有価証券報告書-第65期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済情勢は、米国においては好調な企業業績を背景にほぼ安定して推移しましたが、中国においては過剰債務削減による投資の減速と、第3四半期以降の米中貿易摩擦による消費の減速から景気の鈍化が鮮明になり、その影響は欧州の企業業績にも波及しました。米中の貿易摩擦の行方は依然不透明であり、また混迷する英国のEU離脱問題や中東、東アジアの地政学リスクもあり、先行き予断を許さない状況となっています。
日本経済は比較的安定して推移してきましたが、第3四半期以降は中国経済減速の影響が企業業績に直接悪影響を及ぼす状況となりました。
このような経済環境のもと当社事業においても、第3四半期以降、主に自動車向け製品の販売が減少し、全体として売上・利益とも前年を下回ることになりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ59億72百万円増加し、1,724億33百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億66百万円増加し、835億47百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ36億5百万円増加し、888億86百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は1,493億61百万円(前期比1.0%減)、営業利益は97億55百万円(前期比16.8%減)、経常利益は117億3百万円(前期比15.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は70億32百万円(前期比32.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[自動車・建設機械業界向け事業]
当事業は、建設機械市場は堅調であったものの、自動車向け製品は、中国・欧州市場などにおいて販売が急激に減速したことにより、当セグメントの売上高は952億82百万円(前期比3.9%減)、営業利益は販売の減少及び変動費等の増加により44億33百万円(前期比33.0%減)となりました。
[一般産業機械・半導体業界向け事業]
当事業は、半導体業界向け製品については、業界全体の投資抑制の影響を受けたものの、一般産業機械向け製品では、インド等でOEM及びプラント向けで堅調に推移し、当セグメントの売上高は382億94百万円(前期比7.2%増)となりました。営業利益は国内における変動費の増加等により35億37百万円(前期比12.8%減)となりました。なお、当連結会計年度より報告セグメントの名称を「一般産業機械業界向け事業」から「一般産業機械・半導体業界向け事業」へ変更しております。
[舶用業界向け事業]
当事業は、修繕部品は回復基調にあるものの、新造船需要は依然低い水準で推移したことにより、当セグメントの売上高は97億65百万円(前期比6.6%減)となりました。営業利益はプロダクトミックス等により12億91百万円(前期比25.3%増)となりました。
[航空宇宙業界向け事業]
当事業は、民間航空機向け製品等が増加したことにより、当セグメントの売上高は60億18百万円(前期比10.3%増)、営業利益は4億84百万円(前期は26百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は197億33百万円となり、前連結会計年度末対比6億89百万円の減少となりました。
各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は146億14百万円(前期比23.7%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益114億80百万円、減価償却費89億1百万円を計上した一方、法人税等の支払43億91百万円及び棚卸資産が24億3百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は143億25百万円(前期比67.2%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得により134億80百万円支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億7百万円(前期比74.2%減)となりました。これは主に長期借入れにより150億円獲得した一方、長期借入金の返済により124億29百万円、配当金の支払(非支配株主への支払を含む)により34億48百万円支出したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次の通りであります。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、3カ年計画(2017年4月~2020年3月)の2年目でありましたが、売上高、営業利益とも当初3ヵ年計画を下回る結果となりました。前期から引き続き、新製品の研究開発・経営体質強化のためのERP導入・「永遠のゼロ」をスローガンとした品質改善活動など、中長期的な成長を見据え将来に向けた投資を重点的に実施しておりましたが、第3四半期以降自動車向け製品の販売が中国・欧州市場において急激に減速したことにより、期中から経費削減施策を展開したものの、計画に達することができませんでした。
3ヵ年計画の最終年度となる次期については、一般産業機械業界、半導体業界、舶用業界、航空宇宙業界向けの販売は増加を見込んでいるものの、自動車・建設機械のグローバル生産台数が前期並みに留まり微減収となることが見込まれるため、当初目標の売上高1,800億円、営業利益180億円(営業利益率10%)を売上高1,550億円、営業利益100億円(営業利益率6.5%)に修正いたしました。
当連結会計年度末の資産合計は1,724億33百万円(前期比3.6%増)となりました。これは主に設備投資により有形固定資産が増加したことによるものであります。負債合計は835億47百万円(前期比2.9%増)となりました。これは主に設備投資に係る借入金が増加したことによるものであります。純資産合計は888億86百万円(前期比4.2%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと及び剰余金の配当を実施したことによるものであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については金融機関からの短期借入金で、生産設備などの長期資金は、金融機関からの長期借入金で調達しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は426億97百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は197億33百万円となっております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[自動車・建設機械業界向け事業]
当事業は、建設機械向け製品は堅調に推移しましたが、第3四半期以降自動車向け製品の販売が急速に減速したことにより減収となりました。利益面でも販売の減少、不良品の発生に伴う変動費率の悪化等により減益となりました。中国・欧州での販売回復が不透明ではありますが、コストダウン生産性向上に注力し利益の確保に努めてまいります。
また、「グローバル生産体制の構築」を目標に掲げ、顧客の動向に合わせた「地産地消」と「BCM対応」をベースとした考え方で現地生産を進めておりますが、今後も各拠点間で連携し生産分散化を展開してまいります。
次世代自動車への取り組みとして、将来の主要市場と想定される中国・欧州において、顧客や技術動向把握のため、中国(無錫)にR&Dセンターを設立し、ドイツ(ヘッペンハイム)においても2019年7月に設立を予定しております。また、新規開発製品についても表面テクスチャリング技術を応用したEV用駆動モーター軸冷却用メカニカルシールや水素制御弁等の開発を行っており、各国の自動車メーカーやモーターメーカーからの引き合いも年々増加しております。
今後2~3年は外部経済環境の悪化等を背景に収益面で踊り場が続く見通しですが、中長期的には次世代自動車向け製品の販売が増加する見込みであり、当社の技術・製品が大きく花開くものと見込んでおります。
[一般産業機械・半導体業界向け事業]
当事業は、半導体業界向け製品は業界全体の投資抑制の影響を受けたものの、一般産業機械業界向け製品では、日本・インド・アジアパシフィック全地域で堅調に推移し増収となりました。利益面では国内における変動費の増加等により減益となりました。
一般産業機械業界向け事業においては、世界各地で石油関連プラントの建設が進行しており、インド・アジアパシフィック地域でも多くのプロジェクトが見込まれております。投資回収期間にかかわらず、現在価値計算を踏まえて総合的に投資効果が見込まれるプロジェクト案件は積極的に受注し、アフターサービスの実施による利益確保を視野にいれたビジネスを今後も展開してまいります。
半導体業界向け事業においては、一時的な市場の落ち込みもありましたが、韓国の半導体製造装置市場は拡大傾向が今後も見込まれていることから、韓国の生産拠点に新工場を設立し磁性流体シールの現地生産を開始することといたしました。海外生産によりグローバルでの販売を強化してまいります。
[舶用業界向け事業]
当事業は、修繕需要が欧州・東南アジア地域で回復傾向となった一方で、新造船向け製品の需要が、底打ちの気配がみられるものの、低調に推移したことにより減収となりました。利益面ではプロダクトミックス等により増益となりました。
新造船向けの販売はここ数年低迷しておりましたが、2017年に底をうち、今後は緩やかに回復していく見込みであります。修繕部品についても2016年1月の米国バラスト水規制発行前の駆け込み需要の反動から低迷しておりましたが、その後5年を経過したことから、次期以降に需要が増加するものと見込んでおります。
[航空宇宙業界向け事業]
当事業は、民間航空機向け製品等が増加したことにより、増収増益となりました。
当社グループの航空宇宙関連製品は、航空機・ロケットのエンジンのほか人工衛星などの宇宙機器にも使用されております。小惑星探査機「はやぶさ2」にも当社製品が多数採用され、ミッションの成功に貢献しております。また、年々市場が拡大している民間航空機についても主要エンジンメーカーへの拡販に引き続き取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済情勢は、米国においては好調な企業業績を背景にほぼ安定して推移しましたが、中国においては過剰債務削減による投資の減速と、第3四半期以降の米中貿易摩擦による消費の減速から景気の鈍化が鮮明になり、その影響は欧州の企業業績にも波及しました。米中の貿易摩擦の行方は依然不透明であり、また混迷する英国のEU離脱問題や中東、東アジアの地政学リスクもあり、先行き予断を許さない状況となっています。
日本経済は比較的安定して推移してきましたが、第3四半期以降は中国経済減速の影響が企業業績に直接悪影響を及ぼす状況となりました。
このような経済環境のもと当社事業においても、第3四半期以降、主に自動車向け製品の販売が減少し、全体として売上・利益とも前年を下回ることになりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ59億72百万円増加し、1,724億33百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ23億66百万円増加し、835億47百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ36億5百万円増加し、888億86百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は1,493億61百万円(前期比1.0%減)、営業利益は97億55百万円(前期比16.8%減)、経常利益は117億3百万円(前期比15.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は70億32百万円(前期比32.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[自動車・建設機械業界向け事業]
当事業は、建設機械市場は堅調であったものの、自動車向け製品は、中国・欧州市場などにおいて販売が急激に減速したことにより、当セグメントの売上高は952億82百万円(前期比3.9%減)、営業利益は販売の減少及び変動費等の増加により44億33百万円(前期比33.0%減)となりました。
[一般産業機械・半導体業界向け事業]
当事業は、半導体業界向け製品については、業界全体の投資抑制の影響を受けたものの、一般産業機械向け製品では、インド等でOEM及びプラント向けで堅調に推移し、当セグメントの売上高は382億94百万円(前期比7.2%増)となりました。営業利益は国内における変動費の増加等により35億37百万円(前期比12.8%減)となりました。なお、当連結会計年度より報告セグメントの名称を「一般産業機械業界向け事業」から「一般産業機械・半導体業界向け事業」へ変更しております。
[舶用業界向け事業]
当事業は、修繕部品は回復基調にあるものの、新造船需要は依然低い水準で推移したことにより、当セグメントの売上高は97億65百万円(前期比6.6%減)となりました。営業利益はプロダクトミックス等により12億91百万円(前期比25.3%増)となりました。
[航空宇宙業界向け事業]
当事業は、民間航空機向け製品等が増加したことにより、当セグメントの売上高は60億18百万円(前期比10.3%増)、営業利益は4億84百万円(前期は26百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は197億33百万円となり、前連結会計年度末対比6億89百万円の減少となりました。
各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は146億14百万円(前期比23.7%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益114億80百万円、減価償却費89億1百万円を計上した一方、法人税等の支払43億91百万円及び棚卸資産が24億3百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は143億25百万円(前期比67.2%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得により134億80百万円支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は7億7百万円(前期比74.2%減)となりました。これは主に長期借入れにより150億円獲得した一方、長期借入金の返済により124億29百万円、配当金の支払(非支配株主への支払を含む)により34億48百万円支出したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期増減率(%) |
| 自動車・建設機械業界向け事業(百万円) | 94,686 | 96.5 |
| 一般産業機械・半導体業界向け事業(百万円) | 35,605 | 106.7 |
| 舶用業界向け事業(百万円) | 9,765 | 93.4 |
| 航空宇宙業界向け事業(百万円) | 5,330 | 114.2 |
| 合計(百万円) | 145,388 | 99.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
| セグメントの名称 | 受注高 | 前年同期増減率(%) | 受注残高 | 前年同期増減率(%) |
| 自動車・建設機械業界向け事業(百万円) | 92,626 | 92.3 | 5,428 | 67.1 |
| 一般産業機械・半導体業界向け事業(百万円) | 38,757 | 105.7 | 5,018 | 110.2 |
| 舶用業界向け事業(百万円) | 10,308 | 108.4 | 2,570 | 126.8 |
| 航空宇宙業界向け事業(百万円) | 6,550 | 106.1 | 5,845 | 110.0 |
| 合計(百万円) | 148,243 | 97.1 | 18,862 | 94.4 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期増減率(%) |
| 自動車・建設機械業界向け事業(百万円) | 95,282 | 96.1 |
| 一般産業機械・半導体業界向け事業(百万円) | 38,294 | 107.2 |
| 舶用業界向け事業(百万円) | 9,765 | 93.4 |
| 航空宇宙業界向け事業(百万円) | 6,018 | 110.3 |
| 合計(百万円) | 149,361 | 99.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次の通りであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| NOK株式会社 | 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) |
| 34,441 | 22.8 | 32,184 | 21.5 | |
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、3カ年計画(2017年4月~2020年3月)の2年目でありましたが、売上高、営業利益とも当初3ヵ年計画を下回る結果となりました。前期から引き続き、新製品の研究開発・経営体質強化のためのERP導入・「永遠のゼロ」をスローガンとした品質改善活動など、中長期的な成長を見据え将来に向けた投資を重点的に実施しておりましたが、第3四半期以降自動車向け製品の販売が中国・欧州市場において急激に減速したことにより、期中から経費削減施策を展開したものの、計画に達することができませんでした。
3ヵ年計画の最終年度となる次期については、一般産業機械業界、半導体業界、舶用業界、航空宇宙業界向けの販売は増加を見込んでいるものの、自動車・建設機械のグローバル生産台数が前期並みに留まり微減収となることが見込まれるため、当初目標の売上高1,800億円、営業利益180億円(営業利益率10%)を売上高1,550億円、営業利益100億円(営業利益率6.5%)に修正いたしました。
当連結会計年度末の資産合計は1,724億33百万円(前期比3.6%増)となりました。これは主に設備投資により有形固定資産が増加したことによるものであります。負債合計は835億47百万円(前期比2.9%増)となりました。これは主に設備投資に係る借入金が増加したことによるものであります。純資産合計は888億86百万円(前期比4.2%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと及び剰余金の配当を実施したことによるものであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については金融機関からの短期借入金で、生産設備などの長期資金は、金融機関からの長期借入金で調達しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は426億97百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は197億33百万円となっております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[自動車・建設機械業界向け事業]
当事業は、建設機械向け製品は堅調に推移しましたが、第3四半期以降自動車向け製品の販売が急速に減速したことにより減収となりました。利益面でも販売の減少、不良品の発生に伴う変動費率の悪化等により減益となりました。中国・欧州での販売回復が不透明ではありますが、コストダウン生産性向上に注力し利益の確保に努めてまいります。
また、「グローバル生産体制の構築」を目標に掲げ、顧客の動向に合わせた「地産地消」と「BCM対応」をベースとした考え方で現地生産を進めておりますが、今後も各拠点間で連携し生産分散化を展開してまいります。
次世代自動車への取り組みとして、将来の主要市場と想定される中国・欧州において、顧客や技術動向把握のため、中国(無錫)にR&Dセンターを設立し、ドイツ(ヘッペンハイム)においても2019年7月に設立を予定しております。また、新規開発製品についても表面テクスチャリング技術を応用したEV用駆動モーター軸冷却用メカニカルシールや水素制御弁等の開発を行っており、各国の自動車メーカーやモーターメーカーからの引き合いも年々増加しております。
今後2~3年は外部経済環境の悪化等を背景に収益面で踊り場が続く見通しですが、中長期的には次世代自動車向け製品の販売が増加する見込みであり、当社の技術・製品が大きく花開くものと見込んでおります。
[一般産業機械・半導体業界向け事業]
当事業は、半導体業界向け製品は業界全体の投資抑制の影響を受けたものの、一般産業機械業界向け製品では、日本・インド・アジアパシフィック全地域で堅調に推移し増収となりました。利益面では国内における変動費の増加等により減益となりました。
一般産業機械業界向け事業においては、世界各地で石油関連プラントの建設が進行しており、インド・アジアパシフィック地域でも多くのプロジェクトが見込まれております。投資回収期間にかかわらず、現在価値計算を踏まえて総合的に投資効果が見込まれるプロジェクト案件は積極的に受注し、アフターサービスの実施による利益確保を視野にいれたビジネスを今後も展開してまいります。
半導体業界向け事業においては、一時的な市場の落ち込みもありましたが、韓国の半導体製造装置市場は拡大傾向が今後も見込まれていることから、韓国の生産拠点に新工場を設立し磁性流体シールの現地生産を開始することといたしました。海外生産によりグローバルでの販売を強化してまいります。
[舶用業界向け事業]
当事業は、修繕需要が欧州・東南アジア地域で回復傾向となった一方で、新造船向け製品の需要が、底打ちの気配がみられるものの、低調に推移したことにより減収となりました。利益面ではプロダクトミックス等により増益となりました。
新造船向けの販売はここ数年低迷しておりましたが、2017年に底をうち、今後は緩やかに回復していく見込みであります。修繕部品についても2016年1月の米国バラスト水規制発行前の駆け込み需要の反動から低迷しておりましたが、その後5年を経過したことから、次期以降に需要が増加するものと見込んでおります。
[航空宇宙業界向け事業]
当事業は、民間航空機向け製品等が増加したことにより、増収増益となりました。
当社グループの航空宇宙関連製品は、航空機・ロケットのエンジンのほか人工衛星などの宇宙機器にも使用されております。小惑星探査機「はやぶさ2」にも当社製品が多数採用され、ミッションの成功に貢献しております。また、年々市場が拡大している民間航空機についても主要エンジンメーカーへの拡販に引き続き取り組んでまいります。