四半期報告書-第115期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日(2014年6月30日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)から国際会計基準(以下、IFRS)を適用しております。また、前年同四半期及び前連結会計年度の連結財務諸表につきましても、IFRSに準拠して表示しております。
以下の文中において、当第1四半期連結会計期間及び当第1四半期連結累計期間を当第1四半期、前年同四半期連結累計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。また、文中に記載しております為替影響は、米ドル、ユーロ、英ポンドを対象に前年同期の対円平均レートを当第1四半期の外貨建取引高に適用して試算しております。
(1)経営成績の分析
①事業環境
当第1四半期における世界経済は、緩やかな回復基調が継続しています。欧州ではドイツを中心に緩やかに持ち直したものの足元では改善ペースが鈍化しています。米国では年始めの寒波による影響の反動により一時的な高い伸びが見られたものの、今後は緩やかな景気拡大が見込まれます。また、新興国では成長ペースの足踏みが見られました。
国内経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や海外景気の下振れリスク等があるものの、政府による経済・金融政策により、企業収益や雇用情勢の改善が見られ、緩やかに回復しつつあります。なお、ICT
(Information and Communication Technology)投資は、これまでの企業収益の改善等を背景に、緩やかな増加傾向が続いています。
<要約四半期連結損益計算書>(単位:億円)
(注) その他の損益には、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下、日本基準)における特別損益や、営業外損益(金融損益及び持分法による投資損益を除く)などが含まれております。
[2013年度実績(IFRS)]
1.連結損益計算書 (単位:億円)
(注)当期利益は親会社所有者帰属分です。
<売上収益及び営業利益の主要セグメント別内訳>(単位:億円)
[ご参考]日本基準 (単位:億円)
2.連結財政状態計算書 (単位:億円)
(注)日本基準のその他の資本の構成要素は、その他の包括利益累計額を表示しております。
[当社グループの連結財務諸表における日本基準とIFRSの主な差異影響]
1.連結損益計算書
(1)売上収益に差異影響はありません。
(2)年金費用について、IFRSでは数理差異償却費が無くなる一方で、期待運用収益率と割引率を統一することなどにより勤務費用及び利息費用が増加します。
(3)のれんについて、IFRSでは定期償却を行いません。
(4)IFRSには特別損益区分がありませんので、日本基準における特別損益や、営業外損益(金融損益及び持分法による投資損益を除く)などを営業利益に含めて表示します。
(5)日本基準において特別損益に計上された為替換算調整勘定取崩損などについてはIFRS固有の調整があります。為替換算調整勘定取崩損についてはIFRS初度適用における免除規定により、IFRS移行日(2013年4月1日)において為替換算調整勘定をゼロとみなすことから移行日前に発生した損失を認識しません。
2.連結財政状態計算書
資本の内訳表示を変更いたします。退職給付の積立不足による資本減少影響は、日本基準ではその他の包括利益累計額に表示していましたが、IFRSではその他の資本の構成要素に認識した上で、利益剰余金に振り替えています。また、IFRS移行日における為替換算調整勘定は利益剰余金に振り替えています。
詳細につきましては「第4経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 11.初度適用」を参照して下さい。
②売上収益
売上収益は1兆686億円と、前年同期比6.9%の増収になりました。国内は8.1%の増収です。パソコンや携帯電話が増収となったほか、システムインテグレーションは公共、金融向けなどを中心に伸長しました。海外は5.3%の増収ですが、為替影響を除くとほぼ前年同期並みです。LSIや電子部品が減収となりましたが、北米向けオーディオ・ナビゲーション機器や、欧州向けパソコンが増収となりました。
米ドルの平均レートは102円(前年同期比3円の円安)、ユーロは140円(前年同期比11円の円安)、英ポンドは172円(前年同期比20円の円安)となり、為替影響により売上収益が前年同期比で約250億円増加しております。海外売上比率は40.9%と、国内の携帯電話やパソコンの売上増により前年同期比0.7ポイント低下しました。
(ご参考)海外売上収益 (単位:億円)
③売上原価、販売費及び一般管理費、その他の損益及び営業利益
売上原価は7,877億円になりました。売上総利益は2,809億円と、前年同期比210億円の増益になりました。売上総利益率は26.3%と、携帯電話の採算改善などにより前年同期比0.3ポイント上昇しました。
販売費及び一般管理費は2,744億円と、ほぼ前年同期並みとなりました。その他の損益は8億円と、前年同期比16億円の減益になりました。前年同期において、欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益計上があったことなどによります。
営業利益は72億円と、前年同期比180億円の改善となりました。増収効果に加え、携帯電話事業などで前年度に実施した構造改革の効果によります。
④税引前四半期利益
税引前四半期利益は営業利益に持分法による投資利益などを加え104億円となりました。
⑤親会社所有者帰属四半期利益
親会社の所有者に帰属する四半期利益は68億円と、前年同期比160億円の改善となりました。
⑥セグメント情報
・セグメント別の売上収益及び営業利益の状況
当第1四半期のセグメント別の売上収益(セグメント間の内部売上収益を含む)及び営業利益は以下のとおりであります。
a テクノロジーソリューション
「テクノロジーソリューション」は、プロダクト・ソフトウェア・サービスが一体となった総合的なサービスを顧客に最適な形で提供しています。情報システムの構築などを行うソリューション/SI、アウトソーシングや保守サービスを中心とするインフラサービス、ICTの基盤となる、サーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクトにより構成されています。
売上収益は7,080億円と、前年同期比4.5%の増収になりました。国内は3.2%の増収です。システムインテグレーションは、前年度に引き続き金融、公共分野を中心とした顧客の投資拡大により、増収となりました。インフラサービスは、堅調に推移しました。サーバ関連は、ほぼ前年同期並みに推移しました。携帯電話基地局などのネットワークプロダクトは、通信キャリアの投資がLTEサービスエリアの拡大に伴い高い水準にあったことにより増収となりました。海外は6.4%の増収になりましたが、為替影響を除くと1%の減収です。英国では緩やかな景気回復を背景とした企業の投資回復の影響で前年同期を上回ったものの、欧州大陸ではハード関連の需要が一時的に停滞したことにより、インフラサービス全体では減収となりました。なお、豪州や北米でのデータセンタービジネスは堅調に推移しています。北米向け光伝送システムは通信キャリアの当社関連セグメントに関する投資が端境期に入った影響があったものの、欧州大陸の緩やかな景気回復を背景にPCサーバの売上収益は増加しました。
営業利益は114億円と、前年同期比29億円の減益になりました。国内では、システムインテグレーションやネットワークプロダクトの増収効果がサーバ関連の先行開発投資を吸収し増益となりました。海外では、インフラサービスの減収影響に加え、前年同期に欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益計上があったことにより減益になりました。
b ユビキタスソリューション
「ユビキタスソリューション」は、当社グループが実現を目指す「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」(誰もが複雑な技術や操作を意識せずに、ICTが創出する価値の恩恵を享受できる社会)において、人や組織の行動パターンから生み出される様々な情報や知識を収集・活用するユビキタス端末あるいはセンサーとして、パソコン/携帯電話のほか、オーディオ・ナビゲーション機器や移動通信機器、自動車用電子機器により構成されています。
売上収益は2,689億円と、前年同期比24.5%の増収になりました。国内は24.6%の増収です。パソコンは個人向け、法人向けともにOSの製品サポート終了に伴う買い替え需要により販売台数が増加したほか、需要増を背景に販売価格も安定的に推移し増収となりました。携帯電話は、らくらくシリーズなどの好調な販売に加え、新機種の発売も寄与し増収となりました。海外は24.4%の増収になり、為替影響を除いても19%の増収です。パソコンが欧州向けで売上増となったほか、モバイルウェアのオーディオ・ナビゲーション機器は北米向けを中心に増収となりました。
営業利益は87億円と、前年同期比257億円の改善となりました。国内では、携帯電話が増収効果に加え、前年度に実施した構造改革による効果や、品質安定化に伴う対策費用の減少、コストダウンなどにより大幅に改善しました。パソコンは、増収効果を受けたほか、価格の安定化などにより採算性が改善しました。海外では、パソコンが増収効果に加え、米ドルに対してユーロ高が進んだことにより欧州拠点でのドル建ての部材調達コストが低減しました。
c デバイスソリューション
「デバイスソリューション」は、最先端テクノロジーとして、デジタル家電や自動車、携帯電話、サーバなどに搭載されるLSIのほか、半導体パッケージ、電池をはじめとする電子部品により構成されています。
売上収益は1,352億円と、前年同期比7%の減収になりました。国内はLSI、電子部品ともにほぼ前年同期並みでした。海外は13.7%の減収です。LSIは、マイコン・アナログ事業の譲渡に伴う影響により欧州向けを中心に売上減となったほか、アジア向けを中心にスマートフォン関連が減収になりました。電子部品は、米州向け半導体パッケージが減収となりました。
営業利益は33億円と、前年同期比38億円の減益になりました。
LSIは、早期退職優遇制度の実施などによる固定費削減効果はありましたが、減収影響により減益となりました。電子部品は通信半導体会社清算に伴い開発費負担が軽減したものの、減収影響に加え、価格競争激化の影響を受け減益となりました。
当社グループは、2013年2月に発表しました「半導体事業の再編と方針」に基づき様々な検討をすすめてまいりました。
ⅰ システムLSI事業の統合新会社設立について
システムLSI事業をパナソニック株式会社と統合し、株式会社日本政策投資銀行の出資を得て、ファブレス形態で親会社から独立した新会社を設立することについて、2014年7月に正式契約を締結いたしました。当社、パナソニック株式会社、株式会社日本政策投資銀行の新会社に対する議決権比率はそれぞれ40%、20%、40%となります。
新会社は各国における競争法等の必要な手続きの完了等を前提に2014年度第4四半期の営業開始を予定しており、数年後の新規株式公開(IPO)を目指します。
ⅱ 会津若松ファウンドリ新会社の設立とオン・セミコンダクターとの戦略的パートナーシップについて
基盤系工場については、岩手工場を株式会社デンソーに譲渡、三重200mmラインを富士通セミコンダクターテクノロジに集約し、生産能力の適正化を進めてまいりましたが、今回、2014年度第3四半期にファウンドリ新会社を会津若松市に設立することを決定いたしました。新会社としては、(イ)本社機能を有する統括会社、(ロ)アナログ製品などのファウンドリ事業を行う150mm工場会社、および(ハ)マイコン、アナログ、特殊プロセスなどのファウンドリ事業を行う200mm工場会社の3社を設立いたします。
また、2014年7月に締結したオン・セミコンダクターとの戦略的パートナーシップに基づき、オン・セミコンダクターが200mm工場会社に10%の資本参加をいたします。
ⅲ 三重ファウンドリ新会社の設立について
三重300mm製造ラインについては、2014年度第3四半期にファウンドリ新会社として分社し、独立した企業として顧客への安定供給とファウンドリ事業の拡大を図ることを決定いたしました。新会社の継続的な成長を目的に、今後、外部パートナーとの提携を計画しております。
d その他
「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、次世代スーパーコンピュータ事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業及び当社グループ従業員向け福利厚生事業等が含まれております。
営業利益は27億円の損失と、前年同期比12億円の悪化となりました。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
当第1四半期末の資産合計は3兆482億円と、前年度末から577億円減少しました。流動資産は1兆7,331億円と前年度末から519億円減少しました。売上債権は前年度末に集中した売上収益に係る売掛金を回収したことなどにより前年度末から1,885億円減少しました。棚卸資産は3,586億円と、今後の売上収益に対応するため、サービスビジネスを中心に前年度末から284億円増加しました。非流動資産は1兆3,150億円と前年度末から57億円減少しました。
負債合計は2兆3,362億円と、前年度末から717億円減少しました。仕入債務は前年度末に集中した売上に対応する支払いにより減少したほか、その他の債務が賞与の支給などにより減少しました。一方、有利子負債は6,686億円と、前年度末から1,084億円増加しました。当年度末までに償還期日が到来する社債償還資金及び借入金返済資金の一部に充当するため普通社債700億円を発行したことなどによります。これによりD/Eレシオは1.15倍と前年度末より0.16ポイント増加しましたが、ネットD/Eレシオは0.50倍とほぼ前年度末と同じ水準になりました。
資本合計は7,119億円と、前年度末から140億円増加しました。期末配当金の支払いによる減少影響はありましたが、四半期利益の計上や確定給付制度の積立状況が改善したことによります。
[ご参考]確定給付負債(資産)の純額の再測定影響額 (単位:億円)
(注)確定給付制度債務及び制度資産は四半期ごとに再測定しております。
再測定された確定給付負債(資産)の純額(数理計算上の差異等)について、発生時に、税効果を調整した上で、その他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から直ちに利益剰余金に振り替えております。
<要約四半期連結財政状態計算書>(単位:億円)
(注)有利子負債 :社債、借入金及びリース債務(流動負債)+社債、借入金及びリース債務(非流動負債)
ネット有利子負債 :有利子負債-現金及び現金同等物
(ご参考)財務指標
(注)D/Eレシオ :有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分
ネットD/Eレシオ :(有利子負債-現金及び現金同等物)÷親会社の所有者に帰属する持分
親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分÷資産合計
②キャッシュ・フローの状況
当第1四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは295億円のプラスとなりました。前年同期からは82億円の収入増となりました。増収効果のほか、構造改革効果などによる携帯電話の採算改善により、税引前四半期利益が改善したことなどによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは493億円のマイナスとなりました。データセンター関連や電子部品用製造設備を中心に有形固定資産及び無形資産の取得で365億円支出しました。前年同期には資金運用目的の定期預金の満期による収入を計上していたことなどにより前年同期からは312億円の支出増となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは197億円のマイナスと、前年同期からは230億円の収入減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは948億円のプラスとなりました。運転資金の一部を短期借入金で調達したほか、当年度末までに償還期日が到来する社債の償還資金等に充当するため普通社債700億円を発行しました。前年同期からは54億円の収入増となりました。
この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,750億円と、前年度末からは738億円増加しました。
当社グループは、資金需要に応じた効率的な資金調達を確保するため、手許流動性を適切な水準に維持することを財務活動上の重要な指針としております。手許流動性は、現金及び現金同等物と、複数の金融機関との間で締結したコミットメントライン契約に基づく融資枠のうち未使用枠残高の合計額であります。当第1四半期末の手許流動性は5,727億円で、現金及び現金同等物を3,750億円、コミットメントライン未使用枠を1,977億円保有しております。
<要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書>(単位:億円)
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第1四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値の向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入いたしておりません。
今後とも、企業価値・株主様共同の利益を第一に考え、社会情勢等の変化に十分注意しながら、継続的に買収防衛策の必要性も含めた検討を進めてまいります。
(4)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」および「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワークなどに関する研究開発を行っており、近年は、特にビッグデータの利活用に関する研究開発に注力しております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器などのユビキタス社会に不可欠な製品・技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)などの各種デバイス製品・技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTがどのようにビジネスと社会のイノベーションに貢献するかについての当社グループの考え方を「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、セグメントの区分を超えてヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ(*1)の実現に向けた「ヒューマン・エンパワーメント」「クリエイティブ・インテリジェンス」「コネクテッド・インフラストラクチャー」の3つのアプローチを提唱しています。当社グループでは、これらの3つのアプローチに加え、それらを支えるコア技術となる「共通な基盤」の発展に向けて研究開発を推進しています。
(*1)人々が可能性を最大限に発揮してイノベーションを生み出し、安心安全に暮らし、そして情報が新たな価値を生み出し、社会が持続的に成長していく世界。
なお、上記の各アクションアイテム等に関する、当第1四半期連結会計期間における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第1四半期における当社グループの研究開発費の総額は512億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
・患者を見守るためにカメラ画像から病床の患者の動きを認識する技術を開発
医療や介護をする人の支援に向けて、人の頭部の位置をカメラ画像で認識し「起床」「離床」「寝返り」などの患者の大まかな動きを把握する技術を開発しました。圧力方式マットセンサーなどの従来技術では誤検知が課題でしたが、本技術では高い精度で動きを認識できます。これにより病院や介護施設、在宅サービスへ適用することで看護負荷の軽減を目指します。
・学校や店舗などその場での端末・機器間の情報交換サービスを迅速に構築できる基盤技術を開発
人が集まった場所で端末や機器をつなげて、画面共有や協働作業を行う情報交換サービスを迅速に構築できる基盤技術を開発しました。これにより端末や機器につないで活用するアプリケーションの開発工数を従来の1/10に低減することが可能です。学校のグループ学習、来店されたお客さまへ商品PRをその場で配布するなどのサービスを素早く構築し提供できます。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・マルウェアによるサイバー攻撃を高速検知する技術を開発
社会のICTの安心安全を支えるセキュリティ技術として、企業や個人を狙った標的型攻撃に対して、悪意のあるプログラムであるマルウェアを高速検知する技術を開発しました。活動初期の特徴的な通信パターンをリアルタイムに解析することで、ファイアーウォールやアンチウイルスソフトウェアでは検知困難なマルウェアを、情報漏えい前に検出することが可能になります。
・住民の移動ニーズと事業者の利益向上を両立するオンデマンド交通運行技術を開発
自家用車に頼らず暮らせる地域交通サービスの実現を目指し、新しいオンデマンド交通運行技術を米MIT(Massachusetts Institute of Technology)と共同で開発しました。「料金」「待ち時間」「乗車時間」などを考慮した利用者の満足度を高めつつ、事業者の利益を最大化する動的運行モード割当て(貸切、乗合、固定路線)による配車サービスを提供できるようになります。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・40Gbps通信データの蓄積および高速検索技術を業界で初めてソフトウェアで実現
従来、専用のハードウェアでのみ可能であった40Gbpsの高速通信データの蓄積と高速検索を、業界で初めてソフトウェアで実現しました。これにより通信障害時の関連パケットの検索など、ネットワーク上で発生した事象を把握する技術を低コストで導入することが可能になります。ネットワークの品質向上やデータセンターの運用安定化への活用が期待されます。
・障害に強い広域SDNを実現するクラスタ型分散コントローラー技術を開発
ネットワークの構築・変更を柔軟にできるSDN(Software Defined Networking)を、スイッチ台数が1,000台規模の広域ネットワークに導入しようとすると、スイッチを制御するコントローラーの能力を超える急激な負荷変動や故障が課題となります。コントローラーをクラスタ化し、故障や処理能力不足に対して他のコントローラーが自動で役割を担うことができるクラスタ型分散コントローラー技術を開発しました。これにより、ネットワークサービスを止めることなくコントローラー障害を復旧し安定した運用が可能になります。
④共通な基盤
・CPU間通信向け56Gbps受信回路を世界で初めて開発
次世代サーバやスーパーコンピュータの高性能化にはCPUの処理性能の向上と共にCPU間のデータ転送の高速化が必要です。信号の歪み補正回路の高速化により、従来の2倍となる毎秒56ギガビットでデータを受信する回路を、世界で初めて開発しました。2016年度の実用化を目指し、普及が広がるクラウドサービスを支えるサーバの性能向上へ貢献していきます。
当社グループの連結財務諸表は、当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)から国際会計基準(以下、IFRS)を適用しております。また、前年同四半期及び前連結会計年度の連結財務諸表につきましても、IFRSに準拠して表示しております。
以下の文中において、当第1四半期連結会計期間及び当第1四半期連結累計期間を当第1四半期、前年同四半期連結累計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。また、文中に記載しております為替影響は、米ドル、ユーロ、英ポンドを対象に前年同期の対円平均レートを当第1四半期の外貨建取引高に適用して試算しております。
(1)経営成績の分析
①事業環境
当第1四半期における世界経済は、緩やかな回復基調が継続しています。欧州ではドイツを中心に緩やかに持ち直したものの足元では改善ペースが鈍化しています。米国では年始めの寒波による影響の反動により一時的な高い伸びが見られたものの、今後は緩やかな景気拡大が見込まれます。また、新興国では成長ペースの足踏みが見られました。
国内経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動や海外景気の下振れリスク等があるものの、政府による経済・金融政策により、企業収益や雇用情勢の改善が見られ、緩やかに回復しつつあります。なお、ICT
(Information and Communication Technology)投資は、これまでの企業収益の改善等を背景に、緩やかな増加傾向が続いています。
<要約四半期連結損益計算書>(単位:億円)
| 2013年度 第1四半期 | 2014年度 第1四半期 | 前年同期比 | ||
| 増減率(%) | ||||
| 売上収益 | 9,992 | 10,686 | 694 | 6.9 |
| 売上総利益 | 2,598 | 2,809 | 210 | 8.1 |
| (売上総利益率) | (26.0%) | (26.3%) | (0.3%) | |
| 販売費及び一般管理費 | △2,730 | △2,744 | △13 | 0.5 |
| その他の損益 | 24 | 8 | △16 | △66.4 |
| 営業利益 | △107 | 72 | 180 | - |
| (営業利益率) | (△1.1%) | (0.7%) | (1.8%) | |
| 金融損益等 | 44 | 31 | △13 | △30.0 |
| 税引前四半期利益 | △62 | 104 | 166 | - |
| 法人所得税費用 | △16 | △43 | △26 | 157.7 |
| 四半期利益 | △79 | 61 | 140 | - |
| 非支配持分 | 12 | △7 | △20 | - |
| 親会社所有者帰属 四半期利益 | △91 | 68 | 160 | - |
(注) その他の損益には、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下、日本基準)における特別損益や、営業外損益(金融損益及び持分法による投資損益を除く)などが含まれております。
[2013年度実績(IFRS)]
1.連結損益計算書 (単位:億円)
| 2013年度 | ||||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 年間 | ||
| 連 結 | 売上収益 | 9,992 | 11,523 | 12,007 | 14,101 | 47,624 |
| 営業利益 | △107 | 411 | 362 | 806 | 1,472 | |
| 当期利益 | △91 | 238 | 438 | 547 | 1,132 | |
(注)当期利益は親会社所有者帰属分です。
<売上収益及び営業利益の主要セグメント別内訳>(単位:億円)
| テクノロジー ソリューション | 売上収益 | 6,775 | 7,853 | 7,863 | 9,937 | 32,430 | |
| 営業利益 | 143 | 604 | 511 | 1,070 | 2,330 | ||
| サービス | 売上収益 | 5,549 | 6,316 | 6,498 | 7,907 | 26,272 | |
| 営業利益 | 166 | 408 | 431 | 731 | 1,738 | ||
| システム プラットフォーム | 売上収益 | 1,225 | 1,537 | 1,364 | 2,029 | 6,157 | |
| 営業利益 | △22 | 196 | 80 | 338 | 592 | ||
| ユビキタス ソリューション | 売上収益 | 2,159 | 2,627 | 3,212 | 3,254 | 11,254 | |
| 営業利益 | △170 | △115 | △53 | 71 | △268 | ||
| デバイス ソリューション | 売上収益 | 1,453 | 1,590 | 1,460 | 1,497 | 6,002 | |
| 営業利益 | 71 | 128 | 31 | △116 | 115 | ||
[ご参考]日本基準 (単位:億円)
| 連 結 | 売上高 | 9,992 | 11,523 | 12,007 | 14,101 | 47,624 |
| 営業利益 | △228 | 336 | 261 | 1,055 | 1,425 | |
| 当期純利益 | △219 | 123 | 120 | 462 | 486 |
2.連結財政状態計算書 (単位:億円)
| 2013年度末 | |||
| IFRS | [ご参考]日本基準 | ||
| 資 産 | 31,059 | 30,795 | |
| 負 債 | 24,079 | 23,770 | |
| 資 本/純 資 産 | 6,979 | 7,024 | |
| うち、利益剰余金 | △543 | 3,135 | |
| うち、その他の資本の構成要素 | 631 | △3,010 | |
(注)日本基準のその他の資本の構成要素は、その他の包括利益累計額を表示しております。
[当社グループの連結財務諸表における日本基準とIFRSの主な差異影響]
1.連結損益計算書
(1)売上収益に差異影響はありません。
(2)年金費用について、IFRSでは数理差異償却費が無くなる一方で、期待運用収益率と割引率を統一することなどにより勤務費用及び利息費用が増加します。
(3)のれんについて、IFRSでは定期償却を行いません。
(4)IFRSには特別損益区分がありませんので、日本基準における特別損益や、営業外損益(金融損益及び持分法による投資損益を除く)などを営業利益に含めて表示します。
(5)日本基準において特別損益に計上された為替換算調整勘定取崩損などについてはIFRS固有の調整があります。為替換算調整勘定取崩損についてはIFRS初度適用における免除規定により、IFRS移行日(2013年4月1日)において為替換算調整勘定をゼロとみなすことから移行日前に発生した損失を認識しません。
2.連結財政状態計算書
資本の内訳表示を変更いたします。退職給付の積立不足による資本減少影響は、日本基準ではその他の包括利益累計額に表示していましたが、IFRSではその他の資本の構成要素に認識した上で、利益剰余金に振り替えています。また、IFRS移行日における為替換算調整勘定は利益剰余金に振り替えています。
詳細につきましては「第4経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記 11.初度適用」を参照して下さい。
②売上収益
売上収益は1兆686億円と、前年同期比6.9%の増収になりました。国内は8.1%の増収です。パソコンや携帯電話が増収となったほか、システムインテグレーションは公共、金融向けなどを中心に伸長しました。海外は5.3%の増収ですが、為替影響を除くとほぼ前年同期並みです。LSIや電子部品が減収となりましたが、北米向けオーディオ・ナビゲーション機器や、欧州向けパソコンが増収となりました。
米ドルの平均レートは102円(前年同期比3円の円安)、ユーロは140円(前年同期比11円の円安)、英ポンドは172円(前年同期比20円の円安)となり、為替影響により売上収益が前年同期比で約250億円増加しております。海外売上比率は40.9%と、国内の携帯電話やパソコンの売上増により前年同期比0.7ポイント低下しました。
(ご参考)海外売上収益 (単位:億円)
| 2013年度 第1四半期 | 2014年度 第1四半期 | 前年同期比 | |
| 海外売上収益 | 4,154 | 4,376 | 221 |
| 連結売上収益 | 9,992 | 10,686 | 694 |
| 連結売上収益に占める 海外売上収益の割合 | 41.6% | 40.9% | △0.7% |
③売上原価、販売費及び一般管理費、その他の損益及び営業利益
売上原価は7,877億円になりました。売上総利益は2,809億円と、前年同期比210億円の増益になりました。売上総利益率は26.3%と、携帯電話の採算改善などにより前年同期比0.3ポイント上昇しました。
販売費及び一般管理費は2,744億円と、ほぼ前年同期並みとなりました。その他の損益は8億円と、前年同期比16億円の減益になりました。前年同期において、欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益計上があったことなどによります。
営業利益は72億円と、前年同期比180億円の改善となりました。増収効果に加え、携帯電話事業などで前年度に実施した構造改革の効果によります。
④税引前四半期利益
税引前四半期利益は営業利益に持分法による投資利益などを加え104億円となりました。
⑤親会社所有者帰属四半期利益
親会社の所有者に帰属する四半期利益は68億円と、前年同期比160億円の改善となりました。
⑥セグメント情報
・セグメント別の売上収益及び営業利益の状況
当第1四半期のセグメント別の売上収益(セグメント間の内部売上収益を含む)及び営業利益は以下のとおりであります。
a テクノロジーソリューション
「テクノロジーソリューション」は、プロダクト・ソフトウェア・サービスが一体となった総合的なサービスを顧客に最適な形で提供しています。情報システムの構築などを行うソリューション/SI、アウトソーシングや保守サービスを中心とするインフラサービス、ICTの基盤となる、サーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクトにより構成されています。
売上収益は7,080億円と、前年同期比4.5%の増収になりました。国内は3.2%の増収です。システムインテグレーションは、前年度に引き続き金融、公共分野を中心とした顧客の投資拡大により、増収となりました。インフラサービスは、堅調に推移しました。サーバ関連は、ほぼ前年同期並みに推移しました。携帯電話基地局などのネットワークプロダクトは、通信キャリアの投資がLTEサービスエリアの拡大に伴い高い水準にあったことにより増収となりました。海外は6.4%の増収になりましたが、為替影響を除くと1%の減収です。英国では緩やかな景気回復を背景とした企業の投資回復の影響で前年同期を上回ったものの、欧州大陸ではハード関連の需要が一時的に停滞したことにより、インフラサービス全体では減収となりました。なお、豪州や北米でのデータセンタービジネスは堅調に推移しています。北米向け光伝送システムは通信キャリアの当社関連セグメントに関する投資が端境期に入った影響があったものの、欧州大陸の緩やかな景気回復を背景にPCサーバの売上収益は増加しました。
営業利益は114億円と、前年同期比29億円の減益になりました。国内では、システムインテグレーションやネットワークプロダクトの増収効果がサーバ関連の先行開発投資を吸収し増益となりました。海外では、インフラサービスの減収影響に加え、前年同期に欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益計上があったことにより減益になりました。
b ユビキタスソリューション
「ユビキタスソリューション」は、当社グループが実現を目指す「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」(誰もが複雑な技術や操作を意識せずに、ICTが創出する価値の恩恵を享受できる社会)において、人や組織の行動パターンから生み出される様々な情報や知識を収集・活用するユビキタス端末あるいはセンサーとして、パソコン/携帯電話のほか、オーディオ・ナビゲーション機器や移動通信機器、自動車用電子機器により構成されています。
売上収益は2,689億円と、前年同期比24.5%の増収になりました。国内は24.6%の増収です。パソコンは個人向け、法人向けともにOSの製品サポート終了に伴う買い替え需要により販売台数が増加したほか、需要増を背景に販売価格も安定的に推移し増収となりました。携帯電話は、らくらくシリーズなどの好調な販売に加え、新機種の発売も寄与し増収となりました。海外は24.4%の増収になり、為替影響を除いても19%の増収です。パソコンが欧州向けで売上増となったほか、モバイルウェアのオーディオ・ナビゲーション機器は北米向けを中心に増収となりました。
営業利益は87億円と、前年同期比257億円の改善となりました。国内では、携帯電話が増収効果に加え、前年度に実施した構造改革による効果や、品質安定化に伴う対策費用の減少、コストダウンなどにより大幅に改善しました。パソコンは、増収効果を受けたほか、価格の安定化などにより採算性が改善しました。海外では、パソコンが増収効果に加え、米ドルに対してユーロ高が進んだことにより欧州拠点でのドル建ての部材調達コストが低減しました。
c デバイスソリューション
「デバイスソリューション」は、最先端テクノロジーとして、デジタル家電や自動車、携帯電話、サーバなどに搭載されるLSIのほか、半導体パッケージ、電池をはじめとする電子部品により構成されています。
売上収益は1,352億円と、前年同期比7%の減収になりました。国内はLSI、電子部品ともにほぼ前年同期並みでした。海外は13.7%の減収です。LSIは、マイコン・アナログ事業の譲渡に伴う影響により欧州向けを中心に売上減となったほか、アジア向けを中心にスマートフォン関連が減収になりました。電子部品は、米州向け半導体パッケージが減収となりました。
営業利益は33億円と、前年同期比38億円の減益になりました。
LSIは、早期退職優遇制度の実施などによる固定費削減効果はありましたが、減収影響により減益となりました。電子部品は通信半導体会社清算に伴い開発費負担が軽減したものの、減収影響に加え、価格競争激化の影響を受け減益となりました。
当社グループは、2013年2月に発表しました「半導体事業の再編と方針」に基づき様々な検討をすすめてまいりました。
ⅰ システムLSI事業の統合新会社設立について
システムLSI事業をパナソニック株式会社と統合し、株式会社日本政策投資銀行の出資を得て、ファブレス形態で親会社から独立した新会社を設立することについて、2014年7月に正式契約を締結いたしました。当社、パナソニック株式会社、株式会社日本政策投資銀行の新会社に対する議決権比率はそれぞれ40%、20%、40%となります。
新会社は各国における競争法等の必要な手続きの完了等を前提に2014年度第4四半期の営業開始を予定しており、数年後の新規株式公開(IPO)を目指します。
ⅱ 会津若松ファウンドリ新会社の設立とオン・セミコンダクターとの戦略的パートナーシップについて
基盤系工場については、岩手工場を株式会社デンソーに譲渡、三重200mmラインを富士通セミコンダクターテクノロジに集約し、生産能力の適正化を進めてまいりましたが、今回、2014年度第3四半期にファウンドリ新会社を会津若松市に設立することを決定いたしました。新会社としては、(イ)本社機能を有する統括会社、(ロ)アナログ製品などのファウンドリ事業を行う150mm工場会社、および(ハ)マイコン、アナログ、特殊プロセスなどのファウンドリ事業を行う200mm工場会社の3社を設立いたします。
また、2014年7月に締結したオン・セミコンダクターとの戦略的パートナーシップに基づき、オン・セミコンダクターが200mm工場会社に10%の資本参加をいたします。
ⅲ 三重ファウンドリ新会社の設立について
三重300mm製造ラインについては、2014年度第3四半期にファウンドリ新会社として分社し、独立した企業として顧客への安定供給とファウンドリ事業の拡大を図ることを決定いたしました。新会社の継続的な成長を目的に、今後、外部パートナーとの提携を計画しております。
d その他
「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、次世代スーパーコンピュータ事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業及び当社グループ従業員向け福利厚生事業等が含まれております。
営業利益は27億円の損失と、前年同期比12億円の悪化となりました。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
当第1四半期末の資産合計は3兆482億円と、前年度末から577億円減少しました。流動資産は1兆7,331億円と前年度末から519億円減少しました。売上債権は前年度末に集中した売上収益に係る売掛金を回収したことなどにより前年度末から1,885億円減少しました。棚卸資産は3,586億円と、今後の売上収益に対応するため、サービスビジネスを中心に前年度末から284億円増加しました。非流動資産は1兆3,150億円と前年度末から57億円減少しました。
負債合計は2兆3,362億円と、前年度末から717億円減少しました。仕入債務は前年度末に集中した売上に対応する支払いにより減少したほか、その他の債務が賞与の支給などにより減少しました。一方、有利子負債は6,686億円と、前年度末から1,084億円増加しました。当年度末までに償還期日が到来する社債償還資金及び借入金返済資金の一部に充当するため普通社債700億円を発行したことなどによります。これによりD/Eレシオは1.15倍と前年度末より0.16ポイント増加しましたが、ネットD/Eレシオは0.50倍とほぼ前年度末と同じ水準になりました。
資本合計は7,119億円と、前年度末から140億円増加しました。期末配当金の支払いによる減少影響はありましたが、四半期利益の計上や確定給付制度の積立状況が改善したことによります。
[ご参考]確定給付負債(資産)の純額の再測定影響額 (単位:億円)
| 2013年度末 | 2014年度 第1四半期末 | 前年度末比 | ||
| 合計(税効果前) | △4,551 | △4,342 | 208 | |
| 国内 | △2,880 | △2,671 | 209 | |
| 海外 | △1,670 | △1,670 | △0 | |
| 資本)利益剰余金(税効果後) | △3,664 | △3,526 | 138 |
(注)確定給付制度債務及び制度資産は四半期ごとに再測定しております。
再測定された確定給付負債(資産)の純額(数理計算上の差異等)について、発生時に、税効果を調整した上で、その他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から直ちに利益剰余金に振り替えております。
<要約四半期連結財政状態計算書>(単位:億円)
| 2013年度末 | 2014年度 第1四半期末 | 前年度末比 | (ご参考) 2013年度 第1四半期末 | ||
| 資産 | |||||
| 流動資産 | 17,851 | 17,331 | △519 | 16,152 | |
| 非流動資産 | 13,207 | 13,150 | △57 | 12,986 | |
| 資産合計 | 31,059 | 30,482 | △577 | 29,139 | |
| 負債 | |||||
| 流動負債 | 14,834 | 13,775 | △1,059 | 14,467 | |
| 非流動負債 | 9,245 | 9,586 | 341 | 8,985 | |
| 負債合計 | 24,079 | 23,362 | △717 | 23,453 | |
| 資本 | |||||
| 親会社の所有者に帰属する 持分合計 | 5,665 | 5,825 | 160 | 4,476 | |
| 利益剰余金 | △543 | △419 | 124 | △1,656 | |
| その他の資本の構成要素 | 631 | 668 | 36 | 529 | |
| 非支配持分 | 1,314 | 1,294 | △19 | 1,209 | |
| 資本合計 | 6,979 | 7,119 | 140 | 5,685 | |
| 負債及び資本合計 | 31,059 | 30,482 | △577 | 29,139 |
| 現金及び現金同等物 | 3,011 | 3,750 | 738 | 3,872 | |
| 有利子負債 | 5,602 | 6,686 | 1,084 | 6,759 | |
| ネット有利子負債 | 2,590 | 2,936 | 345 | 2,886 |
(注)有利子負債 :社債、借入金及びリース債務(流動負債)+社債、借入金及びリース債務(非流動負債)
ネット有利子負債 :有利子負債-現金及び現金同等物
(ご参考)財務指標
| 2013年度末 | 2014年度 第1四半期末 | 前年度末比 | (ご参考) 2013年度 第1四半期末 | ||
| D/Eレシオ | 0.99倍 | 1.15倍 | 0.16倍 | 1.51倍 | |
| ネットD/Eレシオ | 0.46倍 | 0.50倍 | 0.04倍 | 0.64倍 | |
| 親会社所有者帰属持分比率 (自己資本比率) | 18.2% | 19.1% | 0.9% | 15.4% |
(注)D/Eレシオ :有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分
ネットD/Eレシオ :(有利子負債-現金及び現金同等物)÷親会社の所有者に帰属する持分
親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分÷資産合計
②キャッシュ・フローの状況
当第1四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは295億円のプラスとなりました。前年同期からは82億円の収入増となりました。増収効果のほか、構造改革効果などによる携帯電話の採算改善により、税引前四半期利益が改善したことなどによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは493億円のマイナスとなりました。データセンター関連や電子部品用製造設備を中心に有形固定資産及び無形資産の取得で365億円支出しました。前年同期には資金運用目的の定期預金の満期による収入を計上していたことなどにより前年同期からは312億円の支出増となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは197億円のマイナスと、前年同期からは230億円の収入減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは948億円のプラスとなりました。運転資金の一部を短期借入金で調達したほか、当年度末までに償還期日が到来する社債の償還資金等に充当するため普通社債700億円を発行しました。前年同期からは54億円の収入増となりました。
この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,750億円と、前年度末からは738億円増加しました。
当社グループは、資金需要に応じた効率的な資金調達を確保するため、手許流動性を適切な水準に維持することを財務活動上の重要な指針としております。手許流動性は、現金及び現金同等物と、複数の金融機関との間で締結したコミットメントライン契約に基づく融資枠のうち未使用枠残高の合計額であります。当第1四半期末の手許流動性は5,727億円で、現金及び現金同等物を3,750億円、コミットメントライン未使用枠を1,977億円保有しております。
<要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書>(単位:億円)
| 2013年度 第1四半期 | 2014年度 第1四半期 | 前年同期比 | |
| Ⅰ営業活動によるキャッシュ・フロー | 212 | 295 | 82 |
| Ⅱ投資活動によるキャッシュ・フロー | △180 | △493 | △312 |
| Ⅰ+Ⅱフリー・キャッシュ・フロー | 32 | △197 | △230 |
| Ⅲ財務活動によるキャッシュ・フロー | 894 | 948 | 54 |
| Ⅳ現金及び現金同等物の四半期末残高 | 3,872 | 3,750 | △122 |
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第1四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値の向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入いたしておりません。
今後とも、企業価値・株主様共同の利益を第一に考え、社会情勢等の変化に十分注意しながら、継続的に買収防衛策の必要性も含めた検討を進めてまいります。
(4)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」および「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワークなどに関する研究開発を行っており、近年は、特にビッグデータの利活用に関する研究開発に注力しております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器などのユビキタス社会に不可欠な製品・技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)などの各種デバイス製品・技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTがどのようにビジネスと社会のイノベーションに貢献するかについての当社グループの考え方を「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、セグメントの区分を超えてヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ(*1)の実現に向けた「ヒューマン・エンパワーメント」「クリエイティブ・インテリジェンス」「コネクテッド・インフラストラクチャー」の3つのアプローチを提唱しています。当社グループでは、これらの3つのアプローチに加え、それらを支えるコア技術となる「共通な基盤」の発展に向けて研究開発を推進しています。
(*1)人々が可能性を最大限に発揮してイノベーションを生み出し、安心安全に暮らし、そして情報が新たな価値を生み出し、社会が持続的に成長していく世界。
| Fujitsu Technology and Service Visionにおけるイノベーション創出のための3つのアプローチ ①ヒューマン・エンパワーメント 人をエンパワーして、イノベーションを実現します。具体的には、お客様のイノベーションを富士通のエンジニアが実現する「インテグレーションによる価値創造」、モバイルで人をエンパワーする「モビリティとエンパワーメント」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ②クリエイティブ・インテリジェンス 多様な情報分析を通じて新たな知識を創造するとともに、高まるリスクに対してセキュリティを確保します。具体的には、膨大で多様な情報(ビッグデータ)から新たな価値を見いだす「情報からの新たな価値」、ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティの基礎となる情報の信頼性を確保する「セキュリティと事業継続」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ③コネクテッド・インフラストラクチャー 今後のIoT(*2)時代に、モノや社会インフラを含めてつなげ、柔軟かつ機動的に変化に対応できるICT環境を提供していきます。具体的には、クラウドであらゆるものをつなげる「オンデマンド・エブリシング」、自律・自動化されたコンピューティング環境を築く「統合されたコンピューティング」、データセンター、広域ネットワーク、デバイスを環境変化に対応して最適化する「ネットワーク・ワイドな最適化」という3つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 (*2)Internet of Things。パソコンやサーバなどに留まらず、様々な物がインターネットに接続され、情報交換する仕組み。 |
なお、上記の各アクションアイテム等に関する、当第1四半期連結会計期間における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第1四半期における当社グループの研究開発費の総額は512億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
・患者を見守るためにカメラ画像から病床の患者の動きを認識する技術を開発
医療や介護をする人の支援に向けて、人の頭部の位置をカメラ画像で認識し「起床」「離床」「寝返り」などの患者の大まかな動きを把握する技術を開発しました。圧力方式マットセンサーなどの従来技術では誤検知が課題でしたが、本技術では高い精度で動きを認識できます。これにより病院や介護施設、在宅サービスへ適用することで看護負荷の軽減を目指します。
・学校や店舗などその場での端末・機器間の情報交換サービスを迅速に構築できる基盤技術を開発
人が集まった場所で端末や機器をつなげて、画面共有や協働作業を行う情報交換サービスを迅速に構築できる基盤技術を開発しました。これにより端末や機器につないで活用するアプリケーションの開発工数を従来の1/10に低減することが可能です。学校のグループ学習、来店されたお客さまへ商品PRをその場で配布するなどのサービスを素早く構築し提供できます。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・マルウェアによるサイバー攻撃を高速検知する技術を開発
社会のICTの安心安全を支えるセキュリティ技術として、企業や個人を狙った標的型攻撃に対して、悪意のあるプログラムであるマルウェアを高速検知する技術を開発しました。活動初期の特徴的な通信パターンをリアルタイムに解析することで、ファイアーウォールやアンチウイルスソフトウェアでは検知困難なマルウェアを、情報漏えい前に検出することが可能になります。
・住民の移動ニーズと事業者の利益向上を両立するオンデマンド交通運行技術を開発
自家用車に頼らず暮らせる地域交通サービスの実現を目指し、新しいオンデマンド交通運行技術を米MIT(Massachusetts Institute of Technology)と共同で開発しました。「料金」「待ち時間」「乗車時間」などを考慮した利用者の満足度を高めつつ、事業者の利益を最大化する動的運行モード割当て(貸切、乗合、固定路線)による配車サービスを提供できるようになります。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・40Gbps通信データの蓄積および高速検索技術を業界で初めてソフトウェアで実現
従来、専用のハードウェアでのみ可能であった40Gbpsの高速通信データの蓄積と高速検索を、業界で初めてソフトウェアで実現しました。これにより通信障害時の関連パケットの検索など、ネットワーク上で発生した事象を把握する技術を低コストで導入することが可能になります。ネットワークの品質向上やデータセンターの運用安定化への活用が期待されます。
・障害に強い広域SDNを実現するクラスタ型分散コントローラー技術を開発
ネットワークの構築・変更を柔軟にできるSDN(Software Defined Networking)を、スイッチ台数が1,000台規模の広域ネットワークに導入しようとすると、スイッチを制御するコントローラーの能力を超える急激な負荷変動や故障が課題となります。コントローラーをクラスタ化し、故障や処理能力不足に対して他のコントローラーが自動で役割を担うことができるクラスタ型分散コントローラー技術を開発しました。これにより、ネットワークサービスを止めることなくコントローラー障害を復旧し安定した運用が可能になります。
④共通な基盤
・CPU間通信向け56Gbps受信回路を世界で初めて開発
次世代サーバやスーパーコンピュータの高性能化にはCPUの処理性能の向上と共にCPU間のデータ転送の高速化が必要です。信号の歪み補正回路の高速化により、従来の2倍となる毎秒56ギガビットでデータを受信する回路を、世界で初めて開発しました。2016年度の実用化を目指し、普及が広がるクラウドサービスを支えるサーバの性能向上へ貢献していきます。