有価証券報告書-第119期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善などから、緩やかな回復が続きました。海外においては、米国経済は自動車生産台数が前年割れとなる中、建設機械を中心に回復が見られ総じて堅調に推移しました。欧州経済はEU離脱問題に伴う不透明感が一部で見られたものの緩やかな回復が続きました。また、中国経済は持ち直しの動きが見られ、その他新興国経済では、回復の動きが見られました。
このような環境のもと、当社グループは平成27年4月にスタートした3年間の中期経営計画「NTN100」において、本年3月に迎えた創業100周年と次の100年の持続的成長のため、「あるべき姿」に向けた変革と礎づくりを目指し、経営資源(ひと・もの・かね)を重点分野に集中する「攻める経営」、規模に依存せず価値を追求する企業へと変革する「稼ぐ経営」、経営基盤と財務基盤を強化する「築く経営」の3つを基本方針とし、諸施策を推進してまいりました。
当連結会計年度の売上高は、744,372百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。損益につきましては、営業利益は39,608百万円(前連結会計年度比11.2%増)、経常利益は31,250百万円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。なお、特別損失として独占禁止法関連損失3,710百万円、減損損失634百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は20,373百万円(前連結会計年度比619.8%増)となりました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや変減速機向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は347,322百万円(前連結会計年度比8.3%増)となり、セグメント利益は販売増加の効果や為替の影響などにより8,015百万円(前連結会計年度比79.7%増)となりました。
2)米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は198,546百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりましたが、セグメント利益は固定費の増加などにより7,091百万円(前連結会計年度比14.4%減)となりました。
3)欧州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加しました。産業機械市場向けは変減速機向けや農業機械向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は192,516百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりましたが、セグメント利益は固定費の増加などにより2,800百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや工作機械向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は161,952百万円(前連結会計年度比13.8%増)となり、セグメント利益は販売増加の効果や為替の影響などにより19,600百万円(前連結会計年度比35.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は61,799百万円(前連結会計年度比588百万円、0.9%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費37,505百万円、税金等調整前当期純利益26,905百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は48,358百万円(前連結会計年度比7,140百万円、17.3%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出36,457百万円、無形固定資産の取得による支出9,644百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は7,520百万円(前連結会計年度比698百万円、8.5%の減少)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出68,858百万円、短期借入金の純減少額10,030百万円、配当金の支払額6,645百万円の支出に対して、長期借入れによる収入68,998百万円、社債の発行による収入10,000百万円であります。
これらの増減に換算差額の増加額884百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は86,087百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,803百万円(8.6%)の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1.(1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は744,372百万円となり、前連結会計年度に比べ61,044百万円(8.9%)増加しました。為替の影響による増加額27,585百万円を考慮しますと、実質では33,459百万円の増加となりました。なお、海外売上高は540,048百万円となり、前連結会計年度に比べ48,186百万円(9.8%)増加しました。売上高に占める海外売上高の割合は72.6%(米州27.1%、欧州23.6%、アジア他21.9%)となり、前連結会計年度に比べ0.6ポイント上昇しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は603,612百万円となり、対売上高比率は81.1%と前連結会計年度に比べ0.2ポイント低下しました。これは主に販売増加の効果などによるものです。
また、販売費及び一般管理費は101,151百万円となり、対売上高比率は13.6%と前連結会計年度に比べ0.1ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業利益は39,608百万円となり、前連結会計年度に比べ3,986百万円(11.2%)増加しました。売上高営業利益率は5.3%となり、前連結会計年度に比べ0.1ポイント上昇しました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、8,358百万円の費用超過となりました。収益は受取配当金1,076百万円、受取利息621百万円、持分法による投資利益455百万円などにより4,415百万円となり、前連結会計年度に比べ803百万円の減少となりました。費用は支払利息3,884百万円、製品補償費2,312百万円、為替差損1,642百万円、訴訟関連費用1,491百万円などにより12,773百万円となり、前連結会計年度に比べ1,537百万円の増加となりました。
5)経常利益の分析
当連結会計年度の経常利益は31,250百万円となり、前連結会計年度に比べ1,646百万円(5.6%)増加しました。売上高経常利益率は4.2%となり、前連結会計年度に比べ0.1ポイント低下しました。
6)特別損益の分析
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ2,147百万円減少しました。また特別損失は、独占禁止法関連損失3,710百万円、減損損失634百万円を計上し、前連結会計年度に比べ12,517百万円減少しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は20,373百万円となり、前連結会計年度に比べ17,543百万円(619.8%)増加しました。売上高当期純利益率は2.7%となり、前連結会計年度に比べ2.3ポイント上昇しました。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (単位:百万円)
(a) 補修市場向け
産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加したことに加えて、為替の影響もあり売上高は116,695百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。営業利益は販売増加の効果や為替の影響などにより15,009百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。
(b) 産業機械市場向け
建設機械向けや変減速機向けなどの増加、及び為替の影響などにより売上高は119,085百万円(前連結会計年度比20.8%増)となりました。営業利益は販売増加の効果や為替の影響などにより2,796百万円(前連結会計年度比72.4%増)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先需要の拡大や為替の影響などにより売上高は508,592百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。営業利益は販売増加の効果や為替の影響などにより21,803百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)財政状態の分析
流動資産は前連結会計年度末に比べ25,173百万円(5.8%)増加し、460,102百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加8,682百万円、受取手形及び売掛金の増加6,845百万円、仕掛品の増加5,849百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ15,988百万円(4.4%)増加し、379,949百万円となりました。これは主に無形固定資産の増加9,258百万円、投資有価証券の増加4,847百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ41,160百万円(5.2%)増加し、840,051百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ1,484百万円(0.5%)増加し、316,511百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加10,455百万円、電子記録債務の増加5,981百万円、短期借入金の減少14,415百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ14,968百万円(6.3%)増加し、253,780百万円となりました。これは主に社債の増加10,000百万円、長期借入金の増加5,078百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ16,451百万円(3.0%)増加し、570,291百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ24,709百万円(10.1%)増加し、269,759百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加13,728百万円、為替換算調整勘定の増加5,324百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,873百万円によります。
なお、自己資本比率は30.2%(前連結会計年度末比1.5ポイント上昇)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は477.17円(前連結会計年度末比45.51円増)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ664百万円(0.2%)増加し、320,833百万円となりました。為替の影響による増加額525百万円を考慮しますと実質では139百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は38.2%(前連結会計年度末比1.9ポイント低下)となりました。
正味運転資本は143,591百万円となり前連結会計年度末比23,689百万円増加しました。また流動比率は145.4%(前連結会計年度末比7.3ポイント上昇)となりました。
たな卸資産回転率は4.14回(前連結会計年度末比0.16回増加)、総資産回転率は0.89回(前連結会計年度末比0.03回増加)となりました。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は61,799百万円(前連結会計年度比588百万円、0.9%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費37,505百万円、税金等調整前当期純利益26,905百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は48,358百万円(前連結会計年度比7,140百万円、17.3%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出36,457百万円、無形固定資産の取得による支出9,644百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は7,520百万円(前連結会計年度比698百万円、8.5%の減少)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出68,858百万円、短期借入金の純減少額10,030百万円、配当金の支払額6,645百万円の支出に対して、長期借入れによる収入68,998百万円、社債の発行による収入10,000百万円であります。
これらの増減に換算差額の増加額884百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は86,087百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,803百万円(8.6%)の増加となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは13,441百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は8.3%となりました。
3)資金需要と調達について
当社グループは健全な財政状態の維持・向上を図り、事業の拡大に伴い必要な運転資金や設備投資資金、また新商品開発に必要な研究開発資金を営業活動によるキャッシュ・フローと外部からの資金調達で賄っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計方針及び見積りに記載しています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善などから、緩やかな回復が続きました。海外においては、米国経済は自動車生産台数が前年割れとなる中、建設機械を中心に回復が見られ総じて堅調に推移しました。欧州経済はEU離脱問題に伴う不透明感が一部で見られたものの緩やかな回復が続きました。また、中国経済は持ち直しの動きが見られ、その他新興国経済では、回復の動きが見られました。
このような環境のもと、当社グループは平成27年4月にスタートした3年間の中期経営計画「NTN100」において、本年3月に迎えた創業100周年と次の100年の持続的成長のため、「あるべき姿」に向けた変革と礎づくりを目指し、経営資源(ひと・もの・かね)を重点分野に集中する「攻める経営」、規模に依存せず価値を追求する企業へと変革する「稼ぐ経営」、経営基盤と財務基盤を強化する「築く経営」の3つを基本方針とし、諸施策を推進してまいりました。
当連結会計年度の売上高は、744,372百万円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。損益につきましては、営業利益は39,608百万円(前連結会計年度比11.2%増)、経常利益は31,250百万円(前連結会計年度比5.6%増)となりました。なお、特別損失として独占禁止法関連損失3,710百万円、減損損失634百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は20,373百万円(前連結会計年度比619.8%増)となりました。
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや変減速機向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は347,322百万円(前連結会計年度比8.3%増)となり、セグメント利益は販売増加の効果や為替の影響などにより8,015百万円(前連結会計年度比79.7%増)となりました。
2)米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けなどで増加しましたが、自動車市場向けは客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は198,546百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりましたが、セグメント利益は固定費の増加などにより7,091百万円(前連結会計年度比14.4%減)となりました。
3)欧州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加しました。産業機械市場向けは変減速機向けや農業機械向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は192,516百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりましたが、セグメント利益は固定費の増加などにより2,800百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは建設機械向けや工作機械向けなどで増加し、自動車市場向けは客先需要の拡大などにより増加しました。この結果、売上高は161,952百万円(前連結会計年度比13.8%増)となり、セグメント利益は販売増加の効果や為替の影響などにより19,600百万円(前連結会計年度比35.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は61,799百万円(前連結会計年度比588百万円、0.9%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費37,505百万円、税金等調整前当期純利益26,905百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は48,358百万円(前連結会計年度比7,140百万円、17.3%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出36,457百万円、無形固定資産の取得による支出9,644百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は7,520百万円(前連結会計年度比698百万円、8.5%の減少)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出68,858百万円、短期借入金の純減少額10,030百万円、配当金の支払額6,645百万円の支出に対して、長期借入れによる収入68,998百万円、社債の発行による収入10,000百万円であります。
これらの増減に換算差額の増加額884百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は86,087百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,803百万円(8.6%)の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 316,640 | 108.3 |
米州 | 146,907 | 104.6 |
欧州 | 129,470 | 115.3 |
アジア他 | 105,641 | 116.9 |
合計 | 698,659 | 109.9 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年度比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 215,066 | 106.5 | 31,966 | 103.5 |
米州 | 195,310 | 103.3 | 69,380 | 104.0 |
欧州 | 188,845 | 113.5 | 21,555 | 112.2 |
アジア他 | 149,904 | 113.7 | 31,527 | 110.7 |
合計 | 749,127 | 108.7 | 154,430 | 106.3 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 347,322 | 108.3 |
米州 | 198,546 | 103.7 |
欧州 | 192,516 | 113.9 |
アジア他 | 161,952 | 113.8 |
セグメント間取引消去 | △155,965 | 111.2 |
合計 | 744,372 | 108.9 |
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年6月27日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1.(1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は744,372百万円となり、前連結会計年度に比べ61,044百万円(8.9%)増加しました。為替の影響による増加額27,585百万円を考慮しますと、実質では33,459百万円の増加となりました。なお、海外売上高は540,048百万円となり、前連結会計年度に比べ48,186百万円(9.8%)増加しました。売上高に占める海外売上高の割合は72.6%(米州27.1%、欧州23.6%、アジア他21.9%)となり、前連結会計年度に比べ0.6ポイント上昇しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は603,612百万円となり、対売上高比率は81.1%と前連結会計年度に比べ0.2ポイント低下しました。これは主に販売増加の効果などによるものです。
また、販売費及び一般管理費は101,151百万円となり、対売上高比率は13.6%と前連結会計年度に比べ0.1ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業利益は39,608百万円となり、前連結会計年度に比べ3,986百万円(11.2%)増加しました。売上高営業利益率は5.3%となり、前連結会計年度に比べ0.1ポイント上昇しました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、8,358百万円の費用超過となりました。収益は受取配当金1,076百万円、受取利息621百万円、持分法による投資利益455百万円などにより4,415百万円となり、前連結会計年度に比べ803百万円の減少となりました。費用は支払利息3,884百万円、製品補償費2,312百万円、為替差損1,642百万円、訴訟関連費用1,491百万円などにより12,773百万円となり、前連結会計年度に比べ1,537百万円の増加となりました。
5)経常利益の分析
当連結会計年度の経常利益は31,250百万円となり、前連結会計年度に比べ1,646百万円(5.6%)増加しました。売上高経常利益率は4.2%となり、前連結会計年度に比べ0.1ポイント低下しました。
6)特別損益の分析
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ2,147百万円減少しました。また特別損失は、独占禁止法関連損失3,710百万円、減損損失634百万円を計上し、前連結会計年度に比べ12,517百万円減少しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は20,373百万円となり、前連結会計年度に比べ17,543百万円(619.8%)増加しました。売上高当期純利益率は2.7%となり、前連結会計年度に比べ2.3ポイント上昇しました。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 104,500 | 98,611 | 480,216 | 683,328 |
営業利益 | 13,994 | 1,622 | 20,005 | 35,622 |
当連結会計年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 116,695 | 119,085 | 508,592 | 744,372 |
営業利益 | 15,009 | 2,796 | 21,803 | 39,608 |
(a) 補修市場向け
産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも増加したことに加えて、為替の影響もあり売上高は116,695百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。営業利益は販売増加の効果や為替の影響などにより15,009百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。
(b) 産業機械市場向け
建設機械向けや変減速機向けなどの増加、及び為替の影響などにより売上高は119,085百万円(前連結会計年度比20.8%増)となりました。営業利益は販売増加の効果や為替の影響などにより2,796百万円(前連結会計年度比72.4%増)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先需要の拡大や為替の影響などにより売上高は508,592百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。営業利益は販売増加の効果や為替の影響などにより21,803百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)財政状態の分析
流動資産は前連結会計年度末に比べ25,173百万円(5.8%)増加し、460,102百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加8,682百万円、受取手形及び売掛金の増加6,845百万円、仕掛品の増加5,849百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ15,988百万円(4.4%)増加し、379,949百万円となりました。これは主に無形固定資産の増加9,258百万円、投資有価証券の増加4,847百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ41,160百万円(5.2%)増加し、840,051百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ1,484百万円(0.5%)増加し、316,511百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加10,455百万円、電子記録債務の増加5,981百万円、短期借入金の減少14,415百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ14,968百万円(6.3%)増加し、253,780百万円となりました。これは主に社債の増加10,000百万円、長期借入金の増加5,078百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ16,451百万円(3.0%)増加し、570,291百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ24,709百万円(10.1%)増加し、269,759百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加13,728百万円、為替換算調整勘定の増加5,324百万円、その他有価証券評価差額金の増加2,873百万円によります。
なお、自己資本比率は30.2%(前連結会計年度末比1.5ポイント上昇)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は477.17円(前連結会計年度末比45.51円増)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ664百万円(0.2%)増加し、320,833百万円となりました。為替の影響による増加額525百万円を考慮しますと実質では139百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は38.2%(前連結会計年度末比1.9ポイント低下)となりました。
正味運転資本は143,591百万円となり前連結会計年度末比23,689百万円増加しました。また流動比率は145.4%(前連結会計年度末比7.3ポイント上昇)となりました。
たな卸資産回転率は4.14回(前連結会計年度末比0.16回増加)、総資産回転率は0.89回(前連結会計年度末比0.03回増加)となりました。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は61,799百万円(前連結会計年度比588百万円、0.9%の減少)となりました。主な内訳は減価償却費37,505百万円、税金等調整前当期純利益26,905百万円の収入であります。
投資活動の結果使用した資金は48,358百万円(前連結会計年度比7,140百万円、17.3%の増加)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出36,457百万円、無形固定資産の取得による支出9,644百万円であります。
財務活動の結果使用した資金は7,520百万円(前連結会計年度比698百万円、8.5%の減少)となりました。主な内訳は長期借入金の返済による支出68,858百万円、短期借入金の純減少額10,030百万円、配当金の支払額6,645百万円の支出に対して、長期借入れによる収入68,998百万円、社債の発行による収入10,000百万円であります。
これらの増減に換算差額の増加額884百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は86,087百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,803百万円(8.6%)の増加となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは13,441百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は8.3%となりました。
3)資金需要と調達について
当社グループは健全な財政状態の維持・向上を図り、事業の拡大に伴い必要な運転資金や設備投資資金、また新商品開発に必要な研究開発資金を営業活動によるキャッシュ・フローと外部からの資金調達で賄っております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計方針及び見積りに記載しています。