有価証券報告書-第66期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/24 11:27
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151項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済情勢は、米中貿易摩擦による世界的な貿易の停滞、英国のEU離脱問題、中東・東アジアの地政学リスク等により、景気悪化の状況となりました。
日本経済の情勢は、上期は比較的安定しておりましたが、下期に入り消費税率の引き上げ、米中貿易摩擦等により景況の減速が顕著になりました。
加えて、年明けからの新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が、グローバルな生産活動に影響を与え、世界経済の一層の悪化が避けられなくなりました。
このような事業環境のもと、当社事業においては自動車・建設機械業界向け事業での販売不振、及び半導体業界向け事業での需要回復の遅れ等の影響を受けました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ56億33百万円減少し、1,668億円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ12億33百万円増加し、847億80百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ68億66百万円減少し、820億19百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は1,421億6百万円(前期比4.9%減)、営業利益は57億72百万円(前期比40.8%減)、経常利益は67億66百万円(前期比42.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は29億7百万円(前期比58.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
[自動車・建設機械業界向け事業]
当事業は、中国をはじめ世界の自動車生産台数が急減し、自動車向け製品がその影響を広く受けたことにより、当セグメントの売上高は866億48百万円(前期比9.1%減)、営業利益は20億48百万円(前期比53.8%減)となりました。
[一般産業機械業界向け事業]
当事業は、日本市場の需要が減少傾向となったことに加え、海外市場においても好調であったインドにおいて下期に陰りが出てきたことにより、当セグメントの売上高は304億81百万円(前期比0.8%減)となりました。営業利益は、ASEANでの石油関連プロジェクトへの投資に伴う引当を実施したこともあり24億円(前期比29.7%減)となりました。
[半導体業界向け事業]
当事業は、半導体業界全体での投資の抑制が継続したことにより、当セグメントの売上高は70億86百万円(前期比6.5%減)、営業損失は6億36百万円(前期は営業利益1億23百万円)となりました。
[舶用業界向け事業]
当事業は、修繕部品需要の回復に加え、新造船需要も緩やかながら回復基調となり、当セグメントの売上高は109億円(前期比11.6%増)、営業利益は15億44百万円(前期比19.6%増)となりました。
[航空宇宙業界向け事業]
当事業は、衛星用大口製品の販売などがあり、当セグメントの売上高は69億88百万円(前期比16.1%増)となりました。営業利益はプロダクトミックス等により3億97百万円(前期比18.0%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は200億89百万円となり、前連結会計年度末対比3億55百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は160億43百万円(前期比9.8%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益65億36百万円、減価償却費98億41百万円を計上し、利息及び配当金の受取により19億35百万円獲得した一方、法人税等の支払により33億90百万円支出したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は108億88百万円(前期比24.0%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得により103億13百万円支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は40億64百万円(前期比474.5%増)となりました。これは主に配当金の支払(非支配株主への支払を含む)により30億61百万円支出したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産、受注及び販売の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期増減率(%)
自動車・建設機械業界向け事業(百万円)85,58990.4
一般産業機械業界向け事業(百万円)29,13797.2
半導体業界向け事業(百万円)5,19792.4
舶用業界向け事業(百万円)10,705109.6
航空宇宙業界向け事業(百万円)5,438102.0
合計(百万円)136,06993.6

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
セグメントの名称受注高前年同期増減率(%)受注残高前年同期増減率(%)
自動車・建設機械業界向け事業(百万円)85,18192.03,96173.0
一般産業機械業界向け事業(百万円)30,27496.33,83294.9
半導体業界向け事業(百万円)7,19198.41,085110.8
舶用業界向け事業(百万円)10,836105.12,50697.5
航空宇宙業界向け事業(百万円)7,561115.46,419109.8
合計(百万円)141,04695.117,80394.4

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期増減率(%)
自動車・建設機械業界向け事業(百万円)86,64890.9
一般産業機械業界向け事業(百万円)30,48199.2
半導体業界向け事業(百万円)7,08693.5
舶用業界向け事業(百万円)10,900111.6
航空宇宙業界向け事業(百万円)6,988116.1
合計(百万円)142,10695.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績は次の通りであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
NOK株式会社金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
32,18421.528,27019.9

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、3カ年計画(2017年4月~2020年3月)の最終年度でありましたが、売上高、営業利益とも前期に修正した計画値を下回る結果となりました。(売上高△128億円、営業利益△42億円、営業利益率△2.4ポイント)
前期から引き続き、「永遠のゼロ」をスローガンとした品質改善活動・次世代商品の開発・経営体質強化のためのERP導入/活用など、中長期的な成長を見据え将来に向けた投資を重点的に実施しつつ、徹底したTCD(Total Cost Down)・ムダ半活動(ムダの排除~すべてを半分に~)による利益創出、半導体業界全体の拡大を見据えたグローバルでの生産販売体制の強化など収益の確保にも努めてまいりましたが、米中貿易摩擦による景気鈍化が鮮明となり、自動車産業においても「CASE(注)」をキーワードとした技術革新を迎え、自動車・建設機械業界向け事業を中心に販売が減少し、計画に達することができませんでした。
(注) Connected、Autonomous、Shared & Services、Electricの頭文字を繋げた略語
当連結会計年度末の資産合計は1,668億円(前期比3.3%減)となりました。円相場が上昇したことにより、在外子会社の有形固定資産邦貨換算額及び持分法適用関連会社株式が減少したことが主な要因であります。負債合計は847億80百万円(前期比1.5%増)となりました。半導体業界向け事業拡大のため従業員が増加したことに伴う退職給付債務の増加及びASEANでの石油関連プロジェクトへの投資に伴い受注損失引当金を計上したことが主な要因であります。純資産合計は820億19百万円(前期比7.7%減)となりました。メキシコペソをはじめほぼ全ての通貨に対して円高となったことにより為替換算調整勘定が減少したことが主な要因であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[自動車・建設機械業界向け事業]
中国をはじめとした世界の自動車生産台数が急減したことから、売上高及び営業利益ともに当初計画から大幅に落ち込みました。
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響より、自動車生産台数も更なる減少が想定されるため、逐次市況動向を見極めた上で適切な生産調整を各拠点で対応してまいります。なお、かねてより進めている電気自動車をはじめとした次世代自動車向け製品の開発は一部量産化も決定しておりますので、将来の収益確保の観点と長期的な販売動向のバランスを注視した上で継続してまいります。
[一般産業機械業界向け事業]
当社グループの主要市場である日本・インド・東南アジア地域は、日本、インドにおいて需要が減少傾向となり売上高は当初計画よりも落ち込みました。また将来の収益確保を見通した石油関連プロジェクトへの投資に伴う引当金を計上したことより営業利益も減少いたしました。
2020年度は、インドにおいて新型コロナウイルス感染拡大対策としてのロックダウンの影響により経済活動が停滞していること、並びに原油価格の低下の影響より、主要市場である石油精製・石油化学業界各開発プロジェクトの停止・延期等も想定され、市場動向には一層の注視を要しております。これより、経済活動再開と需要を見極めたうえでの生産販売を継続してまいります。なお、長期的には世界的なエネルギー需要増加に伴い、当社製品・サービスの販売拡大は見込まれますので、市場シェアの確保と将来の収益確保を見通したビジネスモデルの構築を今後も進めてまいります。
[半導体業界向け事業]
半導体業界全体において投資の抑制が続いたことより、当初計画と比較し売上高が減少いたしました。
一方で、半導体業界を取り巻く環境は、次世代通信規格「5G」の商用化の開始をはじめデータ通信の速度・容量の増加を背景に、2020年度における半導体需要はこれまで以上の拡大が見込まれます。以上の認識のもと、既に設立済みの国内及び海外の生産拠点を有効に活用した生産を進め、既存製品の販売シェアの拡大と新製品開発提案により主要半導体製造装置メーカーへの拡販を進めてまいります。
[舶用業界向け事業]
海運・造船市場において船腹過剰状態が続いていることより、新造船建造隻数は停滞し、販売は当初計画からも減少いたしました。一方で、アフターサービス・修繕需要は船舶定期点検周期の関係より計画通りの収益を得ております。
2020年度は、新造船建造隻数が引き続き不透明な状況にあるため、既存納入製品のアフターサービス確保を第一に取り組んでまいります。長期的には海洋環境保全の強化により、環境配慮型船舶のニーズが見込まれますので、従来の油潤滑式シール装置に代わる水潤滑式シール装置・船尾管軸受の開発に注力してまいります。また、新規市場として海洋・潮流発電市場への製品拡販も進めてまいります。
[航空宇宙業界向け事業]
主に衛星向け製品の販売は増加いたしましたが、当初計画には未達となりました。
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大により航空機業界の大幅な市場縮減が予想されることから、継続中の民間航空機向け製品の開発には注視を要しております。一方で国内宇宙開発プロジェクト向け製品及びガスタービン、パワージェネレーター向け製品の販売は当初計画どおり推移しておりますので、各分野の需要動向に応じたコスト削減を図ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要のうち主なものは原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金は金融機関からの短期借入金で、生産設備などの長期資金は金融機関からの長期借入金で調達しております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は421億85百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は200億89百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や将来の事業計画等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目は以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響が少なくとも2021年3月期末までには収束するものと仮定して繰延税金資産の回収可能性の会計上の見積りを行っております。
b.退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率及び年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しております。割引率は、期末における長期国債の利回りを基礎として決定しており、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産から現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。割引率及び長期期待運用収益率等の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。

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