有価証券報告書-第153期(2023/04/01-2024/03/31)
(4)【役員の報酬等】
① 役員報酬等の決定に関する方針
取締役及び執行役の報酬等の決定に関する方針は、委員長を含む委員の過半数を社外取締役が占める報酬委員会にて審議・決定することとし、当該方針は以下のとおりです。なお、取締役が執行役を兼任する場合は、執行役としての報酬等の決定に関する方針を適用することとします。
ア.基本方針
当社は指名委員会等設置会社として、経営の監督と執行を分離し、経営の監督機能は取締役及び取締役会が、経営の執行機能は執行役が担う体制としているため、取締役と執行役の報酬は、それぞれの職務の内容及び責任に応じ別体系とし、以下の基本方針に基づき、報酬委員会が決定します。
(ア)取締役
a.経営の監督機能の発揮を適切に促すものであること
b.当社の取締役の責務を果たすに相応しい人財を確保するために必要な報酬等であること
(イ)執行役
a.三菱電機グループの企業理念に従い、社会・顧客・株主・従業員をはじめとする全てのステークホルダーに対して説明責任を十分に果たすものであること
b.経営戦略に沿った職務の遂行を促し、経営目標の達成を強く動機付けるものであること
c.持続的な業績成長と企業価値向上へのインセンティブとして機能するものであること
d.役割や職責に対する成果及び貢献を公平・公正に評価するものであること
イ.報酬体系
(ア)取締役
取締役の報酬体系は、客観的かつ独立した立場から当社の経営へ助言と監督を行うという役割に鑑みて、基本報酬(固定報酬)のみとします。
(イ)執行役
執行役の報酬体系は、中期的な企業価値・株主価値の向上を重視し、以下のとおりとします。
<図>報酬体系(報酬割合は執行役社長のものを記載)

a.基本報酬
各執行役の役割や職責に応じて設定される固定報酬とし、役位別基準額(年額)を12で除して毎月現金にて支給します。
b.業績連動賞与
「全社業績評価」及び「個別評価」で構成し、中期経営計画に掲げる重要指標・重点施策等の実行・達成に向けて、「全社業績評価」については連結売上高、連結営業利益率、営業キャッシュフローとROEを評価指標とし、「個別評価」については執行役個別に設定を行う非財務事項に関する目標及びビジネスエリアや事業本部担当執行役については担当事業における業績についても評価指標とし、これらの達成状況に応じて支給額を決定します。個人別の支給額は0~200%の範囲で変動する仕組みとし、算定方法を以下のとおりとした上で、各事業年度終了後に一括して現金支給します。
■全社業績評価係数の算定方法
[連結売上高] [連結営業利益率]


[営業キャッシュフロー] [ROE]

※目標・下限・上限については、2023年度のものを記載
■個別評価係数の算定方法
執行役社長の目標は、事業年度開始時点において報酬委員会で審議の上、決定します。評価については、事業年度終了後に、執行役社長の自己評価を経て報酬委員会が審議の上、決定します。
その他執行役の目標及び評価は、執行役社長と各執行役の面談を経て、報酬委員会で審議・承認します。
■2023年度の評価指標及び評価割合、目標等及び実績並びに評価係数
c.業績連動型株式報酬(PSU)*PSUはPerformance Share Unitの略称
業績連動型株式報酬(PSU)は、原則として毎期、3年間の当社TSR(株主総利回り)とあらかじめ選定した比較対象企業群の各社TSRとの比較結果(パーセンタイルランク)に応じて交付される株式数が0~200%の範囲で変動する仕組みとします。なお、比較対象企業群については、当社が展開する事業領域において競合する国内外の企業を選定しています。個人別の交付株式数の算定方法は以下のとおりです。
■PSU支給率の算定方法
[TSR(比較対象企業群との相対比較)]


■2023年度を評価対象期間終了事業年度とする当該株式報酬
当該業績連動型株式報酬(PSU)は2022年度に導入したため、当年度を評価対象期間終了事業年度とする当該株式報酬はありません。
d.譲渡制限付株式報酬(RSU)*RSUはRestricted Stock Unitの略称
譲渡制限付株式報酬(RSU)は、在任中の継続的な株式保有及び株主価値の共有を促進するため、原則として毎期、各事業年度末に役位別基準額相当の譲渡制限付株式を交付し、退任時(当社の取締役又は執行役のいずれの地位からも退任する時点)に譲渡制限を解除する仕組みとします。
■業績連動型株式報酬(PSU)と譲渡制限付株式報酬(RSU)のポイント付与・株式交付サイクルイメージ
ウ.報酬水準・報酬構成割合の設定方法
取締役及び執行役の報酬水準・報酬構成割合は、毎年、外部専門機関による報酬調査データによって市場水準と比較の上、役割や職責に応じて設定します。市場水準との比較にあたっては、当社の規模や業態、グローバル展開等の観点から類似する日本国内の大手製造業企業を報酬ベンチマーク企業群として選定します。
(ア)取締役
取締役の基本報酬水準は、報酬ベンチマーク企業群における非業務執行社内取締役又は社外取締役の報酬水準、役割や職責等を考慮して設定します。
(イ)執行役
執行役の報酬等は、報酬ベンチマーク企業群における業務執行役員の報酬水準の動向、当社の経営戦略・事業環境、インセンティブ報酬の目的や目標達成の難易度、当該執行役の役割や職責等を考慮して設定します。また、ペイ・フォー・パフォーマンスの観点から、業績連動性と中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬等とするため、インセンティブ報酬の割合を高めに設定します。なお、2023年度の基準報酬の構成割合は以下のとおりです。
■2023年度の基準報酬の構成割合

※PSU: 業績連動型株式報酬(Performance Share Unit)の略称
※RSU: 譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock Unit)の略称
※「基本報酬:業績連動賞与:株式報酬(PSU+RSU)」の構成割合について、執行役社長は「1:1:1」、その他執行役は「1:(0.67~0.8): (0.67~0.8)」の範囲で、上位の役位ほど変動報酬の比率が高くなるように設定。
短期・中長期の重要性は同等とし、業績連動賞与と株式報酬の比率は均等に設定。
エ.報酬ガバナンス
当社は指名委員会等設置会社として、以下のとおり定めています。
■報酬委員会の主な役割・権限
当社の報酬委員会は、当社の取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定する権限を有しており、主に、役員報酬等に関する決定の方針、取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容、執行役のインセンティブ報酬に係る全社業績評価及び各執行役の個別評価の決定を行います。2023年度の報酬委員会の構成は以下のとおりです。なお、報酬委員長は社外取締役が務めることとしています。
[2023年度報酬委員会構成]
・ 委員長[社外取締役]: 渡邉 和紀
・ 委員 [社外取締役]: 薮中 三十二、小出 寬子、小坂 達朗、江川 雅子
・ 委員 [社内取締役]: 増田 邦昭
■決定プロセスおよび年間スケジュール
当社の報酬委員会は、役員報酬等の決定に関する方針の審議・決定にあたって、判断の独立性を確保するとともに、報酬委員会の役割・権限の実効性を高める観点から、グローバルに豊富な経験・知見を有する外部専門機関の報酬アドバイザーからの情報収集並びに助言等を得た上で、経営者報酬を取り巻く環境や世間動向等を十分に考慮して審議・決定を行います。
オ.株式保有ガイドライン
当社は、執行役が株主の皆様との価値共有を長期的かつ持続的に確保することが重要と考えています。そのため、以下のとおり株式保有ガイドラインを設定するとともに、基準金額到達以降も、在任中は継続して基準金額以上の当社株式を保有することとします。
[株式保有ガイドライン]
当該役位就任後、4年以内に達成を目指す保有金額
カ.マルス・クローバック条項
当社は、執行役に重大な不正・違反行為等が発生した場合、過年度決算内容の重大な修正が発生した場合、報酬委員会の決議により、当該執行役に対し、インセンティブ報酬を受給する権利の没収(マルス)又は報酬の返還(クローバック)を請求することができます。対象となり得る報酬は、支給前又は支給済の業績連動賞与、株式交付前のポイント及び譲渡制限解除前の株式、交付済の株式の一部又は全部となります。
② 役員の報酬等の総額(2023年度)
ア.役員区分ごとの報酬等の総額
(注)1 取締役の支給人員には、社外取締役及び執行役兼務の取締役は含まれていません。
2 第152期に在任していた執行役に対し、当事業年度に支給した報酬等の総額と前事業年度の有価証券報告書において開示した報酬等の総額との差額△6百万円が発生しましたが、上表には含まれていません。
3 業績連動賞与は、2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対して2024年6月に支給した賞与に対する2024年3月末の引当額を記載しています。
4 業績連動型株式報酬は、2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対してTSR評価期間(3年)後に交付する予定の株式報酬に対する2024年3月末の引当額を記載しています。
5 譲渡制限付株式報酬は、2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対して2024年3月に交付した譲渡制限付株式に対する報酬総額を記載しています。
6 当社は、業績連動型株式報酬及び譲渡制限付株式報酬に、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを採用しており、業績連動型株式報酬についてはTSR評価期間(3年間)の後に、譲渡制限付株式報酬については待機期間(1年間)の後に、株式を執行役に交付します。
7 取締役及び執行役の退任慰労金について、取締役は2021年6月開催の定時株主総会終結後に、執行役は2021年4月1日から廃止しています。なお、退任慰労金廃止日以前に在任した取締役及び執行役については、退任慰労金廃止日までを在任期間として報酬委員会が定める取締役・執行役退任慰労金規程に基づき退任時に支給します。
イ.連結報酬等の総額が1億円以上である役員ごとの報酬等の総額
(注)1 業績連動賞与は、当事業年度に支給した総額と前事業年度の有価証券報告書において開示した総額との差額、及び2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対して2024年6月に支給した賞与に対する2024年3月末の引当額の合計額を記載しています。
ウ.役員報酬等として交付した役員区分ごとの株式の総数
(注)1 役員であった者を含んでいます。
2 上記の株式数は各役員に現実に交付された株式数であり、各役員に交付の権利が付与された株式のうち127,046株につきましては、株式交付規程に基づき、信託内で換価の上、換価処分金相当額の金銭として支給をしています。
③ 2023年度に係る個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うと報酬委員会が判断した理由
取締役及び執行役の個人別の報酬等の決定等に関し、2023年4月~2024年3月までの間に報酬委員会を7回開催しました。報酬委員会の審議にあたっては、社外からの客観的視点及び役員報酬制度に関する専門的な知見や情報の提供を目的として、グローバルな経験・知見を有する外部専門機関の報酬アドバイザーを起用しました。
2023年度に係る報酬委員会の主な審議・決定事項は以下のとおりです。
・ 2022年度の執行役業績連動賞与に係る業績評価及び個人別支給額等
・ 2019年度の執行役業績連動報酬に係る株式交付
・ 2022年度または2023年度に退任した取締役及び執行役の退任慰労金個人別支給額
・ 2023年度の取締役基本報酬
・ 2023年度の執行役の目標設定の内容
・ 2024年度の執行役報酬制度の運営に係る基本方針、報酬水準、目標設定の考え方
・ 2024年度の執行役基本報酬
・ 期中退任した執行役に関する業績連動賞与の取扱いと株式報酬の決定
上記の審議等を経て、取締役及び執行役の個人別基本報酬については、グローバルに事業展開する日本国内の主要企業の報酬に関する外部データ等を活用し、取締役及び執行役の職務の内容等を踏まえ、報酬委員会にて個人別の報酬を審議・決定しました。また、2022年度又は2023年度に退任した取締役と執行役へ支給された退任慰労金につきましては、改定前の方針の下に制定された取締役・執行役退任慰労金規程に基づき報酬委員会にて個人別の支給額を決定しました。これらを踏まえ、個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものと報酬委員会が判断しました。
① 役員報酬等の決定に関する方針
取締役及び執行役の報酬等の決定に関する方針は、委員長を含む委員の過半数を社外取締役が占める報酬委員会にて審議・決定することとし、当該方針は以下のとおりです。なお、取締役が執行役を兼任する場合は、執行役としての報酬等の決定に関する方針を適用することとします。
ア.基本方針
当社は指名委員会等設置会社として、経営の監督と執行を分離し、経営の監督機能は取締役及び取締役会が、経営の執行機能は執行役が担う体制としているため、取締役と執行役の報酬は、それぞれの職務の内容及び責任に応じ別体系とし、以下の基本方針に基づき、報酬委員会が決定します。
(ア)取締役
a.経営の監督機能の発揮を適切に促すものであること
b.当社の取締役の責務を果たすに相応しい人財を確保するために必要な報酬等であること
(イ)執行役
a.三菱電機グループの企業理念に従い、社会・顧客・株主・従業員をはじめとする全てのステークホルダーに対して説明責任を十分に果たすものであること
b.経営戦略に沿った職務の遂行を促し、経営目標の達成を強く動機付けるものであること
c.持続的な業績成長と企業価値向上へのインセンティブとして機能するものであること
d.役割や職責に対する成果及び貢献を公平・公正に評価するものであること
イ.報酬体系
(ア)取締役
取締役の報酬体系は、客観的かつ独立した立場から当社の経営へ助言と監督を行うという役割に鑑みて、基本報酬(固定報酬)のみとします。
(イ)執行役
執行役の報酬体系は、中期的な企業価値・株主価値の向上を重視し、以下のとおりとします。
<図>報酬体系(報酬割合は執行役社長のものを記載)

a.基本報酬
各執行役の役割や職責に応じて設定される固定報酬とし、役位別基準額(年額)を12で除して毎月現金にて支給します。
b.業績連動賞与
「全社業績評価」及び「個別評価」で構成し、中期経営計画に掲げる重要指標・重点施策等の実行・達成に向けて、「全社業績評価」については連結売上高、連結営業利益率、営業キャッシュフローとROEを評価指標とし、「個別評価」については執行役個別に設定を行う非財務事項に関する目標及びビジネスエリアや事業本部担当執行役については担当事業における業績についても評価指標とし、これらの達成状況に応じて支給額を決定します。個人別の支給額は0~200%の範囲で変動する仕組みとし、算定方法を以下のとおりとした上で、各事業年度終了後に一括して現金支給します。
個人別支給額 = | 役位別基準額 ×(全社業績評価係数+個別評価係数)(0~200%) |
■全社業績評価係数の算定方法
[連結売上高] [連結営業利益率]


[営業キャッシュフロー] [ROE]


※目標・下限・上限については、2023年度のものを記載
■個別評価係数の算定方法
執行役社長の目標は、事業年度開始時点において報酬委員会で審議の上、決定します。評価については、事業年度終了後に、執行役社長の自己評価を経て報酬委員会が審議の上、決定します。
その他執行役の目標及び評価は、執行役社長と各執行役の面談を経て、報酬委員会で審議・承認します。
■2023年度の評価指標及び評価割合、目標等及び実績並びに評価係数
評価指標 | 評価割合 | 目標等 | 実績 | 評価 係数 | |||
執行役 社長 | その他 執行役 | ||||||
全社業績評価 | 連結売上高 | 21% | 15% | 上限 | 57,200億円 | 52,579億円 | 111.1% |
目標 | 52,000億円 | ||||||
下限(Threshold) | 49,400億円 | ||||||
連結営業 利益率 | 21% | 15% | 上限 | 7.3% | 6.2% | 90.0% | |
目標 | 6.3% | ||||||
下限(Threshold) | 5.8% | ||||||
営業CF | 14% | 10% | 上限 | 6,770億円 | 4,154億円 | 75.9% | |
目標 | 4,663億円 | ||||||
下限(Threshold) | 3,610億円 | ||||||
ROE | 14% | 10% | 上限 | 11.5% | 8.2% | 105.7% | |
目標 | 8.0% | ||||||
下限(Threshold) | 7.5% | ||||||
個別評価 | 30% | 50% | 2025年度中期経営計画の重点施策、信頼回復に向けた「3つの改革」、ESG推進、担当ビジネスエリアや事業本部の業績等、各執行役について個別具体的な目標を設定 | 個別目標に対する評価や担当事業本部の業績等による | - |
c.業績連動型株式報酬(PSU)*PSUはPerformance Share Unitの略称
業績連動型株式報酬(PSU)は、原則として毎期、3年間の当社TSR(株主総利回り)とあらかじめ選定した比較対象企業群の各社TSRとの比較結果(パーセンタイルランク)に応じて交付される株式数が0~200%の範囲で変動する仕組みとします。なお、比較対象企業群については、当社が展開する事業領域において競合する国内外の企業を選定しています。個人別の交付株式数の算定方法は以下のとおりです。
個人別交付株式数 = | 役位別PSU基準ポイント × PSU支給率(0~200%) |
■PSU支給率の算定方法
[TSR(比較対象企業群との相対比較)]


■2023年度を評価対象期間終了事業年度とする当該株式報酬
当該業績連動型株式報酬(PSU)は2022年度に導入したため、当年度を評価対象期間終了事業年度とする当該株式報酬はありません。
d.譲渡制限付株式報酬(RSU)*RSUはRestricted Stock Unitの略称
譲渡制限付株式報酬(RSU)は、在任中の継続的な株式保有及び株主価値の共有を促進するため、原則として毎期、各事業年度末に役位別基準額相当の譲渡制限付株式を交付し、退任時(当社の取締役又は執行役のいずれの地位からも退任する時点)に譲渡制限を解除する仕組みとします。
■業績連動型株式報酬(PSU)と譲渡制限付株式報酬(RSU)のポイント付与・株式交付サイクルイメージ
2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2026年度 | 2027年度 | 2028年度 | |||||||||||||||||||||
PSU | TSR評価期間(3年) | |||||||||||||||||||||||||
TSR評価期間(3年) | ||||||||||||||||||||||||||
TSR評価期間(3年) | ||||||||||||||||||||||||||
評価期間開始から3年後に株式交付(オーバーラップ型) | ||||||||||||||||||||||||||
RSU | 待機期間(1年) | (同左) | (同左) | (同左) | (同左) | (同左) | ||||||||||||||||||||
毎期末に交付(退任時に譲渡制限解除) | ||||||||||||||||||||||||||
:基準ポイント付与 | :株式交付(RSUの場合は譲渡制限あり) |
ウ.報酬水準・報酬構成割合の設定方法
取締役及び執行役の報酬水準・報酬構成割合は、毎年、外部専門機関による報酬調査データによって市場水準と比較の上、役割や職責に応じて設定します。市場水準との比較にあたっては、当社の規模や業態、グローバル展開等の観点から類似する日本国内の大手製造業企業を報酬ベンチマーク企業群として選定します。
(ア)取締役
取締役の基本報酬水準は、報酬ベンチマーク企業群における非業務執行社内取締役又は社外取締役の報酬水準、役割や職責等を考慮して設定します。
(イ)執行役
執行役の報酬等は、報酬ベンチマーク企業群における業務執行役員の報酬水準の動向、当社の経営戦略・事業環境、インセンティブ報酬の目的や目標達成の難易度、当該執行役の役割や職責等を考慮して設定します。また、ペイ・フォー・パフォーマンスの観点から、業績連動性と中長期的な企業価値・株主価値の向上を重視した報酬等とするため、インセンティブ報酬の割合を高めに設定します。なお、2023年度の基準報酬の構成割合は以下のとおりです。
■2023年度の基準報酬の構成割合


※RSU: 譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock Unit)の略称
※「基本報酬:業績連動賞与:株式報酬(PSU+RSU)」の構成割合について、執行役社長は「1:1:1」、その他執行役は「1:(0.67~0.8): (0.67~0.8)」の範囲で、上位の役位ほど変動報酬の比率が高くなるように設定。
短期・中長期の重要性は同等とし、業績連動賞与と株式報酬の比率は均等に設定。
エ.報酬ガバナンス
当社は指名委員会等設置会社として、以下のとおり定めています。
■報酬委員会の主な役割・権限
当社の報酬委員会は、当社の取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容を決定する権限を有しており、主に、役員報酬等に関する決定の方針、取締役及び執行役の個人別の報酬等の内容、執行役のインセンティブ報酬に係る全社業績評価及び各執行役の個別評価の決定を行います。2023年度の報酬委員会の構成は以下のとおりです。なお、報酬委員長は社外取締役が務めることとしています。
[2023年度報酬委員会構成]
・ 委員長[社外取締役]: 渡邉 和紀
・ 委員 [社外取締役]: 薮中 三十二、小出 寬子、小坂 達朗、江川 雅子
・ 委員 [社内取締役]: 増田 邦昭
■決定プロセスおよび年間スケジュール
当社の報酬委員会は、役員報酬等の決定に関する方針の審議・決定にあたって、判断の独立性を確保するとともに、報酬委員会の役割・権限の実効性を高める観点から、グローバルに豊富な経験・知見を有する外部専門機関の報酬アドバイザーからの情報収集並びに助言等を得た上で、経営者報酬を取り巻く環境や世間動向等を十分に考慮して審議・決定を行います。
オ.株式保有ガイドライン
当社は、執行役が株主の皆様との価値共有を長期的かつ持続的に確保することが重要と考えています。そのため、以下のとおり株式保有ガイドラインを設定するとともに、基準金額到達以降も、在任中は継続して基準金額以上の当社株式を保有することとします。
[株式保有ガイドライン]
当該役位就任後、4年以内に達成を目指す保有金額
役位 | 保有目標金額 | |
執行役社長 | 基本報酬(年額)の | 1.3倍 |
執行役副社長 | 1.1倍 | |
専務執行役 | 1.0倍 | |
常務執行役 | 0.8倍 |
カ.マルス・クローバック条項
当社は、執行役に重大な不正・違反行為等が発生した場合、過年度決算内容の重大な修正が発生した場合、報酬委員会の決議により、当該執行役に対し、インセンティブ報酬を受給する権利の没収(マルス)又は報酬の返還(クローバック)を請求することができます。対象となり得る報酬は、支給前又は支給済の業績連動賞与、株式交付前のポイント及び譲渡制限解除前の株式、交付済の株式の一部又は全部となります。
② 役員の報酬等の総額(2023年度)
ア.役員区分ごとの報酬等の総額
区分 | 支給人員 | 報酬等の総額 | 報酬等の種類別の総額 | ||||
基本報酬 | 業績連動賞与 | 業績連動型 株式報酬 | 譲渡制限付 株式報酬 | 退任慰労金 | |||
取締役 | 2名 | 96百万円 | 96百万円 | - | - | - | - |
社外取締役 | 9名 | 151百万円 | 145百万円 | - | - | - | 6百万円 |
執行役 | 14名 | 1,604百万円 | 598百万円 | 440百万円 | 395百万円 | 169百万円 | - |
(注)1 取締役の支給人員には、社外取締役及び執行役兼務の取締役は含まれていません。
2 第152期に在任していた執行役に対し、当事業年度に支給した報酬等の総額と前事業年度の有価証券報告書において開示した報酬等の総額との差額△6百万円が発生しましたが、上表には含まれていません。
3 業績連動賞与は、2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対して2024年6月に支給した賞与に対する2024年3月末の引当額を記載しています。
4 業績連動型株式報酬は、2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対してTSR評価期間(3年)後に交付する予定の株式報酬に対する2024年3月末の引当額を記載しています。
5 譲渡制限付株式報酬は、2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対して2024年3月に交付した譲渡制限付株式に対する報酬総額を記載しています。
6 当社は、業績連動型株式報酬及び譲渡制限付株式報酬に、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託の仕組みを採用しており、業績連動型株式報酬についてはTSR評価期間(3年間)の後に、譲渡制限付株式報酬については待機期間(1年間)の後に、株式を執行役に交付します。
7 取締役及び執行役の退任慰労金について、取締役は2021年6月開催の定時株主総会終結後に、執行役は2021年4月1日から廃止しています。なお、退任慰労金廃止日以前に在任した取締役及び執行役については、退任慰労金廃止日までを在任期間として報酬委員会が定める取締役・執行役退任慰労金規程に基づき退任時に支給します。
イ.連結報酬等の総額が1億円以上である役員ごとの報酬等の総額
氏名 | 役員区分 | 会社区分 | 連結報酬等 の総額 | 報酬等の種類別の総額 | |||
基本報酬 | 業績連動賞与 | 業績連動型 株式報酬 | 譲渡制限付株式報酬 | ||||
漆間 啓 | 執行役 | 三菱電機㈱ (当社) | 334百万円 | 100百万円 | 108百万円 | 88百万円 | 37百万円 |
松本 匡 | 執行役 | 三菱電機㈱ (当社) | 172百万円 | 18百万円 | 45百万円 | 44百万円 | 19百万円 |
取締役 | 三菱電機 ビルソリューションズ㈱ (連結子会社) | 37百万円 | 7百万円 | - | - | ||
加賀 邦彦 | 執行役 | 三菱電機㈱ (当社) | 122百万円 | 42百万円 | 37百万円 | 30百万円 | 12百万円 |
高澤 範行 | 執行役 | 三菱電機㈱ (当社) | 121百万円 | 42百万円 | 36百万円 | 30百万円 | 12百万円 |
(注)1 業績連動賞与は、当事業年度に支給した総額と前事業年度の有価証券報告書において開示した総額との差額、及び2023年4月から2024年3月を対象期間とし、対象となる執行役に対して2024年6月に支給した賞与に対する2024年3月末の引当額の合計額を記載しています。
ウ.役員報酬等として交付した役員区分ごとの株式の総数
交付株式数 | 交付対象者数 | |
執行役及び取締役(社外取締役を除く) | 211,644株 | 32名 |
社外取締役 | - | - |
(注)1 役員であった者を含んでいます。
2 上記の株式数は各役員に現実に交付された株式数であり、各役員に交付の権利が付与された株式のうち127,046株につきましては、株式交付規程に基づき、信託内で換価の上、換価処分金相当額の金銭として支給をしています。
③ 2023年度に係る個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うと報酬委員会が判断した理由
取締役及び執行役の個人別の報酬等の決定等に関し、2023年4月~2024年3月までの間に報酬委員会を7回開催しました。報酬委員会の審議にあたっては、社外からの客観的視点及び役員報酬制度に関する専門的な知見や情報の提供を目的として、グローバルな経験・知見を有する外部専門機関の報酬アドバイザーを起用しました。
2023年度に係る報酬委員会の主な審議・決定事項は以下のとおりです。
・ 2022年度の執行役業績連動賞与に係る業績評価及び個人別支給額等
・ 2019年度の執行役業績連動報酬に係る株式交付
・ 2022年度または2023年度に退任した取締役及び執行役の退任慰労金個人別支給額
・ 2023年度の取締役基本報酬
・ 2023年度の執行役の目標設定の内容
・ 2024年度の執行役報酬制度の運営に係る基本方針、報酬水準、目標設定の考え方
・ 2024年度の執行役基本報酬
・ 期中退任した執行役に関する業績連動賞与の取扱いと株式報酬の決定
上記の審議等を経て、取締役及び執行役の個人別基本報酬については、グローバルに事業展開する日本国内の主要企業の報酬に関する外部データ等を活用し、取締役及び執行役の職務の内容等を踏まえ、報酬委員会にて個人別の報酬を審議・決定しました。また、2022年度又は2023年度に退任した取締役と執行役へ支給された退任慰労金につきましては、改定前の方針の下に制定された取締役・執行役退任慰労金規程に基づき報酬委員会にて個人別の支給額を決定しました。これらを踏まえ、個人別の報酬等の内容が決定方針に沿うものと報酬委員会が判断しました。