有価証券報告書-第99期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 15:06
【資料】
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【項目】
114項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当社グループの財政状態、経営成績については以下の通り分析しております。
なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
経営成績に関する分析を示すと、次の通りであります。
①売上高及び営業損益
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ48億4百万円(△3.0%)減の1,559億19百万円となりました。これは主として、半導体デバイス事業の売上が中国市場の低迷などにより減少したことや携帯電話基地局に関連した設備投資縮小の影響を受けてPS事業の売上が減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度の売上原価は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度に比べ17億21百万円(△1.5%)減の1,151億13百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度に比べ1.1ポイント悪化し、73.8%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ13億13百万円(4.0%)増の340億3百万円となりました。これは主として、人件費、減価償却費及び梱包発送費の増加によるものであります。売上高販管費比率は前連結会計年度に比べ1.5ポイント悪化して21.8%となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ43億96百万円減の68億3百万円となりました。
なお、セグメント別の状況につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載の通りであります。
②為替変動の影響
当社グループの海外売上高は957億66百万円で、連結売上高総額の約61.4%を占めており、そのほとんどを米ドル建で取引しております。また、主要な在外連結子会社の財務諸表は米ドル建で作成されております。このため、為替相場の変動は、円高が売上減少、円安が売上増加の方向に影響する傾向があります。
一方、原価面でみますと、ほぼ同じ外貨ボリュームがあることから、売上高への影響額は利益段階では縮小することになります。
③営業外損益及び経常損益
当連結会計年度の営業外損益は、前連結会計年度に比べ21億46百万円損失(純額)が増加し、30億11百万円の損失(純額)となりました。これは主として、当期に為替差損の発生及び製品補償費が増加したことなどによるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ65億42百万円減の37億91百万円となりました。
④特別損益
当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度に比べ29億64百万円損失(純額)が増加し、17億23百万円の損失(純額)となりました。これは主として、前期に固定資産売却益及び投資有価証券売却益を計上したこと、並びに当期に事業構造改革費用及び薬液異常対策損失を計上したことなどによるものであります。
⑤親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ77億70百万円減の1億71百万円となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループにおきましては、為替変動に加え、世界的な市況、価格競争の激化、新製品の開発・投入及びその成否、他社との提携等の成否、特許・使用許諾・その他の知的財産権、特定顧客への依存、法的規制、災害などが経営成績に重要な影響を与える要因と認識しております。
(4) 戦略的現状と見通し
当社グループでは、平成27年4月から向こう3ヶ年に亘る中期経営計画(以下、「15中計」といいます。)を策定しております。15中計では、12中計で定めた内容と精神を踏襲し、事業ドメインを「Power Electronics」と定めており、この分野におきまして、エコ・省エネ技術(Eco-Solutions)を武器に、グローバルに市場を拡大(Expansion)し、開発・生産・販売・人材の各要素を進化(Evolution)させ、一段上の企業像(Next Stage)を目指すべく、スローガンにつきましては、「Power Electronics for Next "E" Stage」と定めております。本計画の基本方針は、以下の通りです。
①真のグローバル企業への転換による企業体質の変革
②エコ・省エネ、グリーンエネルギー市場を核とした成長戦略の実現
③技術マーケティングの強化と効率的な開発マネジメントの実現による新製品開発の促進
④革新的ものづくりの追求とグローバル販売体制の強化による競争力の向上
⑤グループリソースの最大活用と財務体質の強化
次期につきましては、不安定要素は払拭できないものの、世界経済は緩やかに拡大基調で推移するものと見込まれます。当社製品が関連する市場では、自動車や白物家電向け製品を中心に、需要は底堅く推移すると想定されます。こうした状況下、当社では、「2015年中期経営計画」に則り、業績向上と財務体質の強化に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。
(5) 財政状態の分析
①資産の部
当連結会計年度末の資産合計額は、前連結会計年度末に比べ85億55百万円減の1,847億11百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が34億89百万円、有形固定資産が37億80百万円減少したことなどによるものです。
②負債の部
当連結会計年度末の負債合計額は、前連結会計年度末に比べ5億6百万円増の1,307億51百万円となりました。これは主に、1年内償還予定の社債が218億円、社債が41億円、長期借入金が50億円増加し、支払手形及び買掛金が47億89百万円、短期借入金が59億35百万円、コマーシャル・ペーパーが185億円減少したことなどによるものです。
③純資産の部
当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末に比べ90億61百万円減の539億59百万円となりました。これは主に、為替換算調整勘定が40億89百万円、退職給付に係る調整累計額が41億9百万円減少したことなどによるものです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
当社グループの資金状況は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」では、税金等調整前当期純利益の減少、及び仕入債務の減少などにより、前連結会計年度に比べ21億74百万円少ない77億99百万円の収入となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」では、有形固定資産の取得の減少などにより、前連結会計年度に比べ28億89百万円少ない113億44百万円の支出となりました。「財務活動によるキャッシュ・フロー」では、社債発行に伴いコマーシャル・ペーパーの償還及び社債の償還を行ったことなどにより、前連結会計年度に比べ6億47百万円少ない50億44百万円の収入となりました。これにより、当連結会計年度末における有利子負債残高は942億89百万円となり、有利子負債依存度は51.0%となりました。これらの活動の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ4億21百万円増の176億46百万円となりました。
②財務政策
当社グループの資金調達の手段は、社債の発行、コマーシャル・ペーパーの発行、コミットメントライン契約、銀行借入などでありますが、平成28年3月31日現在の残高は、短期借入金206億35百万円、コマーシャル・ペーパー40億円、社債559億円、長期借入金125億円となっております。当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達は内部資金によることを基本としておりますが、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、未使用のコマーシャル・ペーパー発行枠260億円、当座貸越未実行分191億円及びコミットメントライン契約128億円などにより調達可能と考えております。