訂正有価証券報告書-第120期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善などから、緩やかな回復が続きましたが、一部で相次ぐ自然災害による経済への影響がありました。海外においては、米国経済は通商問題による影響がありましたが堅調に推移しました。欧州経済は政策に関する不確実性や、通商問題の影響等によって一部に弱さがみられ、中国経済は米国との貿易摩擦などの影響により景気は緩やかに減速しました。その他新興国経済は、緩やかな回復の動きが続きました。
このような環境のもと、当社グループは昨年4月にスタートした3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」において、最新デジタル技術と当社グループが培ってきた経営資源を融合させ、「革新的な技術・商品・サービスの開発」、「調達改革」、「生産性と品質の追求」、「資産効率の向上」を図ります。これらの実現のための諸施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてまいります。
当連結会計年度の売上高は、733,569百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。損益につきましては、営業利益は26,945百万円(前連結会計年度比32.0%減)、経常利益は22,231百万円(前連結会計年度比28.9%減)となりました。なお、特別損失として減損損失16,963百万円、独占禁止法関連損失2,108百万円、関係会社株式売却損220百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は6,958百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20,373百万円)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、以下のとおりであります。
規模効果 1,486百万円
人件費 △4,629百万円
比例費 △2,483百万円
売価レベル △2,438百万円
為替 △ 984百万円
経費他 △3,615百万円
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや工作機械向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は353,071百万円(前連結会計年度比1.7%増)となり、セグメント利益は販売増加の効果などはありましたが、鋼材価格の上昇、固定費の増加などにより681百万円(前連結会計年度比91.5%減)となりました。
2)米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加しました。産業機械市場向けは風力発電向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は前連結会計年度並みの198,302百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。セグメント利益は、鋼材価格や関税率の上昇、固定費の増加などにより4,344百万円(前連結会計年度比38.7%減)となりました。
3)欧州
販売につきましては、補修市場向けは自動車補修向けで減少しました。産業機械市場向けは航空機向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは新排ガス基準への対応による客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は184,004百万円(前連結会計年度比4.4%減)となり、セグメント利益は販売減少や鋼材価格の上昇などにより954百万円(前連結会計年度比65.9%減)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや風力発電向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは中国市場の減速による客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は155,577百万円(前連結会計年度比3.9%減)となり、セグメント利益は販売減少の影響などにより17,218百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は43,224百万円(前連結会計年度比18,575百万円、30.1%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費38,926百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は65,614百万円(前連結会計年度比17,256百万円、35.7%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出42,380百万円、無形固定資産の取得による支出10,845百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は20,745百万円(前連結会計年度は7,520百万円の支出)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入74,297百万円、短期借入金の純増加額13,642百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出58,359百万円、配当金の支払額7,974百万円の支出であります。
これらの増減に換算差額の減少額969百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は83,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,613百万円(3.0%)の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1.(1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は733,569百万円となり、前連結会計年度に比べ10,803百万円(1.5%)減少しました。為替の影響による減少額4,044百万円を考慮しますと、実質では6,759百万円の減少となりました。なお、海外売上高は526,321百万円となり、前連結会計年度に比べ13,727百万円(2.5%)減少しました。売上高に占める海外売上高の割合は71.7%(米州27.5%、欧州22.9%、アジア他21.4%)となり、前連結会計年度に比べ0.9ポイント低下しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は603,082百万円となり、対売上高比率は82.2%と前連結会計年度に比べ1.1ポイント上昇しました。
また、販売費及び一般管理費は103,541百万円となり、対売上高比率は14.1%と前連結会計年度に比べ0.5ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業利益は26,945百万円となり、前連結会計年度に比べ12,663百万円(32.0%)減少しました。売上高営業利益率は3.7%となり、前連結会計年度に比べ1.6ポイント低下しました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、4,714百万円の費用超過となりました。収益は受取配当金1,173百万円、受取利息791百万円、持分法による投資利益72百万円などにより5,689百万円となり、前連結会計年度に比べ1,274百万円の増加となりました。費用は支払利息3,882百万円、為替差損3,031百万円などにより10,403百万円となり、前連結会計年度に比べ2,370百万円の減少となりました。
5)経常利益の分析
当連結会計年度の経常利益は22,231百万円となり、前連結会計年度に比べ9,019百万円(28.9%)減少しました。売上高経常利益率は3.0%となり、前連結会計年度に比べ1.2ポイント低下しました。
6)特別損失の分析
当連結会計年度の特別損失は、減損損失16,963百万円、独占禁止法関連損失2,108百万円、関係会社株式売却損220百万円を計上し、前連結会計年度に比べ14,947百万円増加しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は6,958百万円(前連結会計年度は20,373百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。売上高当期純利益率は△0.9%(△は親会社株主に帰属する当期純損失、前連結会計年度の売上高当期純利益率は2.7%)となりました。
8)新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンについての分析
新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンでは、売上高1兆円(当連結会計年度売上高733,569百万円)、営業利益率10%以上(当連結会計年度営業利益率3.7%)、総資産回転率1.0回転以上(当連結会計年度総資産回転率0.87回転)、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指しております。ただ、経営環境等の前提が大きく変わってきており、現状の経営環境を鑑みますと、10年後(2027年度)の数値目標の達成は必ずしも容易ではない状況です。
一方、戦略面は有効であり、着実に遂行し企業価値の最大化に努めてまいります。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:百万円)
(a) 補修市場向け
産業機械補修向けの増加により売上高は118,849百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。営業利益は販売増加の効果などにより15,183百万円(前連結会計年度比1.2%増)となりました。
(b) 産業機械市場向け
風力発電向けや航空機向けなどの客先需要の拡大などにより売上高は123,397百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。営業利益は販売増加の効果などにより3,106百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先需要の低減などにより売上高は491,322百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。営業利益は鋼材価格や米国における関税率の上昇、固定費の増加などにより8,655百万円(前連結会計年度比60.3%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)財政状態の分析
流動資産は前連結会計年度末に比べ3,554百万円(0.8%)増加し、455,279百万円となりました。これは主に商品及び製品の増加6,208百万円、仕掛品の増加5,941百万円、電子記録債権の増加3,761百万円、原材料及び貯蔵品の増加2,618百万円、受取手形及び売掛金の減少14,887百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ2,230百万円(0.6%)減少し、385,471百万円となりました。これは主に有形固定資産の減少8,196百万円、無形固定資産の増加6,295百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ1,323百万円(0.2%)増加し、840,750百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ26,728百万円(8.4%)減少し、289,697百万円となりました。これは主に短期借入金の減少22,501百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ51,407百万円(20.3%)増加し、304,648百万円となりました。これは主に長期借入金の増加52,012百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ24,679百万円(4.3%)増加し、594,346百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ23,355百万円(8.7%)減少し、246,404百万円となりました。これは主に利益剰余金の減少15,109百万円、その他有価証券評価差額金の減少4,360百万円によります。
なお、自己資本比率は27.4%(前連結会計年度末比2.8ポイント低下)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は433.32円(前連結会計年度末比43.85円減)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ29,511百万円(9.2%)増加し、350,344百万円となりました。為替の影響による減少額25百万円を考慮しますと実質では29,536百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は41.7%(前連結会計年度末比3.5ポイント上昇)となりました。
正味運転資本は165,582百万円となり前連結会計年度末比30,282百万円増加しました。また流動比率は157.2%(前連結会計年度末比14.4ポイント上昇)となりました。
たな卸資産回転率は3.77回転(前連結会計年度末比0.37回転減少)、総資産回転率は0.87回転(前連結会計年度末比0.02回転減少)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は43,224百万円(前連結会計年度比18,575百万円、30.1%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費38,926百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は65,614百万円(前連結会計年度比17,256百万円、35.7%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出42,380百万円、無形固定資産の取得による支出10,845百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は20,745百万円(前連結会計年度は7,520百万円の支出)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入74,297百万円、短期借入金の純増加額13,642百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出58,359百万円、配当金の支払額7,974百万円の支出であります。
これらの増減に換算差額の減少額969百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は83,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,613百万円(3.0%)の減少となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△22,390百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は5.9%となりました。
3)資金需要と調達について
当社グループは健全な財政状態の維持・向上を図り、事業の拡大に伴い必要な運転資金や設備投資資金、また新商品開発に必要な研究開発資金を営業活動によるキャッシュ・フローと外部からの資金調達で賄っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計方針及び見積りに記載しています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善などから、緩やかな回復が続きましたが、一部で相次ぐ自然災害による経済への影響がありました。海外においては、米国経済は通商問題による影響がありましたが堅調に推移しました。欧州経済は政策に関する不確実性や、通商問題の影響等によって一部に弱さがみられ、中国経済は米国との貿易摩擦などの影響により景気は緩やかに減速しました。その他新興国経済は、緩やかな回復の動きが続きました。
このような環境のもと、当社グループは昨年4月にスタートした3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」において、最新デジタル技術と当社グループが培ってきた経営資源を融合させ、「革新的な技術・商品・サービスの開発」、「調達改革」、「生産性と品質の追求」、「資産効率の向上」を図ります。これらの実現のための諸施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてまいります。
当連結会計年度の売上高は、733,569百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。損益につきましては、営業利益は26,945百万円(前連結会計年度比32.0%減)、経常利益は22,231百万円(前連結会計年度比28.9%減)となりました。なお、特別損失として減損損失16,963百万円、独占禁止法関連損失2,108百万円、関係会社株式売却損220百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は6,958百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益20,373百万円)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、以下のとおりであります。
規模効果 1,486百万円
人件費 △4,629百万円
比例費 △2,483百万円
売価レベル △2,438百万円
為替 △ 984百万円
経費他 △3,615百万円
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや工作機械向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は353,071百万円(前連結会計年度比1.7%増)となり、セグメント利益は販売増加の効果などはありましたが、鋼材価格の上昇、固定費の増加などにより681百万円(前連結会計年度比91.5%減)となりました。
2)米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加しました。産業機械市場向けは風力発電向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は前連結会計年度並みの198,302百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。セグメント利益は、鋼材価格や関税率の上昇、固定費の増加などにより4,344百万円(前連結会計年度比38.7%減)となりました。
3)欧州
販売につきましては、補修市場向けは自動車補修向けで減少しました。産業機械市場向けは航空機向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは新排ガス基準への対応による客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は184,004百万円(前連結会計年度比4.4%減)となり、セグメント利益は販売減少や鋼材価格の上昇などにより954百万円(前連結会計年度比65.9%減)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや風力発電向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは中国市場の減速による客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は155,577百万円(前連結会計年度比3.9%減)となり、セグメント利益は販売減少の影響などにより17,218百万円(前連結会計年度比12.2%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は43,224百万円(前連結会計年度比18,575百万円、30.1%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費38,926百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は65,614百万円(前連結会計年度比17,256百万円、35.7%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出42,380百万円、無形固定資産の取得による支出10,845百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は20,745百万円(前連結会計年度は7,520百万円の支出)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入74,297百万円、短期借入金の純増加額13,642百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出58,359百万円、配当金の支払額7,974百万円の支出であります。
これらの増減に換算差額の減少額969百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は83,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,613百万円(3.0%)の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 324,725 | 102.6 |
米州 | 147,612 | 100.5 |
欧州 | 126,987 | 98.1 |
アジア他 | 94,598 | 89.5 |
合計 | 693,924 | 99.3 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年度比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 216,805 | 100.8 | 32,504 | 101.7 |
米州 | 192,401 | 98.5 | 66,643 | 96.1 |
欧州 | 180,020 | 95.3 | 21,543 | 99.9 |
アジア他 | 142,680 | 95.2 | 30,913 | 98.1 |
合計 | 731,907 | 97.7 | 151,604 | 98.2 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 353,071 | 101.7 |
米州 | 198,302 | 99.9 |
欧州 | 184,004 | 95.6 |
アジア他 | 155,577 | 96.1 |
セグメント間取引消去 | △157,386 | 100.9 |
合計 | 733,569 | 98.5 |
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1.(1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は733,569百万円となり、前連結会計年度に比べ10,803百万円(1.5%)減少しました。為替の影響による減少額4,044百万円を考慮しますと、実質では6,759百万円の減少となりました。なお、海外売上高は526,321百万円となり、前連結会計年度に比べ13,727百万円(2.5%)減少しました。売上高に占める海外売上高の割合は71.7%(米州27.5%、欧州22.9%、アジア他21.4%)となり、前連結会計年度に比べ0.9ポイント低下しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は603,082百万円となり、対売上高比率は82.2%と前連結会計年度に比べ1.1ポイント上昇しました。
また、販売費及び一般管理費は103,541百万円となり、対売上高比率は14.1%と前連結会計年度に比べ0.5ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業利益は26,945百万円となり、前連結会計年度に比べ12,663百万円(32.0%)減少しました。売上高営業利益率は3.7%となり、前連結会計年度に比べ1.6ポイント低下しました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、4,714百万円の費用超過となりました。収益は受取配当金1,173百万円、受取利息791百万円、持分法による投資利益72百万円などにより5,689百万円となり、前連結会計年度に比べ1,274百万円の増加となりました。費用は支払利息3,882百万円、為替差損3,031百万円などにより10,403百万円となり、前連結会計年度に比べ2,370百万円の減少となりました。
5)経常利益の分析
当連結会計年度の経常利益は22,231百万円となり、前連結会計年度に比べ9,019百万円(28.9%)減少しました。売上高経常利益率は3.0%となり、前連結会計年度に比べ1.2ポイント低下しました。
6)特別損失の分析
当連結会計年度の特別損失は、減損損失16,963百万円、独占禁止法関連損失2,108百万円、関係会社株式売却損220百万円を計上し、前連結会計年度に比べ14,947百万円増加しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は6,958百万円(前連結会計年度は20,373百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。売上高当期純利益率は△0.9%(△は親会社株主に帰属する当期純損失、前連結会計年度の売上高当期純利益率は2.7%)となりました。
8)新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンについての分析
新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンでは、売上高1兆円(当連結会計年度売上高733,569百万円)、営業利益率10%以上(当連結会計年度営業利益率3.7%)、総資産回転率1.0回転以上(当連結会計年度総資産回転率0.87回転)、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指しております。ただ、経営環境等の前提が大きく変わってきており、現状の経営環境を鑑みますと、10年後(2027年度)の数値目標の達成は必ずしも容易ではない状況です。
一方、戦略面は有効であり、着実に遂行し企業価値の最大化に努めてまいります。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 116,695 | 119,085 | 508,592 | 744,372 |
営業利益 | 15,009 | 2,796 | 21,803 | 39,608 |
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 118,849 | 123,397 | 491,322 | 733,569 |
営業利益 | 15,183 | 3,106 | 8,655 | 26,945 |
(a) 補修市場向け
産業機械補修向けの増加により売上高は118,849百万円(前連結会計年度比1.8%増)となりました。営業利益は販売増加の効果などにより15,183百万円(前連結会計年度比1.2%増)となりました。
(b) 産業機械市場向け
風力発電向けや航空機向けなどの客先需要の拡大などにより売上高は123,397百万円(前連結会計年度比3.6%増)となりました。営業利益は販売増加の効果などにより3,106百万円(前連結会計年度比11.1%増)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先需要の低減などにより売上高は491,322百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。営業利益は鋼材価格や米国における関税率の上昇、固定費の増加などにより8,655百万円(前連結会計年度比60.3%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)財政状態の分析
流動資産は前連結会計年度末に比べ3,554百万円(0.8%)増加し、455,279百万円となりました。これは主に商品及び製品の増加6,208百万円、仕掛品の増加5,941百万円、電子記録債権の増加3,761百万円、原材料及び貯蔵品の増加2,618百万円、受取手形及び売掛金の減少14,887百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ2,230百万円(0.6%)減少し、385,471百万円となりました。これは主に有形固定資産の減少8,196百万円、無形固定資産の増加6,295百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ1,323百万円(0.2%)増加し、840,750百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ26,728百万円(8.4%)減少し、289,697百万円となりました。これは主に短期借入金の減少22,501百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ51,407百万円(20.3%)増加し、304,648百万円となりました。これは主に長期借入金の増加52,012百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ24,679百万円(4.3%)増加し、594,346百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ23,355百万円(8.7%)減少し、246,404百万円となりました。これは主に利益剰余金の減少15,109百万円、その他有価証券評価差額金の減少4,360百万円によります。
なお、自己資本比率は27.4%(前連結会計年度末比2.8ポイント低下)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は433.32円(前連結会計年度末比43.85円減)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ29,511百万円(9.2%)増加し、350,344百万円となりました。為替の影響による減少額25百万円を考慮しますと実質では29,536百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は41.7%(前連結会計年度末比3.5ポイント上昇)となりました。
正味運転資本は165,582百万円となり前連結会計年度末比30,282百万円増加しました。また流動比率は157.2%(前連結会計年度末比14.4ポイント上昇)となりました。
たな卸資産回転率は3.77回転(前連結会計年度末比0.37回転減少)、総資産回転率は0.87回転(前連結会計年度末比0.02回転減少)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は43,224百万円(前連結会計年度比18,575百万円、30.1%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費38,926百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は65,614百万円(前連結会計年度比17,256百万円、35.7%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出42,380百万円、無形固定資産の取得による支出10,845百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は20,745百万円(前連結会計年度は7,520百万円の支出)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入74,297百万円、短期借入金の純増加額13,642百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出58,359百万円、配当金の支払額7,974百万円の支出であります。
これらの増減に換算差額の減少額969百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は83,474百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,613百万円(3.0%)の減少となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△22,390百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は5.9%となりました。
3)資金需要と調達について
当社グループは健全な財政状態の維持・向上を図り、事業の拡大に伴い必要な運転資金や設備投資資金、また新商品開発に必要な研究開発資金を営業活動によるキャッシュ・フローと外部からの資金調達で賄っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計方針及び見積りに記載しています。