四半期報告書-第98期第3四半期(平成26年10月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/02/12 16:29
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32項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における世界経済の動向をみると、欧州では消費者物価の下落など景気停滞の兆候が見られたものの、米国では堅調な個人消費が牽引する形で景気拡大が続いたこと、また中国経済が成長速度を緩めつつも堅調に推移したことなどから、当社製品が関連する市場では需要は緩やかな拡大傾向で推移いたしました。また日本では消費税増税の先送りが決定されるなど、国内景気の停滞感も見られました。こうした状況下、当社は、2014年度の基本方針である「売上規模拡大」と「海外展開加速」に則り、既存製品の横展開や海外市場の新規開拓に注力してまいりました。その結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、半導体デバイス製品の販売が自動車向けや白物家電向けを中心に好調に推移したことや、PS製品の売上が国内通信関係設備投資の拡大に伴い増加したことなどから、売上高では1,158億80百万円となり、前年同四半期に比べ121億53百万円(11.7%)増加いたしました。利益面では、製品ミックスの改善や生産量の増加に伴う利益率の向上、固定費抑制の継続、更にはTV向けボードビジネス終息に伴う在庫評価損を前期は計上したものの今期は発生がないことなどから、営業利益が71億74百万円と、前年同四半期比31億71百万円(79.2%)の増加、経常利益が70億31百万円と、前年同四半期比35億28百万円(100.7%)の増加となり、それぞれ前年同四半期比で大幅な増益となりました。最終利益につきましても、前期計上した米国子会社での税効果が当期は発生しなかったことから対前年同期比では大きく伸びなかったものの、四半期純利益で49億32百万円と、前年同四半期比12億11百万円(32.6%)の増加となりました。
事業セグメント別の概況につきましては、次の通りです。
半導体デバイス事業では、TV・オーディオ向け製品の販売は減少しましたが、自動車市場では米国を中心とした販売台数増加や世界的な電装化進展により車載向け製品の販売は堅調に推移しました。また、海外・国内の市場に向けたエアコンや冷蔵庫、洗濯機など白物家電に向けたインバータIC製品の販売が大きく伸長いたしました。これらの結果、当事業の連結売上高は917億70百万円と、前年同四半期比100億60百万円(12.3%)増加し、連結営業利益につきましては86億86百万円と、前年同四半期比15億96百万円(22.5%)の増益となりました。
PM事業では、アダプター製品の売上は前年比で微増となりましたが、その一方でオーディオ向け製品の売上は伸び悩み、更には複写機や産業機械向け製品の売上が低迷したことから、当事業の連結売上高は112億42百万円と、前年同四半期比6億44百万円(5.4%)減少いたしました。損益面については、前期に計上したTV向けボードビジネス終息に伴う在庫評価損の計上が終了し損失額を大幅に縮小したものの、連結営業損失5億34百万円(前年同四半期 営業損失11億39百万円)を計上することとなりました。
PS事業では、民需向け製品の伸び悩みはありましたが、通信設備向け電源製品の販売が大幅に増加したほか、官公庁向け製品が売り上げを伸ばしたことから、売上は好調に推移いたしました。当事業の連結売上高は128億68百万円と、前年同四半期比28億66百万円(28.7%)増加し、連結営業利益は7億17百万円と、前年同四半期比4億35百万円(154.5%)の大幅増となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産の部は、1,870億72百万円となり、前連結会計年度末より223億9百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が17億85百万円、棚卸資産が84億45百万円、有形固定資産が95億25百万円、ソフトウエアが11億26百万円増加したことなどによるものであります。
負債の部は、1,261億80百万円となり、前連結会計年度末より105億26百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が34億47百万円、借入金が17億58百万円、コマーシャル・ペーパーが30億円増加したことなどによるものであります。
純資産の部は、608億91百万円となり、前連結会計年度末より117億82百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が47億66百万円、為替換算調整勘定が77億57百万円増加したことなどによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社では、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次の通り定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次の通りです。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
上場会社である当社の株式については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められているため、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思により決定されるべきであり、当社株式に対する大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するかどうかの判断も、最終的には当該株式を保有する株主の皆様の意思によるべきものと考えます。
しかしながら、当社及び当社グループの経営にあたっては、独自のウエーハプロセスや半導体デバイスの製造技術、また回路技術を駆使した電源システムとオプティカルデバイスの組み合わせなど、幅広いノウハウと豊富な経験が必要になります。更に、お客様・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらへの理解が無い場合、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできず、当社の企業価値及び株主共同の利益が著しく損なわれる可能性があります。
また、大規模な買付行為の中には、高値で株式を会社関係者に引き取らせる行為など、株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合もあります。この様な場合、当社は当該大規模買付行為の是非に関し、株主の皆様に適切にご判断いただくため、大規模買付行為を行おうとする者に対し、必要な情報の提供を求めるとともに、適切な情報開示や株主の皆様が検討に必要とする時間確保にも努め、また、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講ずるべきと考えております(以下「基本方針」といいます。)。
② 基本方針実現のための企業価値向上に向けた取組み
当社では、経営理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境調和への着実な対応を通じて、企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進しております。更に、中長期的な会社の経営戦略として、3ヶ年にわたる中期経営計画を策定しており、その実現に向け、グループを挙げて取組んでおります。
また、当社では、独立系パワー半導体メーカーというポジションと、それを最大限活用する経営方針・経営計画へのご理解を深めて頂くため、各ステークホルダーとの対話を緊密化させ、企業価値への適正な評価が得られるように努めております。
コーポレート・ガバナンス体制の強化としては、独立社外取締役の選任により取締役会の監督機能を強化するとともに、執行役員制度を通じ機動的な業務執行体制の構築、マネジメント機能の強化を推進しております。加えて、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の実現と、事業年度における取締役の経営責任の明確化を図るため、取締役の任期を1年としております。
当社取締役会は、これら取組みが、当社の企業価値を向上させるとともに、当社株主共同の利益を著しく損なうような大規模買付行為の可能性を低減させると考えております。従って、これら取組みは基本方針に沿ったものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えております。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は120億24百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完成したものは次のとおりであります。
会社名
事業所名
所在地セグメントの名称設備の内容完了年月
石川サンケン株式会社
志賀工場
石川県志賀町半導体
デバイス
製造設備平成26年10月
石川サンケン株式会社
志賀工場
石川県志賀町半導体
デバイス
製造設備平成26年11月
山形サンケン株式会社山形県東根市半導体
デバイス
製造設備平成26年10月
アレグロ
マイクロシステムズ
エルエルシー
米国
マサチューセッツ州
ウースター他
半導体
デバイス
製造設備平成26年10月