四半期報告書-第115期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日(2014年9月30日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)から国際会計基準(以下、IFRS)を適用しております。また、前年同四半期及び前連結会計年度の連結財務諸表につきましても、IFRSに準拠して表示しております。
以下の文中において、当第2四半期連結累計期間を当第2四半期(累計)、当第2四半期連結会計期間を当第2四半期、前年同四半期連結累計期間または前年同四半期連結会計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。また、文中に記載しております為替影響は、米ドル、ユーロ、英ポンドを対象に前年同期の対円平均レートを当第2四半期(累計)の外貨建取引高に適用して試算しております。
(1)経営成績の分析
①事業環境
当第2四半期(累計)における世界経済は、緩やかな回復が続いています。欧州では景気回復の足取りが重く足踏み傾向にあり、米国では雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調が継続しています。また、新興国では成長ペースに足踏みが見られました。
国内経済は、消費税率引上げによる反動減からの持ち直しのテンポが鈍く、また、海外景気の下振れリスク等もあり、先行きに不透明感が高まっていますが、政府による経済政策を背景に緩やかな回復が続いています。
なお、ICT(Information and Communication Technology)投資は、これまでの企業収益の改善等を背景に、緩やかな増加傾向が続いています。
<要約四半期連結損益計算書>(単位:億円)
(注) その他の損益には、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下、日本基準)における特別損益や、営業外損益(金融損益及び持分法による投資損益を除く)などが含まれております。
②売上収益
売上収益は2兆1,928億円と、為替影響もあり前年同期比1.9%の増収になりました。国内は1%の増収です。サーバ関連が減収になりましたが、パソコン、携帯電話、システムインテグレーションが増収となりました。海外は3.2%の増収ですが、為替影響を除くと3%の減収です。LSI、電子部品、北米向け光伝送システムが減収になりました。
米ドルの平均レートは103円(前年同期比4円の円安)、ユーロは139円(前年同期比9円の円安)、英ポンドは173円(前年同期比21円の円安)となり、為替影響により売上収益が前年同期比で約500億円増加し、海外売上比率は40.5%と、前年同期比0.6ポイント上昇しました。
③売上総利益、販売費及び一般管理費、その他の損益及び営業利益
売上総利益は5,807億円と、増収により前年同期比99億円の増益になりました。売上総利益率は26.5%と、前年同期並みでした。
販売費及び一般管理費は5,484億円と、前年同期比36億円増加しました。グループベースでの費用効率化を進めましたが、為替変動に伴う増加影響を受けました。
その他の損益はほぼブレークイーブンと、前年同期比44億円の悪化となりました。前年同期において、欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトや国内子会社の退職給付制度の改訂に伴う一時的な利益計上があったことなどによります。
営業利益は322億円と、販売費及び一般管理費の増加とその他の損益の悪化を吸収し、前年同期比18億円の増益になりました。
④金融損益等
金融損益等(金融収益、金融費用及び持分法による投資利益)は103億円と、円安に伴い為替差益を70億円計上したことなどにより前年同期比60億円の増益となりました。
⑤税引前四半期利益及び親会社所有者帰属四半期利益
税引前四半期利益は、426億円と、前年同期比79億円の増益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は241億円と、前年同期比94億円の増益となりました。
⑥セグメント情報
当社グループは、経営組織の形態、製品・サービスの特性及び販売市場の類似性に基づき、複数の事業セグメントを集約した上で、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の3つを報告セグメントとしております。また、報告セグメントに含まれない事業セグメントとして、次世代スーパーコンピュータ事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業及び当社グループ従業員向け福利厚生事業等を「その他」の区分に含めて表示しております。
当第2四半期(累計)のセグメント別の売上収益(セグメント間の内部売上収益を含む)及び営業利益は以下のとおりであります。
(単位:億円)
a テクノロジーソリューション
「テクノロジーソリューション」は、プロダクト・ソフトウェア・サービスが一体となった総合的なサービスを顧客に最適な形で提供しています。情報システムの構築などを行うソリューション/SI、アウトソーシングや保守サービスを中心とするインフラサービス、ICTの基盤となる、サーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクトにより構成されています。
売上収益は1兆4,921億円と、前年同期比2%の増収になりました。国内は、ほぼ前年同期並みです。システムインテグレーションは、公共分野で一時的にハード一体型ビジネスの需要が増加した前年同期からの反動があったものの、前年度に引き続き金融分野を中心とした顧客の投資拡大により増収となりました。インフラサービスは堅調です。サーバ関連は前年同期にあった大型システム商談の反動により大幅な減収となりました。ネットワークプロダクトは、ほぼ前年同期並みになりました。海外は5.4%の増収になり、為替影響を除くと1%の減収です。英国で緩やかな景気回復を背景とした企業の投資回復の影響で前年同期を上回ったものの、欧州大陸でハード関連の需要が一時的に停滞するなどインフラサービス全体では、ほぼ前年同期並みです。北米向け光伝送システムは通信キャリアの当社関連セグメントに関する投資が端境期に入った影響により減収になりました。
営業利益は507億円と、前年同期比241億円の大幅な減益になりました。国内では、システムインテグレーションの公共分野における減収影響に加え、新規ビジネス対応などの先行投資を進めたほか、サーバ関連の減収影響や先行開発投資の負担などにより、減益になりました。海外では、前年度に実施した構造改革による効果があったものの、減収影響に加え、前年同期に欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益計上があったことにより減益となりました。
b ユビキタスソリューション
「ユビキタスソリューション」は、当社グループが実現を目指す「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」(誰もが複雑な技術や操作を意識せずに、ICTが創出する価値の恩恵を享受できる社会)において、人や組織の行動パターンから生み出される様々な情報や知識を収集・活用するユビキタス端末あるいはセンサーとして、パソコン/携帯電話のほか、オーディオ・ナビゲーション機器や移動通信機器、自動車用電子機器により構成されています。
売上収益は5,139億円と、前年同期比7.4%の増収になりました。国内は4.2%の増収です。パソコンは第1四半期まで続いたOSの製品サポート終了に伴う買い替え需要が第2四半期は減速し、上半期合計の販売台数は前年同期より減少しましたが、新旧モデル共に販売価格が安定的に推移し増収となりました。携帯電話は、スマートフォンが競争激化のほか、前年同期に比べ新機種が少なかったことから販売台数減となりましたが、らくらくシリーズが好調なフィーチャーフォンが伸長し増収になりました。海外は14.2%の増収になり、為替影響を除いても9%の増収です。パソコンが第1四半期を中心に欧州で伸長したほか、モバイルウェアのオーディオ・ナビゲーション機器が北米向けを中心に増収となりました
営業利益は96億円と、前年同期比382億円の改善になりました。携帯電話及びパソコンが改善しました。国内では、携帯電話が増収効果に加え、前年度に実施した構造改革による効果や、品質安定化による対策費用の減少、コストダウンなどにより前年同期の赤字から益転し、大幅に改善しました。パソコンは価格の安定化やコストダウンなどにより採算性が改善しました。海外では、パソコンが増収効果に加え、米ドルに対してユーロ高が進んだことにより欧州拠点でのドル建ての部材調達コストが低減しました。また、モバイルウェアの増収効果もありました。
c デバイスソリューション
「デバイスソリューション」は最先端テクノロジーとして、デジタル家電や自動車、携帯電話、サーバなどに搭載されるLSIのほか、半導体パッケージ、電池をはじめとする電子部品により構成されています。
売上収益は2,804億円と、前年同期比7.9%の減収になりました。国内はほぼ前年同期並みです。LSIは、スマートフォン向けなどを中心に増収になりましたが、電子部品は半導体パッケージや電池が減収になりました。海外は14.9%の減収です。LSIはマイコン・アナログ事業の譲渡に伴う影響により欧州向けを中心に減収となったほか、アジア向けでスマートフォン関連が減収になりました。電子部品は米州向け半導体パッケージが減収となりました。
営業利益は99億円と、前年同期比100億円の減益になりました。LSIの営業利益は74億円となりました。減収影響があったものの、前年度に実施した早期退職優遇制度などによる固定費削減効果や円安効果により3億円の増益となりました。電子部品の営業利益は25億円となりました。円安効果や通信半導体会社清算に伴う開発費負担の軽減効果はありましたが、半導体パッケージの減収影響や価格競争激化の影響に加え、前年同期に国内子会社の退職給付制度の改訂に伴う一時的な利益計上があったことにより104億円の減益となりました。
システムLSI事業をパナソニック株式会社と統合し、株式会社日本政策投資銀行の出資を得て、ファブレス形態で親会社から独立した新会社を設立することについて、7月に正式契約を締結いたしました。当社、パナソニック株式会社、株式会社日本政策投資銀行の新会社に対する議決権比率はそれぞれ40%、20%、40%となります。
また、第3四半期にファウンドリ新会社を会津若松市に設立することを7月に決定いたしました。新会社としては、(イ)本社機能を有する統括会社、(ロ)アナログ製品などのファウンドリ事業を行う150mm工場会社、および (ハ)マイコン、アナログ、特殊プロセスなどのファウンドリ事業を行う200mm工場会社の3社を設立いたします。また、7月に締結した米国オン・セミコンダクターとの戦略的パートナーシップに基づき、オン・セミコンダクターが200mm工場会社に10%の資本参加をいたします。
三重300mm製造ラインについては、第3四半期にファウンドリ新会社として分社し、独立した企業として顧客への安定供給とファウンドリ事業の拡大を図ることを決定しました。また8月に台湾ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーション(以下、UMC)がファウンドリ新会社に少数株主として参画する契約を締結しました。UMCは40nmの先端テクノロジを富士通セミコンダクター株式会社にライセンス供与いたします。
d その他及び消去又は全社
「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、次世代スーパーコンピュータ事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業及び当社グループ従業員向け福利厚生事業等が含まれております。
また、事業セグメントとして識別されないものは、基礎的試験研究等の戦略費用及び親会社におけるグループ経営に係る共通費用であります。
営業利益は380億円の損失と、前年同期比21億円の悪化になりました。全社的な費用効率化を進める一方、中長期の成長に向けた戦略投資を拡充しております。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
<要約四半期連結財政状態計算書>(単位:億円)
(注)有利子負債 :社債、借入金及びリース債務
ネット有利子負債 :有利子負債-現金及び現金同等物
(ご参考)財務指標
(注)D/Eレシオ :有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分
ネットD/Eレシオ :(有利子負債-現金及び現金同等物)÷親会社の所有者に帰属する持分
親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分÷資産合計
[ご参考]確定給付負債(資産)の純額の再測定影響額 (単位:億円)
(注)確定給付制度債務及び制度資産は四半期ごとに再測定しております。
再測定された確定給付負債(資産)の純額(数理計算上の差異等)について、発生時に、税効果を調整した上で、その他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から直ちに利益剰余金に振り替えております。
当第2四半期末の資産合計は3兆202億円と、前連結会計年度(以下、前年度)末から857億円減少しました。流動資産は1兆6,851億円と前年度末から1,000億円減少しました。売上債権は前年度末に集中した売上に係る売掛金を回収したことなどにより前年度末から1,365億円減少しました。棚卸資産は3,615億円と、今後の売上に対応するため、サービスビジネスを中心に前年度末から313億円増加しました。非流動資産は1兆3,350億円と前年度末から143億円増加しました。
負債合計は2兆2,535億円と、前年度末から1,544億円減少しました。仕入債務は前年度末に集中した売上に対応する支払いにより減少したほか、確定給付制度の積立状況改善により退職給付に係る負債が減少しました。一方、有利子負債は5,914億円と、前年度末から312億円増加しました。運転資本の一部を短期借入金で調達しました。D/Eレシオは0.93倍と親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)の増加により前年度末より0.06ポイント減少しましたが、ネットD/Eレシオは0.45倍とほぼ前年度末と同じ水準になりました。
資本合計は7,666億円と、前年度末から686億円増加しました。期末配当金の支払いによる減少影響はありましたが、四半期利益の計上や確定給付型の退職給付制度の積立状況が改善したことによります。なお、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は21.0%と前年度末から2.8ポイント増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
<要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書>(単位:億円)
当第2四半期(累計)の営業活動によるキャッシュ・フローは884億円のプラスとなりました。前年同期からは841億円の収入増となりました。税引前四半期利益の改善に加え、LSI事業及び海外事業等に係る事業構造改善費用の支払いが約300億円減少しました。また、前年度の下半期における国内子会社からの配当金に係る源泉所得税の還付約260億円などにより法人所得税の支払額が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは931億円のマイナスとなりました。国内外のインフラサービス関連や電子部品用製造設備を中心に有形固定資産及び無形資産の取得で929億円支出しました。前年同期からは344億円の支出増となりました。前年同期にマイコン・アナログ事業を中心としたLSI事業の再編による譲渡収入があったことや売却可能金融資産の売却による収入が減少したことなどによります。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは47億円のマイナスと、前年同期からは497億円の収入増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは107億円のプラスとなりました。運転資金の一部を短期借入金で調達したほか、上半期末までに償還期日が到来した社債の償還資金600億円などに充当するため普通社債700億円を発行しました。前年同期からは798億円の収入減となりました。
この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,069億円と、前年度末からは57億円増加しました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第2四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値の向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入いたしておりません。
今後とも、企業価値・株主様共同の利益を第一に考え、社会情勢等の変化に十分注意しながら、継続的に買収防衛策の必要性も含めた検討を進めてまいります。
(4)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」および「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワークなどに関する研究開発を行っており、近年は、特にビッグデータの利活用に関する研究開発に注力しております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器などのユビキタス社会に不可欠な製品・技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)などの各種デバイス製品・技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTがどのようにビジネスと社会のイノベーションに貢献するかについての当社グループの考え方を「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、セグメントの区分を超えてヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ(*1)の実現に向けた「ヒューマン・エンパワーメント」「クリエイティブ・インテリジェンス」「コネクテッド・インフラストラクチャー」の3つのアプローチを提唱しています。当社グループでは、これらの3つのアプローチに加え、それらを支えるコア技術となる「共通な基盤」の発展に向けて研究開発を推進しています。
(*1)人々が可能性を最大限に発揮してイノベーションを生み出し、安心安全に暮らし、そして情報が新たな価値を生み出し、社会が持続的に成長していく世界。
なお、上記の各アクションアイテム等に関する、当第2四半期における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第2四半期(累計)における当社グループの研究開発費の総額は1,014億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
・機械学習により生産ラインの部品認識プログラムを短時間で自動生成する技術を開発
近年の生産ラインでは、カメラを用いた自動組立装置や自動検査装置が多用され、そこでは部品を認識するプログラムが使われています。その中で特に多品種を扱う生産ラインでは、装置条件、部品そのものが変わる度に、専門家が日数をかけて画像認識プログラムを修正する必要がありました。そこで、これまでの機械学習部分を効率化し、部品の画像認識プログラムを自動生成する技術を開発しました。最適化する処理関数の組み合わせを減らす技術、形状の類似性を評価する技術、学習時間を短縮する技術を開発することで、従来比10分の1の時間で部品認識プログラムの自動生成を実現しました。これによって、多品種を扱う生産ラインにおいて、プログラム修正の労力を減らし、ライン長時間止めることのない、効率的なものづくりを実現します。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・東京大学先端科学技術研究センター、富士通株式会社、興和株式会社、IT創薬により、がんを標的とする新規活性化合物の創出に成功
医薬品の候補となる低分子化合物をコンピュータ上で仮想的に設計・評価するIT創薬により、がんの原因となるタンパク質(以下、標的タンパク質)の働きを抑える新規活性化合物を創出することに成功しました。
標的タンパク質に対して、医薬候補化合物設計技術によりコンピュータ上で多様な化合物構造を設計し、高精度活性予測技術によりそれらの阻害活性を予測して絞り込みました。その後、合成と実験による阻害活性測定を行いました。
本共同研究を通じ、IT創薬による新規活性化合物のほかにも、創薬研究の推進において重要な情報を与える複数の低分子化合物を得ました。今後3者は、前臨床評価(*3)をめざし、これまでの研究で得た低分子化合物の改良を進めることを決定しました。
(*3)新薬開発において人の前に動物で有効性・安全性を調べる段階
・人の行動や心理を扱う社会科学的研究と数理技術を融合した共同研究を九州大学と開始
空港などの大規模施設の警備配置や流通などの様々な社会システム設計で、人間の行動や心理を適切に組み込めていないため、使い勝手が悪い、利用者が増えないなどの課題が発生しています。今回、人間の行動や心理を明らかにする社会科学的研究とビッグデータを活用した数理技術を融合した研究を、九州大学と共同で開始します。人が受入れやすい社会制度の施策や、本当に満足のいくサービス提供の構築などへ向けて研究を進め社会実践を目指します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・省エネを実現するPCクラスタ型スパコンのネットワークスイッチ削減技術を開発
省エネと高性能を両立する数千台規模のPCクラスタ型スパコンに向けて、性能を維持したままネットワークスイッチを削減する、ネットワークの接続方式を開発しました。新たに多層のフルメッシュ型ネットワーク構造を適用し、データの衝突が起こらないように転送順序を制御する通信アルゴリズムを組み合わせました。これによりネットワークスイッチを4割削減し、PCクラスタ型スパコンシステムの電力を最大2割削減することができます。本技術は2015年度の実用化を目指します。
・特性の異なる通信網に適用したWAN高速化技術により2倍の高速化を実現
快適で使いやすいネットワーク環境の実現を目指して、モバイル網や国際網などデータ欠落や遅延など特性が異なるネットワークが混在して構成される広域網(WAN)に適用可能な、高速化技術をソフトウェアで実装しました。ネットワークの特性に応じて、区間ごとに最適な方式で通信することにより、高速化を実現しました。国立情報学研究所(NII)とモバイル端末を利用して国内から海外のクラウドサービスを利用した実験で、従来の技術に比べ一定の時間で約2倍のデータ量が送信できる通信性能を確認しました。ハードウェアによる高速ネットワークに依存することなく、ソフトウェアで実装するだけでユーザーの体感速度向上に貢献します。
当社グループの連結財務諸表は、当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)から国際会計基準(以下、IFRS)を適用しております。また、前年同四半期及び前連結会計年度の連結財務諸表につきましても、IFRSに準拠して表示しております。
以下の文中において、当第2四半期連結累計期間を当第2四半期(累計)、当第2四半期連結会計期間を当第2四半期、前年同四半期連結累計期間または前年同四半期連結会計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。また、文中に記載しております為替影響は、米ドル、ユーロ、英ポンドを対象に前年同期の対円平均レートを当第2四半期(累計)の外貨建取引高に適用して試算しております。
(1)経営成績の分析
①事業環境
当第2四半期(累計)における世界経済は、緩やかな回復が続いています。欧州では景気回復の足取りが重く足踏み傾向にあり、米国では雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調が継続しています。また、新興国では成長ペースに足踏みが見られました。
国内経済は、消費税率引上げによる反動減からの持ち直しのテンポが鈍く、また、海外景気の下振れリスク等もあり、先行きに不透明感が高まっていますが、政府による経済政策を背景に緩やかな回復が続いています。
なお、ICT(Information and Communication Technology)投資は、これまでの企業収益の改善等を背景に、緩やかな増加傾向が続いています。
<要約四半期連結損益計算書>(単位:億円)
| 2013年度 第2四半期累計 | 2014年度 第2四半期累計 | 前年同期比 | ||
| 増減率(%) | ||||
| 売上収益 | 21,516 | 21,928 | 412 | 1.9 |
| 売上総利益 | 5,708 | 5,807 | 99 | 1.7 |
| (売上総利益率) | (26.5%) | (26.5%) | (-%) | |
| 販売費及び一般管理費 | △5,448 | △5,484 | △36 | 0.7 |
| その他の損益 | 43 | △0 | △44 | - |
| 営業利益 | 303 | 322 | 18 | 6.2 |
| (営業利益率) | (1.4%) | (1.5%) | (0.1%) | |
| 金融損益等 | 43 | 103 | 60 | 140.5 |
| 税引前四半期利益 | 346 | 426 | 79 | 22.9 |
| 法人所得税費用 | △158 | △178 | △20 | 12.6 |
| 四半期利益 | 188 | 247 | 59 | 31.5 |
| 非支配持分 | 42 | 6 | △35 | △83.8 |
| 親会社所有者帰属 四半期利益 | 146 | 241 | 94 | 64.5 |
(注) その他の損益には、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下、日本基準)における特別損益や、営業外損益(金融損益及び持分法による投資損益を除く)などが含まれております。
②売上収益
売上収益は2兆1,928億円と、為替影響もあり前年同期比1.9%の増収になりました。国内は1%の増収です。サーバ関連が減収になりましたが、パソコン、携帯電話、システムインテグレーションが増収となりました。海外は3.2%の増収ですが、為替影響を除くと3%の減収です。LSI、電子部品、北米向け光伝送システムが減収になりました。
米ドルの平均レートは103円(前年同期比4円の円安)、ユーロは139円(前年同期比9円の円安)、英ポンドは173円(前年同期比21円の円安)となり、為替影響により売上収益が前年同期比で約500億円増加し、海外売上比率は40.5%と、前年同期比0.6ポイント上昇しました。
③売上総利益、販売費及び一般管理費、その他の損益及び営業利益
売上総利益は5,807億円と、増収により前年同期比99億円の増益になりました。売上総利益率は26.5%と、前年同期並みでした。
販売費及び一般管理費は5,484億円と、前年同期比36億円増加しました。グループベースでの費用効率化を進めましたが、為替変動に伴う増加影響を受けました。
その他の損益はほぼブレークイーブンと、前年同期比44億円の悪化となりました。前年同期において、欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトや国内子会社の退職給付制度の改訂に伴う一時的な利益計上があったことなどによります。
営業利益は322億円と、販売費及び一般管理費の増加とその他の損益の悪化を吸収し、前年同期比18億円の増益になりました。
④金融損益等
金融損益等(金融収益、金融費用及び持分法による投資利益)は103億円と、円安に伴い為替差益を70億円計上したことなどにより前年同期比60億円の増益となりました。
⑤税引前四半期利益及び親会社所有者帰属四半期利益
税引前四半期利益は、426億円と、前年同期比79億円の増益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は241億円と、前年同期比94億円の増益となりました。
⑥セグメント情報
当社グループは、経営組織の形態、製品・サービスの特性及び販売市場の類似性に基づき、複数の事業セグメントを集約した上で、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の3つを報告セグメントとしております。また、報告セグメントに含まれない事業セグメントとして、次世代スーパーコンピュータ事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業及び当社グループ従業員向け福利厚生事業等を「その他」の区分に含めて表示しております。
当第2四半期(累計)のセグメント別の売上収益(セグメント間の内部売上収益を含む)及び営業利益は以下のとおりであります。
(単位:億円)
| 2013年度 第2四半期累計 | 2014年度 第2四半期累計 | 前年同期比 | |||
| 増減率(%) | |||||
| テクノロジー ソリューション | 売上収益 | 14,629 | 14,921 | 291 | 2.0 |
| 営業利益 | 748 | 507 | △241 | △32.3 | |
| (営業利益率) | (5.1%) | (3.4%) | (△1.7%) | ||
| ユビキタス ソリューション | 売上収益 | 4,786 | 5,139 | 352 | 7.4 |
| 営業利益 | △285 | 96 | 382 | - | |
| (営業利益率) | (△6.0%) | (1.9%) | (7.9%) | ||
| デバイス ソリューション | 売上収益 | 3,044 | 2,804 | △240 | △7.9 |
| 営業利益 | 200 | 99 | △100 | △50.3 | |
| (営業利益率) | (6.6%) | (3.6%) | (△3.0%) | ||
| その他及び 消去又は全社 | 売上収益 | △945 | △936 | 9 | - |
| 営業利益 | △359 | △380 | △21 | - | |
| 連結 | 売上収益 | 21,516 | 21,928 | 412 | 1.9 |
| 営業利益 | 303 | 322 | 18 | 6.2 | |
| (営業利益率) | (1.4%) | (1.5%) | (0.1%) |
a テクノロジーソリューション
「テクノロジーソリューション」は、プロダクト・ソフトウェア・サービスが一体となった総合的なサービスを顧客に最適な形で提供しています。情報システムの構築などを行うソリューション/SI、アウトソーシングや保守サービスを中心とするインフラサービス、ICTの基盤となる、サーバやストレージシステムなどのシステムプロダクトと携帯電話基地局や光伝送システムなどの通信インフラを提供するネットワークプロダクトにより構成されています。
売上収益は1兆4,921億円と、前年同期比2%の増収になりました。国内は、ほぼ前年同期並みです。システムインテグレーションは、公共分野で一時的にハード一体型ビジネスの需要が増加した前年同期からの反動があったものの、前年度に引き続き金融分野を中心とした顧客の投資拡大により増収となりました。インフラサービスは堅調です。サーバ関連は前年同期にあった大型システム商談の反動により大幅な減収となりました。ネットワークプロダクトは、ほぼ前年同期並みになりました。海外は5.4%の増収になり、為替影響を除くと1%の減収です。英国で緩やかな景気回復を背景とした企業の投資回復の影響で前年同期を上回ったものの、欧州大陸でハード関連の需要が一時的に停滞するなどインフラサービス全体では、ほぼ前年同期並みです。北米向け光伝送システムは通信キャリアの当社関連セグメントに関する投資が端境期に入った影響により減収になりました。
営業利益は507億円と、前年同期比241億円の大幅な減益になりました。国内では、システムインテグレーションの公共分野における減収影響に加え、新規ビジネス対応などの先行投資を進めたほか、サーバ関連の減収影響や先行開発投資の負担などにより、減益になりました。海外では、前年度に実施した構造改革による効果があったものの、減収影響に加え、前年同期に欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益計上があったことにより減益となりました。
b ユビキタスソリューション
「ユビキタスソリューション」は、当社グループが実現を目指す「ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ」(誰もが複雑な技術や操作を意識せずに、ICTが創出する価値の恩恵を享受できる社会)において、人や組織の行動パターンから生み出される様々な情報や知識を収集・活用するユビキタス端末あるいはセンサーとして、パソコン/携帯電話のほか、オーディオ・ナビゲーション機器や移動通信機器、自動車用電子機器により構成されています。
売上収益は5,139億円と、前年同期比7.4%の増収になりました。国内は4.2%の増収です。パソコンは第1四半期まで続いたOSの製品サポート終了に伴う買い替え需要が第2四半期は減速し、上半期合計の販売台数は前年同期より減少しましたが、新旧モデル共に販売価格が安定的に推移し増収となりました。携帯電話は、スマートフォンが競争激化のほか、前年同期に比べ新機種が少なかったことから販売台数減となりましたが、らくらくシリーズが好調なフィーチャーフォンが伸長し増収になりました。海外は14.2%の増収になり、為替影響を除いても9%の増収です。パソコンが第1四半期を中心に欧州で伸長したほか、モバイルウェアのオーディオ・ナビゲーション機器が北米向けを中心に増収となりました
営業利益は96億円と、前年同期比382億円の改善になりました。携帯電話及びパソコンが改善しました。国内では、携帯電話が増収効果に加え、前年度に実施した構造改革による効果や、品質安定化による対策費用の減少、コストダウンなどにより前年同期の赤字から益転し、大幅に改善しました。パソコンは価格の安定化やコストダウンなどにより採算性が改善しました。海外では、パソコンが増収効果に加え、米ドルに対してユーロ高が進んだことにより欧州拠点でのドル建ての部材調達コストが低減しました。また、モバイルウェアの増収効果もありました。
c デバイスソリューション
「デバイスソリューション」は最先端テクノロジーとして、デジタル家電や自動車、携帯電話、サーバなどに搭載されるLSIのほか、半導体パッケージ、電池をはじめとする電子部品により構成されています。
売上収益は2,804億円と、前年同期比7.9%の減収になりました。国内はほぼ前年同期並みです。LSIは、スマートフォン向けなどを中心に増収になりましたが、電子部品は半導体パッケージや電池が減収になりました。海外は14.9%の減収です。LSIはマイコン・アナログ事業の譲渡に伴う影響により欧州向けを中心に減収となったほか、アジア向けでスマートフォン関連が減収になりました。電子部品は米州向け半導体パッケージが減収となりました。
営業利益は99億円と、前年同期比100億円の減益になりました。LSIの営業利益は74億円となりました。減収影響があったものの、前年度に実施した早期退職優遇制度などによる固定費削減効果や円安効果により3億円の増益となりました。電子部品の営業利益は25億円となりました。円安効果や通信半導体会社清算に伴う開発費負担の軽減効果はありましたが、半導体パッケージの減収影響や価格競争激化の影響に加え、前年同期に国内子会社の退職給付制度の改訂に伴う一時的な利益計上があったことにより104億円の減益となりました。
システムLSI事業をパナソニック株式会社と統合し、株式会社日本政策投資銀行の出資を得て、ファブレス形態で親会社から独立した新会社を設立することについて、7月に正式契約を締結いたしました。当社、パナソニック株式会社、株式会社日本政策投資銀行の新会社に対する議決権比率はそれぞれ40%、20%、40%となります。
また、第3四半期にファウンドリ新会社を会津若松市に設立することを7月に決定いたしました。新会社としては、(イ)本社機能を有する統括会社、(ロ)アナログ製品などのファウンドリ事業を行う150mm工場会社、および (ハ)マイコン、アナログ、特殊プロセスなどのファウンドリ事業を行う200mm工場会社の3社を設立いたします。また、7月に締結した米国オン・セミコンダクターとの戦略的パートナーシップに基づき、オン・セミコンダクターが200mm工場会社に10%の資本参加をいたします。
三重300mm製造ラインについては、第3四半期にファウンドリ新会社として分社し、独立した企業として顧客への安定供給とファウンドリ事業の拡大を図ることを決定しました。また8月に台湾ユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーション(以下、UMC)がファウンドリ新会社に少数株主として参画する契約を締結しました。UMCは40nmの先端テクノロジを富士通セミコンダクター株式会社にライセンス供与いたします。
d その他及び消去又は全社
「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、次世代スーパーコンピュータ事業、当社グループ会社向け情報システム開発・ファシリティサービス事業及び当社グループ従業員向け福利厚生事業等が含まれております。
また、事業セグメントとして識別されないものは、基礎的試験研究等の戦略費用及び親会社におけるグループ経営に係る共通費用であります。
営業利益は380億円の損失と、前年同期比21億円の悪化になりました。全社的な費用効率化を進める一方、中長期の成長に向けた戦略投資を拡充しております。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
<要約四半期連結財政状態計算書>(単位:億円)
| 2013年度末 | 2014年度 第2四半期末 | 前年度末比 | (ご参考) 2013年度 第2四半期末 | ||
| 資産 | |||||
| 流動資産 | 17,851 | 16,851 | △1,000 | 16,501 | |
| 非流動資産 | 13,207 | 13,350 | 143 | 13,064 | |
| 資産合計 | 31,059 | 30,202 | △857 | 29,565 | |
| 負債 | |||||
| 流動負債 | 14,834 | 13,213 | △1,620 | 15,123 | |
| 非流動負債 | 9,245 | 9,321 | 76 | 8,618 | |
| 負債合計 | 24,079 | 22,535 | △1,544 | 23,741 | |
| 資本 | |||||
| 親会社の所有者に帰属する 持分合計 | 5,665 | 6,338 | 673 | 4,591 | |
| (利益剰余金) | (△543) | (△37) | (505) | (△1,592) | |
| (その他の資本の構成要素) | (631) | (800) | (168) | (580) | |
| 非支配持分 | 1,314 | 1,328 | 13 | 1,232 | |
| 資本合計 | 6,979 | 7,666 | 686 | 5,824 | |
| 負債及び資本合計 | 31,059 | 30,202 | △857 | 29,565 |
| 現金及び現金同等物 | 3,011 | 3,069 | 57 | 3,317 | |
| 有利子負債 | 5,602 | 5,914 | 312 | 6,809 | |
| ネット有利子負債 | 2,590 | 2,845 | 254 | 3,491 |
(注)有利子負債 :社債、借入金及びリース債務
ネット有利子負債 :有利子負債-現金及び現金同等物
(ご参考)財務指標
| 2013年度末 | 2014年度 第2四半期末 | 前年度末比 | (ご参考) 2013年度 第2四半期末 | ||
| D/Eレシオ | 0.99倍 | 0.93倍 | △0.06倍 | 1.48倍 | |
| ネットD/Eレシオ | 0.46倍 | 0.45倍 | △0.01倍 | 0.76倍 | |
| 親会社所有者帰属持分比率 (自己資本比率) | 18.2% | 21.0% | 2.8% | 15.5% |
(注)D/Eレシオ :有利子負債÷親会社の所有者に帰属する持分
ネットD/Eレシオ :(有利子負債-現金及び現金同等物)÷親会社の所有者に帰属する持分
親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分÷資産合計
[ご参考]確定給付負債(資産)の純額の再測定影響額 (単位:億円)
| 2013年度末 | 2014年度 第2四半期末 | 前年度末比 | ||
| 合計(税効果前) | △4,551 | △4,101 | 449 | |
| 国内 | △2,880 | △2,567 | 313 | |
| 海外 | △1,670 | △1,534 | 135 | |
| 資本)利益剰余金(税効果後) | △3,664 | △3,317 | 347 |
(注)確定給付制度債務及び制度資産は四半期ごとに再測定しております。
再測定された確定給付負債(資産)の純額(数理計算上の差異等)について、発生時に、税効果を調整した上で、その他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から直ちに利益剰余金に振り替えております。
当第2四半期末の資産合計は3兆202億円と、前連結会計年度(以下、前年度)末から857億円減少しました。流動資産は1兆6,851億円と前年度末から1,000億円減少しました。売上債権は前年度末に集中した売上に係る売掛金を回収したことなどにより前年度末から1,365億円減少しました。棚卸資産は3,615億円と、今後の売上に対応するため、サービスビジネスを中心に前年度末から313億円増加しました。非流動資産は1兆3,350億円と前年度末から143億円増加しました。
負債合計は2兆2,535億円と、前年度末から1,544億円減少しました。仕入債務は前年度末に集中した売上に対応する支払いにより減少したほか、確定給付制度の積立状況改善により退職給付に係る負債が減少しました。一方、有利子負債は5,914億円と、前年度末から312億円増加しました。運転資本の一部を短期借入金で調達しました。D/Eレシオは0.93倍と親会社の所有者に帰属する持分合計(自己資本)の増加により前年度末より0.06ポイント減少しましたが、ネットD/Eレシオは0.45倍とほぼ前年度末と同じ水準になりました。
資本合計は7,666億円と、前年度末から686億円増加しました。期末配当金の支払いによる減少影響はありましたが、四半期利益の計上や確定給付型の退職給付制度の積立状況が改善したことによります。なお、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は21.0%と前年度末から2.8ポイント増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
<要約四半期連結キャッシュ・フロー計算書>(単位:億円)
| 2013年度 第2四半期累計 | 2014年度 第2四半期累計 | 前年同期比 | |
| Ⅰ営業活動によるキャッシュ・フロー | 42 | 884 | 841 |
| Ⅱ投資活動によるキャッシュ・フロー | △587 | △931 | △344 |
| Ⅰ+Ⅱフリー・キャッシュ・フロー | △545 | △47 | 497 |
| Ⅲ財務活動によるキャッシュ・フロー | 905 | 107 | △798 |
| Ⅳ現金及び現金同等物の四半期末残高 | 3,317 | 3,069 | △247 |
当第2四半期(累計)の営業活動によるキャッシュ・フローは884億円のプラスとなりました。前年同期からは841億円の収入増となりました。税引前四半期利益の改善に加え、LSI事業及び海外事業等に係る事業構造改善費用の支払いが約300億円減少しました。また、前年度の下半期における国内子会社からの配当金に係る源泉所得税の還付約260億円などにより法人所得税の支払額が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは931億円のマイナスとなりました。国内外のインフラサービス関連や電子部品用製造設備を中心に有形固定資産及び無形資産の取得で929億円支出しました。前年同期からは344億円の支出増となりました。前年同期にマイコン・アナログ事業を中心としたLSI事業の再編による譲渡収入があったことや売却可能金融資産の売却による収入が減少したことなどによります。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは47億円のマイナスと、前年同期からは497億円の収入増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは107億円のプラスとなりました。運転資金の一部を短期借入金で調達したほか、上半期末までに償還期日が到来した社債の償還資金600億円などに充当するため普通社債700億円を発行しました。前年同期からは798億円の収入減となりました。
この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,069億円と、前年度末からは57億円増加しました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第2四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値の向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入いたしておりません。
今後とも、企業価値・株主様共同の利益を第一に考え、社会情勢等の変化に十分注意しながら、継続的に買収防衛策の必要性も含めた検討を進めてまいります。
(4)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」および「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワークなどに関する研究開発を行っており、近年は、特にビッグデータの利活用に関する研究開発に注力しております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器などのユビキタス社会に不可欠な製品・技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)などの各種デバイス製品・技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTがどのようにビジネスと社会のイノベーションに貢献するかについての当社グループの考え方を「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、セグメントの区分を超えてヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティ(*1)の実現に向けた「ヒューマン・エンパワーメント」「クリエイティブ・インテリジェンス」「コネクテッド・インフラストラクチャー」の3つのアプローチを提唱しています。当社グループでは、これらの3つのアプローチに加え、それらを支えるコア技術となる「共通な基盤」の発展に向けて研究開発を推進しています。
(*1)人々が可能性を最大限に発揮してイノベーションを生み出し、安心安全に暮らし、そして情報が新たな価値を生み出し、社会が持続的に成長していく世界。
| Fujitsu Technology and Service Visionにおけるイノベーション創出のための3つのアプローチ ①ヒューマン・エンパワーメント 人をエンパワーして、イノベーションを実現します。具体的には、お客様のイノベーションを富士通のエンジニアが実現する「インテグレーションによる価値創造」、モバイルで人をエンパワーする「モビリティとエンパワーメント」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ②クリエイティブ・インテリジェンス 多様な情報分析を通じて新たな知識を創造するとともに、高まるリスクに対してセキュリティを確保します。具体的には、膨大で多様な情報(ビッグデータ)から新たな価値を見いだす「情報からの新たな価値」、ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティの基礎となる情報の信頼性を確保する「セキュリティと事業継続」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 ③コネクテッド・インフラストラクチャー 今後のIoT(*2)時代に、モノや社会インフラを含めてつなげ、柔軟かつ機動的に変化に対応できるICT環境を提供していきます。具体的には、クラウドであらゆるものをつなげる「オンデマンド・エブリシング」、自律・自動化されたコンピューティング環境を築く「統合されたコンピューティング」、データセンター、広域ネットワーク、デバイスを環境変化に対応して最適化する「ネットワーク・ワイドな最適化」という3つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。 (*2)Internet of Things。パソコンやサーバなどに留まらず、様々な物がインターネットに接続され、情報交換する仕組み。 |
なお、上記の各アクションアイテム等に関する、当第2四半期における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第2四半期(累計)における当社グループの研究開発費の総額は1,014億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
・機械学習により生産ラインの部品認識プログラムを短時間で自動生成する技術を開発
近年の生産ラインでは、カメラを用いた自動組立装置や自動検査装置が多用され、そこでは部品を認識するプログラムが使われています。その中で特に多品種を扱う生産ラインでは、装置条件、部品そのものが変わる度に、専門家が日数をかけて画像認識プログラムを修正する必要がありました。そこで、これまでの機械学習部分を効率化し、部品の画像認識プログラムを自動生成する技術を開発しました。最適化する処理関数の組み合わせを減らす技術、形状の類似性を評価する技術、学習時間を短縮する技術を開発することで、従来比10分の1の時間で部品認識プログラムの自動生成を実現しました。これによって、多品種を扱う生産ラインにおいて、プログラム修正の労力を減らし、ライン長時間止めることのない、効率的なものづくりを実現します。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・東京大学先端科学技術研究センター、富士通株式会社、興和株式会社、IT創薬により、がんを標的とする新規活性化合物の創出に成功
医薬品の候補となる低分子化合物をコンピュータ上で仮想的に設計・評価するIT創薬により、がんの原因となるタンパク質(以下、標的タンパク質)の働きを抑える新規活性化合物を創出することに成功しました。
標的タンパク質に対して、医薬候補化合物設計技術によりコンピュータ上で多様な化合物構造を設計し、高精度活性予測技術によりそれらの阻害活性を予測して絞り込みました。その後、合成と実験による阻害活性測定を行いました。
本共同研究を通じ、IT創薬による新規活性化合物のほかにも、創薬研究の推進において重要な情報を与える複数の低分子化合物を得ました。今後3者は、前臨床評価(*3)をめざし、これまでの研究で得た低分子化合物の改良を進めることを決定しました。
(*3)新薬開発において人の前に動物で有効性・安全性を調べる段階
・人の行動や心理を扱う社会科学的研究と数理技術を融合した共同研究を九州大学と開始
空港などの大規模施設の警備配置や流通などの様々な社会システム設計で、人間の行動や心理を適切に組み込めていないため、使い勝手が悪い、利用者が増えないなどの課題が発生しています。今回、人間の行動や心理を明らかにする社会科学的研究とビッグデータを活用した数理技術を融合した研究を、九州大学と共同で開始します。人が受入れやすい社会制度の施策や、本当に満足のいくサービス提供の構築などへ向けて研究を進め社会実践を目指します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・省エネを実現するPCクラスタ型スパコンのネットワークスイッチ削減技術を開発
省エネと高性能を両立する数千台規模のPCクラスタ型スパコンに向けて、性能を維持したままネットワークスイッチを削減する、ネットワークの接続方式を開発しました。新たに多層のフルメッシュ型ネットワーク構造を適用し、データの衝突が起こらないように転送順序を制御する通信アルゴリズムを組み合わせました。これによりネットワークスイッチを4割削減し、PCクラスタ型スパコンシステムの電力を最大2割削減することができます。本技術は2015年度の実用化を目指します。
・特性の異なる通信網に適用したWAN高速化技術により2倍の高速化を実現
快適で使いやすいネットワーク環境の実現を目指して、モバイル網や国際網などデータ欠落や遅延など特性が異なるネットワークが混在して構成される広域網(WAN)に適用可能な、高速化技術をソフトウェアで実装しました。ネットワークの特性に応じて、区間ごとに最適な方式で通信することにより、高速化を実現しました。国立情報学研究所(NII)とモバイル端末を利用して国内から海外のクラウドサービスを利用した実験で、従来の技術に比べ一定の時間で約2倍のデータ量が送信できる通信性能を確認しました。ハードウェアによる高速ネットワークに依存することなく、ソフトウェアで実装するだけでユーザーの体感速度向上に貢献します。