四半期報告書-第117期第3四半期(平成28年10月1日-平成28年12月31日)

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2017/02/03 14:44
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文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日(2016年12月31日)現在において当社及び連結子会社(以下、当社グループ)が判断したものであります。
以下の文中において、当第3四半期連結累計期間を当第3四半期(累計)、当第3四半期連結会計期間を当第3四半期、前年同四半期連結累計期間及び前年同四半期連結会計期間を前年同期、前連結会計年度を前年度と記載しております。また、文中に記載しております為替影響は、米国ドル、ユーロ、英国ポンドを対象に前年同期の対円平均レートを当第3四半期(累計)の外貨建取引高に適用して試算しております。
(1)経営成績の分析(当第3四半期(累計))
①損益の状況
売上収益は3兆2,005億円と、前年同期比2,076億円の減収となりました。国内はほぼ前年同期並みです。LSIや携帯電話が減収となりましたが、サービスがシステムインテグレーションやアウトソーシングを中心に伸長したほか、パソコンやモバイルウェア、ネットワークプロダクトが増収となりました。海外は15.6%の減収です。為替影響を大きく受けたほか、欧州向けのインフラサービスが売上減となりました。前年同期と比較し、米国ドル、英国ポンドなどに対し円高が進行したことにより、売上収益は前年同期比で約1,850億円減少しております。海外売上比率は37.8%と、為替影響もあり前年同期比4.2ポイント減少しました。
営業利益は632億円と、前年同期比616億円の増益となりました。LSIや海外サービスが減収影響を受けたものの、パソコンや携帯電話がコストダウンや費用効率化などにより改善したほか、国内のネットワークプロダクトやサービスの増収効果が増益に寄与しました。またビジネスモデル変革費用の負担が前年同期に比べ144億円減少しました。(ビジネスモデル変革費用:前年同期 欧州のプロダクト事業や国内ネットワーク事業関連219億円、当第3四半期(累計) 欧州拠点でのデジタルサービス関連へのリソースシフト74億円)
金融収益と金融費用をあわせた金融損益は21億円と、前年同期比12億円の増益となりました。持分法による投資利益は27億円と、前年同期比115億円の減益となりました。国内関連会社で発生する可能性のある損失に備え、引当金を計上したほか、前年同期に中国の深圳証券取引所に上場している関連会社の公募増資に伴う一時利益の計上がありました。
この結果、税引前四半期利益は681億円と、前年同期比513億円の増益となりました。
親会社の所有者に帰属する四半期利益は322億円と、前年同期比429億円の改善となりました。
②セグメント情報
a テクノロジーソリューション
売上収益は2兆1,837億円と、前年同期比5.8%の減収になりました。国内は3.9%の増収です。サービスは、システムインテグレーションが金融分野向けの大型プロジェクト商談がピークを越えたものの、製造業、サービス業に加え、通信キャリア向けが伸長し高水準であった前年同期の売上を上回りました。インフラサービスも、アウトソーシングを中心に増収となりました。システムプラットフォームは、ネットワークプロダクトが通信キャリア向けの携帯電話基地局で増収となりました。海外は20.3%の減収です。為替影響を受けたほか、サービスが欧州、米国向けが低調で減収となりました。システムプラットフォームは、ネットワークプロダクトが北米向け光伝送システムが新機種投入の端境期にあたり減収となりました。
営業利益は1,039億円と、前年同期比366億円の増益となりました。海外サービスの減収影響がありますが、国内のサービス、ネットワークでの増収効果が上回りました。ビジネスモデル変革費用の負担が前年同期に比べ137億円減少しました。(ビジネスモデル変革費用:前年同期 欧州のプロダクト事業や国内ネットワーク事業関連202億円、当第3四半期(累計)欧州拠点でのデジタルサービス関連へのリソースシフト64億円)
b ユビキタスソリューション
売上収益は7,432億円と、前年同期比2.8%の減収になりました。国内は、前年同期から1.3%の増収です。携帯電話は、スマートフォン市場の成長鈍化の影響を受け前年同期からは大幅な売上減となりました。パソコンは、法人向けが堅調で増収となりました。また、モバイルウェアもオーディオ・ナビゲーション機器が前年同期から伸長しました。海外は10.0%の減収となりましたが、為替影響を除けば、ほぼ前年同期並みです。欧州向けパソコンが減収となりましたが、モバイルウェアが欧米を中心に伸長しました。
営業利益は284億円と、前年同期比417億円の改善となりました。パソコンは、国内向けの増収効果に加え、米国ドルに対する円高の進行による国内拠点での購入部材コストダウンや、費用効率化により改善となりました。携帯電話は、減収影響はあるもののコストダウンや費用効率化により改善しました。モバイルウェアは増収効果により増益となりました。
c デバイスソリューション
売上収益は4,065億円と、前年同期比12.3%の減収になりました。
営業利益は46億円と、前年同期比197億円の減益となりました。LSIは、スマートフォン向けを中心とした減収影響に加え、第1四半期に実施した工場施設の法定点検実施に伴う費用負担等の影響を受けました。また、LSI、電子部品ともに米国ドルに対する円高進行による減収影響を受けました。
d その他及び消去又は全社
営業利益は737億円の損失です。費用効率化などにより、前年同期比29億円の改善となりました。
(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資産、負債及び資本の状況
当第3四半期末の資産合計は3兆1,613億円と、前年度末から649億円減少しました。棚卸資産は今後の売上に対応するため、サービスビジネスを中心に増加しましたが、売上債権は前年度末に集中した売上に係る売掛金を回収したことにより減少しました。
負債合計は2兆2,151億円と、前年度末から849億円減少しました。前年度末に集中した売上に対応する支払いにより仕入債務が減少したほか、確定給付債務の積立状況改善により退職給付に係る負債が減少しました。
有利子負債は6,128億円と、運転資金の一部を短期借入金で調達したことなどにより779億円増加しました。
資本合計は9,462億円と、前年度末から199億円増加しました。配当金の支払いによる減少影響はありましたが、四半期利益の計上や主に国内において確定給付制度の積立状況が改善したことによります。
なお、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)は25.6%と前年度末から1.3ポイント増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当第3四半期(累計)の営業活動によるキャッシュ・フローは942億円のプラスと、前年同期からは611億円の収入増となりました。税引前四半期利益が増益となったほか運転資本が改善しました。
投資活動によるキャッシュ・フローはデータセンター設備などへの投資により1,309億円のマイナスとなりました。前年同期からは143億円の支出増となりました。
営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは367億円のマイナスと、前年同期からは468億円の収入増となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、389億のプラスとなりました。運転資金の一部を短期借入金で調達しました。
この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は3,809億円と、前年度末並みとなりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
①対処すべき課題
当第3四半期(累計)において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
②財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、企業価値を向上させることが、結果として買収防衛にもつながるという基本的な考え方のもと、企業価値向上に注力しているところであり、現時点で特別な買収防衛策は導入しておりません。
当社に対して買収提案があった場合は、取締役会は、当社の支配権の所在を決定するのは株主であるとの認識のもと、適切な対応を行います。
(4)研究開発活動
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、パソコン、携帯電話、オーディオ・ナビゲーション機器等のユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージや電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループでは、ICTを活用することによってどのようにイノベーションを起こし、これまでとは違う未来を創り出していくかについての、当社グループのビジョンを「Fujitsu Technology and Service Vision」としてまとめています。その中で、当社グループは、セグメントの区分を超えて、ヒューマンセントリック・イノベーションの実現に向けて取り組むことを提唱しています。
ヒューマンセントリック・イノベーションは、デジタル技術を活用して人々をエンパワーする(力を与える)ことによって、ビジネスや社会の価値を創出するアプローチです。これは、「人の創造性、情報から導かれるインテリジェンス、モノやプロセスのつながり」という、価値を生み出す3つの要素を組み合わせることによって実現されます。それぞれの要素は、人、情報、インフラストラクチャーという3つの経営資源に対応しています。当社グループの研究開発活動は、それぞれの要素に対応した、以下のアクションアイテムに沿って行われています。
①ヒューマン・エンパワーメント
デジタル技術を活用して人をエンパワーします。具体的には、お客様のイノベーションを富士通のエンジニアが実現する「インテグレーションによる価値創造」、モバイルで人をエンパワーする「モビリティとエンパワーメント」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。
②クリエイティブ・インテリジェンス
多様な情報分析を通じて新たな知識を創造するとともに、高まるリスクに対してセキュリティを確保します。具体的には、膨大で多様な情報(ビッグデータ)から新たな価値を見いだす「情報からの新たな価値」、ヒューマンセントリック・インテリジェントソサエティの基礎となる情報の信頼性を確保する「セキュリティと事業継続」という2つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
ビジネスや社会のインフラやモノ、プロセスをつないで価値を創造します。具体的には、クラウドであらゆるモノをつなげる「オンデマンド・エブリシング」、自律・自動化されたコンピューティング環境を築く「統合されたコンピューティング」、データセンター、広域ネットワーク、デバイスを環境変化に対応して最適化する「ネットワーク・ワイドな最適化」という3つのコンセプトに基づいてテクノロジーとサービスを提供します。
なお、上記の各アクションアイテム等に関する当第3四半期における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当第3四半期(累計)における当社グループの研究開発費の総額は1,250億円です。
①ヒューマン・エンパワーメント
・複数業種間の機密情報を安全に扱えるブロックチェーンのセキュリティ強化技術を開発
ブロックチェーンは、特定組織が中央集権的にデータを管理することなく、オープンで信頼性のある情報共有を可能にする技術です。一方、金融取引をはじめとする、契約書など機密データを扱う取引などへ応用するには、高い安全性を確保するために暗号鍵や文書の管理が極めて重要です。当社グループでは、情報の利用先などを限定する「トランザクション機能限定技術」と、複数に分散された鍵を持った当事者が協力することで情報にアクセスできる「秘密分散鍵管理による文書秘匿化技術」を開発しました。鍵の誤用・悪用の防止や組織間での承認、鍵の紛失時の救済などが実現できます。金融や流通、サプライチェーン、公文書管理など様々な分野へ応用し、安全な取引の実現により新しいビジネスの創出に貢献します。
②クリエイティブ・インテリジェンス
・物流、医療、金融など様々なグラフ構造のデータから新たな知見を導くAI新技術「Deep Tensor」を開発
IoTによる機器間通信、創薬の化学物質組成、金融の取引データなど、人やモノのつながりをグラフ構造として表現できるデータが大量に蓄積され続けています。グラフ構造のデータを解析する機械学習技術「Deep Tensor(ディープ テンソル)」を開発しました。大規模かつ構造が複雑で表現方法が多様なために分類困難なグラフ構造のデータを、テンソルと呼ばれる表現に変換しDeep Learning技術で高精度に学習します。
医薬品の候補化合物を探索する実験では、従来の100倍である10万規模の化合物の関係を学習することができました。コンピュータ、IoT機器などの通信ログ、電子通貨の取引、融資履歴などへ適用した場合、不正を高精度に検知し安全な取引を可能にします。様々な分野で、今までにない高度なデータ分析を実現していきます。
・AI技術により医師の意思決定を支援するヘルスケアシステムを試作しサン・カルロス医療病院で実証
医師が多様なデータを活用し診断に役立てることができる先端医療の実現に向けて、スペインのサン・カルロス医療病院の精神病専門医とFujitsu Laboratories of Europe及びFujitsu Technology Solutionsが連携し、新しいヘルスケアシステムAdvanced Clinical Research Information Systemを試作しました。診療に関するデータや患者の記録、医療関連の論文などの関係性をグラフデータで解析、セマンティックモデル化などのAI技術を実装し、患者の潜在的リスク評価を行います。36,000名以上の患者の匿名化情報を使った実証では、自殺やアルコール・薬物依存などのリスクを85%以上の精度で算出しました。これにより、患者の情報分析が素早くできるようになり、医師の診断支援に役立てます。
③コネクテッド・インフラストラクチャー
・従来の半導体技術を使って組合せ最適化問題を1万倍高速に解く新アーキテクチャーを開発
過去50年コンピュータの性能向上を支えてきた半導体CMOSの微細化、高集積化は限界にきています。他方、複雑な社会・経済課題を解決するために、膨大な条件から最適な手段を求める「組合せ最適化問題」の高速処理が必要です。カナダのトロント大学と共同で、従来の半導体技術を使って「組合せ最適化問題」を高速に解ける計算機アーキテクチャーを開発しました。柔軟な回路構成、自由な信号のやりとりができる全結合の構造を採用しているため、現行の量子コンピュータより多様な問題を扱うことができます。基本の最適化回路をFPGA(回路構成をプログラム可能な汎用デバイス)で実装し評価したところ、従来の1万倍の速度で動作することを確認しました。複雑な要因が絡む災害の復旧計画、企業の投資ポートフォリオ、物流の効率化などの最適解を導くことが可能になり、迅速な意思決定を支援します。
・安全な自動運転実現に向けて速度が違うターゲット検知を可能にするミリ波CMOS回路を開発
ミリ波レーダーは自動運転の「目」の役割を担う技術として期待されていますが、今までの方式では歩行者と自転車など速度が違うもの同士が近づくと、片方を見落とすという問題がありました。76~81ギガヘルツの広帯域で世界最高速で周波数を変調できるCMOSミリ波信号源回路を開発しました。最大検知相対速度、時速200kmを達成する時間補完型パルスカウンター回路と位相1度以内の精度でミリ波ビームを計測・制御できる4チャンネルCMOS送信回路と組み合わせることで、周囲を高精度に見ることが可能になります。高速走行と周辺監視の両方に対応し、車載レーダーの多機能化に貢献します。
④共通な基盤
・世界初、グラフェンを使って小型かつ最高感度のガスセンサー技術を開発
新素材グラフェンは強くて軽く、熱や電気の伝導率が高いため次世代デバイス材料として注目されています。高感度、小型化が期待できるためガスセンサーにも提案されていますが、これまでの方式では感度が低いため実用化されていませんでした。今回、シリコントランジスターのゲート部分をグラフェンで置き換えた新しい原理のガスセンサーを開発し、市販の電気化学式センサーと比べて二酸化窒素(NO2)では10倍以上の感度を実現しました。開発したセンサーは検知部分が数百マイクロメートルと小型なため、様々な場所へ持ち運びができ、リアルタイムに高感度測定を可能にします。大気汚染を検知する環境センサーや体の状態を知る呼気センサーなどへの活用が期待できます。
・Flashデバイスの実効容量向上と世界最速のレスポンスを両立するための新たな重複除去技術を開発
データの重複除去方法に関して、従来方式であるデータの書き込み時に重複除去を行い、重複除去が終わった後にレスポンスを返す方式に加えて、新たに先にレスポンスを返し、後から複数ノード間で整合性を取りながら重複除去を行う方式を開発しました。さらに、2つの方式を状況によって使い分け、ストレージシステムの負荷状況の変化に対応して、より適切な重複除去方式を選択する技術を開発しました。これにより、従来方式に比べてストレージのレスポンス性能を平均3割高速化でき、世界最速のレスポンス性能を実現しました。この技術を搭載したストレージを多様なワークロードに対応する必要がある仮想デスクトップシステムに適用することで、サービスを受けているユーザのアプリケーションを高速化し、ユーザエクスペリエンスを向上させることが可能になります。
(5)従業員数
当第3四半期末における当社の従業員数は33,440名と、前年度末に比べ9,328名増加しておりますが、これは主として、当第3四半期中に株式会社富士通システムズ・イースト、株式会社富士通システムズ・ウエスト及び株式会社富士通ミッションクリティカルシステムズを当社に吸収合併したことに伴い、テクノロジーソリューションのセグメントの従業員数が増加したことによるものです。

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