有価証券報告書-第125期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けながら推移いたしました。個人消費につきましては新型コロナウイルスのワクチンの開発・接種の始まりに伴い少しずつ回復の兆しを見せてきましたが、感染力の強い変異株が発生し、直近では感染の再拡大が深刻化しており、感染の終息が見通せないなど、先行きが不透明な状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループは新型コロナウイルス感染症防止対策を講じ、お客様との対面による営業活動の自粛、オンラインを活用した「ウイズ・コロナ」時代の新しい営業スタイルの構築等を行うとともに、回復基調にある市場でのシェア拡大に向けて事業活動を行ってまいりました。
結果、当連結会計年度における売上高は86,361百万円(前年同期比4.6%減)となりました。利益面では前期は「令和元年東日本台風」による福島工場の被災の影響等がありましたが、今期は福島工場が復旧したこと及び在庫圧縮やコストダウンを継続したことで営業利益は8,269百万円(前年同期比12.6%増)、経常利益は9,794百万円(前年同期比14.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,697百万円(前年同期比63.3%増)となりました。
a. 経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(産業用製品)
一般用フイルムは、飛沫飛散防止用途が引き続き堅調で売上増となりました。工業用フイルムは、海外向けが回復し売上増となりました。建材用フイルムは、車輌加飾用の市況が回復してきましたが、売上減となりました。多層フイルムは、工業用の受注が増加しましたが、食品包装用の需要が減少し、売上微減となりました。
壁紙は、住宅着工件数の低迷及び市況価格下落の影響で売上減となりました。農業用フイルムは、作物価格の下落による需要家における資材購入経費削減の影響を受け売上減となりました。自動車内装材は、自動車メーカーの生産調整からは回復しましたが、売上減となりました。フレキシブルコンテナは、石油化学メーカー向けの需要が減少し売上減となりました。粘着テープは、梱包用及び工業用テープの販売が低調で売上減となりました。工業用テープは、精密機械用の受注増がありましたが、売上前年並みとなりました。食品衛生用品は、外食産業・ホテル向けの小巻ラップは低調でしたが、衛生用品の取扱いが堅調で、売上微増となりました。食品用吸水・脱水シートであるピチット製品は、内食向けの食材用途は堅調に推移しましたが、外食産業向けが低調で、売上微減となりました。研磨布紙等は、各種用途向けの受注が低迷し売上減となりました。また、研磨材はハードディスクの表面加工用の採用中止の影響で売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高53,689百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント利益は3,461百万円(前年同期比32.6%増)となりました。
(生活用品)
コンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要の大幅縮小が影響し売上減となりました。浣腸は、堅調に推移し売上前年並みとなりました。除湿剤は、前年は「令和元年東日本台風」の被災の影響により売上を落としましたが、今期は完全に復旧し、売上増となりました。カイロは、暖冬及び緊急事態宣言の発出による外出自粛の影響で売上減となりました。手袋は、家庭用は巣ごもり需要と衛生意識の高まりにより堅調に推移し、医療用・産業用は感染対策需要により市場が急拡大し、売上大幅増となりました。メディカル製品のうち滅菌器は、医療施設・学校施設の感染対策としての需要があり売上大幅増となりました。ブーツ及び雨衣は、緊急事態宣言の発出による外出自粛の影響で売上減となりました。シューズは、生活様式の変化による消費低迷の影響で売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高は32,442百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益は6,531百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
(その他)
その他事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。
当セグメントの売上高(振替前)は3,604百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益は296百万円(前年同期比36.4%増)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は112,070百万円で、前連結会計年度末と比べ7,989百万円増加しております。
流動資産は69,478百万円で、前連結会計年度末と比べ4,636百万円の増加となりました。これは主として、現金及び預金2,484百万円、受取手形及び売掛金2,022百万円、電子記録債権534百万円が増加し、商品及び製品が677百万円減少したことによるものです。
固定資産は42,592百万円で、前連結会計年度末と比べ3,353百万円の増加となりました。これは主として、無形固定資産753百万円、投資有価証券5,265百万円が増加し、機械装置及び運搬具2,204百万円、繰延税金資産466百万円が減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は41,754百万円で、前連結会計年度末と比べ1,511百万円増加しております。
流動負債は30,000百万円で、前連結会計年度末と比べ558百万円の減少となりました。これは主として、未払法人税等が1,696百万円増加し、短期借入金945百万円、災害損失引当金728百万円、支払手形及び買掛金393百万円が減少したことによるものです。
固定負債は11,753百万円で、前連結会計年度末と比べ2,069百万円の増加となりました。これは主として、長期借入金1,000百万円、繰延税金負債546百万円、退職給付に係る負債246百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は70,316百万円で、前連結会計年度末と比べ6,478百万円増加しております。これは主として、利益剰余金3,821百万円、その他有価証券評価差額金3,275百万円が増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,484百万円(9.7%)増加し、28,052百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,175百万円(前年同期比33.8%減)となりました。
増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,859百万円、減価償却費2,853百万円、減損損失1,398百万円、減少の主な内訳は、売上債権の増加による減少2,714百万円、法人税等の支払額901百万円、災害損失の支払額728百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,240百万円(前年同期比30.3%減)となりました。
支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出2,680百万円、投資有価証券の取得による支出446百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,236百万円(前年同期比37.6%減)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額1,875百万円、自己株式の取得による支出170百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、自動車内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ・雨衣等と多岐に亘ります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は86,361百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は前期の台風被害による回復及び在庫圧縮やコストダウンを継続したことにより8,269百万円(前年同期比12.6%増)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により前連結会計年度が135百万円の為替差損であったのに対し、当連結会計年度は170百万円の為替差益となりました。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(農業用フイルム事業、カイロ事業、除湿剤事業、壁紙事業、シューズ事業、PPフイルム事業及び研磨布紙事業)に関して減損損失を1,398百万円計上しております。また、コロナ発生により米国子会社が所在する州政府の要請により、操業を休止した事から操業休止関連費用として100百万円を計上しております。加えまして、連結子会社が保有する賃貸資産の建て替えにより、建物解体費用引当金繰入額430百万円を計上し、特別損失全体で1,982百万円となっております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益5,697百万円(前年同期比63.3%増)となりました。
事業全体としては、前連結会計年度において「令和元年東日本台風」の被害に遭いましたが着実に復旧を遂げ、また、被害に遭った福島工場については再発防止に向けた治水対策を講じるとともに、他の工場においてもリスクを総点検し、自然災害対策をさらに強化してまいります。新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、今後の広がり・収束時期等を正確に予測することは非常に困難と考えておりますが、2023年3月期の一定の時期に収束に向かい正常化していくとの仮定を定めた上で会計上の見積りを実施しております。
経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に自動車内装材は、新型コロナウイルス感染症による自動車メーカーの生産調整からは回復しましたが、半導体不足による減産計画など自動車関連事業の減速の影響が懸念されます。当該状況においても安定して収益を得られるように、より幅広い受注のための研究開発力の強化と、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。
生活用品事業のうち特にコンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要に下支えされておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けております。当該状況においても安定して収益を得られるように、より付加価値の高い製品の開発と、国外での販売力強化に努めてまいります。なお、メディカル製品や衛生用品においては新型コロナウイルス感染症の影響で業績を一時的に伸ばしましたが、仕入価格の高止まりや物流在庫過多の影響が顕在化し、先行き不透明感が増しております。
今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,484百万円増加(9.7%)し、28,052百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益では当社福島工場が「令和元年東日本台風」による被災からの復旧により操業が回復した事等もあり2,918百万円増加し7,859百万円の増加となりました。これにより売上債権の増加による減少2,714百万円(前年同期比6,923百万円増)、たな卸資産の減少による増加424百万円(前年同期比931百万円減)、建物解体費用引当金繰入額430百万円となりました。さらに、減価償却費2,853百万円(前年同期比248百万円減)、固定資産減損損失1,398百万円(前年同期比241百万円増)などにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では8,175百万円の増加(前年同期比4,176百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、将来の事業基盤となる設備投資を実施しておりますが、新型コロナウイルス感染症により先行きに不透明感があることから投資額を抑え、投資活動によるキャッシュ・フロー全体では3,240百万円の支出(前年同期比1,411百万円の支出減)となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額1,875百万円、自己株式の取得170百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では2,236百万円の支出(前年同期比1,347百万円の支出減)となっております。
よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は28,052百万円となりました。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入れによる資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります。
さらに当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、依然として新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けながら推移いたしました。個人消費につきましては新型コロナウイルスのワクチンの開発・接種の始まりに伴い少しずつ回復の兆しを見せてきましたが、感染力の強い変異株が発生し、直近では感染の再拡大が深刻化しており、感染の終息が見通せないなど、先行きが不透明な状況が続いております。
このような経営環境のなか、当社グループは新型コロナウイルス感染症防止対策を講じ、お客様との対面による営業活動の自粛、オンラインを活用した「ウイズ・コロナ」時代の新しい営業スタイルの構築等を行うとともに、回復基調にある市場でのシェア拡大に向けて事業活動を行ってまいりました。
結果、当連結会計年度における売上高は86,361百万円(前年同期比4.6%減)となりました。利益面では前期は「令和元年東日本台風」による福島工場の被災の影響等がありましたが、今期は福島工場が復旧したこと及び在庫圧縮やコストダウンを継続したことで営業利益は8,269百万円(前年同期比12.6%増)、経常利益は9,794百万円(前年同期比14.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,697百万円(前年同期比63.3%増)となりました。
a. 経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(産業用製品)
一般用フイルムは、飛沫飛散防止用途が引き続き堅調で売上増となりました。工業用フイルムは、海外向けが回復し売上増となりました。建材用フイルムは、車輌加飾用の市況が回復してきましたが、売上減となりました。多層フイルムは、工業用の受注が増加しましたが、食品包装用の需要が減少し、売上微減となりました。
壁紙は、住宅着工件数の低迷及び市況価格下落の影響で売上減となりました。農業用フイルムは、作物価格の下落による需要家における資材購入経費削減の影響を受け売上減となりました。自動車内装材は、自動車メーカーの生産調整からは回復しましたが、売上減となりました。フレキシブルコンテナは、石油化学メーカー向けの需要が減少し売上減となりました。粘着テープは、梱包用及び工業用テープの販売が低調で売上減となりました。工業用テープは、精密機械用の受注増がありましたが、売上前年並みとなりました。食品衛生用品は、外食産業・ホテル向けの小巻ラップは低調でしたが、衛生用品の取扱いが堅調で、売上微増となりました。食品用吸水・脱水シートであるピチット製品は、内食向けの食材用途は堅調に推移しましたが、外食産業向けが低調で、売上微減となりました。研磨布紙等は、各種用途向けの受注が低迷し売上減となりました。また、研磨材はハードディスクの表面加工用の採用中止の影響で売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高53,689百万円(前年同期比7.1%減)、セグメント利益は3,461百万円(前年同期比32.6%増)となりました。
(生活用品)
コンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要の大幅縮小が影響し売上減となりました。浣腸は、堅調に推移し売上前年並みとなりました。除湿剤は、前年は「令和元年東日本台風」の被災の影響により売上を落としましたが、今期は完全に復旧し、売上増となりました。カイロは、暖冬及び緊急事態宣言の発出による外出自粛の影響で売上減となりました。手袋は、家庭用は巣ごもり需要と衛生意識の高まりにより堅調に推移し、医療用・産業用は感染対策需要により市場が急拡大し、売上大幅増となりました。メディカル製品のうち滅菌器は、医療施設・学校施設の感染対策としての需要があり売上大幅増となりました。ブーツ及び雨衣は、緊急事態宣言の発出による外出自粛の影響で売上減となりました。シューズは、生活様式の変化による消費低迷の影響で売上減となりました。
以上により、当セグメントの売上高は32,442百万円(前年同期比0.1%減)、セグメント利益は6,531百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
(その他)
その他事業は、物流受託事業及び太陽光発電事業であります。
当セグメントの売上高(振替前)は3,604百万円(前年同期比1.7%減)、セグメント利益は296百万円(前年同期比36.4%増)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における総資産は112,070百万円で、前連結会計年度末と比べ7,989百万円増加しております。
流動資産は69,478百万円で、前連結会計年度末と比べ4,636百万円の増加となりました。これは主として、現金及び預金2,484百万円、受取手形及び売掛金2,022百万円、電子記録債権534百万円が増加し、商品及び製品が677百万円減少したことによるものです。
固定資産は42,592百万円で、前連結会計年度末と比べ3,353百万円の増加となりました。これは主として、無形固定資産753百万円、投資有価証券5,265百万円が増加し、機械装置及び運搬具2,204百万円、繰延税金資産466百万円が減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における総負債は41,754百万円で、前連結会計年度末と比べ1,511百万円増加しております。
流動負債は30,000百万円で、前連結会計年度末と比べ558百万円の減少となりました。これは主として、未払法人税等が1,696百万円増加し、短期借入金945百万円、災害損失引当金728百万円、支払手形及び買掛金393百万円が減少したことによるものです。
固定負債は11,753百万円で、前連結会計年度末と比べ2,069百万円の増加となりました。これは主として、長期借入金1,000百万円、繰延税金負債546百万円、退職給付に係る負債246百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は70,316百万円で、前連結会計年度末と比べ6,478百万円増加しております。これは主として、利益剰余金3,821百万円、その他有価証券評価差額金3,275百万円が増加したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,484百万円(9.7%)増加し、28,052百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,175百万円(前年同期比33.8%減)となりました。
増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益7,859百万円、減価償却費2,853百万円、減損損失1,398百万円、減少の主な内訳は、売上債権の増加による減少2,714百万円、法人税等の支払額901百万円、災害損失の支払額728百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3,240百万円(前年同期比30.3%減)となりました。
支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出2,680百万円、投資有価証券の取得による支出446百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,236百万円(前年同期比37.6%減)となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額1,875百万円、自己株式の取得による支出170百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
産業用製品 | 49,088 | △3.8 |
生活用品 | 20,515 | 7.0 |
合計 | 69,604 | △0.9 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
産業用製品 | 31,289 | 0.9 | 2,912 | 28.3 |
生活用品 | 6,327 | 6.2 | 428 | 14.7 |
合計 | 37,616 | 1.8 | 3,340 | 26.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
産業用製品 | 53,689 | △7.1 |
生活用品 | 32,442 | △0.1 |
その他 | 229 | 1.0 |
合計 | 86,361 | △4.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの事業領域は、大きく産業用製品事業と生活用品事業に分かれ、その代表的な製品は、産業用製品事業ではプラスチックフイルム、壁紙、フレキシブルコンテナ、自動車内装材、粘着テープ、食品衛生用品、食品用脱水・吸水シート等であり、生活用品事業ではコンドーム、カイロ、除湿剤、メディカル製品、手袋、シューズ・雨衣等と多岐に亘ります。これらの事業は1934年の創業以来培ってきた素材の研究と高度な技術の追求、並びに会社の統合・合併・事業の譲受等による製造技術・ノウハウの吸収により、成長してまいりました。これらの事業を基盤として当社グループは環境にやさしい製品を世に送り出し、株主・顧客・取引先・地域社会・従業員などの様々のステークホルダーとの友好な関係の維持、発展に努めてまいりました。このような状況のなか、当連結会計年度における売上高は86,361百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は前期の台風被害による回復及び在庫圧縮やコストダウンを継続したことにより8,269百万円(前年同期比12.6%増)となりました。営業外損益は、為替レートの変動により前連結会計年度が135百万円の為替差損であったのに対し、当連結会計年度は170百万円の為替差益となりました。特別損失は、収益性の低下が生じ短期的な業績回復が見込まれないと判断した事業(農業用フイルム事業、カイロ事業、除湿剤事業、壁紙事業、シューズ事業、PPフイルム事業及び研磨布紙事業)に関して減損損失を1,398百万円計上しております。また、コロナ発生により米国子会社が所在する州政府の要請により、操業を休止した事から操業休止関連費用として100百万円を計上しております。加えまして、連結子会社が保有する賃貸資産の建て替えにより、建物解体費用引当金繰入額430百万円を計上し、特別損失全体で1,982百万円となっております。これらにより、親会社株主に帰属する当期純利益5,697百万円(前年同期比63.3%増)となりました。
事業全体としては、前連結会計年度において「令和元年東日本台風」の被害に遭いましたが着実に復旧を遂げ、また、被害に遭った福島工場については再発防止に向けた治水対策を講じるとともに、他の工場においてもリスクを総点検し、自然災害対策をさらに強化してまいります。新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、今後の広がり・収束時期等を正確に予測することは非常に困難と考えておりますが、2023年3月期の一定の時期に収束に向かい正常化していくとの仮定を定めた上で会計上の見積りを実施しております。
経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 a.経営成績」に記載のとおりですが、産業用製品事業のうち特に自動車内装材は、新型コロナウイルス感染症による自動車メーカーの生産調整からは回復しましたが、半導体不足による減産計画など自動車関連事業の減速の影響が懸念されます。当該状況においても安定して収益を得られるように、より幅広い受注のための研究開発力の強化と、将来を見据えた営業体制の構築に努めてまいります。
生活用品事業のうち特にコンドームは、訪日外国人によるインバウンド需要に下支えされておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大により影響を受けております。当該状況においても安定して収益を得られるように、より付加価値の高い製品の開発と、国外での販売力強化に努めてまいります。なお、メディカル製品や衛生用品においては新型コロナウイルス感染症の影響で業績を一時的に伸ばしましたが、仕入価格の高止まりや物流在庫過多の影響が顕在化し、先行き不透明感が増しております。
今後、将来への成長をより加速・維持する経営を図るため、当社並びに連結子会社各社に至るまで収益の基盤を広げ、かつ強固なものとするため設備投資を進めてまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,484百万円増加(9.7%)し、28,052百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益では当社福島工場が「令和元年東日本台風」による被災からの復旧により操業が回復した事等もあり2,918百万円増加し7,859百万円の増加となりました。これにより売上債権の増加による減少2,714百万円(前年同期比6,923百万円増)、たな卸資産の減少による増加424百万円(前年同期比931百万円減)、建物解体費用引当金繰入額430百万円となりました。さらに、減価償却費2,853百万円(前年同期比248百万円減)、固定資産減損損失1,398百万円(前年同期比241百万円増)などにより、営業活動によるキャッシュ・フロー全体では8,175百万円の増加(前年同期比4,176百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、将来の事業基盤となる設備投資を実施しておりますが、新型コロナウイルス感染症により先行きに不透明感があることから投資額を抑え、投資活動によるキャッシュ・フロー全体では3,240百万円の支出(前年同期比1,411百万円の支出減)となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株主還元の充実及び資本効率の向上等を目的とした施策としての配当金の支払額1,875百万円、自己株式の取得170百万円により財務活動によるキャッシュ・フロー全体では2,236百万円の支出(前年同期比1,347百万円の支出減)となっております。
よって、これらにより当連結会計年度末においての現金及び現金同等物は28,052百万円となりました。
また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、円滑な事業活動に必要な流動性の確保を主眼とし、主として銀行等から長期借入金及び短期借入金にて資金調達を行っております。なお、現時点では借入れによる資金調達により一定程度手許資金が確保されている状況のため、社債等の資金調達手段は考えておりません。今後も今まで築いてきた金融機関等との良好な関係を確保しつつ、追加で資金が必要になった時点で最良の判断を行っていく考えであります。
さらに当社グループは、様々な事業を展開していることから戦略的に資源配分を行っていく方針であります。特にここ最近では、将来の事業基盤を支える事業に積極的に設備投資を実施しており、設備投資額も高水準となっております。今後も経済状況を鑑み、競争力を維持していくための資源配分を行う考えであります。また同時に、株主還元の充実を図るため配当及び自己株式の取得も併せて実施する考えであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。