四半期報告書-第100期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

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2016/11/14 9:06
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国では景気の底堅い拡大が継続し、欧州においても個人消費が増加するなどの好材料が見られました。また、日本経済においても、雇用者所得が緩やかながらも増加し、個人消費マインドに持ち直しの動きが見られる等、緩やかな回復が続きました。その一方で、中国では依然として景気回復に力強さを欠いたまま推移し、全体としては、一部弱含みはありながらも、緩やかな回復基調が継続いたしました。
こうした中、当社では「成長市場への注力」及び「財務体質強化」を基本方針に、製品構成の転換を図り収益力向上に努めるとともに、棚卸資産の削減に取り組んでまいりました。当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、自動車向け製品や白物家電向け製品の売上は増加いたしましたが、PS事業の販売が低調に推移したことなどから、売上高は760億55百万円と、前年同四半期に比べ12億73百万円(1.6%)減少いたしました。利益面では、期中の為替レートが円高で推移したことなどにより、営業利益は21億61百万円と、前年同四半期比7億76百万円(26.4%)減少し、経常利益は14億25百万円と、前年同四半期比1億円(6.6%)減少いたしました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失は72百万円(前年同四半期 親会社株主に帰属する四半期純利益1億9百万円)を計上することとなりました。
事業セグメント別の概況につきましては、次の通りです。
半導体デバイス事業では、自動車向け製品及びエアコンや洗濯機等の白物家電向け製品の販売は増加しましたが、円高の影響を受け、当事業の連結売上高は626億45百万円と、前年同四半期比2億22百万円(0.4%)減少いたしました。売上高減少により、連結営業利益につきましては43億76百万円となり、前年同四半期と比較し40百万円(0.9%)の減少となりました。
PM事業では、注力している自動車向け製品の販売は拡大いたしましたが、多機能プリンター向け製品及びオーディオ向け製品の販売が減少したことなどから、当事業の連結売上高は81億99百万円と、前年同四半期比で1億47百万円(1.8%)減少いたしました。損益面につきましても、市場ポートフォリオの転換並びに固定費低減活動を柱とする構造改革が推進途上にあることから、連結営業損失3億23百万円(前年同四半期 営業損失3億74百万円)を計上することとなりました。
PS事業では、通信市場向け製品において、携帯電話基地局向け製品が引き続き弱含みで推移したことに加え、新エネルギー市場向け製品の販売が低調に推移した結果、当事業の連結売上高は52億10百万円と、前年同四半期比9億3百万円(14.8%)減少し、連結営業損失3億88百万円(前年同四半期 営業利益2億37百万円)を計上することとなりました。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における資産の部は、1,710億8百万円となり、前連結会計年度末より137億3百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産が52億53百万円、棚卸資産が37億18百万円、受取手形及び売掛金が20億45百万円減少したことなどによるものであります。
負債の部は、1,226億63百万円となり、前連結会計年度末より80億88百万円減少いたしました。これは主に、コマーシャル・ペーパーが20億円、短期借入金が18億39百万円、退職給付に係る負債が12億2百万円減少したことなどによるものであります。
純資産の部は、483億45百万円となり、前連結会計年度末より56億14百万円減少いたしました。これは主に、為替換算調整勘定が59億36百万円減少し、退職給付に係る調整累計額が4億65百万円増加したことなどによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、174億27百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億18百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、92億5百万円のプラスとなり、前年同四半期連結累計期間に比べ94億15百万円の収入増となりました。これは主に、棚卸資産の減少による収入の増加並びに仕入債務の増加による支出の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、49億20百万円のマイナスとなり、前年同四半期連結累計期間に比べ30億67百万円の支出減となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出の減少によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、31億98百万円のマイナスとなり、前年同四半期連結累計期間に比べ91億18百万円の支出増となりました。これは主に、社債の償還による支出の増加によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社では、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次の通り定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次の通りです。
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
上場会社である当社の株式については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められているため、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思により決定されるべきであり、当社株式に対する大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するかどうかの判断も、最終的には当該株式を保有する株主の皆様の意思によるべきものと考えます。
しかしながら、当社及び当社グループの経営にあたっては、独自のウエーハプロセスや半導体デバイスの製造技術、また回路技術を駆使した電源システムとオプティカルデバイスの組み合わせなど、幅広いノウハウと豊富な経験が必要になります。更に、お客様・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらへの理解が無い場合、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできず、当社の企業価値及び株主共同の利益が著しく損なわれる可能性があります。
また、大規模な買付行為の中には、高値で株式を会社関係者に引き取らせる行為など、株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合もあります。この様な場合、当社は当該大規模買付行為の是非に関し、株主の皆様に適切にご判断いただくため、大規模買付行為を行おうとする者に対し、必要な情報の提供を求めるとともに、適切な情報開示や株主の皆様が検討に必要とする時間確保にも努め、また、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講ずるべきと考えております(以下「基本方針」といいます。)。
②基本方針実現のための企業価値向上に向けた取組み
当社では、経営理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境調和への着実な対応を通じて、企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進しております。更に、中長期的な会社の経営戦略として、3ヶ年にわたる中期経営計画を策定しており、その実現に向け、グループを挙げて取組んでおります。
また、当社では、独立系パワー半導体メーカーというポジションと、それを最大限活用する経営方針・経営計画へのご理解を深めて頂くため、各ステークホルダーとの対話を緊密化させ、企業価値への適正な評価が得られるように努めております。
コーポレート・ガバナンス体制の強化としては、独立社外取締役の選任により取締役会の監督機能を強化するとともに、執行役員制度を通じ機動的な業務執行体制の構築、マネジメント機能の強化を推進しております。加えて、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の実現と、事業年度における取締役の経営責任の明確化を図るため、取締役の任期を1年としております。
当社取締役会は、これら取組みが、当社の企業価値を向上させるとともに、当社株主共同の利益を著しく損なう様な大規模買付行為の可能性を低減させると考えております。従って、これら取組みは基本方針に沿ったものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えております。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は77億14百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。