有価証券報告書-第94期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/30 15:00
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況
当連結会計年度における海外経済は、米中貿易摩擦の影響を主要因とした米国製造業の停滞や中国経済の減速に加え、英国のEU離脱や中東における地政学リスクの高まりなど、景気減速が強まる状況が続きました。わが国経済も、海外経済の減速に伴い輸出は低迷し、内需においては消費増税の影響が見られるなど、景気は低調に推移しました。さらに、第4四半期には、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により経済活動が抑制され、製造業の操業停止、物流停滞や渡航制限が生じ、わが国を含む世界全体で景気が急速に悪化しました。
当社グループを取り巻く経営環境は、産業機械事業では、自動車分野向け樹脂製品の需要減速や中国での車載用リチウムイオン電池素材の市場停滞が続き、素形材・エネルギー事業では、大型鋳鍛鋼品の市場規模縮小に加え、天然ガスの需要拡大に伴い回復が期待されたクラッド鋼板・鋼管においても価格競争が激化するなど、厳しい状況が続きました。
このような状況のもとではありますが、当社グループでは「産業機械で『成長』、素形材・エネルギーは『新生』」をコンセプトとして掲げ、2018年5月に策定した2021年3月期までの3ヵ年の中期経営計画(JGP2020)に沿って、①経営資源の最適化とアライアンスの強化、②アフターサービス(ストック型ビジネス)の強化、③新事業探索、育成の活性化の3つを基本方針とした事業活動を推進してまいりました。
当社グループにおける当連結会計年度の業績につきましては、受注高は、素形材・エネルギー事業は増加したものの、産業機械事業が減少し、2,115億71百万円(前年同期比2.1%減)となりました。売上高は、産業機械事業及び素形材・エネルギー事業が共に前年同期並みの実績を確保し、2,175億27百万円(前年同期比1.2%減)となりました。損益面では、営業利益は187億9百万円(前年同期比23.0%減)、経常利益は199億7百万円(前年同期比28.7%減)となりました。また、前連結会計年度は固定資産売却による特別利益を計上した一方、当連結会計年度は株式市場全体の株価下落により投資有価証券評価損を計上したこと及び既設の風力発電機の保守・補修等のメンテナンス事業における追加費用として事業再構築引当金繰入額を特別損失に計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は93億10百万円(前年同期比53.4%減)となりました。
また、当社グループにおける当連結会計年度末における財政状態につきましては、総資産は2,971億73百万円(前連結会計年度末比82億98百万円減)、負債は1,646億80百万円(前連結会計年度末比109億63百万円減)、純資産は1,324億92百万円(前連結会計年度末比26億65百万円増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(産業機械事業)
受注高は、樹脂製造・加工機械及び成形機が減少したことから、1,626億51百万円(前年同期比7.5%減)となりました。
売上高は、樹脂製造・加工機械が増加したものの、成形機及びFPD装置が減少したことから、1,714億16百万円(前年同期比1.3%減)となりました。
営業利益は、売上製品構成の変化などにより、192億72百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
(素形材・エネルギー事業)
受注高は、鋳鍛鋼製品及びクラッド鋼板・鋼管が共に増加したことから、449億91百万円(前年同期比31.8%増)となりました。
売上高は、鋳鍛鋼製品及びクラッド鋼板・鋼管が共に前年同期並みの実績を確保し、414億18百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
営業利益は、減価償却費の増加などにより、24億84百万円(前年同期比7.1%減)となりました。
(その他事業)
受注高は39億28百万円、売上高は46億91百万円、営業損失は1億46百万円となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比6億57百万円増加し、744億77百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、189億59百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を計上したことに加え、運転資金が減少したこと等によるものです。なお、前年同期は10億92百万円の獲得でした。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、131億72百万円となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出があったためです。なお、前年同期は13億34百万円の支出でした。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、61億64百万円となりました。これは主に、配当金の支払や短期借入金の減少による支出があったためです。なお、前年同期は37億58百万円の支出でした。
③ 生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自2019年4月1日 至2020年3月31日)
前期比 (%)
産業機械事業(百万円)172,381△1.2
素形材・エネルギー事業(百万円)41,4180.4
その他事業(百万円)4,691△10.7
合計(百万円)218,491△1.1

(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)
受注高(百万円)前期比 (%)受注残高
(百万円)
前期比 (%)
産業機械事業162,651△7.5136,407△6.0
素形材・エネルギー事業44,99131.840,1609.8
その他事業3,928△37.41,229△38.3
合計211,571△2.1177,798△3.2

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自2019年4月1日 至2020年3月31日)
前期比 (%)
産業機械事業(百万円)171,416△1.3
素形材・エネルギー事業(百万円)41,4180.4
その他事業(百万円)4,691△10.7
合計(百万円)217,527△1.2

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について当該資産の回収可能性がないと判断している金額に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の収益力に基づく課税所得の見積、タックス・プランニングなどを考慮して、将来の支払税金を減額する効果を有すると判断した範囲で繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は当社グループの収益力に基づく将来の課税所得の見積りなどに依存するため、その見積りの変動は繰延税金資産、法人税等調整額に影響を与える可能性があります。
(退職給付に係る負債・退職給付に係る資産)
退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用は、数理計算上の仮定に基づいて計算しております。これらの仮定には、割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率、退職率、死亡率等が含まれております。割引率は、支払見込期間に対応する社債利回りを基に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を基礎として決定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付に係る負債、退職給付に係る資産及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
② 財政状態
1.総資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末比82億98百万円減少し、2,971億73百万円となりまし
た。これは主に、受取手形及び売掛金などの流動資産が減少したことに加え、株価下落により投資有価証券が減少したためであります。
2.負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比109億63百万円減少し、1,646億80百万円となりました。
これは主に、支払手形及び買掛金などの流動負債が減少したためであります。なお、有利子負債は、前連結会計年度末比7億24百万円減の520億64百万円となりました。
3.純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末比26億65百万円増加し、1,324億92百万円となりまし
た。これは主に、利益剰余金が増加したためであります。
③ 経営成績
1.売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比26億26百万円(1.2%)減の2,175億27百万円となりました。これは、産業機械事業及び素形材・エネルギー事業が共に前年同期並みの実績を確保したことによるものです。
2.売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度比32億55百万円(6.1%)減の502億75百万円となりました。
3.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比23億25百万円(8.0%)増の315億66百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比55億81百万円(23.0%)減の187億9百万円となりました。営業利益率は、前連結会計年度比2.4ポイント減少し、8.6%となりました。
4.営業外損益、経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度比16億35百万円(38.9%)減の25億65百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比8億1百万円(141.6%)増の13億67百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比80億18百万円(28.7%)減の199億7百万円となりました。経常利益率は、前連結会計年度比3.5ポイント減少し、9.2%となりました。
5.特別損益、税金等調整前当期純損益
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度比22億73百万円(52.8%)減の20億36百万円となりました。特別損失は、前連結会計年度比48億71百万円(166.9%)増の77億89百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比151億62百万円(51.7%)減の141億54百万円となりました。
6.親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前連結会計年度比45億6百万円(49.4%)減の46億20百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比106億55百万円(53.4%)減の93億10百万円となりました。また、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は126.66円となりました。
④ 経営上の目標の達成状況
当社グループは、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画「JGP2020」を策定しております。当連結会計年度までに実施又は計画した具体的な施策は以下の通りであります。
[産業機械事業]
○フィルム・シート製造装置の事業規模拡大に向けた取り組み
・セパレータフィルム製造用途を中心とした中長期的な需要拡大に対応するための生産設備増強を実施し、事業規模拡大に向けた体制を確立しました。
・2018年4月より株式会社ジーエムエンジニアリングとの資本業務提携を開始しておりましたが、2019年4月には同社株式を追加で取得し、連結子会社化しております。同社は、食品用途を中心とした中小型シート装置に強みを有します。大型のフィルム装置に強みを持つ当社とのシナジーにより事業拡大を早期に推進してまいります。
・当社は、2019年11月にニチユマシナリー株式会社の全株式を取得し、連結子会社化しております。同社は、樹脂フィルム・シート等の生産ライン向けに巻取機を製造・販売し、国内外に事業を展開しております。当社は、フィルム・シート製造装置のフルライン提供力の強化を目的として、同社を吸収合併する方針を決定しました。合併を機に、経営資源の活用・最適配置による生産性向上と販売・サービス体制の強化を図ってまいります。
○大型射出成形機の生産体制拡充に向けた取り組み
・当社の完全子会社である株式会社名機製作所は、自動車関連向けの大型射出成形機を軸として堅調に事業を展開しております。自動車産業では、今後も部品の樹脂化によって大型射出成形機の需要拡大が予想されます。こうした需要に的確に対応すべく、株式会社名機製作所を2020年4月1日付で吸収合併しました。今後も、グループ経営資源の最適配分による生産能力の増強を図ってまいります。
[素形材・エネルギー事業]
○日本製鋼所M&E株式会社の設立
・素形材・エネルギー事業の現状規模での安定黒字体制確立を目的として、室蘭製作所を中心とする組織再編を実施し、2020年4月1日付で日本製鋼所M&E株式会社を設立しました。今後は、鋳鍛鋼製品の製品ポートフォリオの転換による成長分野へのシフト、クラッド鋼板・鋼管の競争力強化、第三の柱であるトータルエンジニアリングサービス事業(TES事業)の育成に取り組んでまいります。
○クラッド鋼板・鋼管の競争力強化
・天然ガスの需要増加に伴い伸長が期待されるクラッド鋼板・鋼管の競争力強化を目的として、2019年3月期から2022年3月期までの4ヵ年計画で設備投資を進めております。
○月島機械株式会社と製造分野での協業開始および強化
・月島機械株式会社との製造分野での協業に向け、月島機械市川工場の製造機能について、当社室蘭製作所構内の第4鉄構工場他への移設を進めておりましたが、2019年4月には月島機械室蘭工場として操業を開始しました。また、2019年12月には協業の範囲拡大を伴う関係の強化について合意しております。当社としては、同社が有するエンジニアリング・サービス分野における豊富なノウハウの活用により、TES事業の育成に取り組んでまいります。
[その他事業]
○銅合金等の溶解・鋳造加工を行う合弁会社設立
・当社とJX金属株式会社とは、銅合金の溶解・鋳造加工を行う室蘭銅合金株式会社を2019年8月に設立しました。同社の設立により、従来の鉄鋼製品に加えて、高機能金属素材分野における事業拡大を推進し、素形材・エネルギー事業の再構築を加速してまいります。
○情報技術の機能強化
・機械学習等の先端的な情報技術の機能強化を目的として、当社の完全子会社である日鋼情報システム株式会社を2019年4月1日付で吸収合併しました。情報システム部門を同一組織内に置くことで、IoT等の情報技術活用に関する体制を固め、製品価値・サービス価値の向上を図ってまいります。
(3)資本の源泉及び資金の流動性
① キャッシュ・フロー
○当連結会計年度の概要
2018年3月期2019年3月期2020年3月期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
26,7121,09218,95917,867
投資活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△5,077△1,334△13,172△11,838
財務活動によるキャッシュ・フロー
(百万円)
△2,457△3,758△6,164△2,405
現金及び現金同等物に係る換算差額
(百万円)
30△58△65△7
現金及び現金同等物の増減額(百万円)19,208△4,059△4433,616
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額
(百万円)
--1,1001,100
現金及び現金同等物の期末残高
(百万円)
77,87973,82074,477657
借入金等及び社債の期末残高(百万円)52,64752,78852,064△724

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末比6億57百万円増加し、744億77百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)38.6139.3642.0444.02
時価ベースの自己資本比率(%)47.8983.9049.0732.36
債務償還年数(年)4.42.048.32.8
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)43.9103.74.468.8

② 流動性と資金の源泉
当社グループは、現在及び将来の事業活動のための適切な水準の流動性を維持すると同時に、資本効率の最適化を重要な財務活動の方針としております。上記目的の為、日常的に運転資金の効率化活動を推進すると共に、投融資・設備投資にあたっては、資本効率向上の観点から厳選しております。
当社グループは、営業活動により創出されるキャッシュ・フローと現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉と考えております。また、資金需要に応じて株式等の資本性証券や社債の発行及び金融機関からの借入も可能と考えております。
③ 財務政策
当社グループは現在、運転資金等の短期資金については、主として短期借入金により、当社及び各々連結子会社が調達しています。2020年3月31日現在、1年以内に返済予定の長期借入金を除く短期借入金の残高は100億48百万円です。
これに対して、機械設備の新設などの有形固定資産の取得やアライアンスの推進等の長期資金については、原則として自己資本・長期借入金にて調達しております。2020年3月31日現在、1年以内に返済予定のものを含む長期借入金残高は408億47百万円で、全て金融機関からの借入によるものであります。
借入金等の概要については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 ⑤連結附属明細表」のとおりであります。
当社グループは、引き続き財務の健全性を保ち、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出すとともに、資金需要に応じて株式等の資本性証券や社債の発行及び金融機関からの借入も実施することで、将来必要な運転資金、設備投資資金及びアライアンスの推進資金を調達することが可能と考えています。

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