四半期報告書-第118期第2四半期(平成29年7月1日-平成29年9月30日)
有報資料
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日(2017年9月30日)現在において当社及び連結子会社(以下、当社グループ)が判断したものです。
以下の文中において、当第2四半期連結累計期間を当第2四半期(累計)、当第2四半期連結会計期間を当第2四半期、前年同四半期連結累計期間及び前年同四半期連結会計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。また、文中に記載しております為替影響は、米国ドル、ユーロ、英国ポンドを対象に前年同期の対円平均レートを当第2四半期(累計)の外貨建取引高に適用して試算しております。
非継続事業について
当社は、富士通テン株式会社(以下、富士通テン)の株式の一部譲渡について、2017年4月28日に株式会社デンソーと合意したことから、当第1四半期より富士通テンを非継続事業に分類しております。これにより、非継続事業からの利益又は損失は、「非継続事業からの四半期(当期)利益」として、継続事業と区分して表示しており、前年同期及び前年度についても同様に組み替えて表示しております。
(1)経営成績の分析(当第2四半期(累計))
①損益の状況
(単位:億円)
売上収益は1兆9,232億円と、前年同期比153億円の増収となりました。国内サービス、パソコン及び携帯電話を中心に増収となりました。なお、ニフティ株式会社(以下、ニフティ)のコンシューマ向け事業が連結対象外となったことによる減収影響が約260億円あったほか、為替が円安に推移したことにより海外サービス事業とデバイス事業を中心に約270億円の増収影響がありました。
営業利益は280億円と、前年同期比79億円の増益となりました。国内サービスが堅調に推移したほか、デバイス事業で為替の円安による増収影響がありました。当第2四半期(累計)にニフティのコンシューマ向け事業等の資産売却による約160億円の利益と、海外子会社における法的紛争の手続きの結果に伴う約70億円の損失が含まれております。
継続事業からの税引前四半期利益は593億円と、前年同期比387億円の増益となりました。営業利益が増益となったほか、富士電機株式会社との株式持合い見直しに伴う株式売却益273億円があったことによります。
非継続事業を含めた親会社の所有者に帰属する四半期利益は434億円と、前年同期比316億円の増益となりました。
②セグメント情報
(単位:億円)
a テクノロジーソリューション
売上収益は1兆4,103億円と、ほぼ前年同期並みになりました。国内サービスにおいてシステムインテグレーション及びアウトソーシングが堅調に推移したほか、海外サービス事業も為替の円安影響により増収となりましたが、ネットワークが減収となったほか、ニフティのコンシューマ向け事業が連結対象外となったことによる減収影響がありました。
営業利益は448億円と、前年同期比84億円の減益となりました。国内サービスは堅調に推移したものの、海外子会社における法的紛争の手続きの結果による減益影響がありました。
b ユビキタスソリューション
売上収益は3,206億円と、前年同期比5.2%の増収となりました。個人向けパソコンを中心に伸長し、携帯電話も増収となりました。
営業利益は107億円と、前年同期比22億円の減益となりました。円安による米国ドル建て購入部材のコストアップとキーコンポーネントの市況価格上昇などによります。
c デバイスソリューション
売上収益は2,794億円と、前年同期比3.7%の増収となりました。スマートフォン向け製品の所要が回復したほか、円安による増収影響がありました。
営業利益は73億円と、前年同期比70億円の増益となりました。増収効果に加え、前年同期に実施した工場設備の法定点検による費用負担がなくなった事により増益となりました。
d その他及び消去又は全社
営業利益は349億円の損失と前年同期比114億円の改善となりました。次世代クラウド及びセキュリティ関連等の先行投資を拡充しましたが、ニフティのコンシューマ事業等の資産売却影響による一時的な利益計上がありました。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
(単位:億円)
親会社所有者帰属持分を資産で控除した自己資本比率は当第2四半期末で30.5%と前年度末から2.9%上昇しました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
営業活動によるキャッシュ・フローは547億円のプラスと、前年同期比126億円の収入増となりました。主に利益が増加したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは353億円のマイナスと、前年同期比604億円の支出減になりました。前年同期はデータセンターに対する支出が一時的に大きかったこと、当第2四半期に富士電機株式会社の株式売却収入を計上したことによります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期(累計)において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第2四半期(累計)において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。
(5)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話等のユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての考えを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。研究開発からお客様へのアプローチ、そして製品・サービスの提供に至るすべての事業活動をこのビジョンにもとづいて実行しています。このビジョンの中心的な考えとして、Human Centric Innovationというコンセプトを2014年に発表しました。これは先進技術で人をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会のイノベーションを生み出す新たなアプローチです。
イノベーションは、人々の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、そしてモノやインフラのつながり、という3つの要素を組み合わせることによって実現することができます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。
当社グループの研究開発活動は、2017年度のテーマであるHuman Centric Innovation: Digital Co-creationのもと、この3つの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。
①ヒューマン・エンパワーメント
デジタル技術を活用して人をエンパワーします。
②クリエイティブ・インテリジェンス
データ分析とアルゴリズムから引き出されるインテリジェンスを活用します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ビジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します。
上記の各アクションアイテム等に関する、当第2四半期における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第2四半期(累計)における研究開発費の総額は、805億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
・身に付けて使用する小型のハンズフリー音声翻訳端末を開発
訪日外国人の増加に伴い、病院などでも外国人患者が増えています。そのため、2016年から据え置き型のタブレットで日・英・中による多言語音声翻訳の実証実験を医療の現場で行ってきました。その結果、医療従事者の両手が塞がる場合が多く、端末に触れることなく、身に付けて利用できる音声翻訳端末の期待が大きいことがわかりました。今回、小型無指向性マイクでの話者識別技術と雑音に強い発話検出の精度を向上することで、世界で初めてウェアラブル型のハンズフリー音声翻訳端末の開発に成功しました。医療者と患者が対面で会話する自然な距離80cmでの、発話の検出精度95%を達成しています。名札を胸につけるように身に付けての利用を可能にすることで、他の様々な分野へも展開可能です。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・「Deep Tensor」とナレッジグラフを融合しAIが出した推定結果の根拠を説明可能にする技術を開発
近年、AIによるディープラーニングの活用が広がり、大量のデータを学習し、自動分類・推定が行われています。しかし、なぜディープラーニングの答えが出てきたのかを専門家や開発者自身が説明できないため、ブラックボックス型のAIと呼ばれ、重要な判断を要する場への適用に課題がありました。今回、ディープラーニングをベースにした当社独自技術である「Deep Tensor」と、様々な外部データから構築したナレッジグラフを関連付けることで、AIが出した結果の推定理由や根拠を提示する技術を開発しました。入力データの中から「Deep Tensor」の推定結果に大きく影響した部分を特定し、ナレッジグラフと対応付けていくことで、入力から結果に至る根拠が説明できます。本技術をゲノム医療の調査作業効率化に適用し、模擬実験をしました。その結果、遺伝子変異と病因性の関係を、生物情報学の公開データベースや医療文献等の根拠と照らし合わせて確認できるようになりました。本技術により、様々な調査をする専門家がAIの推定結果を確認できるようになり、AIと協調して問題を解決する世界を可能にします。
・マルウェア活動の検知精度を「Deep Tensor」の拡張により高精度化する技術を開発
年々、サイバー攻撃の手法が巧妙化してきており、特に標的型攻撃では専用のマルウェアを使用して侵入してくるため、侵入された後の対策を講じることが重要となってきています。しかし、侵入したマルウェアは、時間とともに攻撃手段や範囲を変化させ、日常業務のネットワーク通信と紛れて活動を行うため、これを検知するためにはマルウェアの様々な挙動を複合的に捉える必要があります。今回、グラフ構造のデータを学習できる独自のAI技術「Deep Tensor」を拡張し、通信のログデータの関係性を時系列で学習し、計算処理を高速・並列処理する技術により、複雑で広範囲のマルウェア検知を可能にしました。マルウェア対策研究人材育成ワークショップ「MWS2017」の研究用データセットを用いて攻撃を判別する試験をし、既存の機械学習「Support Vector Machine」が76%の精度に対し、本技術は時間変化の複数痕跡を学習することで93%の精度で検知できました。ますます巧妙に変化し続けるサイバー攻撃に対して迅速な対応を実現します。
・橋梁の表面に付けたセンサーで内部の損傷や劣化をAIで推定
老朽化した多くの橋や高架道路などの社会インフラ維持管理は、安全性とメンテナンスコスト増大で社会問題になってきています。そのため、維持管理業務にICTを適用し、問題を解決することが期待されています。今まで、橋梁点検は目視で損傷を確認するため、内部の損傷を把握できませんでした。今回、橋梁の表面に取り付けたセンサーで振動データを収集し、内部の損傷度合を推定できる分析技術を開発しました。富士通独自のAI技術である時系列データに対するディープラーニング技術を拡張し、振動データから幾何学的特徴を学習し、異常の発生や変化度を数値化し、故障や劣化を検知します。共同研究を行うモニタリングシステム技術研究組合(RAIMS)が行った橋梁の疲労劣化の実証実験で得られたデータに適用し、検証したところ、広範囲の橋梁内部の損傷度合いを推定できることを確認しました。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・ブロックチェーンの処理を高速化する技術を開発しHyperledger Fabricに実装
金融分野をはじめ様々な分野で活用が期待されているブロックチェーンは、管理者不要で参加者同士が取引データの正当性を検証し、改ざんが困難な共有台帳システムを実現できます。ブロックチェーンでは、参加者数に応じたノード群がネットワークを形成して処理を進めますが、従来の集中管理型のシステムと比べて、単位時間に処理できる取引の数が制限されるという課題がありました。今回、ボトルネックとなっていたアプリケーションとブロックチェーン基盤との間の通信処理を効率化することにより、トランザクション処理を高速化する技術を開発しました。開発したデータの差分更新機能と一括更新機能を、オープンなブロックチェーンフレームワークの一つであるHyperledger Fabricのv0.6.1に実装し、従来比約2.7倍となる毎秒約1,350トランザクションを実現しました。金融機関のように毎秒1,000トランザクションを超える高い性能が要求されるオンライン取引システムでの適用が可能になります。
④その他共通な基盤等
・量子コンピューティング技術を応用したデジタルアニーラで組合せ最適化実問題への適用を容易にする技術を開発
化学、金融、エネルギー、流通などの分野で、例えば新材料の探索やポートフォーリオの最適化では、様々な組合せの中から最適な解を選択したいという要求があり、組合せ最適化問題と呼ばれています。組合せ最適化問題は、考慮する要因の数が増えると組合せの数が爆発的に増えるため、実用的な時間内に解く事ができませんでした。今回、組合せ最適化問題を高速に解く計算機アーキテクチャー「デジタルアニーラ」で、事前の複雑なパラメーター設定を行わずに組合せ最適化問題を瞬時に解く技術を開発しました。新たに設けた状態制御回路により、一定頻度ごとに演算中の状態を観測し、パラメーターを適宜変更することで、最適解の探索を飛躍的に向上させます。様々な分野の組合せ最適化問題に適用することで、お客さまの新規ビジネス創出に貢献していきます。
・HEMTを利用したW帯向け窒化ガリウム送信用パワーアンプを開発し無線通信の長距離・大容量・省電力化を実現
5GやIoTデバイスの普及により、モバイル通信の無線データトラフィックは2020年にかけて年率1.5倍での増加が予測され、今のシステムでは対応が困難になっていきます。長い距離や大容量の通信をするには変調方式の対応や信号増幅時のひずみを少なくし、増大する通信システムの消費電力を抑えることなどが求められています。今回、大容量の無線ネットワークに適用可能な窒化インジウムアルミニウムガリウム系HEMTで、内部抵抗および漏れ電流の低減に着目した技術により、送信用の高出力増幅器(パワーアンプ)を開発しました。出力密度は、W帯において世界最高である、ゲート幅1mmあたり4.5ワットを実現し、消費電力についても従来比26%減の低消費電力化を確認しました。10kmの距離で毎秒10ギガビットの大容量通信を実現できる見込みです。災害時や、イベント開催時に臨時的に設営する仮設通信インフラにも適用できる高速無線通信システムを実現します。
以下の文中において、当第2四半期連結累計期間を当第2四半期(累計)、当第2四半期連結会計期間を当第2四半期、前年同四半期連結累計期間及び前年同四半期連結会計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。また、文中に記載しております為替影響は、米国ドル、ユーロ、英国ポンドを対象に前年同期の対円平均レートを当第2四半期(累計)の外貨建取引高に適用して試算しております。
非継続事業について
当社は、富士通テン株式会社(以下、富士通テン)の株式の一部譲渡について、2017年4月28日に株式会社デンソーと合意したことから、当第1四半期より富士通テンを非継続事業に分類しております。これにより、非継続事業からの利益又は損失は、「非継続事業からの四半期(当期)利益」として、継続事業と区分して表示しており、前年同期及び前年度についても同様に組み替えて表示しております。
(1)経営成績の分析(当第2四半期(累計))
①損益の状況
(単位:億円)
| 2016年度 | 2017年度 | 前年同期比 | ||||
| 第2四半期累計 | 第2四半期累計 | 増減率(%) | ||||
| 継続事業 | 売上収益 | 19,078 | 19,232 | 153 | 0.8 | |
| 営業利益 | 200 | 280 | 79 | 39.3 | ||
| (営業利益率) | (1.1%) | (1.5%) | (0.4%) | |||
| 税引前四半期利益 | 206 | 593 | 387 | 188.0 | ||
| 四半期利益(親会社所有者帰属) | 118 | 434 | 316 | 266.5 | ||
売上収益は1兆9,232億円と、前年同期比153億円の増収となりました。国内サービス、パソコン及び携帯電話を中心に増収となりました。なお、ニフティ株式会社(以下、ニフティ)のコンシューマ向け事業が連結対象外となったことによる減収影響が約260億円あったほか、為替が円安に推移したことにより海外サービス事業とデバイス事業を中心に約270億円の増収影響がありました。
営業利益は280億円と、前年同期比79億円の増益となりました。国内サービスが堅調に推移したほか、デバイス事業で為替の円安による増収影響がありました。当第2四半期(累計)にニフティのコンシューマ向け事業等の資産売却による約160億円の利益と、海外子会社における法的紛争の手続きの結果に伴う約70億円の損失が含まれております。
継続事業からの税引前四半期利益は593億円と、前年同期比387億円の増益となりました。営業利益が増益となったほか、富士電機株式会社との株式持合い見直しに伴う株式売却益273億円があったことによります。
非継続事業を含めた親会社の所有者に帰属する四半期利益は434億円と、前年同期比316億円の増益となりました。
②セグメント情報
(単位:億円)
| 2016年度 | 2017年度 | 前年同期比 | |||||
| 第2四半期累計 | 第2四半期累計 | 増減率(%) | |||||
| 売上収益 | テクノロジーソリューション | 14,191 | 14,103 | △88 | △0.6 | ||
| ユビキタスソリューション | 3,047 | 3,206 | 159 | 5.2 | |||
| デバイスソリューション | 2,694 | 2,794 | 99 | 3.7 | |||
| その他/消去又は全社 | △855 | △872 | △17 | - | |||
| 連結計 | 19,078 | 19,232 | 153 | 0.8 | |||
| 営業利益 | テクノロジーソリューション | 533 | 448 | △84 | △15.8 | ||
| ユビキタスソリューション | 129 | 107 | △22 | △17.2 | |||
| デバイスソリューション | 2 | 73 | 70 | - | |||
| その他/消去又は全社 | △464 | △349 | 114 | - | |||
| 連結計 | 200 | 280 | 79 | 39.3 | |||
a テクノロジーソリューション
売上収益は1兆4,103億円と、ほぼ前年同期並みになりました。国内サービスにおいてシステムインテグレーション及びアウトソーシングが堅調に推移したほか、海外サービス事業も為替の円安影響により増収となりましたが、ネットワークが減収となったほか、ニフティのコンシューマ向け事業が連結対象外となったことによる減収影響がありました。
営業利益は448億円と、前年同期比84億円の減益となりました。国内サービスは堅調に推移したものの、海外子会社における法的紛争の手続きの結果による減益影響がありました。
b ユビキタスソリューション
売上収益は3,206億円と、前年同期比5.2%の増収となりました。個人向けパソコンを中心に伸長し、携帯電話も増収となりました。
営業利益は107億円と、前年同期比22億円の減益となりました。円安による米国ドル建て購入部材のコストアップとキーコンポーネントの市況価格上昇などによります。
c デバイスソリューション
売上収益は2,794億円と、前年同期比3.7%の増収となりました。スマートフォン向け製品の所要が回復したほか、円安による増収影響がありました。
営業利益は73億円と、前年同期比70億円の増益となりました。増収効果に加え、前年同期に実施した工場設備の法定点検による費用負担がなくなった事により増益となりました。
d その他及び消去又は全社
営業利益は349億円の損失と前年同期比114億円の改善となりました。次世代クラウド及びセキュリティ関連等の先行投資を拡充しましたが、ニフティのコンシューマ事業等の資産売却影響による一時的な利益計上がありました。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
(単位:億円)
| 2016年度末 | 2017年度 第2四半期末 | 前年度末比 | ||
| 資産 | 31,914 | 30,865 | △1,049 | |
| 負債 | 21,722 | 20,048 | △1,674 | |
| 資本(純資産) | 10,192 | 10,816 | 624 | |
| 親会社所有者帰属持分(自己資本) | 8,812 | 9,410 | 597 | |
親会社所有者帰属持分を資産で控除した自己資本比率は当第2四半期末で30.5%と前年度末から2.9%上昇しました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
| 2016年度 第2四半期累計 | 2017年度 第2四半期累計 | 前年同期比 | ||
| Ⅰ 営業活動によるキャッシュ・フロー | 420 | 547 | 126 | |
| Ⅱ 投資活動によるキャッシュ・フロー | △957 | △353 | 604 | |
| Ⅰ+Ⅱ フリー・キャッシュ・フロー | △536 | 193 | 730 | |
| Ⅲ 財務活動によるキャッシュ・フロー | 138 | 69 | △69 | |
| Ⅳ 現金及び現金同等物の四半期末残高 | 3,278 | 4,128 | 850 | |
営業活動によるキャッシュ・フローは547億円のプラスと、前年同期比126億円の収入増となりました。主に利益が増加したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは353億円のマイナスと、前年同期比604億円の支出減になりました。前年同期はデータセンターに対する支出が一時的に大きかったこと、当第2四半期に富士電機株式会社の株式売却収入を計上したことによります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期(累計)において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第2四半期(累計)において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。
(5)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話等のユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての考えを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。研究開発からお客様へのアプローチ、そして製品・サービスの提供に至るすべての事業活動をこのビジョンにもとづいて実行しています。このビジョンの中心的な考えとして、Human Centric Innovationというコンセプトを2014年に発表しました。これは先進技術で人をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会のイノベーションを生み出す新たなアプローチです。
イノベーションは、人々の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、そしてモノやインフラのつながり、という3つの要素を組み合わせることによって実現することができます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。
当社グループの研究開発活動は、2017年度のテーマであるHuman Centric Innovation: Digital Co-creationのもと、この3つの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。
①ヒューマン・エンパワーメント
デジタル技術を活用して人をエンパワーします。
②クリエイティブ・インテリジェンス
データ分析とアルゴリズムから引き出されるインテリジェンスを活用します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ビジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します。
上記の各アクションアイテム等に関する、当第2四半期における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第2四半期(累計)における研究開発費の総額は、805億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
・身に付けて使用する小型のハンズフリー音声翻訳端末を開発
訪日外国人の増加に伴い、病院などでも外国人患者が増えています。そのため、2016年から据え置き型のタブレットで日・英・中による多言語音声翻訳の実証実験を医療の現場で行ってきました。その結果、医療従事者の両手が塞がる場合が多く、端末に触れることなく、身に付けて利用できる音声翻訳端末の期待が大きいことがわかりました。今回、小型無指向性マイクでの話者識別技術と雑音に強い発話検出の精度を向上することで、世界で初めてウェアラブル型のハンズフリー音声翻訳端末の開発に成功しました。医療者と患者が対面で会話する自然な距離80cmでの、発話の検出精度95%を達成しています。名札を胸につけるように身に付けての利用を可能にすることで、他の様々な分野へも展開可能です。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・「Deep Tensor」とナレッジグラフを融合しAIが出した推定結果の根拠を説明可能にする技術を開発
近年、AIによるディープラーニングの活用が広がり、大量のデータを学習し、自動分類・推定が行われています。しかし、なぜディープラーニングの答えが出てきたのかを専門家や開発者自身が説明できないため、ブラックボックス型のAIと呼ばれ、重要な判断を要する場への適用に課題がありました。今回、ディープラーニングをベースにした当社独自技術である「Deep Tensor」と、様々な外部データから構築したナレッジグラフを関連付けることで、AIが出した結果の推定理由や根拠を提示する技術を開発しました。入力データの中から「Deep Tensor」の推定結果に大きく影響した部分を特定し、ナレッジグラフと対応付けていくことで、入力から結果に至る根拠が説明できます。本技術をゲノム医療の調査作業効率化に適用し、模擬実験をしました。その結果、遺伝子変異と病因性の関係を、生物情報学の公開データベースや医療文献等の根拠と照らし合わせて確認できるようになりました。本技術により、様々な調査をする専門家がAIの推定結果を確認できるようになり、AIと協調して問題を解決する世界を可能にします。
・マルウェア活動の検知精度を「Deep Tensor」の拡張により高精度化する技術を開発
年々、サイバー攻撃の手法が巧妙化してきており、特に標的型攻撃では専用のマルウェアを使用して侵入してくるため、侵入された後の対策を講じることが重要となってきています。しかし、侵入したマルウェアは、時間とともに攻撃手段や範囲を変化させ、日常業務のネットワーク通信と紛れて活動を行うため、これを検知するためにはマルウェアの様々な挙動を複合的に捉える必要があります。今回、グラフ構造のデータを学習できる独自のAI技術「Deep Tensor」を拡張し、通信のログデータの関係性を時系列で学習し、計算処理を高速・並列処理する技術により、複雑で広範囲のマルウェア検知を可能にしました。マルウェア対策研究人材育成ワークショップ「MWS2017」の研究用データセットを用いて攻撃を判別する試験をし、既存の機械学習「Support Vector Machine」が76%の精度に対し、本技術は時間変化の複数痕跡を学習することで93%の精度で検知できました。ますます巧妙に変化し続けるサイバー攻撃に対して迅速な対応を実現します。
・橋梁の表面に付けたセンサーで内部の損傷や劣化をAIで推定
老朽化した多くの橋や高架道路などの社会インフラ維持管理は、安全性とメンテナンスコスト増大で社会問題になってきています。そのため、維持管理業務にICTを適用し、問題を解決することが期待されています。今まで、橋梁点検は目視で損傷を確認するため、内部の損傷を把握できませんでした。今回、橋梁の表面に取り付けたセンサーで振動データを収集し、内部の損傷度合を推定できる分析技術を開発しました。富士通独自のAI技術である時系列データに対するディープラーニング技術を拡張し、振動データから幾何学的特徴を学習し、異常の発生や変化度を数値化し、故障や劣化を検知します。共同研究を行うモニタリングシステム技術研究組合(RAIMS)が行った橋梁の疲労劣化の実証実験で得られたデータに適用し、検証したところ、広範囲の橋梁内部の損傷度合いを推定できることを確認しました。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・ブロックチェーンの処理を高速化する技術を開発しHyperledger Fabricに実装
金融分野をはじめ様々な分野で活用が期待されているブロックチェーンは、管理者不要で参加者同士が取引データの正当性を検証し、改ざんが困難な共有台帳システムを実現できます。ブロックチェーンでは、参加者数に応じたノード群がネットワークを形成して処理を進めますが、従来の集中管理型のシステムと比べて、単位時間に処理できる取引の数が制限されるという課題がありました。今回、ボトルネックとなっていたアプリケーションとブロックチェーン基盤との間の通信処理を効率化することにより、トランザクション処理を高速化する技術を開発しました。開発したデータの差分更新機能と一括更新機能を、オープンなブロックチェーンフレームワークの一つであるHyperledger Fabricのv0.6.1に実装し、従来比約2.7倍となる毎秒約1,350トランザクションを実現しました。金融機関のように毎秒1,000トランザクションを超える高い性能が要求されるオンライン取引システムでの適用が可能になります。
④その他共通な基盤等
・量子コンピューティング技術を応用したデジタルアニーラで組合せ最適化実問題への適用を容易にする技術を開発
化学、金融、エネルギー、流通などの分野で、例えば新材料の探索やポートフォーリオの最適化では、様々な組合せの中から最適な解を選択したいという要求があり、組合せ最適化問題と呼ばれています。組合せ最適化問題は、考慮する要因の数が増えると組合せの数が爆発的に増えるため、実用的な時間内に解く事ができませんでした。今回、組合せ最適化問題を高速に解く計算機アーキテクチャー「デジタルアニーラ」で、事前の複雑なパラメーター設定を行わずに組合せ最適化問題を瞬時に解く技術を開発しました。新たに設けた状態制御回路により、一定頻度ごとに演算中の状態を観測し、パラメーターを適宜変更することで、最適解の探索を飛躍的に向上させます。様々な分野の組合せ最適化問題に適用することで、お客さまの新規ビジネス創出に貢献していきます。
・HEMTを利用したW帯向け窒化ガリウム送信用パワーアンプを開発し無線通信の長距離・大容量・省電力化を実現
5GやIoTデバイスの普及により、モバイル通信の無線データトラフィックは2020年にかけて年率1.5倍での増加が予測され、今のシステムでは対応が困難になっていきます。長い距離や大容量の通信をするには変調方式の対応や信号増幅時のひずみを少なくし、増大する通信システムの消費電力を抑えることなどが求められています。今回、大容量の無線ネットワークに適用可能な窒化インジウムアルミニウムガリウム系HEMTで、内部抵抗および漏れ電流の低減に着目した技術により、送信用の高出力増幅器(パワーアンプ)を開発しました。出力密度は、W帯において世界最高である、ゲート幅1mmあたり4.5ワットを実現し、消費電力についても従来比26%減の低消費電力化を確認しました。10kmの距離で毎秒10ギガビットの大容量通信を実現できる見込みです。災害時や、イベント開催時に臨時的に設営する仮設通信インフラにも適用できる高速無線通信システムを実現します。