有価証券報告書-第121期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善などから、緩やかに回復しましたが、輸出を中心に弱さが続き、米国経済は、米中間の通商問題を巡る緊張の増大などの影響を受け、欧州経済は、英国のEU離脱の問題などによって弱さがみられました。アジア他では、中国経済は、米国との貿易摩擦などの影響により景気は緩やかに減速し、その他新興国経済も弱い動きがみられました。これらの状況に加え、いずれの地域も当下期終盤において新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済活動が急激に収縮いたしました。
このような環境のもと、当社グループは2018年4月にスタートした3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」において、最新デジタル技術と当社グループが培ってきた経営資源を融合させ、「革新的な技術・商品・サービスの開発」、「調達改革」、「生産性と品質の追求」、「資産効率の向上」を図っております。これらの実現のための諸施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてまいりましたが、当連結会計年度の業績は前連結会計年度の水準に至りませんでした。
当連結会計年度の売上高は、651,495百万円(前連結会計年度比11.2%減)となりました。損益につきましては、営業利益は7,056百万円(前連結会計年度比73.8%減)、経常損失は1,698百万円(前連結会計年度は経常利益22,231百万円)となりました。なお、特別利益として投資有価証券売却益1,353百万円など1,980百万円、特別損失として減損損失29,001百万円など34,231百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は43,992百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失6,958百万円)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、以下のとおりであります。
規模効果 △33,892百万円
人件費 6,922百万円
比例費 3,077百万円
売価レベル △ 2,521百万円
為替 △ 2,685百万円
経費他 9,210百万円
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで減少しました。産業機械市場向けは建設機械向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は329,097百万円(前連結会計年度比6.8%減)となりました。セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより1,282百万円のセグメント損失(前連結会計年度は681百万円のセグメント利益)となりました。
2)米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで減少しました。産業機械市場向けは建設機械向けや風力発電向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は171,072百万円(前連結会計年度比13.7%減)となり、セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより6,438百万円のセグメント損失(前連結会計年度は4,344百万円のセグメント利益)となりました。
3)欧州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも減少しました。産業機械市場向けは風力発電向けや変減速機向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は155,640百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより402百万円のセグメント利益(前連結会計年度比57.9%減)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは風力発電向けで増加しましたが、建設機械向けなどで減少し、全般的に減少しました。自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は134,929百万円(前連結会計年度比13.3%減)となり、セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより11,418百万円のセグメント利益(前連結会計年度比33.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は43,749百万円(前連結会計年度比525百万円、1.2%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費37,306百万円、減損損失29,001百万円、売上債権の減少額25,144百万円の収入に対して、税金等調整前当期純損失33,949百万円、仕入債務の減少額13,681百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は61,807百万円(前連結会計年度比3,807百万円、5.8%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出59,009百万円、無形固定資産の取得による支出10,074百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は7,413百万円(前連結会計年度比13,332百万円、64.3%の減少)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入29,794百万円、短期借入金の純増加額6,213百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出19,145百万円、配当金の支払額6,645百万円であります。
これらの増減に換算差額の減少額1,595百万円及び連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額68百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は71,165百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,308百万円(14.7%)の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年7月31日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1.(1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響を加味した見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は651,495百万円となり、前連結会計年度に比べ82,074百万円(11.2%)減少しました。為替の影響による減少額17,150百万円を考慮しますと、実質では64,924百万円の減少となりました。なお、海外売上高は453,500百万円となり、前連結会計年度に比べ72,820百万円(13.8%)減少しました。売上高に占める海外売上高の割合は69.6%(米州26.8%、欧州21.6%、アジア他21.2%)となり、前連結会計年度に比べ2.1ポイント低下しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は549,397百万円となり、対売上高比率は84.3%と前連結会計年度に比べ2.1ポイント上昇しました。
また、販売費及び一般管理費は95,041百万円となり、対売上高比率は14.6%と前連結会計年度に比べ0.5ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業利益は7,056百万円となり、前連結会計年度に比べ19,889百万円(73.8%)減少しました。売上高営業利益率は1.1%となり、前連結会計年度に比べ2.6ポイント低下しました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、8,755百万円の費用超過となりました。収益は受取配当金1,084百万円、受取利息988百万円などにより5,037百万円となり、前連結会計年度に比べ652百万円の減少となりました。費用は支払利息3,952百万円、為替差損3,826百万円、持分法による投資損失1,210百万円などにより13,792百万円となり、前連結会計年度に比べ3,389百万円の増加となりました。
5)経常損益の分析
当連結会計年度の経常損失は1,698百万円(前連結会計年度は22,231百万円の経常利益)となりました。売上高経常利益率は△0.3%(△は経常損失、前連結会計年度の売上高経常利益率は3.0%)となりました。
6)特別損益の分析
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益1,353百万円、有形固定資産売却益627百万円を計上し、前連結会計年度に比べ1,980百万円増加しました。また特別損失は、減損損失29,001百万円、投資有価証券評価損2,388百万円、異常操業度損失2,096百万円、独占禁止法関連損失745百万円を計上し、前連結会計年度に比べ14,939百万円増加しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は43,992百万円(前連結会計年度は6,958百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高当期純利益率は△6.8%(△は親会社株主に帰属する当期純損失、前連結会計年度の売上高当期純利益率は△0.9%)となりました。
8)新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンについての分析
新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンでは、売上高1兆円(当連結会計年度売上高651,495百万円)、営業利益率10%以上(当連結会計年度営業利益率1.1%)総資産回転率1.0回転以上(当連結会計年度総資産回転率0.86回転)、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指しております。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大などにより当グループの業績が急激に悪化しており、また世界経済に与える影響が想定できない危機的状況であるなど、「DRIVE NTN100」の策定時より大きく環境が変化しております。
かかる状況下、2020年度につきましては、「危機対応期間」と位置づけ、感染防止策を徹底し「従業員の健康と安全の確保」を図るとともに、緊急事態下における「事業資金の確保及び事業継続」に注力します。
一方で、危機的状況を乗り越え次の100年も成長し続けるため「将来の成長に向けた準備」も並行して進め、2021年4月から3年間の新たな中期経営計画につなげます。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:百万円)
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:百万円)
(a) 補修市場向け
客先需要の低減などにより売上高は109,416百万円(前連結会計年度比7.9%減)となりました。営業損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより12,738百万円の営業利益(前連結会計年度比16.1%減)となりました。
(b) 産業機械市場向け
建設機械向けの減少などにより売上高は105,071百万円(前連結会計年度比14.9%減)となりました。営業損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより2,001百万円の営業損失(前連結会計年度は3,106百万円の営業利益)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先需要の低減などにより売上高は437,006百万円(前連結会計年度比11.1%減)となりました。営業損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより3,680百万円の営業損失(前連結会計年度は8,655百万円の営業利益)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社では、営業活動で獲得したキャッシュ・フローと、投資活動で支出したキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローを重要な指標の1つとしています。この指標を基に、成長投資や運転資金への充当、または、負債の返済や新たな資金調達の要否を検討するとともに、フリーキャッシュ・フロー創出のための施策を立案・推進し、財務体質の強化を図っています。また、財務体質の強化を測る指標として、棚卸資産回転率、ネットD/Eレシオを使用しています。
また、当社グループが事業活動を維持拡大するために必要な資金を安定的に確保するため、営業活動で獲得した自己資金と外部資金を有効に活用しています。外部からの資金については、調達コストの低減を図りながら資金調達手段の多様化と資本効率の向上を目的に、金融機関からの借入、社債の発行、営業債権の流動化を行っています。取引金融機関とは長年に亘って築き上げてきた良好な関係を維持しており、資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
更に、一部子会社については金融機関からではなく当社グループの資金調達拠点から調達し、資金調達の一元化を図っています。また、一部子会社で余裕資金が出た場合は、親会社へ資金を集中させて、資金の効率化や流動化の確保を図っています。
昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う資金調達に関して、主要金融機関とのコミットメントラインの設定や政府系金融機関からの緊急融資で1,000億円を確保いたしました。
1)財政状態の分析
流動資産は前連結会計年度末に比べ49,480百万円(10.9%)減少し、405,799百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金の減少25,571百万円、現金及び預金の減少12,675百万円、仕掛品の減少6,492百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ33,449百万円(8.7%)減少し、352,022百万円となりました。これは主に投資有価証券の減少17,407百万円、有形固定資産の減少17,220百万円、無形固定資産の増加6,091百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ82,928百万円(9.9%)減少し、757,822百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ2,734百万円(0.9%)減少し、286,963百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少11,296百万円、電子記録債務の減少4,503百万円、設備関係支払手形などによるその他の減少6,986百万円、短期借入金の増加20,845百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ2,169百万円(0.7%)減少し、302,479百万円となりました。これは主に長期借入金の減少8,772百万円、退職給付にかかる負債の増加4,837百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ4,903百万円(0.8%)減少し、589,443百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ78,026百万円(31.7%)減少し、168,378百万円となりました。これは主に利益剰余金の減少50,639百万円、為替換算調整勘定の減少12,727百万円によります。
なお、自己資本比率は20.6%(前連結会計年度末比6.8ポイント低下)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は294.00円(前連結会計年度末比139.32円減)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ12,072百万円(3.4%)増加し、362,416百万円となりました。為替の影響による減少額4,099百万円を考慮しますと実質では16,171百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は47.8%(前連結会計年度末比6.1ポイント上昇)となりました。
正味運転資本は118,836百万円となり前連結会計年度末比46,746百万円減少しました。また流動比率は141.4%(前連結会計年度末比15.8ポイント低下)となりました。
たな卸資産回転率は3.56回転(前連結会計年度末比0.21回転減少)、総資産回転率は0.86回転(前連結会計年度末比0.01回転減少)となりました。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は43,749百万円(前連結会計年度比525百万円、1.2%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費37,306百万円、減損損失29,001百万円、売上債権の減少額25,144百万円の収入に対して、税金等調整前当期純損失33,949百万円、仕入債務の減少額13,681百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は61,807百万円(前連結会計年度比3,807百万円、5.8%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出59,009百万円、無形固定資産の取得による支出10,074百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は7,413百万円(前連結会計年度比13,332百万円、64.3%の減少)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入29,794百万円、短期借入金の純増加額6,213百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出19,145百万円、配当金の支払額6,645百万円であります。
これらの増減に換算差額の減少額1,595百万円及び連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額68百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は71,165百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,308百万円(14.7%)の減少となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△18,058百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は6.7%となりました。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に記載しています。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用・所得環境の改善などから、緩やかに回復しましたが、輸出を中心に弱さが続き、米国経済は、米中間の通商問題を巡る緊張の増大などの影響を受け、欧州経済は、英国のEU離脱の問題などによって弱さがみられました。アジア他では、中国経済は、米国との貿易摩擦などの影響により景気は緩やかに減速し、その他新興国経済も弱い動きがみられました。これらの状況に加え、いずれの地域も当下期終盤において新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済活動が急激に収縮いたしました。
このような環境のもと、当社グループは2018年4月にスタートした3年間の中期経営計画「DRIVE NTN100」において、最新デジタル技術と当社グループが培ってきた経営資源を融合させ、「革新的な技術・商品・サービスの開発」、「調達改革」、「生産性と品質の追求」、「資産効率の向上」を図っております。これらの実現のための諸施策を推し進め、事業構造の変革を加速させてまいりましたが、当連結会計年度の業績は前連結会計年度の水準に至りませんでした。
当連結会計年度の売上高は、651,495百万円(前連結会計年度比11.2%減)となりました。損益につきましては、営業利益は7,056百万円(前連結会計年度比73.8%減)、経常損失は1,698百万円(前連結会計年度は経常利益22,231百万円)となりました。なお、特別利益として投資有価証券売却益1,353百万円など1,980百万円、特別損失として減損損失29,001百万円など34,231百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は43,992百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失6,958百万円)となりました。
なお、営業利益の主な増減要因は、以下のとおりであります。
規模効果 △33,892百万円
人件費 6,922百万円
比例費 3,077百万円
売価レベル △ 2,521百万円
為替 △ 2,685百万円
経費他 9,210百万円
セグメントの業績につきましては、以下のとおりであります。
1)日本
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで減少しました。産業機械市場向けは建設機械向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は329,097百万円(前連結会計年度比6.8%減)となりました。セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより1,282百万円のセグメント損失(前連結会計年度は681百万円のセグメント利益)となりました。
2)米州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで減少しました。産業機械市場向けは建設機械向けや風力発電向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は171,072百万円(前連結会計年度比13.7%減)となり、セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより6,438百万円のセグメント損失(前連結会計年度は4,344百万円のセグメント利益)となりました。
3)欧州
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向け、及び自動車補修向けとも減少しました。産業機械市場向けは風力発電向けや変減速機向けなどで減少し、自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。この結果、売上高は155,640百万円(前連結会計年度比15.4%減)となりました。セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより402百万円のセグメント利益(前連結会計年度比57.9%減)となりました。
4)アジア他
販売につきましては、補修市場向けは産業機械補修向けで増加しました。産業機械市場向けは風力発電向けで増加しましたが、建設機械向けなどで減少し、全般的に減少しました。自動車市場向けも客先需要の低減などにより減少しました。全体としては、売上高は134,929百万円(前連結会計年度比13.3%減)となり、セグメント損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより11,418百万円のセグメント利益(前連結会計年度比33.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動の結果得られた資金は43,749百万円(前連結会計年度比525百万円、1.2%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費37,306百万円、減損損失29,001百万円、売上債権の減少額25,144百万円の収入に対して、税金等調整前当期純損失33,949百万円、仕入債務の減少額13,681百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は61,807百万円(前連結会計年度比3,807百万円、5.8%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出59,009百万円、無形固定資産の取得による支出10,074百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は7,413百万円(前連結会計年度比13,332百万円、64.3%の減少)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入29,794百万円、短期借入金の純増加額6,213百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出19,145百万円、配当金の支払額6,645百万円であります。
これらの増減に換算差額の減少額1,595百万円及び連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額68百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は71,165百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,308百万円(14.7%)の減少となりました。
③生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 300,504 | 92.5 |
米州 | 126,506 | 85.7 |
欧州 | 108,826 | 85.7 |
アジア他 | 72,516 | 76.7 |
合計 | 608,353 | 87.7 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年度比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 197,738 | 91.2 | 24,870 | 76.5 |
米州 | 147,436 | 76.6 | 42,744 | 64.1 |
欧州 | 147,245 | 81.8 | 14,939 | 69.3 |
アジア他 | 118,655 | 83.2 | 26,803 | 86.7 |
合計 | 611,075 | 83.5 | 109,358 | 72.1 |
(注)1.上記金額は平均販売価格により表示しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年度比(%) |
日本 | 329,097 | 93.2 |
米州 | 171,072 | 86.3 |
欧州 | 155,640 | 84.6 |
アジア他 | 134,929 | 86.7 |
セグメント間取引消去 | △139,243 | 88.5 |
合計 | 651,495 | 88.8 |
(注)1.相手先別の販売実績は、総販売実績の100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループに関する経営成績等の状況の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容です。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年7月31日)現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」 1.(1)連結財務諸表 の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の項目が連結財務諸表の作成に影響を及ぼすと考えております。
1)収益の認識基準
当社グループの売上高は、原則として製品が出荷された時点又はサービスが提供された時点で計上しております。
2)貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて、回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上しております。将来、顧客の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
3)有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクを負っているため、合理的な基準に基づいて減損処理を行っております。将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
4)繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
5)退職給付費用及び負債の前提条件
当社グループは、退職給付費用及び債務を割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率、及び年金資産の期待運用収益率などに基づいて合理的に見積もっております。これらの前提条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なる可能性があります。その影響は発生の都度、負債に計上され、将来にわたって規則的に費用計上されるため、費用及び負債に影響を及ぼす可能性があります。
6)固定資産の減損処理
当社グループが有する固定資産のうち、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされるものについては、損益報告や経営計画などの企業内部の情報、経営環境や資産の市場価格などの企業外部の要因に関する情報に基づき、資産又は資産グループ別に減損の兆候の有無を確認し、企業環境の変化や経済事象の発生によりその帳簿価額の回収が懸念されているかなど、減損損失の認識を判定しております。
この判定により減損損失を認識すべきと判断した場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行っております。事業計画や経営・市場環境の変化により、回収可能価額が変更された場合には、減損損失の金額の増加又は新たな減損損失の認識の可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響を加味した見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)売上高の分析
当連結会計年度の売上高は651,495百万円となり、前連結会計年度に比べ82,074百万円(11.2%)減少しました。為替の影響による減少額17,150百万円を考慮しますと、実質では64,924百万円の減少となりました。なお、海外売上高は453,500百万円となり、前連結会計年度に比べ72,820百万円(13.8%)減少しました。売上高に占める海外売上高の割合は69.6%(米州26.8%、欧州21.6%、アジア他21.2%)となり、前連結会計年度に比べ2.1ポイント低下しました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費の分析
当連結会計年度の売上原価は549,397百万円となり、対売上高比率は84.3%と前連結会計年度に比べ2.1ポイント上昇しました。
また、販売費及び一般管理費は95,041百万円となり、対売上高比率は14.6%と前連結会計年度に比べ0.5ポイント上昇しました。
3)営業利益の分析
当連結会計年度の営業利益は7,056百万円となり、前連結会計年度に比べ19,889百万円(73.8%)減少しました。売上高営業利益率は1.1%となり、前連結会計年度に比べ2.6ポイント低下しました。
4)営業外収益及び費用の分析
当連結会計年度の営業外収益及び費用は、8,755百万円の費用超過となりました。収益は受取配当金1,084百万円、受取利息988百万円などにより5,037百万円となり、前連結会計年度に比べ652百万円の減少となりました。費用は支払利息3,952百万円、為替差損3,826百万円、持分法による投資損失1,210百万円などにより13,792百万円となり、前連結会計年度に比べ3,389百万円の増加となりました。
5)経常損益の分析
当連結会計年度の経常損失は1,698百万円(前連結会計年度は22,231百万円の経常利益)となりました。売上高経常利益率は△0.3%(△は経常損失、前連結会計年度の売上高経常利益率は3.0%)となりました。
6)特別損益の分析
当連結会計年度の特別利益は、投資有価証券売却益1,353百万円、有形固定資産売却益627百万円を計上し、前連結会計年度に比べ1,980百万円増加しました。また特別損失は、減損損失29,001百万円、投資有価証券評価損2,388百万円、異常操業度損失2,096百万円、独占禁止法関連損失745百万円を計上し、前連結会計年度に比べ14,939百万円増加しました。
7)親会社株主に帰属する当期純利益の分析
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は43,992百万円(前連結会計年度は6,958百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。売上高当期純利益率は△6.8%(△は親会社株主に帰属する当期純損失、前連結会計年度の売上高当期純利益率は△0.9%)となりました。
8)新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンについての分析
新しい100年に向けた10年後(2027年度)の長期ビジョンでは、売上高1兆円(当連結会計年度売上高651,495百万円)、営業利益率10%以上(当連結会計年度営業利益率1.1%)総資産回転率1.0回転以上(当連結会計年度総資産回転率0.86回転)、更に為替変動による利益への影響を現状から半減させることを目指しております。
しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大などにより当グループの業績が急激に悪化しており、また世界経済に与える影響が想定できない危機的状況であるなど、「DRIVE NTN100」の策定時より大きく環境が変化しております。
かかる状況下、2020年度につきましては、「危機対応期間」と位置づけ、感染防止策を徹底し「従業員の健康と安全の確保」を図るとともに、緊急事態下における「事業資金の確保及び事業継続」に注力します。
一方で、危機的状況を乗り越え次の100年も成長し続けるため「将来の成長に向けた準備」も並行して進め、2021年4月から3年間の新たな中期経営計画につなげます。
事業形態別の業績につきましては、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 118,849 | 123,397 | 491,322 | 733,569 |
営業利益 | 15,183 | 3,106 | 8,655 | 26,945 |
当連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) (単位:百万円)
補修市場向け | 産業機械市場向け | 自動車市場向け | 合計 | |
外部顧客への売上高 | 109,416 | 105,071 | 437,006 | 651,495 |
営業利益又は 営業損失(△) | 12,738 | △2,001 | △3,680 | 7,056 |
(a) 補修市場向け
客先需要の低減などにより売上高は109,416百万円(前連結会計年度比7.9%減)となりました。営業損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより12,738百万円の営業利益(前連結会計年度比16.1%減)となりました。
(b) 産業機械市場向け
建設機械向けの減少などにより売上高は105,071百万円(前連結会計年度比14.9%減)となりました。営業損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより2,001百万円の営業損失(前連結会計年度は3,106百万円の営業利益)となりました。
(c) 自動車市場向け
客先需要の低減などにより売上高は437,006百万円(前連結会計年度比11.1%減)となりました。営業損益は固定費の減少などはありましたが、販売規模の減少などにより3,680百万円の営業損失(前連結会計年度は8,655百万円の営業利益)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社では、営業活動で獲得したキャッシュ・フローと、投資活動で支出したキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローを重要な指標の1つとしています。この指標を基に、成長投資や運転資金への充当、または、負債の返済や新たな資金調達の要否を検討するとともに、フリーキャッシュ・フロー創出のための施策を立案・推進し、財務体質の強化を図っています。また、財務体質の強化を測る指標として、棚卸資産回転率、ネットD/Eレシオを使用しています。
また、当社グループが事業活動を維持拡大するために必要な資金を安定的に確保するため、営業活動で獲得した自己資金と外部資金を有効に活用しています。外部からの資金については、調達コストの低減を図りながら資金調達手段の多様化と資本効率の向上を目的に、金融機関からの借入、社債の発行、営業債権の流動化を行っています。取引金融機関とは長年に亘って築き上げてきた良好な関係を維持しており、資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。
更に、一部子会社については金融機関からではなく当社グループの資金調達拠点から調達し、資金調達の一元化を図っています。また、一部子会社で余裕資金が出た場合は、親会社へ資金を集中させて、資金の効率化や流動化の確保を図っています。
昨今の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う資金調達に関して、主要金融機関とのコミットメントラインの設定や政府系金融機関からの緊急融資で1,000億円を確保いたしました。
1)財政状態の分析
流動資産は前連結会計年度末に比べ49,480百万円(10.9%)減少し、405,799百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金の減少25,571百万円、現金及び預金の減少12,675百万円、仕掛品の減少6,492百万円によります。固定資産は前連結会計年度末に比べ33,449百万円(8.7%)減少し、352,022百万円となりました。これは主に投資有価証券の減少17,407百万円、有形固定資産の減少17,220百万円、無形固定資産の増加6,091百万円によります。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ82,928百万円(9.9%)減少し、757,822百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ2,734百万円(0.9%)減少し、286,963百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少11,296百万円、電子記録債務の減少4,503百万円、設備関係支払手形などによるその他の減少6,986百万円、短期借入金の増加20,845百万円によります。固定負債は前連結会計年度末に比べ2,169百万円(0.7%)減少し、302,479百万円となりました。これは主に長期借入金の減少8,772百万円、退職給付にかかる負債の増加4,837百万円によります。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ4,903百万円(0.8%)減少し、589,443百万円となりました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べ78,026百万円(31.7%)減少し、168,378百万円となりました。これは主に利益剰余金の減少50,639百万円、為替換算調整勘定の減少12,727百万円によります。
なお、自己資本比率は20.6%(前連結会計年度末比6.8ポイント低下)となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は294.00円(前連結会計年度末比139.32円減)となりました。有利子負債は前連結会計年度末に比べ12,072百万円(3.4%)増加し、362,416百万円となりました。為替の影響による減少額4,099百万円を考慮しますと実質では16,171百万円の増加となりました。なお、有利子負債依存度は47.8%(前連結会計年度末比6.1ポイント上昇)となりました。
正味運転資本は118,836百万円となり前連結会計年度末比46,746百万円減少しました。また流動比率は141.4%(前連結会計年度末比15.8ポイント低下)となりました。
たな卸資産回転率は3.56回転(前連結会計年度末比0.21回転減少)、総資産回転率は0.86回転(前連結会計年度末比0.01回転減少)となりました。
2)キャッシュ・フローの分析
営業活動の結果得られた資金は43,749百万円(前連結会計年度比525百万円、1.2%の増加)となりました。主な内訳は減価償却費37,306百万円、減損損失29,001百万円、売上債権の減少額25,144百万円の収入に対して、税金等調整前当期純損失33,949百万円、仕入債務の減少額13,681百万円の支出であります。
投資活動の結果使用した資金は61,807百万円(前連結会計年度比3,807百万円、5.8%の減少)となりました。主な内訳は有形固定資産の取得による支出59,009百万円、無形固定資産の取得による支出10,074百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は7,413百万円(前連結会計年度比13,332百万円、64.3%の減少)となりました。主な内訳は長期借入れによる収入29,794百万円、短期借入金の純増加額6,213百万円の収入に対して、長期借入金の返済による支出19,145百万円、配当金の支払額6,645百万円であります。
これらの増減に換算差額の減少額1,595百万円及び連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額68百万円を算入しました結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は71,165百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,308百万円(14.7%)の減少となりました。
なお、営業活動による資金から投資活動による資金を差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△18,058百万円となりました。また、売上高営業キャッシュ・フロー比率は6.7%となりました。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況」「2.事業等のリスク」及び「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」の①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に記載しています。