有価証券報告書-第141期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)における世界経済は、米国経済の底堅い成長が継続する一方、中国経済の減速やウクライナ・中東情勢による景気下振れリスクがある中、主要各国においては、インフレ抑制から金利引下げへ金融政策の転換が進められました。今後については、米国の新政権発足後の政策動向や、欧州の政情不安定化など、依然として先行きは不透明な状況が続いています。
米国においては、個人消費や設備投資の底堅さを背景に景気は堅調に推移し、景気のソフトランディングに向けた金利引下げが進められました。今後、新政権発足後の経済政策、対中政策、安全保障政策、移民政策に注目が集まっており、関税強化による関係国への影響が懸念されています。
欧州においては、ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格や賃金の上昇などのインフレが続く中、個人消費が下支えとなり経済は底堅さを維持しました。引き続き地政学的リスクや独仏の政情不安定化、対中関係悪化による懸念は残る一方、個人消費の改善や政策金利の引下げによる緩やかな景気回復が期待されています。
中国においては、長引く不動産不況と厳しい雇用環境を背景に個人消費が低迷し、景気は減速しました。一方で、新興国向けのEV輸出やIT関連需要は増加しましたが、欧米諸国でのサプライチェーンの見直しや追加関税措置による影響もあり、景気は不透明な状況が続いています。加えて、米国新政権の対中政策が経済に与える影響も懸念されています。
アジアにおいては、各国の金融政策によりインフレは落ち着き、個人消費の安定により景気は緩やかな回復基調となりました。また、外需では中国経済減速の影響を受ける一方、欧米諸国におけるサプライチェーン再編の受け皿となることで、半導体などのIT関連需要が回復し、堅調な経済成長が期待されています。
日本経済は、年初に能登半島地震の影響により一部の企業で生産に支障が出たものの、円安やコスト増に対する価格転嫁の進展により企業業績は好調を維持し、また個人消費やインバウンド需要に支えられ景気は緩やかに回復しました。引き続き雇用環境の改善を背景に賃金上昇が続き、個人消費の回復や設備投資の拡大など、景気の堅調な推移が期待されています。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
自動車の生産販売は、国内では年初の能登半島地震や大手メーカーの認証不正問題による出荷停止の影響、海外では中国市場での販売低迷の影響を受け、生産販売は前期に比べて低調に推移しました。EVへの対応については、欧米諸国での補助金廃止やHVを含めた環境対応車への見直しの動きもあり、各国の政策動向や消費者ニーズへの柔軟な対応が課題となっています。
この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比7.8%減の403万台、四輪車輸出台数は、前年比4.3%減の399万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比8.7%減の783万台となりました。また、海外生産台数は、前年比5.5%減の1,626万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は71,356百万円(前連結会計年度70,631百万円)、営業利益は9,184百万円(前連結会計年度9,620百万円)、経常利益は10,382百万円(前連結会計年度10,548百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,171百万円(前連結会計年度5,915百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
国内で能登半島地震や一部メーカーの出荷停止の影響を受けた一方、原材料や賃金増についての顧客への価格転嫁や日本への生産移管を含めた北米向け輸出拡大、更なる円安により、売上高は35,771百万円(前連結会計年度35,159百万円)、営業利益は3,808百万円(前連結会計年度3,452百万円)となりました。
北米
北米市場は、日系メーカーが得意とするHVの需要が好調に推移しており、また昨年7月からハーレーダビッドソン用部品の納入開始もあり、売上高は14,445百万円(前連結会計年度13,551百万円)、一方、輸入関税コストの増加や一過性の品質費用の発生等により、営業利益は1,104百万円(前連結会計年度1,216百万円)となりました。
中国
EV化が着実に進む中、現地メーカーへの販売が増加した一方、日系メーカーの販売低迷により、売上高は11,280百万円(前連結会計年度12,636百万円)、営業利益は1,414百万円(前連結会計年度1,564百万円)となりました。
アジア
半導体等部品の供給不足の緩和に加え、グループ内最適生産による北米への販売増加により、売上高は24,795百万円(前連結会計年度22,892百万円)、営業利益は3,331百万円(前連結会計年度3,461百万円)となりました。
欧州
補助金廃止等でEV化が見直される中、HV車販売が増加した顧客向けと2輪車用部品の販売増により、売上高は6,841百万円(前連結会計年度6,318百万円)、営業利益は40百万円(前連結会計年度89百万円)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は51,151百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,076百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が592百万円増加、電子記録債権が268百万円減少、売掛金が396百万円減少、棚卸資産が1,694百万円増加したことによるものであります。固定資産は31,826百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,965百万円増加いたしました。これは、建物及び構築物が1,646百万円増加、機械装置及び運搬具が275百万円増加、投資有価証券が138百万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は、82,978百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,041百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,507百万円となり、前連結会計年度末に比べ623百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が237百万円減少、電子記録債務が266百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が232百万円減少、未払法人税等が97百万円減少したことによるものであります。固定負債は5,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ155百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が231百万円減少、リース債務が472百万円増加、退職給付に係る負債が79百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、19,120百万円となり、前連結会計年度末に比べ468百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は63,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,509百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が3,841百万円増加し、為替換算調整勘定が2,525百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は68.4%(前連結会計年度末は66.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,886百万円減少し、当連結会計年度末は17,960百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は8,670百万円の増加(前連結会計年度は9,912百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10,743百万円(資金の増加)および、減価償却費3,035百万円(資金の増加)、投資有価証券売却益147百万円(資金の減少)、売上債権の減少1,154百万円(資金の増加)、仕入債務の減少819百万円(資金の減少)、法人税等の支払額3,133百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は6,213百万円の減少(前連結会計年度は3,361百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,118百万円、投資有価証券の取得による支出36百万円、投資有価証券の売却による収入231百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は5,766百万円の減少(前連結会計年度は5,528百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出463百万円、配当金の支払額2,329百万円、非支配株主への配当金の支払額1,485百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。
しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。
このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績について、2024年は中期経営計画(Nichirin New Sustainable Development Plan)において最終年度に備える中核的な年であり、また当社が創業110周年を迎えた節目の年として、新しい価値と多様性を兼ね備えた持続可能な成長に向け経営課題に取り組みました。
世界経済は、地域によって異なるものの、全体としては底堅い成長を維持し推移しました。一方で、中国経済の減速や中東情勢の緊迫化による景気下振れ、各国におけるインフレ抑制から金利利下げへの政策転換の動きなど、地政学的リスクや金融政策による経済への影響が顕著となりました。
当社グループの主要事業分野である自動車業界は、輸出向けHVの需要増加と円安継続が企業業績を押し上げましたが、能登半島地震や日系自動車メーカーにおける認証不正問題による出荷停止、中国市場での販売低迷の影響を受け、国内生産・海外生産ともに低調に推移しました。
このように外的環境要因による制約を受けながらの事業環境ではありましたが、円安継続による外貨建て売上高の増加を背景として、当連結会計年度の売上高は71,356百万円、営業利益は9,184百万円、経常利益は10,382百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は6,171百万円となりました。なお、売上高および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標および当連結会計年度の達成・進捗状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)2024年計画は、2024年2月14日公表値を記載しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「3事業等のリスク」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末の現金及び預金は21,188百万円となり、前連結会計年度末に比べ592百万円増加いたしました。これは営業活動の結果獲得した資金が8,670百万円と前連結会計年度に比べ1,241百万円減少し、投資活動の結果使用した資金が6,213百万円と前連結会計年度に比べ2,852百万円増加し、財務活動の結果使用した資金が5,766百万円と前連結会計年度に比べ238百万円増加したことによります。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金および金融機関からの借入金にて賄われております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,517百万円となっております。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は17,960百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)における世界経済は、米国経済の底堅い成長が継続する一方、中国経済の減速やウクライナ・中東情勢による景気下振れリスクがある中、主要各国においては、インフレ抑制から金利引下げへ金融政策の転換が進められました。今後については、米国の新政権発足後の政策動向や、欧州の政情不安定化など、依然として先行きは不透明な状況が続いています。
米国においては、個人消費や設備投資の底堅さを背景に景気は堅調に推移し、景気のソフトランディングに向けた金利引下げが進められました。今後、新政権発足後の経済政策、対中政策、安全保障政策、移民政策に注目が集まっており、関税強化による関係国への影響が懸念されています。
欧州においては、ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格や賃金の上昇などのインフレが続く中、個人消費が下支えとなり経済は底堅さを維持しました。引き続き地政学的リスクや独仏の政情不安定化、対中関係悪化による懸念は残る一方、個人消費の改善や政策金利の引下げによる緩やかな景気回復が期待されています。
中国においては、長引く不動産不況と厳しい雇用環境を背景に個人消費が低迷し、景気は減速しました。一方で、新興国向けのEV輸出やIT関連需要は増加しましたが、欧米諸国でのサプライチェーンの見直しや追加関税措置による影響もあり、景気は不透明な状況が続いています。加えて、米国新政権の対中政策が経済に与える影響も懸念されています。
アジアにおいては、各国の金融政策によりインフレは落ち着き、個人消費の安定により景気は緩やかな回復基調となりました。また、外需では中国経済減速の影響を受ける一方、欧米諸国におけるサプライチェーン再編の受け皿となることで、半導体などのIT関連需要が回復し、堅調な経済成長が期待されています。
日本経済は、年初に能登半島地震の影響により一部の企業で生産に支障が出たものの、円安やコスト増に対する価格転嫁の進展により企業業績は好調を維持し、また個人消費やインバウンド需要に支えられ景気は緩やかに回復しました。引き続き雇用環境の改善を背景に賃金上昇が続き、個人消費の回復や設備投資の拡大など、景気の堅調な推移が期待されています。
当社グループの主要事業分野である日本自動車業界に関する状況は、次のとおりであります。
自動車の生産販売は、国内では年初の能登半島地震や大手メーカーの認証不正問題による出荷停止の影響、海外では中国市場での販売低迷の影響を受け、生産販売は前期に比べて低調に推移しました。EVへの対応については、欧米諸国での補助金廃止やHVを含めた環境対応車への見直しの動きもあり、各国の政策動向や消費者ニーズへの柔軟な対応が課題となっています。
この結果、当連結会計年度における国内乗用車メーカー8社の国内四輪車販売台数は、前年比7.8%減の403万台、四輪車輸出台数は、前年比4.3%減の399万台となり、国内四輪車生産台数は、前年比8.7%減の783万台となりました。また、海外生産台数は、前年比5.5%減の1,626万台となりました。
このような環境のなか、当連結会計年度の売上高は71,356百万円(前連結会計年度70,631百万円)、営業利益は9,184百万円(前連結会計年度9,620百万円)、経常利益は10,382百万円(前連結会計年度10,548百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,171百万円(前連結会計年度5,915百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本
国内で能登半島地震や一部メーカーの出荷停止の影響を受けた一方、原材料や賃金増についての顧客への価格転嫁や日本への生産移管を含めた北米向け輸出拡大、更なる円安により、売上高は35,771百万円(前連結会計年度35,159百万円)、営業利益は3,808百万円(前連結会計年度3,452百万円)となりました。
北米
北米市場は、日系メーカーが得意とするHVの需要が好調に推移しており、また昨年7月からハーレーダビッドソン用部品の納入開始もあり、売上高は14,445百万円(前連結会計年度13,551百万円)、一方、輸入関税コストの増加や一過性の品質費用の発生等により、営業利益は1,104百万円(前連結会計年度1,216百万円)となりました。
中国
EV化が着実に進む中、現地メーカーへの販売が増加した一方、日系メーカーの販売低迷により、売上高は11,280百万円(前連結会計年度12,636百万円)、営業利益は1,414百万円(前連結会計年度1,564百万円)となりました。
アジア
半導体等部品の供給不足の緩和に加え、グループ内最適生産による北米への販売増加により、売上高は24,795百万円(前連結会計年度22,892百万円)、営業利益は3,331百万円(前連結会計年度3,461百万円)となりました。
欧州
補助金廃止等でEV化が見直される中、HV車販売が増加した顧客向けと2輪車用部品の販売増により、売上高は6,841百万円(前連結会計年度6,318百万円)、営業利益は40百万円(前連結会計年度89百万円)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は51,151百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,076百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が592百万円増加、電子記録債権が268百万円減少、売掛金が396百万円減少、棚卸資産が1,694百万円増加したことによるものであります。固定資産は31,826百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,965百万円増加いたしました。これは、建物及び構築物が1,646百万円増加、機械装置及び運搬具が275百万円増加、投資有価証券が138百万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は、82,978百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,041百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,507百万円となり、前連結会計年度末に比べ623百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が237百万円減少、電子記録債務が266百万円減少、1年内返済予定の長期借入金が232百万円減少、未払法人税等が97百万円減少したことによるものであります。固定負債は5,613百万円となり、前連結会計年度末に比べ155百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が231百万円減少、リース債務が472百万円増加、退職給付に係る負債が79百万円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、19,120百万円となり、前連結会計年度末に比べ468百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は63,857百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,509百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が3,841百万円増加し、為替換算調整勘定が2,525百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は68.4%(前連結会計年度末は66.0%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,886百万円減少し、当連結会計年度末は17,960百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は8,670百万円の増加(前連結会計年度は9,912百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10,743百万円(資金の増加)および、減価償却費3,035百万円(資金の増加)、投資有価証券売却益147百万円(資金の減少)、売上債権の減少1,154百万円(資金の増加)、仕入債務の減少819百万円(資金の減少)、法人税等の支払額3,133百万円(資金の減少)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は6,213百万円の減少(前連結会計年度は3,361百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4,118百万円、投資有価証券の取得による支出36百万円、投資有価証券の売却による収入231百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は5,766百万円の減少(前連結会計年度は5,528百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出463百万円、配当金の支払額2,329百万円、非支配株主への配当金の支払額1,485百万円等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年 1月 1日 至 2024年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 18,619 | 93.7 |
| 北米 (百万円) | 15,689 | 114.6 |
| 中国 (百万円) | 9,961 | 90.5 |
| アジア(百万円) | 22,143 | 109.4 |
| 欧州 (百万円) | 6,514 | 111.5 |
| 合計 (百万円) | 72,928 | 103.2 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループの主要製品である自動車用ホースは、基本的には販売先からの受注による受注生産であり、必要なものを必要な時に納入する「ジャスト・イン・タイム」の定時・定量納入方式を特徴としております。
しかし、販売先より提示を受ける納入内示と実際の納入は、時期、数量が異なるとともに確定受注から納期までは極めて短い期間であります。従って、現実的には販売先からの四半期および翌月の生産計画の内示を基に、過去の実績・当社の生産能力を勘案した見込生産的な生産形態を採っております。
このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年 1月 1日 至 2024年12月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本 (百万円) | 18,645 | 94.6 |
| 北米 (百万円) | 14,438 | 106.7 |
| 中国 (百万円) | 9,908 | 86.9 |
| アジア(百万円) | 21,789 | 109.3 |
| 欧州 (百万円) | 6,575 | 108.6 |
| 合計 (百万円) | 71,356 | 101.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績について、2024年は中期経営計画(Nichirin New Sustainable Development Plan)において最終年度に備える中核的な年であり、また当社が創業110周年を迎えた節目の年として、新しい価値と多様性を兼ね備えた持続可能な成長に向け経営課題に取り組みました。
世界経済は、地域によって異なるものの、全体としては底堅い成長を維持し推移しました。一方で、中国経済の減速や中東情勢の緊迫化による景気下振れ、各国におけるインフレ抑制から金利利下げへの政策転換の動きなど、地政学的リスクや金融政策による経済への影響が顕著となりました。
当社グループの主要事業分野である自動車業界は、輸出向けHVの需要増加と円安継続が企業業績を押し上げましたが、能登半島地震や日系自動車メーカーにおける認証不正問題による出荷停止、中国市場での販売低迷の影響を受け、国内生産・海外生産ともに低調に推移しました。
このように外的環境要因による制約を受けながらの事業環境ではありましたが、円安継続による外貨建て売上高の増加を背景として、当連結会計年度の売上高は71,356百万円、営業利益は9,184百万円、経常利益は10,382百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は6,171百万円となりました。なお、売上高および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高となりました。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標および当連結会計年度の達成・進捗状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
| 指標 | 2023年(実績) | 2024年(計画) | 2024年(実績) | 2024年(計画比) | 2024年(前期比) | ||
| 売上高 | 70,631 | 72,000 | 71,356 | △644 | △0.9% | +725 | +1.0% |
| 営業利益 | 9,620 | 9,000 | 9,184 | +184 | +2.0% | △436 | △4.5% |
| 経常利益 | 10,548 | 9,500 | 10,382 | +882 | +9.3% | △166 | △1.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,915 | 5,300 | 6,171 | +871 | +16.4% | +256 | +4.3% |
(注)2024年計画は、2024年2月14日公表値を記載しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況は「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの事業は、自動車産業への依存度が90%以上であり、自動車業界の動向、顧客企業の業績や調達方針の変更などにより、経営成績に重要な影響を受ける可能性があります。
その他の要因につきましては、「第2 事業の状況」の「3事業等のリスク」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度末の現金及び預金は21,188百万円となり、前連結会計年度末に比べ592百万円増加いたしました。これは営業活動の結果獲得した資金が8,670百万円と前連結会計年度に比べ1,241百万円減少し、投資活動の結果使用した資金が6,213百万円と前連結会計年度に比べ2,852百万円増加し、財務活動の結果使用した資金が5,766百万円と前連結会計年度に比べ238百万円増加したことによります。
上記の他、各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金および金融機関からの借入金にて賄われております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,517百万円となっております。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は17,960百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成においては、資産・負債および収益・費用の適正な開示を行うため、貸倒引当金、退職給付に係る負債、賞与引当金などに関する引当については、過去の実績や当該事象の状況に照らし合理的と考えられる見積りおよび判断を行い、また価値の下落した投資有価証券の評価や繰延税金資産の計上については、将来の回復可能性や回収可能性などを考慮して計上しております。但し、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用しております会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「重要な会計方針」に記載のとおりであります。