四半期報告書-第101期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/13 15:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
30項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における経済環境は、米国並びに欧州において景気が引き続き堅調に推移するとともに、中国においても政策による安定成長が継続しました。日本経済においては、堅調な輸出や設備投資の増加に加え、個人消費が持ち直すなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。こうした中、当社は、今年度の基本方針として「成長市場への注力」及び「財務体質の強化」の2つを掲げ、グローバルに拡大するエコ・省エネ市場における新製品の拡販に努めるとともに、収益構造の抜本的な改善に取り組んでまいりました。特に、諸外国における白物家電製品の省エネ化進展、自動車市場における電装化の拡大や自動運転の進化などの成長機会を新製品投入により捕捉し売上拡大を図るとともに、従来からの経営課題であったPM事業の撤退、半導体デバイス事業における不採算製品の終息、本社固定費の削減などの構造改革を実行してまいりました。
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、半導体デバイス事業で中国エアコンメーカー向けならびに韓国の洗濯機冷蔵庫メーカー向けの白物家電用ICおよびトランスミッションやパワー・ステアリング向けの自動車用ICやセンサー製品が好調に推移したことを受け、売上高は1,302億42百万円と、前年同四半期に比べ161億56百万円(14.2%)増加いたしました。損益面につきましては、売上高の増加に加え、円安傾向で推移した為替の影響もあり、営業利益は85億91百万円と、前年同四半期比54億48百万円(173.4%)増加し、経常利益は88億93百万円と、前年同四半期比65億44百万円(278.6%)増加いたしました。しかしながら、構造改革諸施策の実行に伴う特別損失165億73百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する四半期純損失は109億97百万円(前年同四半期 親会社株主に帰属する四半期純利益51百万円)となりました。
事業セグメント別の概況につきましては、次の通りです。なお、第1四半期連結会計期間より、従来の「PM事業」と「PS事業」を統合して「パワーシステム事業」とし、報告セグメントを「半導体デバイス事業」と「パワーシステム事業」の2セグメントに変更しております。以下のセグメント別業績の前期比較につきましては、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
半導体デバイス事業では、白物家電向け製品において引き続き販売が好調に推移したことに加え、自動車向け製品の販売も堅調に推移したことなどから、当事業の連結売上高は1,078億63百万円と、前年同四半期比139億19百万円(14.8%)増加いたしました。損益面につきましても売上高の増加に伴い、連結営業利益107億72百万円と、前年同四半期比44億9百万円(69.3%)増加いたしました。
パワーシステム事業では、採算の厳しいテレビ向けおよび小型プリンター向けアダプターをはじめとするAV・OA市場向け製品について、販売を抑制したことにより売上減となりましたが、通信市場におきまして携帯電話基地局向け製品が回復したことなどから、当事業の連結売上高は223億78百万円と、前年同四半期比22億37百万円(11.1%)増加いたしました。損益面につきましては、低採算製品の売上が減少した結果、連結営業損失26百万円(前年同四半期 連結営業損失10億21百万円)となり、事業損益が改善いたしました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産の部は、1,906億34百万円となり、前連結会計年度末より79億34百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が107億82百万円、有形固定資産が39億93百万円増加し、棚卸資産が103億98百万円減少したことなどによるものであります。
負債の部は、1,149億42百万円となり、前連結会計年度末より130億21百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金が152億54百万円、コマーシャル・ペーパーが70億円減少し、長期借入金が61億円、支払手形及び買掛金が24億59百万円増加したことなどによるものであります。
純資産の部は、756億92百万円となり、前連結会計年度末より209億55百万円増加いたしました。これは主に、非支配株主持分が166億20百万円、資本剰余金が156億73百万円増加し、利益剰余金が117億88百万円減少したことなどによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社では、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次の通り定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次の通りです。
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
上場会社である当社の株式については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められているため、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思により決定されるべきであり、当社株式に対する大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するかどうかの判断も、最終的には当該株式を保有する株主の皆様の意思によるべきものと考えます。
しかしながら、当社及び当社グループの経営にあたっては、独自のウエーハプロセスや半導体デバイスの製造技術、また回路技術を駆使した電源システムとオプティカルデバイスの組み合わせなど、幅広いノウハウと豊富な経験が必要になります。更に、お客様・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらへの理解が無い場合、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできず、当社の企業価値及び株主共同の利益が著しく損なわれる可能性があります。
また、大規模な買付行為の中には、高値で株式を会社関係者に引き取らせる行為など、株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合もあります。この様な場合、当社は当該大規模買付行為の是非に関し、株主の皆様に適切にご判断いただくため、大規模買付行為を行おうとする者に対し、必要な情報の提供を求めるとともに、適切な情報開示や株主の皆様が検討に必要とする時間確保にも努め、また、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講ずるべきと考えております(以下「基本方針」といいます。)。
② 基本方針実現のための企業価値向上に向けた取組み
当社では、経営理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境調和への着実な対応を通じて、企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進しております。更に、中長期的な会社の経営戦略として、3ヶ年にわたる中期経営計画を策定しており、その実現に向け、グループを挙げて取組んでおります。
また、当社では、独立系パワー半導体メーカーというポジションと、それを最大限活用する経営方針・経営計画へのご理解を深めて頂くため、各ステークホルダーとの対話を緊密化させ、企業価値への適正な評価が得られるように努めております。
コーポレート・ガバナンス体制の強化としては、独立社外取締役の選任により取締役会の監督機能を強化するとともに、執行役員制度を通じ機動的な業務執行体制の構築、マネジメント機能の強化を推進しております。加えて、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の実現と、事業年度における取締役の経営責任の明確化を図るため、取締役の任期を1年としております。
当社取締役会は、これら取組みが、当社の企業価値を向上させるとともに、当社株主共同の利益を著しく損なう様な大規模買付行為の可能性を低減させると考えております。従って、これら取組みは基本方針に沿ったものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えております。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は133億10百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。