有価証券報告書-第107期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
(1) 対処すべき課題
平成26年度の世界経済は、地政学的リスクや米国の金融緩和縮小の影響、日本の消費税増税などの不安要因があるものの、欧米経済の回復進展や新興国の成長に加え、日本では設備投資や公共投資が高水準とみられることなどから、全体としては緩やかな成長が見込まれます。
こうしたなか、当社は平成26年度を、中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」の2年目として「CV2015達成への基盤を固める」年、そして「平成30(2018)年の『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」年と位置づけ、これまでの取り組みをさらに進化させてまいります。
「CV2015達成への基盤を固める」につきましては、「事業部基軸の経営」により、事業構造改革を完遂すると同時に、各事業部の「営業利益率5%以上」の達成に向けた変革を加速してまいります。
事業構造改革は、平成25年度に主要事業課題への対策の手を打ち終えるため、前倒しで取り組んでまいりました。これに対し平成26年度は将来に向け、強い事業体になるための改革を進めてまいります。
また、経営の基軸として平成25年度より49事業部でスタートした「事業部制」につきましては、1つひとつの事業の将来性をしっかりと見極めつつ、課題事業においては必要な対策を行ってきた結果、平成26年度は43事業部でスタートいたします。各事業部が、事業の立地を変える「転地」などの取り組みを通じて変化、進化を続け、収益性を高めてまいります。
「『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」につきましては、平成30(2018)年の売上高として、家電事業、住宅関連事業、車載事業でそれぞれ2兆円、BtoBソリューション事業で2.5兆円、デバイス事業で1.5兆円と、これら5つの事業領域において、非連続な施策も含め、収益を伴った成長を目指します。そしてこれらを合計した「売上高10兆円規模」を目指す姿として取り組んでまいります。
①家電事業:
アプライアンス社とAVCネットワークス社の家電事業を一元化いたします。これにより、アプライアンス社が持つ世界各地域におけるお客様の生活への適応力や、AVCネットワークス社が持つグローバル推進力やデジタル技術といった、両社の強みを結集し、掛け合わせることで、競争力のある新たな家電事業を創り出してまいります。
②住宅関連事業:
日本では、成長が見込まれるリフォーム市場へ攻勢をかけてまいります。全国のショウルームをリフォーム対応に刷新し、新たなお客様の獲得を目指すとともに、平成25年度に設立したパナホーム リフォーム㈱なども通じ、施主様への直接提案を強化してまいります。また海外につきましても、トルコの電設資材製造会社、ヴィコ エレクトリック㈱の買収で獲得した販路を活用し、トルコ、CIS、中近東などで住宅関連事業の拡大を図ってまいります。
③車載事業:
車載電池では、米国電気自動車メーカー向けの円筒形リチウムイオン電池に加え、角形リチウムイオン電池などでも機を逃さない投資を行い、積極的に事業を拡大してまいります。インフォテインメント分野においても、当社が持つ最先端のデジタルAV・IT技術を投入したヘッドアップディスプレイやコックピットシステムなどで他社との差別化を図ってまいります。
④BtoBソリューション事業:
大きな成長が期待できる業界に焦点を当て、アビオニクスのように開製販一体となってお客様に向き合う事業や、各地域にエンジニアリング会社を設置し、地域ごと、お客様ごとに、あらゆる商材を組み合わせ、最適なソリューションを提供できるような事業を新たに生み出してまいります。
⑤デバイス事業(車載向け除く):
これまでに培った幅広い事業領域でのソリューション提案力をもとに、エナジーデバイスを中心とするコア技術の強みを活かして、小型化・集積化、モジュール化・システム化が求められる産業分野を重点的に攻略し、事業を拡大してまいります。
平成30(2018)年「売上高10兆円規模」の実現に向け、これまでの「事業軸中心」の経営に、お客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、さらに進化させてまいります。具体的には、5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、どの領域に経営資源を集中していくのかを明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。特に成長余力が大きい海外戦略地域市場の攻略に向けては、平成26年4月より「戦略地域事業推進本部」を設置し、「脱・日本依存」でこの市場の成長を取り込んでまいります。
平成26年度は、中期経営計画「CV2015」と、平成30(2018)年に目指す姿を見据えつつ、「成長力あふれる、新しいパナソニック」をつくる、その基盤を固める年として、グループ全体で攻勢を強めてまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、お客様一人ひとりに対して「いいくらし」を提案し拡げていくなかで、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、大規模な買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主全体の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。当社は、そのような場合には、当社株主全体の正当な利益を保護するために相当かつ適切な対応をとることが必要であると考えております。
②基本方針の実現のための具体的な取り組み
(a)基本方針の実現に資する特別な取り組み
従来からの、お客様のくらしに寄り添う「家電のDNA」を継承しながら、様々なパートナーと共に、お客様の「いいくらし」を追求し拡げていく、こうした姿の実現を目指して、平成25年度から新たな中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」をスタートさせております。「CV2015」では、一刻も早く赤字事業を無くし、同時にしっかり将来を見据えて、当社が力強く進んでいける道筋をつけるよう取り組んでおります。具体的には「赤字事業の止血」「財務体質改善」「脱・自前主義による成長・効率化」「お客様からの逆算による成長戦略」を重点施策として位置づけ、お客様とより深くつながり、より大きな価値が提供できる姿を目指しております。
平成25年4月より、事業部制・カンパニー制を導入し、「事業軸」を中心とした経営を進めておりますが、さらにお客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、進化させてまいります。具体的には「家電」「住宅関連」「車載」「BtoBソリューション」「デバイス」の5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、経営資源を集中すべき領域を明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。
特に、成長余力の大きい海外戦略地域市場を攻略するため、平成26年4月に「戦略地域事業推進本部」を設置いたしました。このように、グループの体制をさらに進化させながら、引き続きスピードを上げて「CV2015」に取り組んでまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組み
当社は、平成17年4月28日開催の取締役会において、当社株式の大規模な買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)の設定を内容とする対応方針(以下、「ESVプラン」)を決定しました。その後、毎年(平成25年は5月10日)の取締役会においてESVプランの継続を決定し、さらに、平成26年4月開催の取締役会においてもESVプランの継続を決議しました。
大規模買付ルールの内容は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」)を行おうとする者に対して、買付行為の前に、(ⅰ)大規模買付者の概要、大規模買付行為の目的および内容、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画などの情報提供と、(ⅱ)当社取締役会による適切な評価期間(60日または90日)の確保を要請するものです。当社取締役会は、提供されたこれらの情報をもとに、株主全体の利益の観点から評価・検討を行い、取締役会としての意見を慎重にとりまとめたうえで開示します。また、当社株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報を提供し、必要に応じて大規模買付者との大規模買付行為に関する条件改善の交渉や、株主の皆様への代替案の提示を行ってまいります。
大規模買付ルールが順守されない場合には、株主全体の利益の保護を目的として、株式の分割、新株予約権の発行(新株予約権無償割当てを含む)など、会社法その他の法律および当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。このルールが順守されている場合は、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかでない限り、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為に対抗するための措置をとろうとするものではありません。
対抗措置の発動は、当社取締役会の決定によりますが、その決定に際しては、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、社外取締役や監査役の意見も十分尊重するものとします。
上記の対抗措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主全体の利益の観点から株主の皆様の意思を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。当社取締役会が具体的対抗措置として一定の基準日現在の株主に対し株式の分割を行う場合の分割比率は、株式の分割1回につき当社株式1株を最大5株にする範囲で決定することとします。また、具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合は、一定の基準日現在の株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てます。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。なお、新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定の株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件や、当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を設けることがあります。
対抗措置の発動によって、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、大規模買付者を除く当社株主の皆様が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
当社は、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任される体制にあります。当社取締役会は、引き続き、法令改正の動向などを踏まえ、当社株主全体の利益の観点から、ESVプランを随時見直してまいります。
ESVプランの詳細については、平成26年4月28日付「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針について(買収防衛策)-ESV(Enhancement of Shareholder Value)プランの概要-」として公表しています。このプレスリリースの全文については、当社ホームページ
(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/04/jn140428-4/jn140428-4.pdf)
をご参照ください。
③具体的な取り組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画は、当社の企業価値を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものです。また、ESVプランは、株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。
したがって、これらの取り組みは、いずれも①の基本方針に沿い、当社株主全体の利益に合致するものであり、当社取締役・監査役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(参考)
株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要
1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件
取締役会で定め公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てます。なお、株主割当てにより募集新株予約権を発行する方法による場合と、新株予約権無償割当ての方法による場合とがあります。
2.新株予約権の目的である株式の種類及び数
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。
3.発行する新株予約権の総数
新株予約権の発行総数は、50億個を上限として、取締役会が定める数とします。取締役会は、発行する新株予約権の総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の発行を行うことがあります。
4.募集新株予約権を発行する方法による場合の募集新株予約権の払込金額
金銭の払込みを要しません。
5.新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とします。
6.新株予約権の譲渡制限
譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとします。
7.新株予約権の行使条件
大規模買付者を含む特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがあります。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとします。
8.新株予約権の行使期間等
新株予約権の行使期間、取得条件その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとします。なお、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがあります。
平成26年度の世界経済は、地政学的リスクや米国の金融緩和縮小の影響、日本の消費税増税などの不安要因があるものの、欧米経済の回復進展や新興国の成長に加え、日本では設備投資や公共投資が高水準とみられることなどから、全体としては緩やかな成長が見込まれます。
こうしたなか、当社は平成26年度を、中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」の2年目として「CV2015達成への基盤を固める」年、そして「平成30(2018)年の『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」年と位置づけ、これまでの取り組みをさらに進化させてまいります。
「CV2015達成への基盤を固める」につきましては、「事業部基軸の経営」により、事業構造改革を完遂すると同時に、各事業部の「営業利益率5%以上」の達成に向けた変革を加速してまいります。
事業構造改革は、平成25年度に主要事業課題への対策の手を打ち終えるため、前倒しで取り組んでまいりました。これに対し平成26年度は将来に向け、強い事業体になるための改革を進めてまいります。
また、経営の基軸として平成25年度より49事業部でスタートした「事業部制」につきましては、1つひとつの事業の将来性をしっかりと見極めつつ、課題事業においては必要な対策を行ってきた結果、平成26年度は43事業部でスタートいたします。各事業部が、事業の立地を変える「転地」などの取り組みを通じて変化、進化を続け、収益性を高めてまいります。
「『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」につきましては、平成30(2018)年の売上高として、家電事業、住宅関連事業、車載事業でそれぞれ2兆円、BtoBソリューション事業で2.5兆円、デバイス事業で1.5兆円と、これら5つの事業領域において、非連続な施策も含め、収益を伴った成長を目指します。そしてこれらを合計した「売上高10兆円規模」を目指す姿として取り組んでまいります。
①家電事業:
アプライアンス社とAVCネットワークス社の家電事業を一元化いたします。これにより、アプライアンス社が持つ世界各地域におけるお客様の生活への適応力や、AVCネットワークス社が持つグローバル推進力やデジタル技術といった、両社の強みを結集し、掛け合わせることで、競争力のある新たな家電事業を創り出してまいります。
②住宅関連事業:
日本では、成長が見込まれるリフォーム市場へ攻勢をかけてまいります。全国のショウルームをリフォーム対応に刷新し、新たなお客様の獲得を目指すとともに、平成25年度に設立したパナホーム リフォーム㈱なども通じ、施主様への直接提案を強化してまいります。また海外につきましても、トルコの電設資材製造会社、ヴィコ エレクトリック㈱の買収で獲得した販路を活用し、トルコ、CIS、中近東などで住宅関連事業の拡大を図ってまいります。
③車載事業:
車載電池では、米国電気自動車メーカー向けの円筒形リチウムイオン電池に加え、角形リチウムイオン電池などでも機を逃さない投資を行い、積極的に事業を拡大してまいります。インフォテインメント分野においても、当社が持つ最先端のデジタルAV・IT技術を投入したヘッドアップディスプレイやコックピットシステムなどで他社との差別化を図ってまいります。
④BtoBソリューション事業:
大きな成長が期待できる業界に焦点を当て、アビオニクスのように開製販一体となってお客様に向き合う事業や、各地域にエンジニアリング会社を設置し、地域ごと、お客様ごとに、あらゆる商材を組み合わせ、最適なソリューションを提供できるような事業を新たに生み出してまいります。
⑤デバイス事業(車載向け除く):
これまでに培った幅広い事業領域でのソリューション提案力をもとに、エナジーデバイスを中心とするコア技術の強みを活かして、小型化・集積化、モジュール化・システム化が求められる産業分野を重点的に攻略し、事業を拡大してまいります。
平成30(2018)年「売上高10兆円規模」の実現に向け、これまでの「事業軸中心」の経営に、お客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、さらに進化させてまいります。具体的には、5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、どの領域に経営資源を集中していくのかを明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。特に成長余力が大きい海外戦略地域市場の攻略に向けては、平成26年4月より「戦略地域事業推進本部」を設置し、「脱・日本依存」でこの市場の成長を取り込んでまいります。
平成26年度は、中期経営計画「CV2015」と、平成30(2018)年に目指す姿を見据えつつ、「成長力あふれる、新しいパナソニック」をつくる、その基盤を固める年として、グループ全体で攻勢を強めてまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、お客様一人ひとりに対して「いいくらし」を提案し拡げていくなかで、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、大規模な買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主全体の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。当社は、そのような場合には、当社株主全体の正当な利益を保護するために相当かつ適切な対応をとることが必要であると考えております。
②基本方針の実現のための具体的な取り組み
(a)基本方針の実現に資する特別な取り組み
従来からの、お客様のくらしに寄り添う「家電のDNA」を継承しながら、様々なパートナーと共に、お客様の「いいくらし」を追求し拡げていく、こうした姿の実現を目指して、平成25年度から新たな中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」をスタートさせております。「CV2015」では、一刻も早く赤字事業を無くし、同時にしっかり将来を見据えて、当社が力強く進んでいける道筋をつけるよう取り組んでおります。具体的には「赤字事業の止血」「財務体質改善」「脱・自前主義による成長・効率化」「お客様からの逆算による成長戦略」を重点施策として位置づけ、お客様とより深くつながり、より大きな価値が提供できる姿を目指しております。
平成25年4月より、事業部制・カンパニー制を導入し、「事業軸」を中心とした経営を進めておりますが、さらにお客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、進化させてまいります。具体的には「家電」「住宅関連」「車載」「BtoBソリューション」「デバイス」の5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、経営資源を集中すべき領域を明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。
特に、成長余力の大きい海外戦略地域市場を攻略するため、平成26年4月に「戦略地域事業推進本部」を設置いたしました。このように、グループの体制をさらに進化させながら、引き続きスピードを上げて「CV2015」に取り組んでまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組み
当社は、平成17年4月28日開催の取締役会において、当社株式の大規模な買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)の設定を内容とする対応方針(以下、「ESVプラン」)を決定しました。その後、毎年(平成25年は5月10日)の取締役会においてESVプランの継続を決定し、さらに、平成26年4月開催の取締役会においてもESVプランの継続を決議しました。
大規模買付ルールの内容は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」)を行おうとする者に対して、買付行為の前に、(ⅰ)大規模買付者の概要、大規模買付行為の目的および内容、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画などの情報提供と、(ⅱ)当社取締役会による適切な評価期間(60日または90日)の確保を要請するものです。当社取締役会は、提供されたこれらの情報をもとに、株主全体の利益の観点から評価・検討を行い、取締役会としての意見を慎重にとりまとめたうえで開示します。また、当社株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報を提供し、必要に応じて大規模買付者との大規模買付行為に関する条件改善の交渉や、株主の皆様への代替案の提示を行ってまいります。
大規模買付ルールが順守されない場合には、株主全体の利益の保護を目的として、株式の分割、新株予約権の発行(新株予約権無償割当てを含む)など、会社法その他の法律および当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。このルールが順守されている場合は、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかでない限り、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為に対抗するための措置をとろうとするものではありません。
対抗措置の発動は、当社取締役会の決定によりますが、その決定に際しては、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、社外取締役や監査役の意見も十分尊重するものとします。
上記の対抗措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主全体の利益の観点から株主の皆様の意思を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。当社取締役会が具体的対抗措置として一定の基準日現在の株主に対し株式の分割を行う場合の分割比率は、株式の分割1回につき当社株式1株を最大5株にする範囲で決定することとします。また、具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合は、一定の基準日現在の株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てます。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。なお、新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定の株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件や、当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を設けることがあります。
対抗措置の発動によって、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、大規模買付者を除く当社株主の皆様が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
当社は、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任される体制にあります。当社取締役会は、引き続き、法令改正の動向などを踏まえ、当社株主全体の利益の観点から、ESVプランを随時見直してまいります。
ESVプランの詳細については、平成26年4月28日付「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針について(買収防衛策)-ESV(Enhancement of Shareholder Value)プランの概要-」として公表しています。このプレスリリースの全文については、当社ホームページ
(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/04/jn140428-4/jn140428-4.pdf)
をご参照ください。
③具体的な取り組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画は、当社の企業価値を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものです。また、ESVプランは、株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。
したがって、これらの取り組みは、いずれも①の基本方針に沿い、当社株主全体の利益に合致するものであり、当社取締役・監査役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(参考)
株主割当てにより新株予約権を発行する場合の概要
1.新株予約権付与の対象となる株主及びその発行条件
取締役会で定め公告する基準日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有株式(ただし、当社の有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新株予約権を割当てます。なお、株主割当てにより募集新株予約権を発行する方法による場合と、新株予約権無償割当ての方法による場合とがあります。
2.新株予約権の目的である株式の種類及び数
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。
3.発行する新株予約権の総数
新株予約権の発行総数は、50億個を上限として、取締役会が定める数とします。取締役会は、発行する新株予約権の総数がこの上限を超えない範囲で複数回にわたり新株予約権の発行を行うことがあります。
4.募集新株予約権を発行する方法による場合の募集新株予約権の払込金額
金銭の払込みを要しません。
5.新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
各新株予約権の行使に際して出資される財産の価額は1円以上で取締役会が定める額とします。
6.新株予約権の譲渡制限
譲渡による新株予約権の取得については、取締役会の承認を要することとします。
7.新株予約権の行使条件
大規模買付者を含む特定株主グループに属する者(当社の株券等を取得または保有することが当社株主全体の利益に反しないと当社取締役会が認めたものを除く。)等に行使を認めないこと等を新株予約権行使の条件として定めることがあります。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとします。
8.新株予約権の行使期間等
新株予約権の行使期間、取得条件その他必要な事項については、取締役会にて別途定めるものとします。なお、上記7.の行使条件のため新株予約権の行使が認められない者以外の者が有する新株予約権を当社が取得し、新株予約権1個につき1株を交付することができる旨の条項を定めることがあります。