有価証券報告書-第103期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 9:19
【資料】
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【項目】
128項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
①会社の経営の基本方針
当社グループは、「エネルギー・ソリューション分野を中心とし、アクティブに新技術に挑戦することで、新しい価値創造を人間社会に発信し続け、貢献する。」を企業理念とし、企業価値の最大化を図るとともに社会から信頼される企業づくりを目指しております。
計測制御機器事業におきましては、検針システムの自動化、電気料金メニューの多様化、ピークシフトをはじめとする負荷の平準化や再生可能エネルギーの有効活用等、いわゆるスマートグリッドと呼称される電力会社の顧客サービス拡充、合理化等の施策を支援するスマートメーターの開発をはじめ、エネルギーの有効活用に資する幅広い機器・システム・サービスの開発を通し、省エネ対策や地球温暖化問題の緩和に貢献してまいります。
また、FPD関連装置事業におきましては、主力製品として事業を牽引してまいりましたFPD関連装置を継続的・安定的に成長させ、今後更に成長が期待できるセンサーデバイスやエネルギー・照明関連市場において、お客様の満足度を向上させることを狙いとした新規事業展開を積極的に推進し、実装装置業界の中でのリーディングカンパニーを目指してまいります。
②中長期的な会社の経営戦略
「中期経営計画」におきましては、グループの企業価値をより高めることを基本方針として下記の取り組みを行うものであります。
1.本格的な普及が始まったスマートメーターにつきましては高水準の受注を獲得しておりますが、供給体制を整備すると共にコストを低減して利益の向上につなげ、強固な事業基盤を構築してまいります。国内トップメーカーとしての地位を確たるものにする他、グローバル市場においても総合的なエネルギー計測・管理システムの構築に取り組んでまいります。
2.一般市販市場向けでは、エネルギー使用状況を診断し、機器の運用、設備更新やエネルギー調達の改善提案を行うサービスを展開しております。中小ビル、商業施設を対象としたBEMS(Building Energy Management System)や住宅全般を対象としたHEMS(Home Energy Management System)等、より裾野を広げる形で省エネルギーサービスの更なる販売拡大を図ってまいります。
3.FPD関連装置事業につきましては、FPD関連やICカード関連等で培ってきたファインピッチ実装技術やカスタム化設備技術などのコア技術を更に強化、拡大し、このコア技術を効果的に発揮できる新規分野への展開拡大を中長期的な経営戦略としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、株主資本の効率化を追求した経営を重視しており、中長期的な経営指標として自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を目標として努力する所存であります。
スマートメーターの本格導入によって収益構造が変わり、当年度実績は9.2%と大幅に改善しました。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
①計測制御機器事業
当事業につきましては、主力取引先である電力会社向け製品では電力各社による一般競争入札の導入などによりメーカー間の競合状態が激化し、製品販売価格が著しく低下する等、厳しい経営環境が続いております。
主力製品の電力量計では、次世代電力量計であるスマートメーターが本格的導入期に入っており、一部地域での前倒し導入の影響で今後数年間は高レベルの需要が見込まれております。こうした状況の中、電力会社のニーズに適応し高機能・高品質で信頼性が高く、なお且つ競争力の高い製品開発に総力をあげて取り組んでまいります。スマートメーターに関しては、従来型の電力量計同様の高いシェアを獲得しておりますが、引き続き生産の効率化を図ると共に、メーカー間の競合によって低下した販売価格に見合うコスト削減を推進してまいります。また、前倒し導入の影響で数年後には需要の減少が懸念されますが、エネルギーマネジメント領域等の新たな収益源の創出に向け取り組んでまいります。海外事業につきましては、英国における展開強化へ向けて、スマートメーターの生産・供給体制を整備すると共に、既に出荷を開始している通信ハブを含めて、利益拡大へ向けた更なる原価低減に取り組んでまいります。また、今後スマートメーターの需要拡大が想定される欧州大陸等への事業拡大を検討してまいります。
②FPD関連装置事業
当事業につきましては、成長事業として車載用等の特殊FPDや高品質センサーデバイス等の高収益製品に特化した受注戦略の見直しを図り、コスト低減や納期短縮を行ってまいります。また、販売・サービス面で顧客満足度を向上させ、新規顧客を開拓して受注拡大を推進し、事業の再構築へ向けて真摯に取り組んでまいります。
③不動産事業
当事業につきましては、既存賃貸事業の稼働率の向上及びコスト削減等により、投資利回りを改善していく方針であります。