訂正有価証券報告書-第136期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における世界経済は、米国においては、雇用・所得環境は緩やかな改善が続いており、さらにFRBの予防的な利下げ政策の効果もあり、内需は引き続き堅調に推移する一方で、中国向け輸出での大幅な減少をはじめ世界的な需要の減速により、製造業の生産は低調に推移しております。また、米国の関税引き上げに端を発した米中貿易協議については、2019年12月にて一部の合意があり、今後の協議にも世界的な注目が集まっております。
欧州においては、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移する一方で、外需の減速や製造業における在庫調整により景気の回復は緩慢なものとなっております。英国に関しては、EUからの離脱協定案が2019年12月の英議会で承認されたことにより「合意あり離脱」が実現することとなったものの、個人消費や設備投資の低迷から引き続き景気は低調に推移しております。
中国においては、輸出は関税の引き上げを行った米国向けで大幅に縮小したほか、他地域でも景気の停滞を背景に横ばいで推移しており、国内景気は製造業を中心に減速、内需も減少しつつあり、政府による内需刺激策の効果が期待されております。
アセアン地域においては、米中貿易摩擦を背景とした中国からの生産移管や代替輸出でベトナムからの輸出が伸びるなど、地域差はありますが製造業を中心に堅調に推移しております。
日本経済は、雇用環境が引き続き好調に推移し、個人消費にも緩やかな回復が見られました。10月からの消費税増税後も、一時的な反動減が見られるものの、政府の景気下支え策により景気落ち込みの長期化は回避できると見込まれております。一方、企業の経営成績は、人手不足に伴う省力化やデジタル化関連の投資については堅調に推移しておりますが、米中貿易摩擦や中国経済の減速等の外部環境の悪化により輸出と生産の下振れが生じており、製造業には減速感がみられました。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における国内自動車市場は、国内販売は一部メーカーで完成車検査問題の影響が続きましたが、販売が好調な軽自動車により堅調に推移しました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差はあるものの概ね堅調に推移し、国内生産全体でも昨年並みの推移となっております。引き続き日本国内の生産は、燃費の良い軽自動車・小型車、また実用的なミニバンを中心に行われており、安全技術を強化したモデルが人気を集めております。
この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の469万台、四輪車輸出台数は、前年比0.6%増の460万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比0.2%減の921万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、セダン車の需要が低迷する米国を中心に生産台数が伸びず、前年比4.5%減の1,858万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は61,073百万円(前連結会計年度62,413百万円)、営業利益は6,219百万円(前連結会計年度8,449百万円)、経常利益は6,243百万円(前連結会計年度8,512百万円)となりました。また、2019年末で生産停止となった上海日輪汽車配件有限公司および2020年6月末で生産停止となるニチリン ユー・ケー・リミテッドにおける特別損失(固定資産減損損失および特別退職金)の影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,748百万円(前連結会計年度4,644百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
北米子会社向けの部品供給が減少した一方、中国、アジア子会社向けの設備売上が増加したこと、国内販売が堅調に推移したことにより、売上高は33,160百万円(前連結会計年度33,051百万円)、営業利益は2,204百万円(前連結会計年度2,343百万円)となりました。
北米
北米市場は、好調な企業の経営成績や雇用の安定を背景に堅調に推移しておりますが、日系企業が得意としてきたセダン車の需要が減少し、小型トラック・SUV車の需要が増加する傾向が強まっております。また、北米子会社では、新商品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の量産が開始された一方で、主力製品であったパワーステアリング用ホースの需要が減少したことにより、売上高は10,210百万円(前連結会計年度11,908百万円)、売上減少に伴う限界利益の減少に加え、中国材料の追加関税の増加、メキシコでの最低賃金の増加があり、営業損失は21百万円(前連結会計年度は営業利益534百万円)となりました。
中国
中国市場では、米中貿易摩擦により経済の減速傾向が強まっており、新車販売台数も前年割れの状況が続きました。また、北米向け等へのエアコン用管体の輸出も減少傾向にあることから、売上高は11,058百万円(前連結会計年度11,936百万円)、蘇州日輪汽車部件有限公司の生産移管準備費用の増加があり、営業利益は867百万円(前連結会計年度1,802百万円)となりました。
アジア
ABS化による二輪用ブレーキホースの販売増に加え、フューエルホースの販売が堅調に推移しており、売上高は17,157百万円(前連結会計年度15,700百万円)、営業利益は3,662百万円(前連結会計年度3,739百万円)となりました。
欧州
需要低迷に伴い、日系メーカー、欧州メーカーとも生産を減少させており、売上高は5,345百万円(前連結会計年度5,809百万円)、新モデル立ち上げに伴う特別費用の発生(生産遅れに伴う臨時雇用者の増員、緊急便の多用等)があり、営業損失は289百万円(前連結会計年度は営業損失20百万円)となりました。なお、欧州事業の再編による採算性改善に向け、2019年9月に当社にて欧州経営改善室を設置致しました。
②財政状態の状況
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は35,390百万円(前連結会計年度末36,649百万円)となり、1,259百万円減少しました。主な減少内容は、現金及び預金の減少1,972百万円、受取手形及び売掛金の増加189百万円、電子記録債権の減少287百万円、たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)の増加470百万円、その他(未収入金等)の増加342百万円などによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は24,935百万円(前連結会計年度末20,903百万円)となり、4,032百万円増加しました。主な増加内容は、有形固定資産の増加3,775百万円などによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は14,459百万円(前連結会計年度末13,926百万円)となり、533百万円増加しました。主な増加内容は、支払手形及び買掛金の減少186百万円、電子記録債務の減少473百万円、短期借入金の増加399百万円、その他(未払金等)の増加724百万円などによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は5,998百万円(前連結会計年度末5,952百万円)となり、45百万円増加しました。主な増加内容は、長期借入金の増加95百万円、退職給付に係る負債60百万円の増加、繰延税金負債の減少319百万円、その他(長期未払金等)の増加206百万円などによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は39,869百万円(前連結会計年度末37,674百万円)となり、2,195百万円増加しました。主な増加内容は、利益剰余金の増加1,959百万円、自己株式の増加による減少234百万円、その他有価証券評価差額金の増加103百万円、為替換算調整勘定の減少186百万円、非支配株主持分の増加540百万円などによるものであります。
なお、自己資本比率は56.0%となり、前連結会計年度末と比べ0.1%増加しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,620百万円減少し、当連結会計年度末は11,590百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は5,134百万円の増加(前連結会計年度は7,759百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前純利益5,364百万円(資金の増加)および、減価償却費1,874百万円(資金の増加)、たな卸資産の増加491百万円(資金の減少)、仕入債務の減少651百万円(資金の減少)、法人税等の支払い1,633百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は5,876百万円の減少(前連結会計年度は5,933百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,079百万円、無形固定資産の取得による支出223百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は1,806百万円の減少(前連結会計年度は2,434百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額401百万円、配当金の支払い789百万円、非支配株主への配当金の支払い1,053百万円、自己株式の取得による支出251百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。
しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。
このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の分析
(売上高)
当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における国内自動車市場は、国内販売は一部メーカーで完成車検査問題の影響が続きましたが、販売が好調な軽自動車により堅調に推移しました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差はあるものの概ね堅調に推移し、国内生産全体でも昨年並みの推移となっております。この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の469万台、四輪車輸出台数は、前年比0.6%増の460万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比0.2%減の921万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、セダン車の需要が低迷する米国を中心に生産台数が伸びず、前年比4.5%減の1,858万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は、61,073百万円と前連結会計年度(62,413百万円)に比べ2.1%の減収となりました。
(営業利益)
主力製品であったパワーステアリング用ホースの需要が減少し、新規製品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の需要が増加する等、生産品種の変更により変動費が増加しました。また、北米における中国材料の追加関税の増加およびメキシコでの最低賃金の増加、中国における蘇州日輪汽車部件有限公司の生産移管準備費用の増加、欧州における新モデル立ち上げに伴う特別費用の発生があり、当連結会計年度の営業利益は、6,219百万円と前連結会計年度(8,449百万円)に比べ26.4%の減益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
営業利益6,219百万円に対し、為替差損246百万円や2019年末で生産停止となった上海日輪汽車配件有限公司および2020年6月末で生産停止となるニチリン ユー・ケー・リミテッドにおける特別損失(固定資産減損損失62百万円および特別退職金758百万円)の影響もあり、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は5,364百万円と前連結会計年度(8,224百万円)に比べ34.8%の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益5,364百万円から、税金費用1,437百万円と非支配株主に帰属する当期純利益1,178百万円を控除し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,748百万円と前連結会計年度(4,644百万円)に比べ40.8%の減益となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金および金融機関からの借入金にて賄われております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、連結子会社での積極的な投資により11,590百万円となり、前連結会計年度末から2,620百万円減少したものの、十分な流動性を確保していると認識しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2015年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020[2015年~2020年])に取り組んでおります。
(フェーズⅠ[2015年~2017年]の状況)
中期経営計画(NGS2020)策定時(2014年11月)において、「2020年連結経営指針」を示して取り組んだ結果、フェーズⅠの経営成績に示す通り、売上高580億円以上(30%増[2013年比])、営業利益率(安定して8%以上を確保)、親会社株主に帰属する当期純利益率(安定して5%以上を確保)、自己資本比率50%以上を達成しております。
・2020年連結経営指針[中期経営計画(NGS2020)策定時]
・フェーズⅠ(2015年~2017年)の経営成績
(フェーズⅡ[2018年~2020年]の状況)
当社グループは、フェーズⅠ[2015年~2017年]の活動成果を踏まえ、2018年よりフェーズⅡ[2018年~2020年]に取り組み、本年はその最終年度を迎えます。
フェーズⅡ期間における当社グループの経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題」をご参照下さい。
なお、フェーズⅡの初年度(2018年)および第2年度(2019年)の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
親会社株主に帰属する当期純利益については、ベトナムにおける固定資産減損、過年度法人税の特別要因により計画未達となりましたが、売上高・営業利益・経常利益については、概ね計画を達成しております。
(単位:百万円)
(注)2019年計画は上期実績を踏まえ、2019年8月9日に修正した通期予想であります。
2019年は世界経済の減速、北米・欧州地域の経営環境の厳しさ、当社グループにおける大型プロジェクトの遂行などが利益を圧迫することとなり、また、中国子会社間での生産移転・英国子会社の本年6月末での生産停止に伴う特別損失の計上もあり、減収減益となりました。
なお、NGS2020策定時の2020年連結経営指針(営業利益率 安定して8%以上を確保、親会社株主に帰属する当期純利益率 安定して5%以上を確保、自己資本比率 50%以上)については、ほぼ達成している状況にあります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における世界経済は、米国においては、雇用・所得環境は緩やかな改善が続いており、さらにFRBの予防的な利下げ政策の効果もあり、内需は引き続き堅調に推移する一方で、中国向け輸出での大幅な減少をはじめ世界的な需要の減速により、製造業の生産は低調に推移しております。また、米国の関税引き上げに端を発した米中貿易協議については、2019年12月にて一部の合意があり、今後の協議にも世界的な注目が集まっております。
欧州においては、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移する一方で、外需の減速や製造業における在庫調整により景気の回復は緩慢なものとなっております。英国に関しては、EUからの離脱協定案が2019年12月の英議会で承認されたことにより「合意あり離脱」が実現することとなったものの、個人消費や設備投資の低迷から引き続き景気は低調に推移しております。
中国においては、輸出は関税の引き上げを行った米国向けで大幅に縮小したほか、他地域でも景気の停滞を背景に横ばいで推移しており、国内景気は製造業を中心に減速、内需も減少しつつあり、政府による内需刺激策の効果が期待されております。
アセアン地域においては、米中貿易摩擦を背景とした中国からの生産移管や代替輸出でベトナムからの輸出が伸びるなど、地域差はありますが製造業を中心に堅調に推移しております。
日本経済は、雇用環境が引き続き好調に推移し、個人消費にも緩やかな回復が見られました。10月からの消費税増税後も、一時的な反動減が見られるものの、政府の景気下支え策により景気落ち込みの長期化は回避できると見込まれております。一方、企業の経営成績は、人手不足に伴う省力化やデジタル化関連の投資については堅調に推移しておりますが、米中貿易摩擦や中国経済の減速等の外部環境の悪化により輸出と生産の下振れが生じており、製造業には減速感がみられました。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における国内自動車市場は、国内販売は一部メーカーで完成車検査問題の影響が続きましたが、販売が好調な軽自動車により堅調に推移しました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差はあるものの概ね堅調に推移し、国内生産全体でも昨年並みの推移となっております。引き続き日本国内の生産は、燃費の良い軽自動車・小型車、また実用的なミニバンを中心に行われており、安全技術を強化したモデルが人気を集めております。
この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の469万台、四輪車輸出台数は、前年比0.6%増の460万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比0.2%減の921万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、セダン車の需要が低迷する米国を中心に生産台数が伸びず、前年比4.5%減の1,858万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は61,073百万円(前連結会計年度62,413百万円)、営業利益は6,219百万円(前連結会計年度8,449百万円)、経常利益は6,243百万円(前連結会計年度8,512百万円)となりました。また、2019年末で生産停止となった上海日輪汽車配件有限公司および2020年6月末で生産停止となるニチリン ユー・ケー・リミテッドにおける特別損失(固定資産減損損失および特別退職金)の影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は2,748百万円(前連結会計年度4,644百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
北米子会社向けの部品供給が減少した一方、中国、アジア子会社向けの設備売上が増加したこと、国内販売が堅調に推移したことにより、売上高は33,160百万円(前連結会計年度33,051百万円)、営業利益は2,204百万円(前連結会計年度2,343百万円)となりました。
北米
北米市場は、好調な企業の経営成績や雇用の安定を背景に堅調に推移しておりますが、日系企業が得意としてきたセダン車の需要が減少し、小型トラック・SUV車の需要が増加する傾向が強まっております。また、北米子会社では、新商品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の量産が開始された一方で、主力製品であったパワーステアリング用ホースの需要が減少したことにより、売上高は10,210百万円(前連結会計年度11,908百万円)、売上減少に伴う限界利益の減少に加え、中国材料の追加関税の増加、メキシコでの最低賃金の増加があり、営業損失は21百万円(前連結会計年度は営業利益534百万円)となりました。
中国
中国市場では、米中貿易摩擦により経済の減速傾向が強まっており、新車販売台数も前年割れの状況が続きました。また、北米向け等へのエアコン用管体の輸出も減少傾向にあることから、売上高は11,058百万円(前連結会計年度11,936百万円)、蘇州日輪汽車部件有限公司の生産移管準備費用の増加があり、営業利益は867百万円(前連結会計年度1,802百万円)となりました。
アジア
ABS化による二輪用ブレーキホースの販売増に加え、フューエルホースの販売が堅調に推移しており、売上高は17,157百万円(前連結会計年度15,700百万円)、営業利益は3,662百万円(前連結会計年度3,739百万円)となりました。
欧州
需要低迷に伴い、日系メーカー、欧州メーカーとも生産を減少させており、売上高は5,345百万円(前連結会計年度5,809百万円)、新モデル立ち上げに伴う特別費用の発生(生産遅れに伴う臨時雇用者の増員、緊急便の多用等)があり、営業損失は289百万円(前連結会計年度は営業損失20百万円)となりました。なお、欧州事業の再編による採算性改善に向け、2019年9月に当社にて欧州経営改善室を設置致しました。
②財政状態の状況
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は35,390百万円(前連結会計年度末36,649百万円)となり、1,259百万円減少しました。主な減少内容は、現金及び預金の減少1,972百万円、受取手形及び売掛金の増加189百万円、電子記録債権の減少287百万円、たな卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)の増加470百万円、その他(未収入金等)の増加342百万円などによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は24,935百万円(前連結会計年度末20,903百万円)となり、4,032百万円増加しました。主な増加内容は、有形固定資産の増加3,775百万円などによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は14,459百万円(前連結会計年度末13,926百万円)となり、533百万円増加しました。主な増加内容は、支払手形及び買掛金の減少186百万円、電子記録債務の減少473百万円、短期借入金の増加399百万円、その他(未払金等)の増加724百万円などによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は5,998百万円(前連結会計年度末5,952百万円)となり、45百万円増加しました。主な増加内容は、長期借入金の増加95百万円、退職給付に係る負債60百万円の増加、繰延税金負債の減少319百万円、その他(長期未払金等)の増加206百万円などによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は39,869百万円(前連結会計年度末37,674百万円)となり、2,195百万円増加しました。主な増加内容は、利益剰余金の増加1,959百万円、自己株式の増加による減少234百万円、その他有価証券評価差額金の増加103百万円、為替換算調整勘定の減少186百万円、非支配株主持分の増加540百万円などによるものであります。
なお、自己資本比率は56.0%となり、前連結会計年度末と比べ0.1%増加しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,620百万円減少し、当連結会計年度末は11,590百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は5,134百万円の増加(前連結会計年度は7,759百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前純利益5,364百万円(資金の増加)および、減価償却費1,874百万円(資金の増加)、たな卸資産の増加491百万円(資金の減少)、仕入債務の減少651百万円(資金の減少)、法人税等の支払い1,633百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は5,876百万円の減少(前連結会計年度は5,933百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,079百万円、無形固定資産の取得による支出223百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は1,806百万円の減少(前連結会計年度は2,434百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額401百万円、配当金の支払い789百万円、非支配株主への配当金の支払い1,053百万円、自己株式の取得による支出251百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 20,259 | 97.7 |
| 北米 (百万円) | 10,177 | 86.2 |
| 中国 (百万円) | 9,772 | 97.6 |
| アジア(百万円) | 15,730 | 106.4 |
| 欧州 (百万円) | 5,313 | 93.3 |
| 合計 (百万円) | 61,253 | 97.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。
しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。
このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 20,412 | 99.1 |
| 北米 (百万円) | 10,166 | 85.7 |
| 中国 (百万円) | 9,616 | 98.3 |
| アジア(百万円) | 15,576 | 107.8 |
| 欧州 (百万円) | 5,301 | 92.8 |
| 合計 (百万円) | 61,073 | 97.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の分析
(売上高)
当連結会計年度(2019年1月1日~2019年12月31日)における国内自動車市場は、国内販売は一部メーカーで完成車検査問題の影響が続きましたが、販売が好調な軽自動車により堅調に推移しました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差はあるものの概ね堅調に推移し、国内生産全体でも昨年並みの推移となっております。この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比1.5%減の469万台、四輪車輸出台数は、前年比0.6%増の460万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比0.2%減の921万台となりました。一方、国内乗用車メーカー8社の海外生産台数は、セダン車の需要が低迷する米国を中心に生産台数が伸びず、前年比4.5%減の1,858万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は、61,073百万円と前連結会計年度(62,413百万円)に比べ2.1%の減収となりました。
(営業利益)
主力製品であったパワーステアリング用ホースの需要が減少し、新規製品であるIHX(カーエアコン用内部熱交換器)の需要が増加する等、生産品種の変更により変動費が増加しました。また、北米における中国材料の追加関税の増加およびメキシコでの最低賃金の増加、中国における蘇州日輪汽車部件有限公司の生産移管準備費用の増加、欧州における新モデル立ち上げに伴う特別費用の発生があり、当連結会計年度の営業利益は、6,219百万円と前連結会計年度(8,449百万円)に比べ26.4%の減益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
営業利益6,219百万円に対し、為替差損246百万円や2019年末で生産停止となった上海日輪汽車配件有限公司および2020年6月末で生産停止となるニチリン ユー・ケー・リミテッドにおける特別損失(固定資産減損損失62百万円および特別退職金758百万円)の影響もあり、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は5,364百万円と前連結会計年度(8,224百万円)に比べ34.8%の減益となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益5,364百万円から、税金費用1,437百万円と非支配株主に帰属する当期純利益1,178百万円を控除し、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,748百万円と前連結会計年度(4,644百万円)に比べ40.8%の減益となりました。
③経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金および金融機関からの借入金にて賄われております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、連結子会社での積極的な投資により11,590百万円となり、前連結会計年度末から2,620百万円減少したものの、十分な流動性を確保していると認識しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2015年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020[2015年~2020年])に取り組んでおります。
(フェーズⅠ[2015年~2017年]の状況)
中期経営計画(NGS2020)策定時(2014年11月)において、「2020年連結経営指針」を示して取り組んだ結果、フェーズⅠの経営成績に示す通り、売上高580億円以上(30%増[2013年比])、営業利益率(安定して8%以上を確保)、親会社株主に帰属する当期純利益率(安定して5%以上を確保)、自己資本比率50%以上を達成しております。
・2020年連結経営指針[中期経営計画(NGS2020)策定時]
| 売上高 | 30%増(2013年比) |
| 営業利益率 | 安定して8%以上を確保 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益率 | 安定して5%以上を確保 |
| 自己資本比率 | 50%以上 |
・フェーズⅠ(2015年~2017年)の経営成績
| (単位:百万円) | フェーズⅠ | |||||||||||||||||||||||||
| 2015年実績 | 2016年実績 | 2017年実績 | ||||||||||||||||||||||||
| 売上高 | 50,851 | 50,992 | 59,375 | |||||||||||||||||||||||
| 営業利益 | 5,764 | 6,618 | 8,516 | |||||||||||||||||||||||
| (率) | 11.3% | 13.0% | 14.3% | |||||||||||||||||||||||
| 経常利益 | 5,849 | 6,343 | 8,629 | |||||||||||||||||||||||
| (率) | 11.5% | 12.4% | 14.5% | |||||||||||||||||||||||
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (率) | 3,322 6.5% | 3,644 7.1% | 4,883 8.2% | |||||||||||||||||||||||
| 自己資本比率 | 48.8% | 50.3% | 53.0% | |||||||||||||||||||||||
(フェーズⅡ[2018年~2020年]の状況)
当社グループは、フェーズⅠ[2015年~2017年]の活動成果を踏まえ、2018年よりフェーズⅡ[2018年~2020年]に取り組み、本年はその最終年度を迎えます。
フェーズⅡ期間における当社グループの経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題」をご参照下さい。
なお、フェーズⅡの初年度(2018年)および第2年度(2019年)の経営成績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 指標 | 2018年計画 | 2018年実績 | 計画比 | |
| 売上高 | 59,500 | 62,413 | 2,913増 | (4.9%増) |
| 営業利益 (率) | 8,500 14.3% | 8,449 13.5% | 51減 | (0.6%減) |
| 経常利益 (率) | 8,500 14.3% | 8,512 13.6% | 12増 | (0.1%増) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (率) | 5,000 8.4% | 4,644 7.4% | 356減 | (7.1%減) |
| 自己資本比率 | - | 55.9% | ||
親会社株主に帰属する当期純利益については、ベトナムにおける固定資産減損、過年度法人税の特別要因により計画未達となりましたが、売上高・営業利益・経常利益については、概ね計画を達成しております。
(単位:百万円)
| 指標 | 2019年計画 | 2019年実績 | 計画比 | |
| 売上高 | 61,000 | 61,073 | 73増 | (0.1%増) |
| 営業利益 (率) | 7,000 11.5% | 6,219 10.2% | 781減 | (11.2%減) |
| 経常利益 (率) | 7,000 11.5% | 6,243 10.2% | 757減 | (10.8%減) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 (率) | 3,500 5.7% | 2,748 4.5% | 752減 | (21.5%減) |
| 自己資本比率 | - | 56.0% | ||
(注)2019年計画は上期実績を踏まえ、2019年8月9日に修正した通期予想であります。
2019年は世界経済の減速、北米・欧州地域の経営環境の厳しさ、当社グループにおける大型プロジェクトの遂行などが利益を圧迫することとなり、また、中国子会社間での生産移転・英国子会社の本年6月末での生産停止に伴う特別損失の計上もあり、減収減益となりました。
なお、NGS2020策定時の2020年連結経営指針(営業利益率 安定して8%以上を確保、親会社株主に帰属する当期純利益率 安定して5%以上を確保、自己資本比率 50%以上)については、ほぼ達成している状況にあります。