有価証券報告書-第89期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/29 11:35
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⑴ 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度を取り巻く経営環境は、年度当初は景気が緩やかに回復する展開が見られましたが、夏場以降は半導体等の世界的な供給制約やコロナの感染再拡大に加えて原材料価格の上昇もあり、景気回復のテンポは鈍化しました。年度末にかけてはロシア・ウクライナ情勢が世界経済に対する不透明感を高める展開となりました。
当社グループが主として関連する自動車業界におきましても、販売台数は年前半には好調に推移したものの年後半には頭打ちとなりました。
こうした厳しい経営環境のもと、当社の当連結会計年度の売上高は前年同期比7.6%増加しました。損益につきましては、売上高増加に伴う操業度の回復に加えて、原価低減活動をはじめとした経営努力を強力かつ継続的に遂行したことが奏功し、営業利益、経常利益ともに前年同期比増益となりました。当期純利益は、以上に加えて、生産体制再構築に伴う不動産売却益の計上により、前年同期比大きく増加しました。
総資産につきましては、前連結会計年度末と比較して113億43百万円増加し、2,554億3百万円となりました。これは主に商品及び製品が30億45百万円、原材料及び貯蔵品が20億28百万円、退職給付に係る資産が16億1百万円、仕掛品が14億62百万円、投資有価証券が14億37百万円、有形固定資産が13億20百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して52億69百万円減少し、956億51百万円となりました。これは主に短期借入金が51億33百万円減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して166億13百万円増加し、1,597億52百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定が67億71百万円、利益剰余金が63億62百万円、非支配株主持分が40億51百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度の業績数値につきましては、次のとおりであります。
売上高 1,635億37百万円 (前年同期比 7.6%増)
営業利益 107億1百万円 ( 〃 8.1%増)
経常利益 146億33百万円 ( 〃 3.5%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 80億87百万円 ( 〃 47.9%増)
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は2,088百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ16百万円減少しております。詳細については、連結財務諸表「注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
セグメントの業績概況は、次のとおりであります。
セグメント状況
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a.日本
日本は、緊急事態宣言の断続的な発出や世界的な半導体不足といった厳しい環境下、顧客ニーズへの的確な対応ならびに原価低減や経営の効率化を遂行し、前年同期比増収増益となりました。売上高は460億63百万円で、前年同期比50億44百万円の増収となり、セグメント利益は18億95百万円で、前年同期比13億99百万円の増益となりました。
b.アジア
アジア市場では、年前半はコロナによるロックダウンや半導体不足の影響から厳しい状況となりましたが、年後半には回復する地域も見られました。中国は、コロナや半導体不足の影響が他国比少なく、年後半は伸び悩んだものの、総じて堅調に推移しました。売上高は365億89百万円で、前年同期比71億42百万円の増収となり、セグメント利益は69億85百万円で、前年同期比4億18百万円の増益となりました。
c.北米
北米地域は、経済回復とともに自動車購入意欲が高まり、年前半は堅調に推移しましたが、半導体不足による供給制約や原材料費、労務費等のコスト上昇により、年後半は売上高、利益ともに反落する展開となりました。売上高は102億28百万円で、前年同期比52百万円の増収となる一方、セグメント利益は52百万円で、前年同期比98百万円の減益となりました。
d.その他地域
その他地域は、需要回復による販売台数増加はあったものの、コロナ感染再拡大による経済制約や半導体不足による供給制約により年を通して伸び悩む展開が続きました。売上高は17億29百万円で、前年同期比84百万円の増収となり、セグメント利益は2億59百万円で、前年同期比11百万円の増益となりました。
<ファルテックグループ>半導体不足の長期化によるお客様の急激な生産調整に伴うロスや原材料市況及びエネルギー費高騰等の影響により、前年同期比減収減益となりました。売上高は689億25百万円で、前年同期比7億90百万円の減収となり、セグメント利益は14億54百万円で、前年同期比7億34百万円の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末と比較して16億72百万円減少し、402億44百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、198億59百万円(前年同期比22.2%増)となりました。主な資金の増加は、税金等調整前当期純利益150億32百万円、減価償却費109億10百万円、主な資金の減少は、棚卸資産の増加額53億96百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、134億39百万円(前年同期比43.4%増)となりました。主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出112億79百万円、投資有価証券の取得による支出43億59百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、103億50百万円(前年同期比9.0%減)となりました。主な内訳は、短期借入金の純減額49億59百万円、長期借入金の純減額17億14百万円、配当金の支払額18億2百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
TPRグループ(除くファルテックグループ)日本(百万円)48,754117.2%
アジア(百万円)26,828110.4%
北米(百万円)10,700110.4%
その他地域(百万円)750122.7%
87,032114.2%
ファルテックグループ(百万円)59,273101.9%
合計(百万円)146,306108.9%

(注)1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
確定受注は主に納期直前であり、販売実績と重要な相違は無いため記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
前年同期比(%)
TPRグループ(除くファルテックグループ)日本(百万円)46,063112.3%
アジア(百万円)36,589124.3%
北米(百万円)10,228100.5%
その他地域(百万円)1,729105.2%
94,611115.0%
ファルテックグループ(百万円)68,92598.9%
合計(百万円)163,537107.6%

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
日産自動車㈱17,63011.6%15,8049.7%


⑵ 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(財政状態)
前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減増減率
資産合計(百万円)244,059255,40311,3434.7%
負債合計(百万円)100,92095,651△5,269△5.2%
純資産合計(百万円)143,139159,75216,61311.6%
1株当たり純資産(円)3,370.963,734.28363.32-
自己資本比率47.6%50.4%2.8
ポイント
-

a.流動資産
流動資産は、前期末に比べ66億68百万円増加(5.7%)の1,240億12百万円となりました。
これは主に、半導体不足により自動車メーカーが減産した影響や今後の自動車メーカーの挽回計画に備えて、安全在庫を確保したことに伴い商品及び製品が30億45百万円、原材料及び貯蔵品が20億28百万円、仕掛品が14億62百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
b.固定資産
固定資産は、前期末に比べ46億74百万円増加(3.7%)の1,313億90百万円となりました。
これは主に、年金資産の期末時価の上昇等により退職給付に係る資産が16億1百万円、M&A等により投資有価証券が14億37百万円、増産対応設備投資等により有形固定資産が13億20百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
c.流動負債
流動負債は、前期末に比べ25億28百万円減少(△3.7%)の660億77百万円となりました。
これは主に、コロナの拡大に伴う経済停滞局面等を想定したリスク対応資金としての借入金の返済等により短期借入金が51億33百万円減少した一方で、仕入増加により支払手形及び買掛金が10億83百万円、電子記録債務が8億50百万円、未払法人税等が6億7百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
d.固定負債
固定負債は、前期末に比べ27億41百万円減少(△8.5%)の295億73百万円となりました。
これは主に、約定弁済により長期借入金が15億14百万円、退職給付に係る負債が7億95百万円、株価下落に伴う投資有価証券の評価益の減少等により繰延税金負債が1億16百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
e.純資産
純資産は、前期末に比べ166億13百万円増加(11.6%)の1,597億52百万円となりました。
これは主に、米ドル及び人民元など為替レートの変動により為替換算調整勘定が67億71百万円、親会社株主に帰属する当期純利益増加により利益剰余金が63億62百万円、非支配株主持分が40億51百万円、退職給付に係る調整累計額が14億28百万円それぞれ増加した一方で、株価下落によりその他有価証券評価差額金が20億76百万円減少したこと等によるものであります。
(経営成績)
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コロナ禍の2020年の第1・第2四半期の売上高は大きく落ち込んだものの、第3・第4四半期以降は急激に回復しました。
逆に当連結会計年度は、第2四半期までは中国の大型ディーゼル車の規制前の駆け込み需要の取り込み、アセアン市場の回復等により、売上高、利益とも増加しましたが、第3・第4四半期については、半導体やハーネス不足による自動車メーカーの減産に加えて、原材料価格や物流コストが右肩上がりで高騰したことから、前第3・第4四半期に対し減収減益でありました。
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2021年3月期から当期末までの経常利益増減については、生産高増加に伴う操業度改善、原価低減による増益の一方、原材料高騰、販管費増加等の減益により経常利益は微増に止まりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
前連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
当連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
増減増減率
営業活動による
キャッシュ・フロー(百万円)
16,25119,8593,60722.2%
投資活動による
キャッシュ・フロー(百万円)
△9,375△13,439△4,06443.4%
財務活動による
キャッシュ・フロー(百万円)
△11,372△10,3501,022△9.0%
現金及び現金同等物の
期末残高(百万円)
41,91740,244△1,672△4.0%
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率
2.8年2.0年△0.8年-
インタレスト・カバレッジ・レシオ55.3倍87.2倍31.9倍-

a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金収入は、前期に比べ36億7百万円増加(22.2%)の198億59百万円となりました。
これは主に、売上債権の増減額が92億52百万円減少し、税金等調整前当期純利益が23億51百万円増加して収入が増加した一方で、棚卸資産の増減額が61億89百万円、法人税等の支払額が21億39百万円それぞれ増加して支出が増加したこと等によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金支出は、前期に比べ40億64百万円増加(43.4%)の134億39百万円となりました。
これは主に、M&A等に伴う投資有価証券の取得による支出が37億40百万円、増産対応設備投資等に伴う固定資産の取得による支出が19億42百万円、生産体制再構築に伴う不動産売却により固定資産の売却による収入が18億70百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金支出は、前期に比べ10億22百万円減少(△9.0%)の103億50百万円となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額が26億13百万円、長期借入れによる収入が20億40百万円、長期借入金の返済による支出が4億55百万円それぞれ減少した一方で、非支配株主への配当金の支払額が47億52百万円、自己株式の取得による支出が13億77百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
上記の結果、現金及び現金同等物の期末残高は前期末に比べ16億72百万円減少(△4.0%)の402億44百万円となりました。
運転資金需要及び設備投資・出資資金などの長期資金需要に対しては、手元資金を充当することとし、必要に応じて金融機関からの借入れによって調達しております。資金調達に当たっては、調達コスト及び長期と短期のバランスを見ながら資金調達活動を行っております。また、グループ内ファイナンスの活用による効率的な資金運用を行っております。
現金及び預金の残高は、事業規模に応じた適正額を維持することとしております。また、事業及び金融リスクに対応するため、金融機関と特別当座貸越契約を締結し、手元流動性を確保しております。
当連結会計年度においては、コロナの拡大に伴う経済停滞局面等を想定したリスク対応資金を全額返済いたしました。
また、予期せぬ資金調達リスクに備えるため、当社は取引金融機関との間で総額95億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、本契約による借入れは実行しておりません。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は389億46百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は402億44百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また連結財務諸表の作成のための重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。なお、半導体不足の懸念やコロナ影響等不確実性が大きく、将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、23中計の財務目標としては、最終年度の2024年3月期に売上高1,800億円、経常利益210億円、ROE10%以上、自己資本比率45%以上、株主還元率30%を掲げております。それぞれの指標の直近の推移状況は以下のとおりです。引き続き、「23中計」目標の達成に向けて邁進してまいります。
指標2021年3月期
(中計1年目実績)
2022年3月期
(中計2年目実績)
2024年3月期
(中期計画最終年度)
売上高1,520億円1,635億円1,800億円
経常利益141億円146億円210億円
ROE4.8%6.6%10%
自己資本比率47.6%50.4%45%
株主還元率28.5%24.7%30%

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