有価証券報告書-第124期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 11:15
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、個人消費は消費税増税による一時的な影響を受けつつも緩やかに持ち直しの兆しを見せておりました。しかし、国際的には米中貿易摩擦、日韓関係の悪化、中東情勢の混迷など多くの不透明要因が依然として存在し、加えて、当年度終盤より国内でも拡大してきた新型コロナウイルス感染症の影響で経済活動も予断を許されない状況となっております。
このような経営環境のなか、当社グループは、「令和元年東日本台風」の影響により福島工場の製造設備等が浸水被害に遭い、数か月間にわたる操業停止による売上の減少及びその復旧費用の負担が発生しましたが、復旧作業を迅速かつ着実に進めて操業再開させるとともに、その他の工場における生産効率の更なる向上と、引き続き全社的な経営の効率化及び合理化を図ってまいりました。
結果、当連結会計年度における売上高は90,503百万円(前年同期比3.5%減)となりました。利益面では売上減少による稼働率の低下や設備更新による減価償却費の増加、物流コストの増加等により営業利益は7,345百万円(前年同期比15.4%減)、経常利益は8,551百万円(前年同期比14.5%減)、福島工場の復旧作業費の発生等により親会社株主に帰属する当期純利益は3,489百万円(前年同期比45.7%減)となりました。
a. 経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(産業用製品)
一般用フイルムは、市況低迷の影響により売上減となりました。工業用フイルムは、半導体関連及びステッカー用が堅調に推移しておりますが売上前年並みとなりました。建材用フイルムは、車輌加飾用が中国市況低迷の影響で売上減となりました。多層フイルムは、工業用の需要が堅調で売上増となりました。壁紙は、新規受注のリフォーム用途を中心とした製品が好調で売上増となりました。農業用フイルムは、暖冬及び作物安の影響により売上減となりました。自動車内装材は、北米市場の悪化及び中国市況の低迷による生産台数減により売上減となりました。フレキシブルコンテナは、「令和元年東日本台風」により福島工場製造設備が被災した影響で売上減となりました。粘着テープは、包装用テープ及び養生用テープの販売が堅調に推移し売上増となりました。工業用テープは、電材用の需要増加にともない売上増となりました。食品衛生用品は、「令和元年東日本台風」により福島工場製造設備が被災した影響で売上大幅減となりました。食品用脱水・吸水シートであるピチット製品は、畜産向け新規獲得があり売上増となりました。研磨布紙等は、市況悪化の影響により研磨布紙を中心に鉄鋼関連向けや住宅関連向け等が減少し、研磨材も半導体向けの受注が減少し、売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高は57,802百万円(前年同期比4.0%減)、セグメント利益は2,610百万円(前年同期比32.0%減)となりました。
(生活用品)
コンドームは、国内市場でのインバウンド需要の勢いは緩やかになりましたが、「プレミアムゼロゼロスリービバジェル」、「ニャンボー3個パック」など新商品の販売が堅調で売上増となりました。浣腸は、価格競争の激化により売上減となりました。除湿剤は、「令和元年東日本台風」により福島工場製造設備が被災した影響で売上減となりました。カイロは、暖冬の影響により売上減となりました。手袋は、家庭用及び理美容向けは堅調に推移し、また、新型コロナウイルス感染拡大により作業用途向けの需要が急増しましたが、クリーンルーム向け等が苦戦し、売上前年並みとなりました。メディカル製品は、滅菌器は消費税増税による反動減の影響がありましたが、産婦人科向けプローブカバーが好調で、売上増となりました。ブーツ及び雨衣は、降雨日が少なく暖冬の影響で売上減となりました。シューズは、消費低迷により売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高は32,473百万円(前年同期比2.4%減)、セグメント利益は6,486百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
(その他)
その他事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。
当セグメントの売上高(振替前)は3,667百万円(前年同期比6.3%減)、セグメント利益は217百万円(前年同期比39.7%減)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は104,081百万円で、前連結会計年度末と比べ4,180百万円減少しております。
流動資産は64,842百万円で、前連結会計年度末と比べ1,679百万円の減少となりました。これは主として、現金及び預金が4,132百万円増加し、受取手形及び売掛金3,209百万円、電子記録債権1,025百万円、商品及び製品1,304百万円が減少したことによるものです。
固定資産は39,238百万円で、前連結会計年度末と比べ2,501百万円の減少となりました。これは主として、機械装置及び運搬具473百万円、無形固定資産251百万円、繰延税金資産558百万円が増加し、建設仮勘定821百万円、投資有価証券2,864百万円が減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は40,243百万円で、前連結会計年度末と比べ1,923百万円減少しております。
流動負債は30,559百万円で、前連結会計年度末と比べ1,440百万円の減少となりました。これは主として、短期借入金733百万円、災害損失引当金728百万円が増加し、支払手形及び買掛金1,992百万円、未払法人税等846百万円が減少したことによるものです。
固定負債は9,683百万円で、前連結会計年度末と比べ482百万円の減少となりました。これは主として、退職給付に係る負債143百万円、その他91百万円が増加し、長期借入金が798百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は63,838百万円で、前連結会計年度末と比べ2,257百万円減少しております。これは主として、自己株式の消却等により1,777百万円増加し、利益剰余金1,647百万円、その他有価証券評価差額金2,249百万円が減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,102百万円(19.1%)増加し、25,567百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、12,352百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益4,940百万円、減価償却費3,101百万円、減損損失1,157百万円、売上債権の増減額4,208百万円、たな卸資産の増減額1,356百万円、災害損失2,670百万円、その他の負債の増減額688百万円、減少の主な内訳は、仕入債務の増減額1,921百万円、法人税等の支払額2,201百万円、災害損失の支払額1,941百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4,652百万円(前年同期比35.0%減)となりました。
支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出4,387百万円、投資有価証券の取得による支出235百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、3,584百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額2,383百万円、自己株式の取得による支出1,055百万円であります。

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
産業用製品51,030△7.6
生活用品19,172△5.8
合計70,203△7.1

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
産業用製品31,007△10.92,270△21.1
生活用品5,9584.1373△2.2
合計36,965△8.82,643△18.9

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
産業用製品57,802△4.0
生活用品32,473△2.4
その他227△1.5
合計90,503△3.5

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、自動車内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ・雨衣等と多岐に亘ります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は90,503百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益は売上減少による稼働率の低下や設備更新による減価償却費の増加、物流コストの増加等により7,345百万円(前年同期比15.4%減)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により前連結会計年度が83百万円の為替差益であったのに対し、当連結会計年度は135百万円の為替差損となりました。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(農業用フイルム事業、カイロ事業、ホウ酸ダンゴ事業、食品衛生用品事業、除湿剤事業、粘着製品事業、ブーツ事業、研磨布紙事業)に関して減損損失を1,157百万円計上しております。また、2019年10月に発生した「令和元年東日本台風」により被災した当社福島工場における固定資産の原状回復費用及び棚卸資産の被害等2,670百万円を災害による損失に計上しております。特別利益は、被災した当社福島工場におけるたな卸資産等に係る受取保険金163百万円を計上しております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益は3,489百万円(前年同期比45.7%減)となりました。
事業全体としては、当連結会計年度において「令和元年東日本台風」の被害に遭い、災害による損失を特別損失に計上したことが親会社株主に帰属する当期純利益の減少要因のひとつとなりました。そのため、被害に遭った福島工場については再発防止に向けた治水対策を講じるとともに、他の工場においてもリスクを総点検し、自然災害対策をさらに強化してまいります。新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、今後の広がり・収束時期等を正確に予測することは非常に困難と考えておりますが、2021年3月期の一定の時期に収束に向かい正常化していくとの仮定を定めた上で会計上の見積りを実施しております。なお、当該影響額について現時点で合理的に算出することは困難であります。
経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に自動車内装材は、北米市場の悪化及び中国市況の低迷の影響に加え、今後は新型コロナウイルス感染症の拡大による自動車産業界全体の急減速による自動車関連事業の減速の影響が懸念されます。当該状況においても安定して収益を得られるように、より幅広い受注のための研究開発力の強化と、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。
生活用品事業のうち特にコンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要に下支えされておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大及び東京オリンピックの1年間延期による訪日外国人の大幅な減少により影響を受けております。当該状況においても安定して収益を得られるように、より付加価値の高い製品の開発と、国外での販売力強化に努めてまいります。
今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,102百万円増加(19.1%)し、25,567百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益で当社福島工場が「令和元年東日本台風」により被災し、操業を一時停止していた事等により3,616百万円減少し4,940百万円の増加に留まりましたが、それら要因において売上債権の減少による増加4,208百万円(前年同期比4,531百万円増)、たな卸資産の減少による増加1,356百万円(前年同期比3,473百万円増)、災害損失による増加728百万円となりました。さらに、減価償却費3,101百万円(前年同期比303百万円増)、固定資産減損損失1,157百万円(前年同期比358百万円減)などにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では12,352百万円の増加(前年同期比2,379百万円収入増)となりました。
投資活動によりキャッシュ・フローは将来の事業基盤となる設備投資を当社静岡工場やつくば工場で引き続き実施していることから4,387百万円減少し、投資活動によりキャッシュ・フロー全体では4,652百万円の支出(前年同期比2,508百万円の支出減)となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額2,383百万円、自己株式の取得1,055百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では3,584百万円の支出(前年同期比300百万円支出増)となっております。
よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は25,567百万円となりました。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入による資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります。
さらに当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な前提に基づき会計上の見積りを行っております。
なお、特に重要なものは以下のとおりであります。
1.固定資産の減損
当社グループでは「固定資産の減損」における減損の兆候・判定及び回収可能価額の算定にあたって、将来キャッシュ・フローの見積りに関しては、最近の経済状況や事業の特性を鑑み前提を置いております。具体的には、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、今後の広がり・収束時期等を正確に予測することは非常に困難と考えますが、2021年3月期の一定の時期に収束に向かい正常化していくとの仮定を定め、また、当該影響以外には極端な事業環境の変化はないと考え、将来キャッシュ・フロー見込額は過年度の水準を基礎として見積っております。よって、現時点では最善の見積りと考えておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化に至った場合、想定外に経営成績に重要な影響が発生する可能性は否定出来ません。
2.繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の計上額を見積もる場合、合理的な仮定に基づく業績予測において将来の課税所得等を見積もっております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、今後の広がり・収束時期等を正確に予測することは非常に困難と考えますが、2021年3月期の一定の時期に収束に向かい正常化していくとの仮定を定めております。よって、現時点では最善の見積もりと考えておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大や長期化に至った場合、想定外に経営成績に重要な影響が発生する可能性は否定出来ません。
3.災害損失引当金
当社は、災害損失引当金を計上しておりますが、これは「令和元年東日本台風」により被災した当社福島工場の設備等の原状回復費用を見積り計上しております。この根拠としては、外部の業者からの見積りを主として計上しております。しかしながら、今後原状回復工事が進むにあたって追加工事や不要となる工事等が発生する可能性は否めませんが、現時点では最善の見積りと考えており今後の経営成績に重要な影響は発生しないと考えております。

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