有価証券報告書-第122期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、総じて新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、極めて厳しい状況となりました。足元では感染再拡大の影響から個人消費などで弱さがみられましたが、生産などで持ち直しの動きが続きました。海外経済も厳しい状況にありましたが、米国経済、中国経済は持ち直しの動きが続き、アジア他のその他新興国経済は下げ止まりがみられました。一方、欧州経済は感染再拡大の影響を受けて、経済活動が抑制されるなど弱い動きがみられました。
かかる状況下、当社グループは2020年度を「危機対応期間」と位置づけ、「従業員の健康と安全の確保」、緊急事態下における「事業資金の確保及び事業継続」に注力すると共に将来の成長に向けた準備を進めました。
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい経済状況を受け、562,847百万円(前連結会計年度比13.7%減)と大幅な減少となりました。損益につきましては、固定費の圧縮等を進めましたが、営業損失は3,138百万円(前連結会計年度は7,517百万円の営業利益)、経常損失は5,742百万円(前連結会計年度は1,698百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は11,641百万円(前連結会計年度は43,992百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、以下のとおりであります。
規模効果 △42,881百万円
人件費 14,342百万円
比例費 8,489百万円
売価レベル 79百万円
為替 △ 2,925百万円
経費他 12,240百万円
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け全事業部門で減少しました。補修市場向けは産業機械補修向けで減少し、産業機械市場向けも建設機械向けや工作機械向けなどで減少、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は266,971百万円(前連結会計年度比19.7%減)と大幅な減少となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより10,792百万円のセグメント損失(前連結会計年度は2,138百万円のセグメント利益)となりました。
2)米州
販売につきましては、一部の事業部門で回復の動きが見られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け大幅な減少となりました。補修市場向けは自動車補修向けで増加しましたが、産業機械補修向けで減少し、産業機械市場向けは建設機械向けや風力発電向けなどで減少、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は142,934百万円(前連結会計年度比16.4%減)と大幅な減少となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより2,803百万円のセグメント損失(前連結会計年度は6,438百万円のセグメント損失)となりました。
3)欧州
販売につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け全事業部門で減少しました。補修市場向けは産業機械補修向け及び自動車補修向けともに減少し、産業機械市場向けも航空機向けや風力発電向けなどで減少、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は129,197百万円(前連結会計年度比17.0%減)と大幅な減少となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより2,427百万円のセグメント損失(前連結会計年度は413百万円のセグメント利益)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、中国経済の新型コロナウイルス感染拡大からの回復が寄与し、前期比微減に留まりました。補修市場向けは産業機械補修向け及び自動車補修向けともに減少しましたが、産業機械市場向けは風力発電向けや建設機械向けなどで増加し、自動車市場向けも客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は133,419百万円(前連結会計年度比1.1%減)となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めた結果、12,305百万円のセグメント利益(前連結会計年度比7.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は36,473百万円(前連結会計年度比7,276百万円、16.6%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費35,478百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は17,938百万円(前連結会計年度比43,869百万円、71.0%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出21,900百万円、無形固定資産の取得による支出7,724百万円に対して、投資有価証券の売却による収入9,464百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は54,671百万円(前連結会計年度比47,258百万円、637.5%の増加)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入58,833百万円、社債の発行による収入50,000百万円に対して、長期借入金の返済による支出38,774百万円、短期借入金の純減少額14,728百万円であります。
これらの増減に換算差額2,878百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は147,249百万円となり、前連結会計年度末に比べ76,084百万円(106.9%)の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1 (1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響を加味した見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は562,847百万円となり、前連結会計年度に比べ89,109百万円(13.7%)減少しました。為替の影響による減少額3,464百万円を考慮しますと、実質では85,645百万円の減少となりました。なお、海外売上高は400,033百万円となり、前連結会計年度に比べ53,822百万円(11.9%)減少しました。売上高に占める海外売上高の割合は71.1%(米州25.7%、欧州20.8%、アジア他24.6%)となり、前連結会計年度に比べ1.5ポイント上昇しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は477,666百万円となり、対売上高比率は84.9%と前連結会計年度に比べ0.6ポイント上昇しました。
また、販売費及び一般管理費は88,319百万円となり、対売上高比率は15.7%と前連結会計年度に比べ1.1ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業損失は3,138百万円(前連結会計年度は7,517百万円の営業利益)となりました。売上高営業利益率は△0.6%(△は営業損失、前連結会計年度の売上高営業利益率は1.2%)となりました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、2,604百万円の費用超過となりました。収益は為替差益2,732百万円、受取配当金568百万円、受取利息852百万円、持分法による投資利益343百万円などにより7,644百万円となり、前連結会計年度に比べ3,068百万円の増加となりました。費用は支払利息3,505百万円、デリバティブ評価損2,918百万円などにより10,248百万円となり、前連結会計年度に比べ3,544百万円の減少となりました。
5)経常損益の分析
当連結会計年度の経常損失は5,742百万円(前連結会計年度は1,698百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は△1.0%(△は経常損失、前連結会計年度の売上高経常利益率は△0.3%)となりました。
6)特別損益の分析
当連結会計年度の特別利益は、助成金収入5,769百万円、投資有価証券売却益5,699百万円を計上し、前連結会計年度に比べ9,488百万円増加しました。また特別損失は、異常操業度損失3,343百万円、減損損失2,462百万円、独占禁止法関連損失1,176百万円を計上し、前連結会計年度に比べ27,249百万円減少しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は11,641百万円(前連結会計年度は43,992百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高当期純利益率は△2.1%(△は親会社株主に帰属する当期純損失、前連結会計年度の売上高当期純利益率は△6.7%)となりました。
8)新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンについての分析
新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンでは、売上高成長率は各地域のGDP成長率+α(当連結会計年度売上高562,847百万円)、営業利益率10%以上(当連結会計年度営業利益率△0.6%)総資産回転率1.0回転以上(当連結会計年度総資産回転率0.67回転)、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指しております。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大などにより当グループの業績が急激に悪化しており、また世界経済に与える影響が想定できない危機的状況であるなど、「DRIVE NTN100」の策定時より大きく環境が変化しております。
かかる状況下、当社グループは2020年度を「危機対応期間」と位置づけ、「従業員の健康と安全の確保」を図るとともに、緊急事態下における「事業資金の確保及び事業継続」に注力しました。
一方で、危機的状況を乗り越え次の100年も成長し続けるため「将来の成長に向けた準備」も並行して進め、2021年4月から3年間の新たな中期経営計画(「DRIVE NTN100」Phase2)につなげました。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:百万円)
(a) 補修市場向け
客先需要の低減などにより売上高は、91,492百万円(前連結会計年度比16.4%減)と大幅な減少となりました。営業損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより8,904百万円の営業利益(前連結会計年度比30.2%減)となりました。
(b) 産業機械市場向け
建設機械向けや航空機向けの減少などにより売上高は、101,853百万円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。営業損益は販売規模の減少などはありましたが、固定費の圧縮などを進めた結果、354百万円の営業利益(前連結会計年度は1,863百万円の営業損失)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先の操業停止による需要の低減などにより売上高は、369,501百万円(前連結会計年度比15.5%減)と大幅な減少となりました。営業損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより12,397百万円の営業損失(前連結会計年度は3,369百万円の営業損失)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社では、営業活動で獲得したキャッシュ・フローと、投資活動で支出したキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローを重要な指標の1つとしています。この指標を基に、成長投資や運転資金への充当、または、負債の返済や新たな資金調達の要否を検討するとともに、フリーキャッシュ・フロー創出のための施策を立案・推進し、財務体質の強化を図っています。また、財務体質の強化を測る指標として、棚卸資産回転率、ネットD/Eレシオを使用しています。
また、当社グループが事業活動を維持拡大するために必要な資金を安定的に確保するため、営業活動で獲得した自己資金と外部資金を有効に活用しています。外部からの資金については、調達コストの低減を図りながら資金調達手段の多様化と資本効率の向上を目的に、金融機関からの借入、社債の発行、営業債権の流動化を行っています。取引金融機関とは長年に亘って築き上げてきた良好な関係を維持しており、資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
更に、一部子会社については金融機関からではなく当社グループの資金調達拠点から調達し、資金調達の一元化を図っています。また、一部子会社で余裕資金が出た場合は、親会社へ資金を集中させて、資金の効率化や流動化の確保を図っています。
当連結会計年度において、新型コロナウィルス感染拡大に伴う資金調達に関して、金融機関とのコミットメントラインの設定や政府系金融機関からの融資による1,000億円などにより、必要資金の確保と緊急時の流動性を確保しています。また、公募ハイブリッド社債(劣後特約付社債)による500億円の資金調達を実施し、着実な事業構造改革の遂行と将来の飛躍に向けた財務の健全性向上を進めております。
1)財政状態の分析
流動資産は前期末に比べ79,957百万円(19.7%)増加し、485,756百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加77,401百万円、受取手形及び売掛金の増加13,233百万円によります。固定資産は前期末に比べ1,216百万円(0.3%)減少し、350,806百万円となりました。これは主に建設仮勘定の減少8,287百万円、機械装置及び運搬具の増加3,812百万円によります。この結果、総資産は前期末に比べ78,741百万円(10.4%)増加し、836,563百万円となりました。
流動負債は前期末に比べ5,383百万円(1.9%)増加し、292,346百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加6,793百万円、電子記録債務の減少5,869百万円、短期借入金の増加4,560百万円によります。固定負債は前期末に比べ57,987百万円(19.2%)増加し、360,466百万円となりました。これは主に社債の増加50,000百万円によります。この結果、負債合計は前期末に比べ63,369百万円(10.8%)増加し、652,812百万円となりました。
純資産合計は前期末に比べ15,373百万円(9.1%)増加し、183,751百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定の増加13,133百万円、利益剰余金の減少9,352百万円、退職給付に係る調整累計額の増加7,032百万円、その他有価証券評価差額金の増加3,552百万円によります。
なお、自己資本比率は20.4%(前連結会計年度末比0.2ポイント低下)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は321.04円(前連結会計年度末比27.04円増)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ60,387百万円(16.7%)増加し、422,803百万円となりました。為替の影響による増加額4,275百万円を考慮しますと実質では56,112百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は50.5%(前連結会計年度末比2.7ポイント上昇)となりました。
正味運転資本は193,410百万円となり前連結会計年度末比74,574百万円増加しました。また流動比率は166.2%(前連結会計年度末比24.8ポイント上昇)となりました。
たな卸資産回転率は3.18回転(前連結会計年度末比0.38回転減少)、総資産回転率は0.67回転(前連結会計年度末比0.19回転減少)となりました。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は36,473百万円(前連結会計年度比7,276百万円、16.6%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費35,478百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は17,938百万円(前連結会計年度比43,869百万円、71.0%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出21,900百万円、無形固定資産の取得による支出7,724百万円に対して、投資有価証券の売却による収入9,464百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は54,671百万円(前連結会計年度比47,258百万円、637.5%の増加)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入58,833百万円、社債の発行による収入50,000百万円に対して、長期借入金の返済による支出38,774百万円、短期借入金の純減少額14,728百万円であります。
これらの増減に換算差額2,878百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は147,249百万円となり、前連結会計年度末に比べ76,084百万円(106.9%)の増加となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは18,535百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は6.5%となりました。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に記載しています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、総じて新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、極めて厳しい状況となりました。足元では感染再拡大の影響から個人消費などで弱さがみられましたが、生産などで持ち直しの動きが続きました。海外経済も厳しい状況にありましたが、米国経済、中国経済は持ち直しの動きが続き、アジア他のその他新興国経済は下げ止まりがみられました。一方、欧州経済は感染再拡大の影響を受けて、経済活動が抑制されるなど弱い動きがみられました。
かかる状況下、当社グループは2020年度を「危機対応期間」と位置づけ、「従業員の健康と安全の確保」、緊急事態下における「事業資金の確保及び事業継続」に注力すると共に将来の成長に向けた準備を進めました。
当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大による厳しい経済状況を受け、562,847百万円(前連結会計年度比13.7%減)と大幅な減少となりました。損益につきましては、固定費の圧縮等を進めましたが、営業損失は3,138百万円(前連結会計年度は7,517百万円の営業利益)、経常損失は5,742百万円(前連結会計年度は1,698百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は11,641百万円(前連結会計年度は43,992百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、以下のとおりであります。
規模効果 △42,881百万円
人件費 14,342百万円
比例費 8,489百万円
売価レベル 79百万円
為替 △ 2,925百万円
経費他 12,240百万円
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け全事業部門で減少しました。補修市場向けは産業機械補修向けで減少し、産業機械市場向けも建設機械向けや工作機械向けなどで減少、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は266,971百万円(前連結会計年度比19.7%減)と大幅な減少となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより10,792百万円のセグメント損失(前連結会計年度は2,138百万円のセグメント利益)となりました。
2)米州
販売につきましては、一部の事業部門で回復の動きが見られたものの、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け大幅な減少となりました。補修市場向けは自動車補修向けで増加しましたが、産業機械補修向けで減少し、産業機械市場向けは建設機械向けや風力発電向けなどで減少、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は142,934百万円(前連結会計年度比16.4%減)と大幅な減少となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより2,803百万円のセグメント損失(前連結会計年度は6,438百万円のセグメント損失)となりました。
3)欧州
販売につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受け全事業部門で減少しました。補修市場向けは産業機械補修向け及び自動車補修向けともに減少し、産業機械市場向けも航空機向けや風力発電向けなどで減少、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は129,197百万円(前連結会計年度比17.0%減)と大幅な減少となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより2,427百万円のセグメント損失(前連結会計年度は413百万円のセグメント利益)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、中国経済の新型コロナウイルス感染拡大からの回復が寄与し、前期比微減に留まりました。補修市場向けは産業機械補修向け及び自動車補修向けともに減少しましたが、産業機械市場向けは風力発電向けや建設機械向けなどで増加し、自動車市場向けも客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は133,419百万円(前連結会計年度比1.1%減)となりました。セグメント損益は固定費の圧縮などを進めた結果、12,305百万円のセグメント利益(前連結会計年度比7.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は36,473百万円(前連結会計年度比7,276百万円、16.6%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費35,478百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は17,938百万円(前連結会計年度比43,869百万円、71.0%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出21,900百万円、無形固定資産の取得による支出7,724百万円に対して、投資有価証券の売却による収入9,464百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は54,671百万円(前連結会計年度比47,258百万円、637.5%の増加)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入58,833百万円、社債の発行による収入50,000百万円に対して、長期借入金の返済による支出38,774百万円、短期借入金の純減少額14,728百万円であります。
これらの増減に換算差額2,878百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は147,249百万円となり、前連結会計年度末に比べ76,084百万円(106.9%)の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 245,728 | 81.8 |
米州 | 110,979 | 87.7 |
欧州 | 88,568 | 81.4 |
アジア他 | 74,983 | 103.4 |
合計 | 520,260 | 85.5 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年度比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 176,201 | 89.1 | 32,791 | 131.8 |
米州 | 161,664 | 109.7 | 60,761 | 142.2 |
欧州 | 133,001 | 90.3 | 21,505 | 144.0 |
アジア他 | 131,625 | 110.9 | 32,438 | 121.0 |
合計 | 602,492 | 98.6 | 147,496 | 134.9 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 266,971 | 80.3 |
米州 | 142,934 | 83.6 |
欧州 | 129,197 | 83.0 |
アジア他 | 133,419 | 98.9 |
セグメント間取引消去 | △109,676 | 77.1 |
合計 | 562,847 | 86.3 |
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1 (1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響を加味した見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は562,847百万円となり、前連結会計年度に比べ89,109百万円(13.7%)減少しました。為替の影響による減少額3,464百万円を考慮しますと、実質では85,645百万円の減少となりました。なお、海外売上高は400,033百万円となり、前連結会計年度に比べ53,822百万円(11.9%)減少しました。売上高に占める海外売上高の割合は71.1%(米州25.7%、欧州20.8%、アジア他24.6%)となり、前連結会計年度に比べ1.5ポイント上昇しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は477,666百万円となり、対売上高比率は84.9%と前連結会計年度に比べ0.6ポイント上昇しました。
また、販売費及び一般管理費は88,319百万円となり、対売上高比率は15.7%と前連結会計年度に比べ1.1ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業損失は3,138百万円(前連結会計年度は7,517百万円の営業利益)となりました。売上高営業利益率は△0.6%(△は営業損失、前連結会計年度の売上高営業利益率は1.2%)となりました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、2,604百万円の費用超過となりました。収益は為替差益2,732百万円、受取配当金568百万円、受取利息852百万円、持分法による投資利益343百万円などにより7,644百万円となり、前連結会計年度に比べ3,068百万円の増加となりました。費用は支払利息3,505百万円、デリバティブ評価損2,918百万円などにより10,248百万円となり、前連結会計年度に比べ3,544百万円の減少となりました。
5)経常損益の分析
当連結会計年度の経常損失は5,742百万円(前連結会計年度は1,698百万円の経常損失)となりました。売上高経常利益率は△1.0%(△は経常損失、前連結会計年度の売上高経常利益率は△0.3%)となりました。
6)特別損益の分析
当連結会計年度の特別利益は、助成金収入5,769百万円、投資有価証券売却益5,699百万円を計上し、前連結会計年度に比べ9,488百万円増加しました。また特別損失は、異常操業度損失3,343百万円、減損損失2,462百万円、独占禁止法関連損失1,176百万円を計上し、前連結会計年度に比べ27,249百万円減少しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は11,641百万円(前連結会計年度は43,992百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高当期純利益率は△2.1%(△は親会社株主に帰属する当期純損失、前連結会計年度の売上高当期純利益率は△6.7%)となりました。
8)新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンについての分析
新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンでは、売上高成長率は各地域のGDP成長率+α(当連結会計年度売上高562,847百万円)、営業利益率10%以上(当連結会計年度営業利益率△0.6%)総資産回転率1.0回転以上(当連結会計年度総資産回転率0.67回転)、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指しております。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大などにより当グループの業績が急激に悪化しており、また世界経済に与える影響が想定できない危機的状況であるなど、「DRIVE NTN100」の策定時より大きく環境が変化しております。
かかる状況下、当社グループは2020年度を「危機対応期間」と位置づけ、「従業員の健康と安全の確保」を図るとともに、緊急事態下における「事業資金の確保及び事業継続」に注力しました。
一方で、危機的状況を乗り越え次の100年も成長し続けるため「将来の成長に向けた準備」も並行して進め、2021年4月から3年間の新たな中期経営計画(「DRIVE NTN100」Phase2)につなげました。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 109,428 | 105,210 | 437,317 | 651,956 |
営業利益又は 営業損失(△) | 12,750 | △1,863 | △3,369 | 7,517 |
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 91,492 | 101,853 | 369,501 | 562,847 |
営業利益又は 営業損失(△) | 8,904 | 354 | △12,397 | △3,138 |
(a) 補修市場向け
客先需要の低減などにより売上高は、91,492百万円(前連結会計年度比16.4%減)と大幅な減少となりました。営業損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより8,904百万円の営業利益(前連結会計年度比30.2%減)となりました。
(b) 産業機械市場向け
建設機械向けや航空機向けの減少などにより売上高は、101,853百万円(前連結会計年度比3.2%減)となりました。営業損益は販売規模の減少などはありましたが、固定費の圧縮などを進めた結果、354百万円の営業利益(前連結会計年度は1,863百万円の営業損失)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先の操業停止による需要の低減などにより売上高は、369,501百万円(前連結会計年度比15.5%減)と大幅な減少となりました。営業損益は固定費の圧縮などを進めましたが、販売規模の減少などにより12,397百万円の営業損失(前連結会計年度は3,369百万円の営業損失)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社では、営業活動で獲得したキャッシュ・フローと、投資活動で支出したキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローを重要な指標の1つとしています。この指標を基に、成長投資や運転資金への充当、または、負債の返済や新たな資金調達の要否を検討するとともに、フリーキャッシュ・フロー創出のための施策を立案・推進し、財務体質の強化を図っています。また、財務体質の強化を測る指標として、棚卸資産回転率、ネットD/Eレシオを使用しています。
また、当社グループが事業活動を維持拡大するために必要な資金を安定的に確保するため、営業活動で獲得した自己資金と外部資金を有効に活用しています。外部からの資金については、調達コストの低減を図りながら資金調達手段の多様化と資本効率の向上を目的に、金融機関からの借入、社債の発行、営業債権の流動化を行っています。取引金融機関とは長年に亘って築き上げてきた良好な関係を維持しており、資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
更に、一部子会社については金融機関からではなく当社グループの資金調達拠点から調達し、資金調達の一元化を図っています。また、一部子会社で余裕資金が出た場合は、親会社へ資金を集中させて、資金の効率化や流動化の確保を図っています。
当連結会計年度において、新型コロナウィルス感染拡大に伴う資金調達に関して、金融機関とのコミットメントラインの設定や政府系金融機関からの融資による1,000億円などにより、必要資金の確保と緊急時の流動性を確保しています。また、公募ハイブリッド社債(劣後特約付社債)による500億円の資金調達を実施し、着実な事業構造改革の遂行と将来の飛躍に向けた財務の健全性向上を進めております。
1)財政状態の分析
流動資産は前期末に比べ79,957百万円(19.7%)増加し、485,756百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加77,401百万円、受取手形及び売掛金の増加13,233百万円によります。固定資産は前期末に比べ1,216百万円(0.3%)減少し、350,806百万円となりました。これは主に建設仮勘定の減少8,287百万円、機械装置及び運搬具の増加3,812百万円によります。この結果、総資産は前期末に比べ78,741百万円(10.4%)増加し、836,563百万円となりました。
流動負債は前期末に比べ5,383百万円(1.9%)増加し、292,346百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加6,793百万円、電子記録債務の減少5,869百万円、短期借入金の増加4,560百万円によります。固定負債は前期末に比べ57,987百万円(19.2%)増加し、360,466百万円となりました。これは主に社債の増加50,000百万円によります。この結果、負債合計は前期末に比べ63,369百万円(10.8%)増加し、652,812百万円となりました。
純資産合計は前期末に比べ15,373百万円(9.1%)増加し、183,751百万円となりました。これは主に為替換算調整勘定の増加13,133百万円、利益剰余金の減少9,352百万円、退職給付に係る調整累計額の増加7,032百万円、その他有価証券評価差額金の増加3,552百万円によります。
なお、自己資本比率は20.4%(前連結会計年度末比0.2ポイント低下)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は321.04円(前連結会計年度末比27.04円増)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ60,387百万円(16.7%)増加し、422,803百万円となりました。為替の影響による増加額4,275百万円を考慮しますと実質では56,112百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は50.5%(前連結会計年度末比2.7ポイント上昇)となりました。
正味運転資本は193,410百万円となり前連結会計年度末比74,574百万円増加しました。また流動比率は166.2%(前連結会計年度末比24.8ポイント上昇)となりました。
たな卸資産回転率は3.18回転(前連結会計年度末比0.38回転減少)、総資産回転率は0.67回転(前連結会計年度末比0.19回転減少)となりました。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は36,473百万円(前連結会計年度比7,276百万円、16.6%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費35,478百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は17,938百万円(前連結会計年度比43,869百万円、71.0%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出21,900百万円、無形固定資産の取得による支出7,724百万円に対して、投資有価証券の売却による収入9,464百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は54,671百万円(前連結会計年度比47,258百万円、637.5%の増加)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入58,833百万円、社債の発行による収入50,000百万円に対して、長期借入金の返済による支出38,774百万円、短期借入金の純減少額14,728百万円であります。
これらの増減に換算差額2,878百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は147,249百万円となり、前連結会計年度末に比べ76,084百万円(106.9%)の増加となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは18,535百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は6.5%となりました。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に記載しています。