有価証券報告書-第137期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2020年1月1日~2020年12月31日)における世界経済は、年初に中国で発生した新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が世界各国へと広がるとともに、各国経済にも深刻な影響を及ぼすこととなりました。中国では4月以降、その他諸国では6月以降、経済活動に回復が見られました。但し、2021年 年初において、再び多くの地域で感染が拡大しており、先行きは不透明な状況にあります。
米国においては、新型コロナの影響を受け、3月末から雇用・所得環境は悪化、さらに感染防止のための外出制限が個人消費を下押しし、サプライチェーンの寸断やロックダウンによる操業停止等により企業収益も急速に悪化しました。6月からは段階的な経済活動再開が進められ、個人消費、企業収益にも回復が見られました。また、2021年1月にバイデン政権が発足したことに伴い、今後の景気対策や政策転換にも注目が集まっています。
欧州においては、3月初めよりイタリアで新型コロナの感染が広がり、その後、スペインやドイツ等の主要国にも感染が拡大しました。多くの国で厳格なロックダウンが行われた結果、感染は収束し経済活動も再開されましたが、英国で変異種が発見される等、影響が懸念されています。一方、英国・EU間の貿易協定については年末で合意され、関係国において好感される結果となりました。
中国においては、年初から新型コロナの感染が国内全域に拡大し、政府主導にて市民の移動制限、工場の生産停止や店舗の営業停止を実施したことで、経済活動は大きく制限されました。4月以降、新規感染者は大幅に減少し経済活動が再開されており、輸出はテレワークや5G需要の高まりもありコロナ前を超える水準まで拡大しました。また、自動車販売についても、政府による補助金やナンバープレート規制の緩和があり急回復しました。
アセアン地域においては、新型コロナ対策として、当初、外国人の入国制限を行いましたが、国内の感染を抑えきれず、4月以降は、他のセグメント同様に経済活動は制限されており、地域差はありますが景気の回復も遅れています。
日本経済においても、新型コロナの影響を受け1月からインバウンド需要が落ち込み、3月には外出を自粛する動きも加わりました。4月中旬には、政府による緊急事態宣言が出され、特別定額給付金、持続化給付金、雇用調整助成金の特例措置等、大規模な新型コロナ対策が実施されました。5月中旬以降、宣言が解除され、段階的に経済活動も回復しましたが、海外輸出の回復に比べ、個人消費は緩慢な回復に留まりました。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における国内自動車市場は、国内販売は3月以降、新型コロナによる外出を自粛する動きが影響し各社で減少することとなりました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差があるものの大きく減少しました。国内生産全体も、当初は中国からの部品供給が不安定であることを理由とした減産が目立ちましたが、4月以降は本格的な需要減が織り込まれ、さらに深刻なものとなりました。
この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比11.2%減の416万台、四輪車輸出台数は、前年比21.9%減の359万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比16.3%減の771万台となりました。また、海外生産台数も、中国では4月から急速な回復、北米、欧州でも6月から回復が始まっているものの、前年比18.7%減の1,511万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は51,505百万円(前連結会計年度61,073百万円)、営業利益は4,311百万円(前連結会計年度6,219百万円)、経常利益は4,453百万円(前連結会計年度6,243百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,380百万円(前連結会計年度2,748百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
新型コロナに伴う著しい需要の減少により、国内顧客は減産を継続し、海外子会社への部品供給も減少、さらに、子会社向けの設備売上も前年に比べ大きく減少しました。9月以降の需要に回復の兆しが見えたものの、売上高は26,258百万円(前連結会計年度33,160百万円)、需要に合わせ出勤日の調整や経費の削減に努めましたが、営業利益は891百万円(前連結会計年度2,204百万円)となりました。
北米
北米市場は、日系企業が得意としてきたセダン車の需要が減少し、小型トラック・SUV車の需要が増加する傾向が強まっており、さらに、新型コロナによる影響で3月下旬より5月下旬にかけ顧客が一斉に生産停止を行いました。6月から段階的に顧客需要が戻りつつありますが、売上高は8,815百万円(前連結会計年度10,210百万円)、生産性改善による要員の削減、物流費の削減、中国追加関税回避のための仕入先変更により、営業利益は195百万円(前連結会計年度は営業損失21百万円)となりました。
中国
中国市場では、新型コロナによる影響で2月上旬より顧客が一斉に生産停止を行いましたが、4月以降は順調な回復となっており、売上高は10,613百万円(前連結会計年度11,058百万円)、また、2019年末に生産を終了した上海日輪汽車配件有限公司から蘇州日輪汽車部件有限公司への業務移管に伴い、第1四半期では一時的な生産性の悪化があったものの、4月以降は改善が進められており、営業利益は865百万円(前連結会計年度867百万円)となりました。
アジア
アジア市場では、ABS化による二輪用ブレーキホースの販売増に加え、フューエルホースの販売増が見込まれていましたが、新型コロナによる影響で4月以降の売上に落ち込みが見られ、売上高は13,484百万円(前連結会計年度17,157百万円)、営業利益は2,547百万円(前連結会計年度3,662百万円)となりました。
欧州
欧州市場では、新型コロナによる影響で3月下旬より5月下旬にかけ顧客が一斉に生産停止を行ったこと、さらに6月からの顧客需要にもバラつきがあることにより、売上高は4,854百万円(前連結会計年度5,345百万円)、営業損失は323百万円(前連結会計年度は営業損失289百万円)となりました。なお、欧州域内での自動車メーカー再編の動きに呼応し、ニチリン ユー・ケー・リミテッドは、ニチリン スペイン エス・エルをはじめとするグループ各社に生産を移管し、8月末にて同社の生産を停止しました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は35,768百万円となり、前連結会計年度末に比べ377百万円増加しました。これは主に、現金及び預金996百万円の減少、受取手形及び売掛金2,253百万円の増加によるものであります。固定資産は24,349百万円となり、前連結会計年度末に比べ586百万円減少いたしました。これは、当社にて受変電設備の更新、自動車用ホース設備導入、ニチリン ベトナム カンパニー リミテッドにて倉庫建設、自動車用ホース設備導入により、建物及び構築物が205百万円増加し、機械装置及び運搬具が240百万円、建設仮勘定が651百万円減少したものであります。この結果、総資産は、60,117百万円となり、前連結会計年度末に比べ208百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,203百万円減少いたしました。これは主に、電子記録債務が476百万円、その他のうち未払費用が561百万円減少したことによるものであります。固定負債は6,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ607百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が417百万円、リース債務が293百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、19,861百万円となり、前連結会計年度末に比べ595百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は40,256百万円となり、前連結会計年度末に比べ386百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,740百万円増加し、為替換算調整勘定が638百万円、非支配株主持分が727百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.1%(前連結会計年度末は56.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ390百万円減少し、当連結会計年度末は11,200百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は2,857百万円の増加(前連結会計年度は5,134百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,372百万円(資金の増加)および、減価償却費2,227百万円(資金の増加)、売上債権の増加2,126百万円(資金の減少)、法人税等の支払い856百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は1,956百万円の減少(前連結会計年度は5,876百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の純減少額487百万円、有形固定資産の取得による支出2,554百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は983百万円の減少(前連結会計年度は1,806百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の純増加額494百万円、セール・アンド・リースバックによる収入553百万円、配当金の支払い640百万円、非支配株主への配当金の支払い1,294百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。
しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。
このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、当期は中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020)のフェーズⅡの最終年であり、100年に一度といわれる自動車業界の大変革に対応すべく活動する重要な年でありましたが、当社グループの主要な取引先である自動車メーカーが、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の拡大の影響を大きく受けた結果、当社グループの売上高は減少し、生産体制、必要要員の見直し等の影響を受けることとなりました。
セグメントごとの状況については、日本では、5月以降の売上が大きく落ち込み、出勤日の調整、経費の削減、さらにオンライン会議を活用した子会社支援等も推進しました。9月以降は売上も回復し、安定した利益が出せることとなりました。北米でも、売上高は大きく減少しましたが、人員削減に加え、対中追加関税の回避策やメキシコ子会社でのモノ造り改善により大きな効果が出ました。中国では、年初はロックダウンによりGDPが大幅減となりましたが、政府による経済刺激策もあり、いち早く景気が回復し、5月以降は昨年並みにまで上昇、中国子会社においても、9月以降は単月の生産量において計画以上の水準にまで回復しました。アジアでは、特に前期からの落ち込みが大きくなりましたが、9月以降は緩やかな回復基調となりました。期末では設備増設が進み、翌期での挽回を図るための土台作りができました。欧州では、4月以降大きく減産となりましたが、人員削減と工場内のレイアウト改善の効果もあり、下期での業績向上が進みました。
この結果、当連結会計年度の売上高は51,505百万円(連結経営目標値62,000百万円)、営業利益は4,311百万円(連結経営目標値6,300百万円)、経常利益は4,453百万円(連結経営目標値6,300百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,380百万円(連結経営目標値3,300百万円)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
なお、今後の新型コロナの当社グループへの影響は、地域によって程度が異なるものの、当連結会計年度末から2年程度継続すると仮定し、会計上の見積りを行っております。
新型コロナの収束時期及び経営環境への影響が変化した場合には、上記の見積りの結果に影響し、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末の現金及び預金は12,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ996百万円減少いたしました。これは営業活動の結果獲得した資金が2,857百万円と前連結会計年度に比べ2,276百万円減少し、投資活動の結果使用した資金が1,956百万円と前連結会計年度に比べ3,919百万円減少し、財務活動の結果使用した資金が983百万円と前連結会計年度に比べ823百万円減少したことによります。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金および金融機関からの借入金にて賄われております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、新型コロナの影響や中国拠点の移管等の影響により11,200百万円となり、前連結会計年度末から390百万円減少したものの、十分な流動性を確保していると認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2015年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020[2015年~2020年])に取り組んでまいりました。
(フェーズⅠ[2015年~2017年]及びフェーズⅡ[2018年~2020年]の状況)
中期経営計画(NGS2020)策定時(2014年11月)において、「2020年連結経営指針」を示して取り組んだ結果、フェーズⅠでは経営成績に示すとおり、売上高580億円以上(30%増[2013年比])、営業利益率(安定して8%以上を確保)、親会社株主に帰属する当期純利益率(安定して5%以上を確保)、自己資本比率50%以上を達成しております。
フェーズⅡでは最終年度となる2020年はコロナ禍による世界的な経済活動の停滞により、大幅な減収・減益となりましたが、2019年まではNGS2020策定時の2020年連結経営指針をほぼ達成しており、グループ経営基盤の更なる強化と、激しさを増す世界規模での競争に打ち勝つための体制が構築出来つつあります。
・2020年連結経営指針[中期経営計画(NGS2020)策定時]
(単位:百万円)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2020年1月1日~2020年12月31日)における世界経済は、年初に中国で発生した新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が世界各国へと広がるとともに、各国経済にも深刻な影響を及ぼすこととなりました。中国では4月以降、その他諸国では6月以降、経済活動に回復が見られました。但し、2021年 年初において、再び多くの地域で感染が拡大しており、先行きは不透明な状況にあります。
米国においては、新型コロナの影響を受け、3月末から雇用・所得環境は悪化、さらに感染防止のための外出制限が個人消費を下押しし、サプライチェーンの寸断やロックダウンによる操業停止等により企業収益も急速に悪化しました。6月からは段階的な経済活動再開が進められ、個人消費、企業収益にも回復が見られました。また、2021年1月にバイデン政権が発足したことに伴い、今後の景気対策や政策転換にも注目が集まっています。
欧州においては、3月初めよりイタリアで新型コロナの感染が広がり、その後、スペインやドイツ等の主要国にも感染が拡大しました。多くの国で厳格なロックダウンが行われた結果、感染は収束し経済活動も再開されましたが、英国で変異種が発見される等、影響が懸念されています。一方、英国・EU間の貿易協定については年末で合意され、関係国において好感される結果となりました。
中国においては、年初から新型コロナの感染が国内全域に拡大し、政府主導にて市民の移動制限、工場の生産停止や店舗の営業停止を実施したことで、経済活動は大きく制限されました。4月以降、新規感染者は大幅に減少し経済活動が再開されており、輸出はテレワークや5G需要の高まりもありコロナ前を超える水準まで拡大しました。また、自動車販売についても、政府による補助金やナンバープレート規制の緩和があり急回復しました。
アセアン地域においては、新型コロナ対策として、当初、外国人の入国制限を行いましたが、国内の感染を抑えきれず、4月以降は、他のセグメント同様に経済活動は制限されており、地域差はありますが景気の回復も遅れています。
日本経済においても、新型コロナの影響を受け1月からインバウンド需要が落ち込み、3月には外出を自粛する動きも加わりました。4月中旬には、政府による緊急事態宣言が出され、特別定額給付金、持続化給付金、雇用調整助成金の特例措置等、大規模な新型コロナ対策が実施されました。5月中旬以降、宣言が解除され、段階的に経済活動も回復しましたが、海外輸出の回復に比べ、個人消費は緩慢な回復に留まりました。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
当連結会計年度における国内自動車市場は、国内販売は3月以降、新型コロナによる外出を自粛する動きが影響し各社で減少することとなりました。海外需要に伴う完成車輸出もメーカーによって差があるものの大きく減少しました。国内生産全体も、当初は中国からの部品供給が不安定であることを理由とした減産が目立ちましたが、4月以降は本格的な需要減が織り込まれ、さらに深刻なものとなりました。
この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比11.2%減の416万台、四輪車輸出台数は、前年比21.9%減の359万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比16.3%減の771万台となりました。また、海外生産台数も、中国では4月から急速な回復、北米、欧州でも6月から回復が始まっているものの、前年比18.7%減の1,511万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は51,505百万円(前連結会計年度61,073百万円)、営業利益は4,311百万円(前連結会計年度6,219百万円)、経常利益は4,453百万円(前連結会計年度6,243百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,380百万円(前連結会計年度2,748百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
新型コロナに伴う著しい需要の減少により、国内顧客は減産を継続し、海外子会社への部品供給も減少、さらに、子会社向けの設備売上も前年に比べ大きく減少しました。9月以降の需要に回復の兆しが見えたものの、売上高は26,258百万円(前連結会計年度33,160百万円)、需要に合わせ出勤日の調整や経費の削減に努めましたが、営業利益は891百万円(前連結会計年度2,204百万円)となりました。
北米
北米市場は、日系企業が得意としてきたセダン車の需要が減少し、小型トラック・SUV車の需要が増加する傾向が強まっており、さらに、新型コロナによる影響で3月下旬より5月下旬にかけ顧客が一斉に生産停止を行いました。6月から段階的に顧客需要が戻りつつありますが、売上高は8,815百万円(前連結会計年度10,210百万円)、生産性改善による要員の削減、物流費の削減、中国追加関税回避のための仕入先変更により、営業利益は195百万円(前連結会計年度は営業損失21百万円)となりました。
中国
中国市場では、新型コロナによる影響で2月上旬より顧客が一斉に生産停止を行いましたが、4月以降は順調な回復となっており、売上高は10,613百万円(前連結会計年度11,058百万円)、また、2019年末に生産を終了した上海日輪汽車配件有限公司から蘇州日輪汽車部件有限公司への業務移管に伴い、第1四半期では一時的な生産性の悪化があったものの、4月以降は改善が進められており、営業利益は865百万円(前連結会計年度867百万円)となりました。
アジア
アジア市場では、ABS化による二輪用ブレーキホースの販売増に加え、フューエルホースの販売増が見込まれていましたが、新型コロナによる影響で4月以降の売上に落ち込みが見られ、売上高は13,484百万円(前連結会計年度17,157百万円)、営業利益は2,547百万円(前連結会計年度3,662百万円)となりました。
欧州
欧州市場では、新型コロナによる影響で3月下旬より5月下旬にかけ顧客が一斉に生産停止を行ったこと、さらに6月からの顧客需要にもバラつきがあることにより、売上高は4,854百万円(前連結会計年度5,345百万円)、営業損失は323百万円(前連結会計年度は営業損失289百万円)となりました。なお、欧州域内での自動車メーカー再編の動きに呼応し、ニチリン ユー・ケー・リミテッドは、ニチリン スペイン エス・エルをはじめとするグループ各社に生産を移管し、8月末にて同社の生産を停止しました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は35,768百万円となり、前連結会計年度末に比べ377百万円増加しました。これは主に、現金及び預金996百万円の減少、受取手形及び売掛金2,253百万円の増加によるものであります。固定資産は24,349百万円となり、前連結会計年度末に比べ586百万円減少いたしました。これは、当社にて受変電設備の更新、自動車用ホース設備導入、ニチリン ベトナム カンパニー リミテッドにて倉庫建設、自動車用ホース設備導入により、建物及び構築物が205百万円増加し、機械装置及び運搬具が240百万円、建設仮勘定が651百万円減少したものであります。この結果、総資産は、60,117百万円となり、前連結会計年度末に比べ208百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,203百万円減少いたしました。これは主に、電子記録債務が476百万円、その他のうち未払費用が561百万円減少したことによるものであります。固定負債は6,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ607百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が417百万円、リース債務が293百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、19,861百万円となり、前連結会計年度末に比べ595百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は40,256百万円となり、前連結会計年度末に比べ386百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が1,740百万円増加し、為替換算調整勘定が638百万円、非支配株主持分が727百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は58.1%(前連結会計年度末は56.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ390百万円減少し、当連結会計年度末は11,200百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシユ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は2,857百万円の増加(前連結会計年度は5,134百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,372百万円(資金の増加)および、減価償却費2,227百万円(資金の増加)、売上債権の増加2,126百万円(資金の減少)、法人税等の支払い856百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は1,956百万円の減少(前連結会計年度は5,876百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の純減少額487百万円、有形固定資産の取得による支出2,554百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は983百万円の減少(前連結会計年度は1,806百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の純増加額494百万円、セール・アンド・リースバックによる収入553百万円、配当金の支払い640百万円、非支配株主への配当金の支払い1,294百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 16,773 | 82.8 |
| 北米 (百万円) | 8,649 | 85.0 |
| 中国 (百万円) | 9,478 | 97.0 |
| アジア(百万円) | 11,233 | 71.4 |
| 欧州 (百万円) | 4,831 | 90.9 |
| 合計 (百万円) | 50,966 | 83.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。
しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。
このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 16,826 | 82.4 |
| 北米 (百万円) | 8,803 | 86.6 |
| 中国 (百万円) | 9,700 | 100.9 |
| アジア(百万円) | 11,554 | 74.2 |
| 欧州 (百万円) | 4,620 | 87.2 |
| 合計 (百万円) | 51,505 | 84.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、当期は中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020)のフェーズⅡの最終年であり、100年に一度といわれる自動車業界の大変革に対応すべく活動する重要な年でありましたが、当社グループの主要な取引先である自動車メーカーが、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の拡大の影響を大きく受けた結果、当社グループの売上高は減少し、生産体制、必要要員の見直し等の影響を受けることとなりました。
セグメントごとの状況については、日本では、5月以降の売上が大きく落ち込み、出勤日の調整、経費の削減、さらにオンライン会議を活用した子会社支援等も推進しました。9月以降は売上も回復し、安定した利益が出せることとなりました。北米でも、売上高は大きく減少しましたが、人員削減に加え、対中追加関税の回避策やメキシコ子会社でのモノ造り改善により大きな効果が出ました。中国では、年初はロックダウンによりGDPが大幅減となりましたが、政府による経済刺激策もあり、いち早く景気が回復し、5月以降は昨年並みにまで上昇、中国子会社においても、9月以降は単月の生産量において計画以上の水準にまで回復しました。アジアでは、特に前期からの落ち込みが大きくなりましたが、9月以降は緩やかな回復基調となりました。期末では設備増設が進み、翌期での挽回を図るための土台作りができました。欧州では、4月以降大きく減産となりましたが、人員削減と工場内のレイアウト改善の効果もあり、下期での業績向上が進みました。
この結果、当連結会計年度の売上高は51,505百万円(連結経営目標値62,000百万円)、営業利益は4,311百万円(連結経営目標値6,300百万円)、経常利益は4,453百万円(連結経営目標値6,300百万円)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,380百万円(連結経営目標値3,300百万円)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
なお、今後の新型コロナの当社グループへの影響は、地域によって程度が異なるものの、当連結会計年度末から2年程度継続すると仮定し、会計上の見積りを行っております。
新型コロナの収束時期及び経営環境への影響が変化した場合には、上記の見積りの結果に影響し、翌連結会計年度以降の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末の現金及び預金は12,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ996百万円減少いたしました。これは営業活動の結果獲得した資金が2,857百万円と前連結会計年度に比べ2,276百万円減少し、投資活動の結果使用した資金が1,956百万円と前連結会計年度に比べ3,919百万円減少し、財務活動の結果使用した資金が983百万円と前連結会計年度に比べ823百万円減少したことによります。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金および金融機関からの借入金にて賄われております。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、新型コロナの影響や中国拠点の移管等の影響により11,200百万円となり、前連結会計年度末から390百万円減少したものの、十分な流動性を確保していると認識しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2015年より中期経営計画(NICHIRIN Growth Strategy 2020:NGS2020[2015年~2020年])に取り組んでまいりました。
(フェーズⅠ[2015年~2017年]及びフェーズⅡ[2018年~2020年]の状況)
中期経営計画(NGS2020)策定時(2014年11月)において、「2020年連結経営指針」を示して取り組んだ結果、フェーズⅠでは経営成績に示すとおり、売上高580億円以上(30%増[2013年比])、営業利益率(安定して8%以上を確保)、親会社株主に帰属する当期純利益率(安定して5%以上を確保)、自己資本比率50%以上を達成しております。
フェーズⅡでは最終年度となる2020年はコロナ禍による世界的な経済活動の停滞により、大幅な減収・減益となりましたが、2019年まではNGS2020策定時の2020年連結経営指針をほぼ達成しており、グループ経営基盤の更なる強化と、激しさを増す世界規模での競争に打ち勝つための体制が構築出来つつあります。
・2020年連結経営指針[中期経営計画(NGS2020)策定時]
| 売上高 | 30%増(2013年比) |
| 営業利益率 | 安定して8%以上を確保 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益率 | 安定して5%以上を確保 |
| 自己資本比率 | 50%以上 |
(単位:百万円)
| 項 目 | フェーズⅠ | フェーズⅡ | ||||
| 2015年実績 | 2016年実績 | 2017年実績 | 2018年実績 | 2019年実績 | 2020年実績 | |
| 売上高 | 50,851 | 50,992 | 59,375 | 62,413 | 61,073 | 51,505 |
| 営業利益 | 5,764 | 6,618 | 8,516 | 8,449 | 6,219 | 4,311 |
| (率) | 11.3% | 13.0% | 14.3% | 13.5% | 10.2% | 8.4% |
| 経常利益 | 5,849 | 6,343 | 8,629 | 8,512 | 6,243 | 4,453 |
| (率) | 11.5% | 12.4% | 14.5% | 13.6% | 10.2% | 8.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,322 | 3,644 | 4,883 | 4,644 | 2,748 | 2,380 |
| (率) | 6.5% | 7.1% | 8.2% | 7.4% | 4.5% | 4.6% |
| 自己資本比率 | 48.8% | 50.3% | 53.0% | 55.9% | 56.0% | 58.1% |