四半期を大きく上回ることができました。
この結果、自動車用の売上収益は39億39百万円(前年同四半期60.5%増)となりました。
③航空機用
ビジネスジェット向けは、コロナ感染拡大の影響による旅客数減少からの回復が遅れていることやメーカーの在庫調整により販売回復に時間を要しております。一方、民間航空機向けは既存及び新規に獲得したプログラム向けの出荷が始まり、当初の見込みより早いテンポの回復が低調なビジネスジェット向けの不足分を補い、全体としては前年同四半期を上回る結果となりました。
この結果、航空機用の売上収益は6億97百万円(前年同四半期比8.8%増)となりました。
④その他
その他事業分野には、RV・アパレル・船舶・トラック用などが含まれます。コロナ感染拡大の影響により家族単位での活動に消費者の嗜好が変化したことを受けて、RVや船舶向けの販売が大きく回復しました。第3四半期に入り半導体不足の影響から失速したものの、上期の好調な北米市場の需要によりトラック向けも前年から回復しました。これらの分野がその他売り上げ全体を牽引し前年同四半期を大きく上回りました。
なお、内部管理体制の変更により当第1四半期からヘルスケア向けをその他の用途向けから家具用に10億10百万円移管しております。
この結果、その他売上収益は24億63百万円(前年同四半期比90.1%増)となりました。
なお、移管前のその他用の売上収益は34億73百万円(前年同四半期比72.3%増)であります。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は297億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億24百万円増加いたしました。これは主に為替の影響を受けてのれん及び無形資産が増加したこと、営業債権及びその他の債権が増加したこと及び棚卸資産が増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は192億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億円増加いたしました。これは主に営業債務及びその他の債務、リース債務及び未払法人所得税等が増加したことによるものであります。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は105億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億24百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当があったものの、四半期利益の計上及びその他の資本の構成要素の増加によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億69百万円減少し28億80百万円となりました。これは主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったものの、設備投資、借入金返済及び配当金の支払があったことによるものです。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったことに対し、棚卸資産及び営業債権及びその他の債権の増加があったことにより14億38百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
生産設備の一部更新に加え、群馬工場内に倉庫を新設するため4億99百万円の支出をいたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に長短借入金の返済及び配当金の支払いがあったことにより12億8百万円の支出となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の当社グループ全体の研究開発費の総額は、125百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資金の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は28億80百万円となり、前連結会計年度末と比べ1億69百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、(3)キャッシュ・フローの状況に記載しております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナの感染状況、ワクチン接種状況、経済対策の多寡によって国や地域ごとに差はあるものの概ね経済活動の正常化が進展してきましたが、7-9月期には減速傾向が顕著になりました。米国・日本では、デルタ型コロナウィルスの感染急増による消費の低迷に加え、半導体供給不足、原油価格やその他原材料価格の上昇、人手不足、サプライチェーンの混乱等の要因により、経済の回復ペースが鈍化しました。さらに中国では、不動産規制強化に伴う不動産大手の経営不安や電力の供給不安も影響を与えています。
このような状況下、海外物流コスト高騰の影響はあったものの、全ての用途向けの販売でコロナ感染拡大の影響からの回復が顕著となり、第3四半期の売上は前年同四半期を大きく上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間における経営成績は、売上収益100億73百万円(前年同四半期比41.7%増)、営業利益8億62百万円(前年同四半期比225.3%増)、税引前四半期利益7億56百万円(前年同四半期は税引前四半期損失52百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益4億74百万円(前年同四半期は親会社の所有者に帰属する四半期損失2百万円)となりました。
用途別の売上収益の概況は、次のとおりであります。
①家具用
リモートワーク普及に伴うホームオフィス市場拡大やコロナ感染拡大の収束に伴う歯科医院の操業再開によって需要が回復し、住居・ヘルスケア向けは好調に推移しております。一方、コントラクト家具やレストラン・ホテルなどホスピタリティ分野の回復は遅れており当初見込みより時間を要することが想定されておりますが、全ての分野で前年同四半期を上回りました。
なお、内部管理体制の変更により第1四半期からヘルスケア向けをその他の用途向けから家具用に10億10百万円移管しております。
この結果、家具用の売上収益は29億74百万円(前年同四半期比9.5%増)となりました。
なお、移管前の家具用の売上収益は19億65百万円(前年同四半期比1.7%減)であります。
②自動車用
シート用素材分野は販売先自動車メーカーの生産拡大により引き続き好調に推移しており自動車向け全体の成長を牽引しております。ギャップハイダーやシフトブーツ向けなど内装材分野では、半導体不足などの影響が一部の販売先に見られたものの、堅調に推移しました。欧州では引き続きコロナ感染拡大の影響により販売が低迷しておりますが全体への影響は小さく、自動車用の販売は前年同四半期を大きく上回ることができました。
この結果、自動車用の売上収益は39億39百万円(前年同四半期60.5%増)となりました。
③航空機用
ビジネスジェット向けは、コロナ感染拡大の影響による旅客数減少からの回復が遅れていることやメーカーの在庫調整により販売回復に時間を要しております。一方、民間航空機向けは既存及び新規に獲得したプログラム向けの出荷が始まり、当初の見込みより早いテンポの回復が低調なビジネスジェット向けの不足分を補い、全体としては前年同四半期を上回る結果となりました。
この結果、航空機用の売上収益は6億97百万円(前年同四半期比8.8%増)となりました。
④その他
その他事業分野には、RV・アパレル・船舶・トラック用などが含まれます。コロナ感染拡大の影響により家族単位での活動に消費者の嗜好が変化したことを受けて、RVや船舶向けの販売が大きく回復しました。第3四半期に入り半導体不足の影響から失速したものの、上期の好調な北米市場の需要によりトラック向けも前年から回復しました。これらの分野がその他売り上げ全体を牽引し前年同四半期を大きく上回りました。
なお、内部管理体制の変更により当第1四半期からヘルスケア向けをその他の用途向けから家具用に10億10百万円移管しております。
この結果、その他売上収益は24億63百万円(前年同四半期比90.1%増)となりました。
なお、移管前のその他用の売上収益は34億73百万円(前年同四半期比72.3%増)であります。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は297億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億24百万円増加いたしました。これは主に為替の影響を受けてのれん及び無形資産が増加したこと、営業債権及びその他の債権が増加したこと及び棚卸資産が増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は192億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億円増加いたしました。これは主に営業債務及びその他の債務、リース債務及び未払法人所得税等が増加したことによるものであります。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本合計は105億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億24百万円増加いたしました。これは主に剰余金の配当があったものの、四半期利益の計上及びその他の資本の構成要素の増加によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億69百万円減少し28億80百万円となりました。これは主に税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったものの、設備投資、借入金返済及び配当金の支払があったことによるものです。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期利益、減価償却費及び償却費の計上があったことに対し、棚卸資産及び営業債権及びその他の債権の増加があったことにより14億38百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
生産設備の一部更新に加え、群馬工場内に倉庫を新設するため4億99百万円の支出をいたしました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主に長短借入金の返済及び配当金の支払いがあったことにより12億8百万円の支出となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の当社グループ全体の研究開発費の総額は、125百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)資金の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は28億80百万円となり、前連結会計年度末と比べ1億69百万円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、(3)キャッシュ・フローの状況に記載しております。